一月ほど空いてしまいましたが、ここからオリ主との個別回を描いていこうと思います
まずはリョウ編です、どうぞ!!
※リョウ視点
「あれ?」
聞き覚えのあるギターの音とあの弾き方
それは、私が初めて見た時から忘れない、結束バンドのマネージャーの颯太だった
今日は久しぶりに路上ライブをしようかと思って来たけど、颯太が先客としてギターを弾いてた
「あ、リョウさんこんにちは!」
「颯太は路上ライブしてるの?」
「はい、初めてやってみたんですけど、どうですかね……?」
「良いと思う、颯太のギターは本当にカッコいいから。」
これは本音
颯太のギターは本当に引き込まれる音色で、マネージャーとして入ってくれた時も結束バンドを支えてくれた
そしていつからか、私は颯太を一人の異性として好きになっていた
「颯太、私もやる、ベース持ってきてるから。」
「軽いセッションでいいですか? じゃあいきますよ!」
颯太のいつもより荒っぽい音に、私がベースの低音で支えていく
さっきよりもお客さんが立ち止まって、私たちの演奏を聴いてくれている
そして軽いセッションが終わると、小さな拍手が起こった
「颯太、ナイスギターだったよ。」
「リョウさんも、ベースありがとうございます!」
眩しい笑顔を返される
郁代みたいな陽キャ全開のオーラじゃなく、ただ無邪気な笑顔を向けられているような気がして、思わずドキッとした
「リョウさん、お昼どこで食べるか決まってます?」
「私は近くのカフェでカレー食べようかと思ってる、颯太も来る?」
「いいんですか!? じゃあ一緒に食べたいです!」
「一緒に……////」
一緒に……と、純粋な表情で言われちゃうのだから照れる
あ、でもお金が……いや、今日は大丈夫だ
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やって来たのは、下北沢にあるカフェ
前にぼっちと一緒に来た場所だ
「結構、オシャレなお店ですね。」
「うん、このお店の雰囲気は私好き。」
「何食べようかな……あ、パンケーキとか美味しそう!」
「私はカレーで。」
注文を済ませた私たちは、自然とバンドの話に花を咲かせていく
「今思えば、STARRYでたまたまトイレ借りようとして開けたドアが、結束バンドの楽屋だったんですよね。」
「あの時は、ぼっちもマンゴー仮面だった時だからね。」
「あれからもう半年も経つんですね、その後喜多さんが入って、虹夏さんと店長が喧嘩しちゃったり、オーディション受けたり……」
さっきから思ってることだけど、颯太は一向に私の話をしてくれない
思い返してみると、私はあんまり颯太と関わったことが虹夏たちに比べたら少ない気がしてきた
「颯太、私との……」
「お待たせしました、パンケーキです。」
「ありがとうございます!」
「……」
私が話しかけようとしたら、店員さんが颯太の頼んだパンケーキを配膳してきた
悪気は無かったのだろうけど、少しタイミングを合わせてほしかったと私はムスっとする
「リョウさん、どうかしたんですか?」
「……何でもない。」
「……リョウさん、僕のパンケーキ少し食べますか?」
「え、いいの?」
「だってリョウさん、さっきからお腹鳴ってたから……」
「あっ……////」
驚いたことに、颯太は私にパンケーキを分けてくれるみたいだ
お腹が鳴ったのは、普段から金遣いが荒い私の責任なのだが……
「じゃあ、どうぞ。」
「えっ……////」
なんと颯太はパンケーキをフォークで刺したまま、私の口に近づけてきた
これじゃ、颯太が私に食べさせてるみたいになっちゃうじゃん……////
「もしかしてリョウさん、パンケーキ苦手だったりしますか?」
「そんなことないよ、いただきます……////」
パンケーキはほんのりと甘く、とても美味しかった
こんな美味しいメニューがあったんだ……今度頼んでみようかな
「この前はありがとうございました、僕の文化祭発表に出てくれて。」
「結束バンド以外でステージに立ったの久々だったから、良い刺激になったよ。」
私は虹夏ほどじゃないけど、歌に自信がなかったわけじゃない
ベースボーカルは難しいから、実際やってる人を見たことはあまりなかった
でも、その時颯太が……
「このパンケーキ美味しいですね! もうちょっと蜂蜜があってもいいかも……?」
私は、あることに気づいてしまった
颯太は、さっき私が口にしたフォークでパンケーキを食べている
本人は自覚がないんだろうけど……これじゃ完全に間接キスじゃん……////
「お待たせしました、欧風カレーです。」
「あ、ありがとうございます。」
私が頼んだのは、いつも食べてる欧風カレー
辛さとスパイスの具合が絶妙で、初めて食べた時から強く印象に残っている
「そのカレー、良い匂いですね。」
「颯太も食べてみる?」
「いいんですか!? じゃあ……!」
「私が食べさせてあげる。」
私はカレーをスプーンで掬うと、颯太の口元に近づけた
「リョ、リョウさん……これはちょっと……////」
「何で? さっき颯太も私にしてくれたじゃん。」
「さっき……? あっ……////」
やっぱり、気づいてなかったんだ
純情だね、颯太は
「ご、ごめんなさい! リョウさんのこと何も考えないで……!」
「大丈夫、それよりこれ食べてよ。」
「た、食べるんですか!?////」
「だって、颯太が食べたいって言ったんだよ?」
「うぅ……////」
さっき私にしたことを思い出しているのか、颯太は今までに見たことがないくらい顔を真っ赤にした
こんな颯太、虹夏たちは見たことないよね
「じゃあ、いただきます……////」
颯太はパクッと、カレーを口に運ぶ
「お、美味しいです……////」
「よ、よかった……////」
何だかイケないことをしてるみたいで、お互い気まずい空気になってしまった
「そろそろ出ませんか? 食べ終わったので……」
「そうだね、じゃあ支払いを……」
「あれ? リョウさん、お金持ってきてたんですか?」
「そりゃお店に来てるんだもん、持ってくるに決まってるじゃん。」
「今日は僕も一緒だったから、てっきりお金払わされるものかと……」
前ぼっちと来た時は、お金払わせちゃったからね
颯太はマネージャーとしてお金とかの管理を任せてるから、せめて颯太が居る時はお金は自分で払おうと決めている
虹夏とかの場合は……ちょっと厳しいかもしれない……
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「じゃあ僕こっちなんで。」
「うん、今日は楽しかったね。」
少し日が暮れてきた
お昼を食べたのが遅かったから、そりゃ当たり前なんだけど
「今度はリョウさんと、もっと路上ライブをしたいです! また行きましょう!」
「うん、颯太のギター、楽しみにしてる。」
颯太はこっちに手を振りながら帰っていく
ふと、よく分からない喪失感が込み上げてきた
「待って!」
「リョウさん、どうしま……」
私は何も言わず、颯太に抱きついた
颯太はびっくりした表情で、私を見つめる
「ど、どうしたんですか!?」
「もっと聴いてたくて……颯太の音を……////」
私は颯太の胸板に、顔を埋める
ドクンドクンと、颯太の鼓動が聴こえてくる
私は顔を見上げると、颯太は顔を赤くして視線を逸らしていた
これは、私に抱きつかれてドキドキしてるって証拠なのかな……?////
「リョ、リョウさん! 周りに人居るから……!////」
「そうだね、あんまりイチャつくと人目についちゃう。」
「どうしてこんなこと……?////」
「それは……////」
ここから先の言葉は出てこなかった
私が好きなのは颯太が奏でるギターの音だけじゃない、君の全てが好きなんだって
でも、それを伝えるのはもう少し後にしよう
だって今の私と颯太は、同じバンドのベーシストとマネージャーの関係なんだから
リョウは個人的に惚れた人には尽くしてそうなイメージがありそうなので、このような形で描かせていただきました
こんな感じで他の3人も描いていきます
そして、先日の声優アワードにて結束バンドが歌唱賞を受賞しましたね、おめでとう御座います!!
次回は喜多さん編の予定です、お楽しみに!!