リョウさんの出番が終わり、次に出てきたのは虹夏さん
今回の結束バンドのメンバーの中では、唯一楽器を持たずに歌唱する
流石に、ツインドラムするほどのスペースは無かったから……
「さてと、リョウからは散々な言われようですけど、私たち結束バンドは下北沢一エモエモなロックバンドです! 気になった方は是非足を運んでみてくださいね!」
虹夏さん、まさかの自虐ネタ!?
いや、これはこれでありか
「それじゃあ曲の方いきますね、何が悪い。」
虹夏さんの楽曲名は何が悪い
他のメンバーに比べると、明るさを前面に出し、歪みも抑えてある
『鳴り止まなくてなにが悪い、青春でなにが悪い〜♪ Wow Oh Wow Oh Yeah Yeah〜♪ Wow Oh Wow Oh〜♪』
曲調は1番ゆっくりだけど、虹夏さんの強い想いをこめた歌詞
本人は歌が下手だって言ってたけど、凄く上手いと思う
『ねぇ どうして止まらない、止めらんないリズムが身体の中響いている〜♪ イヤフォンから流れるメロディだけが僕を僕でいさせてくれた〜♪ 赤色に染まる空、僕の心は何色なんだろう〜♪おしえて、僕は何処へ向かえばいい? ずっと探していた〜♪ 大切な何かを(ほら!)伝えなきゃなんだ〜♪』
ここからは僕のギターソロ
その時、颯太!!と呼ぶ声が聞こえた
声の正体は虹夏さん
虹夏さんはウインクしながら、僕に合図を出してくれたのだった
『たとえば人と違う夢描くこと〜♪ 君と喧嘩したこと〜♪ 全ては最高のプレゼント〜♪ 大人になった僕へのプレゼント〜♪ ねぇ そう信じてんだ なにが悪い〜♪おしえて、僕は何処へ向かえばいい? 心は透明だ! 大切はここにある(ほら!) 心臓がうるさく僕に伝えんだ〜♪「行こうぜ ずっと先へ 」(先へ)〜♪ 惨めな夜もバカ笑いも、あのね、その後が言えた日の笑顔も〜♪(あいむ あらいぶ なう いぇすぷりんぐたいむ おぶ らいふ)鳴り止まなくてなにが悪い、青春でなにが悪い〜♪ Wow Oh Wow Oh Yeah Yeah〜♪ Wow Oh Wow Oh〜♪』
最後は虹夏さんとコーラスが会場を包み込み、曲は終了した
「トリを飾るのは我らが結束バンドのリードギター、ぼっちちゃんこと後藤ひとりちゃんです!! それではお楽しみに〜!!」
虹夏さんは客席に手を振りながら、ステージ脇にはけていった
よく見ると、ガチガチに緊張しているひとりさんを勇気づけているところのようだ
そして、ひとりさんがやってきたのはいいんだけど……
「あ、後藤ひとりです、それじゃあ最後の曲いきます……」
か、顔が死んでる〜……!!
よし、ここは緊張をほぐせそうな……
「ひとりさん、一回深呼吸してみて。」
「は、はい!」
僕の助言通り、ひとりさんは深呼吸をした
少し顔色がいつもみたいに戻ったかも
そして、僕はイントロを弾き始める
最後の曲はカバー曲になってしまったんだけど、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの転がる岩 君に朝が降るだ
『出来れば世界を僕は塗り変えたい〜♪ 戦争をなくすような大逸れたことじゃない〜♪だけどちょっとそれもあるよな〜♪ 俳優や映画スターには成れない、それどころか君の前でさえも上手に笑えない〜♪ そんな僕に術はないよな〜♪嗚呼…何を間違った? それさえもわからないんだ、ローリング ローリング〜♪ 初めから持ってないのに胸が痛んだ〜♪ 僕らはきっとこの先も心絡まってローリング ローリング〜♪ 凍てつく地面を転がるように走り出した〜♪』
良かった、ひとりさんちゃんと歌えてる
次は僕の番だ!
今回、ひとりさんもソロを一緒に弾いてくれて、歓声が上がった気がした
『赤い小さな車は君を乗せて〜♪ 遠く向こうの角を曲がって〜♪ 此処からは見えなくなった〜♪ 何をなくした? それさえもわからないんだローリング ローリング〜♪ 初めから持ってないのに胸が痛んだ〜♪僕らはきっとこの先も心絡まってローリング ローリング〜♪ 凍てつく世界を転がるように走り出した〜♪』
ひとりさんが顔を上げると、会場からは大きな拍手が送られていた
あれ? 拍手が鳴り止まないぞ……?
これは、もしかして……
「アンコールだね。」
「いや〜大体予想はしてたけど、時間って大丈夫なのかな?」
すると、ステージ脇から虹夏さんたちが出てきた
そして、ステージの直ぐそばに居た先生がOKサインを出してる
ちなみにあれ、僕の担任の先生です……
「ならさ、颯太くんが結束バンド用に書き下ろしてくれたあの曲やっちゃう!?」
「え、あの曲ですか!? で、でもツーフェスの皆さんに楽譜渡してませんし……」
「それなら、私から預けておいた。」
「ほ、本当ですか!?」
いつの間にか他のバンドに楽譜が出回ってしまったのかは後で聞くとして、今はこのアンコールを乗り切らなくちゃ……!
「アンコールありがとうございます、最後はこの曲を結束バンド全員で歌います!」
「あ、私は演奏に専念させて頂きますので……」
「ぼっちちゃんも歌うんだよ!?」
「早くやろう、お客さんが待ってる。」
「そ、そうですね!それじゃあラストの曲、青春コンプレックス!!」
アンコールとして歌うのは、青春コンプレックス
この曲を作るに至っては、全員が作詞や作曲を手伝ってくれた
メンバー全員をイメージして作ってはあったけど、今回の文化祭ライブでは披露しない予定の楽曲だったんだけど、思わぬ形で披露されることになったね
『暗く狭いのが好きだった、深く被るフードの中、無情な世界を恨んだ目は、どうしようもなく愛を欲してた〜♪ 雨に濡れるのが好きだった、曇った顔が似合うから、嵐に怯えてるフリをして、空が割れるのを待っていたんだ〜♪ かき鳴らせ光のファズで〜♪ 雷鳴を轟かせたいんだ〜♪ 打ち鳴らせ 痛みの先へ〜♪ どうしよう!大暴走獰猛な鼓動を〜♪』
ここで、僕とひとりさんのギターソロが披露される
ソロは、作曲担当のリョウさんとひとりさんで考えたフレーズ
いいね、弾き心地最高だよ!
『私 俯いてばかりだ、それでいい 猫背のまま 虎になりたいから〜♪ かき鳴らせ〜♪ 光のファズで雷鳴を 轟かせたいんだ〜♪ 打ち鳴らせ 痛みの先へ〜♪ さあ いこう 大暴走獰猛な鼓動を〜♪ 衝動的感情吠えてみろ!かき鳴らせ 〜♪雷鳴を〜♪ Uh Uh...』
そしてラストのソロを弾き通し、アンコールの曲は終了したのだった
後に、このライブは色々と伝説になり、クラスメイトから質問攻めにあうことになるのは、また別のお話
遅くなりました
ライブの感じは、結束バンド彗星をイメージしてます
次回は個別回の予定です
それでは!!