今回は喜多さん編です
それではどうぞ!!
※喜多視点
今日は結束バンドの練習も無く、一日オフ
けれどライブを来週に控えているから、個人練習も欠かせない
私は歌うだけでなく、ギターを弾きながらの為、尚更難易度が高い
どうしても上手く弾けない部分があって、ひとりちゃんに相談しようと思ったけど、わざわざ私の練習を見るために電車で2時間もかけて来てもらうのは気が引ける
そこで、私が頼んだ人は……!
「お待たせ喜多さん、待った!?」
「私も今来たところよ!」
「それじゃあ、早速練習を始めようか。」
結束バンドのマネージャーである、岡沢颯太くん
マネージャーという立場だけど、ギターの腕は超一流で、ひとりちゃんと良い勝負ってくらい上手い
「ここの部分が中々弾けないのよね、どうすれば……」
「一回弾いてもらえるかな?」
「う、うん!」
シャラーン……
う〜ん、やっぱりダメね……
ここの運指は複雑で、歌のメロディーとは違うから、余計弾きにくいのよね
「これは繰り返し練習すれば出来るようになるよ! 諦めずに頑張ろう!」
颯太くんの眩しい笑顔に、私は鼓舞される
彼は最近ひとりちゃんと一緒にギターを丁寧に教えてくれるようになった
優しくて、ギターを弾く姿もカッコよくて……そしていつの日か彼を目で追うようになっていた
ドラマとかで見たことがあるけど、やっぱりこれって……////
「喜多さん、大丈夫?」
「だ、大丈夫! 少し考え事してたみたい。」
「ギターは最初苦労したよ、全然弾けなかったもん。」
「颯太くんは、いつからギターやってるの?」
「ギターを始めたのは小学生の時、お兄ちゃんが使ってたのを弾いたのが最初だったんだ、それからお兄ちゃんはギターじゃなく歌うことがメインになっていって、ギター弾かなくなっちゃったんだよね。」
「颯太くんって、お兄さんが居たのね。」
「うん、今はソロのボーカリストとして頑張ってるんだ、このギターはお兄ちゃんから譲り受けたお下がりなんだよね。」
颯太くんのギターは赤くてボディの形が少し変わったギターだった
リョウ先輩曰く、変形ギターとまではいかないらしい
「……喜多さん、指見せてもらえる?」
「え? いいけど。」
颯太くんは、私の指をまじまじと見つめる
あんまり見られると、恥ずかしい……////
「喜多さんの左手、前よりも指の皮が硬くなってる、練習してる証拠だね。」
「……いつもありがとね、ギター弾けない私に教えてくれて。」
「喜多さんは下手じゃない、もう立派なギターボーカルだよ!」
「っ……!!////」バッ!!
「き、喜多さん!?」
ど、どうしよう!? 嬉しさのあまり抱きついちゃった……////
びっくりしてるから、離れた方がいいのかな……?////
「喜多さん、凄い良い匂い……」
「え、颯太くん!?////」
「あ、いや! そういう変な意味じゃなくて……!!////」
ふ〜ん、匂いか……
颯太くんって、もしかして匂いフェチ……?
「もっと私の匂い、嗅いでたい?」
「さ、さすがに悪いよ……////」
「ふふっ。」
私は抱きしめる力を強め、更に身体を密着させる
颯太くんの心音を直に感じる、かなりドキドキしてるのね
「き、喜多さんはどうしたい……?////」
「え?」
「だ、だから、喜多さんはこの後どうしたいかなって聞いてるんだけど……////」
え……!? それってもしかしてでもなく、そういうこと!?////
さ、さすがに気が早すぎるんじゃないかしら……!?////
「そ、それはまだ先延ばしにしておきたいかな……//// ほ、ほら! まだ私たちって付き合ってるわけじゃないし!」
「付き合ってるって……何が?」
「えっ?」
「僕は、喜多さんとライブを見に行きたいなって思ったんだけど……」
「ら、ライブ……?」
そういえば、さっき颯太くんはこの後どうしたいかって聞いてきた
え、さっきのってライブの誘いの話だったの!?
「で、どうかな……?」
「ご、ごめん、私、とんでもない勘違いを……////」
「勘違い?」
「あ、ライブだっけ!? せっかくだから一緒に行きましょう!」
「本当に!? やった!」
颯太くん、凄く喜んでる
私と行けるのが、そんなに嬉しかったのかしら?
そういえば、伊知地先輩とかは誘ってないのかな?
「颯太くん、他には誰か誘ってないの?」
「喜多さんだけだよ、練習終わりで疲れてるかもしれないけど、見てほしい演奏があるんだ。」
「そうなのね、颯太くんは辛くないの?」
「僕は平気だよ、結束バンドのマネージャーとして居られるだけでも幸せだし!」
颯太くんは、そう笑顔を返してくれた
私は彼の笑顔を見る度に、心が跳ね上がるような感覚に襲われる
やっぱりこれって……//// そういうことよね……?////
「それと……さっきは突然抱きついたりしちゃってごめんね?」
「だ、大丈夫……//// 僕が言うとあんまり説得力ないかもしれないけどさ、男の人にはあんまりああいうのはやらない方がいいよ、世の中には悪い大人もいっぱいいるから……////」
「そ、そうだよね、気をつける……////」
「あ、着いた、ここだよ!」
ここは初めて来る場所だ
STARRYとは違って、少し趣のあるライブハウス
レトロな看板があったりしてて、いかにもロックな感じだった
「じゃ、入ろうか。」
「う、うん。」
私は颯太くんの手に引かれ、そのライブハウスへと入る
内装はとても落ち着いてて、喫茶店みたいな雰囲気だ
「颯太、来たね!」
「淳! 皆は居る?」
「皆はまだ楽屋だよ! あ、喜多さんも来てたんだ!」
颯太くんは、メンバーの人たちに挨拶をしに楽屋へ入って行った
この人は確か、前にSTARRYのオーディションで会ったツーフェスのベースの夕日くんだ
リョウ先輩とはベース仲間だって、颯太くんから聞いたことがある
「今日はスペシャルゲストが演奏に出てくれんだ、喜多さんも楽しみに待っててね!」
「う、うん。」
ゲストって誰だろう?
颯太くんは知ってるのかな?
それから数分後、ライブハウスはお客さんでいっぱいになった
「楽しみだね、喜多さん。」
「STARRYは立って観覧だけど、ここでは座って観るのね。」
座ってみるライブって、なんだかオシャレで新鮮な感じがする
しばらく待っていると、夕日くんたちがステージに立ち、演奏が始まった
「インストゥメンタルだっけ? ボーカルが居ないのって斬新よね!」
「歌が無い分、演奏でどれだけ魅せられるか……だよね。」
「ねぇ? ずっと気になってたんだけど、あれって颯太くんのギターよね?」
アンプ横のスタンドにかけられた赤いギター
同じ機種かと思ったけど、あの輝きは颯太くん以外のものとは考えにくかった
そんなことを考えていると、一曲目が終わる
「さぁ、ここで飛び入り参加したい人はいますか〜?」
夕日くんがそう呼びかけると、一人の青年が立ち上がる
それは颯太くんだった
「喜多さん、行こう!」
「え!? じゃあ、あれはやっぱり……!」
「あはは、気づいてた?」
さっき夕日くんが言っていたスペシャルゲストって、颯太くんのことだったのね
「はい、ギターどうぞ!」
「来たね〜!」
「今日は飛び入りしてやりたい曲があったんだ!」
「まぁ、事前に打ち合わせはしてたけどね。」
颯太くんは私の方を向くと、そっと笑顔を返してくれる
そして、ギターを持った彼はステージの下手に立つ
「それでは最後に、彼が所属してるバンドの曲をカバーしようと思います!」
「颯太くん、あの曲でいい?」
「あの曲……分かった!」
「聴いてください、結束バンドで【あのバンド】」
結束バンドの時とは違って、キーボードも入ったアレンジでの、あのバンド
颯太くんは手持ち無沙汰になっている私を気にしてくれたのか、演奏中も私の元に何度も駆け寄ってきてくれた
その後、STARRYで私を観た人たちからこの時のことについて問い詰められてしまうのは、また別のお話
昨日、アニメジャパンにてぼざろ劇場版総集編の情報が解禁されましたね!
新曲もカッコよかったです!
次回は虹夏編を予定しております、お楽しみに!!