結束バンドのマネージャーになった件   作:ローマン

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 こっちの作品ではお久しぶりですね

 それではどうぞ





バンドらしく

 

 

 

 ある雨の日のスタジオ……

 

 

 ジャラ〜ン♪ジャラン〜♪

 

 

 

喜多「……ダメね〜。」

 

颯太「でも、前より良くなってるよ。」

 

ひとり「一応、最後までは弾けて……」

 

喜多「そこなんだけどね! 考えてみたら、私ボーカルもやるわけじゃない? でも今は全神経ギターにいっちゃって歌どころじゃなくて……」

 

ひとり「な、なるほど……」

 

 

 

 確かに喜多さんは、ただギターを弾くわけではない

 

 ギターを弾きながら歌うのだ

 

 僕はギターボーカルをやったことがないから、アドバイスのしようがないんだけど、ギターを完璧に弾けるようにしておけば、ボーカルも兼任できるかもしれない

 

 

 

喜多「もういっそボーカルだけの方がバンドのためにとも思ったんだけど、でも間奏中とか何もやることなくて、私オロオロしちゃいそうで……」

 

 

 

 お兄ちゃんはバンドメンバーの肩掴んだり、名前呼んだりしてるけど、結束バンドは何かそのテイストとは違うよなぁ

 

 

 

喜多「だから……もっと頑張らないとね!」キターン!!

 

ひとり「うわぁ……! 目が……!」

 

颯太「ま、眩しい笑顔……!」

 

 

 

 ひとりさんから聞いてはいたが、喜多さんスマイルは陰キャの僕たちには眩しすぎた

 

 

 

喜多「そういえば、私がボーカルやっていいの? そうだ! 後藤さんも一緒に歌って!」

 

ひとり「へ!? む、む、む、無理です〜! 絶対〜!」

 

喜多「え? なん……」

 

ひとり「ムリムリムリムリ〜!!」

 

 

 

 ひとりさんは首を横に振りまくる

 

 相当、人前で歌うのは嫌なんだね

 

 

 

リョウ「いいねそれ、新しいギターパフォーマンス?」

 

颯太「あ、リョウさん。」

 

喜多「先輩これ好きですか? なら私も練習を……!」

 

虹夏「しなくていい、そんな練習。」

 

 

 

 遅れて、虹夏さんとリョウさんも到着した

 

 

 

虹夏「リョウも来たし、向こうに集合ね。」

 

 

 

 虹夏さんから話があるみたいだ

 

 ……なんかフリップみたいなの持ってるし

 

 

 

 

________________________________________________

 

 

 

 

虹夏「それではバンドミーティングを始めます!」

 

颯太「あ、ちょっといいですか?」

 

虹夏「ん? どうしたの?」

 

颯太「前も思ったんですけど、僕ここに居てもいいんですか? 一応もうお客さんじゃないし……」

 

虹夏「確かにそうなんだけど……颯太くんは結束バンドのマネージャーに任命します!」

 

颯太「マネージャー!?」

 

リョウ「サポートギターとかでもいいかも。」

 

 

 

 マネージャーってお金の管理とかするやつだよね!?

 

 僕、計算苦手だからそんなの出来ないよ!

 

 あと、サポートギターってリョウさん言うけど、結束バンドはガールズバンドだから!

 

 

 

虹夏「大丈夫だよ、慣れるまでは私たちがフォローするから!」

 

颯太「だ、大丈夫ですかね……?」

 

リョウ「困った時はお互い様。」

 

虹夏「じゃあマネージャー決定ね!」

 

 

 

 あぁ、多分ひとりさんもこうやって勧誘されたのかな

 

 それとリョウさんのセリフ、説得力無さすぎる……

 

 でもよくよく考えてみたら、バンドのサポートをしつつ、自分の組みたいバンドを探せるなんてチャンスじゃないか?

 

 これほど良い仕事はないかも

 

 

 

颯太「じゃあ、頑張らせてもらいます!」

 

喜多「ふふっ、頼もしいわね!」

 

リョウ「それで、虹夏は何を話したかったんだっけ?」

 

虹夏「あ〜、そうだった! 本日のお題はこちら!! ズバリ、より一層バンドらしくなるには!!」

 

ひとり&喜多&颯太「お〜……(ザックリしている…)」

 

虹夏「せっかくメンバーも集まったんだし、まずは4人で一層バンドらしくなっていきたいなと!」

 

喜多「あれ? 岡沢くんは入れないんですか?」

 

虹夏「颯太くんは裏方専門だから、私たちが意見を出して、それを颯太くんに手伝ってもらおうかなって!」

 

ひとり「な、なるほど……!」

 

 

 

 マネージャー初仕事は何なんだろうな〜?

 

 重労働なやつはやめてほしいけど……

 

 

 

虹夏「いや、練習あるのみなのは分かってるよ? だけどそればっかりじゃね、いろいろ話したりするのも大切だと思って!」

 

 

 

 たぶん、虹夏さんは喜多さんをリフレッシュさせるためにこういう話し合いの場を設けたのかもしれない

 

 だとしたら、なかなか思いやりのある人だな

 

 

 

虹夏「まずは形から入ってみるのもアリでしょ?」

 

喜多「ありですね! 流行りのメイクも真似する内に様になっていくというか!」

 

虹夏「そうそう!」

 

 

 

 め、メイクの感覚はちょっと分からないかな……

 

 

 

虹夏「というわけで……とりあえずバンドグッズ作ってきた!!」

 

ひとり「予想以上に形から入ってきた!?」

 

喜多「それ、ただ結束バンド巻いてるだけじゃ……?」

 

虹夏「え、可愛くない? 色んな色あるよ。」

 

 

 

 フムフム……普通の結束バンドだね

 

 

 

リョウ「物販で500円で売ろう、サイン付きは650円で……」

 

喜多「安い! 買います!」

 

 

 

 それじゃ、バンド内でお金回っちゃう……

 

 ま、喜多さんらしいけどね

 

 

 

虹夏「他にバンドらしいアイデアある人〜?」

 

喜多「もしイソスタとかやるなら私がやります!」

 

虹夏「いいね〜! SNS大臣に任命!」

 

喜多「その時が来たら、毎日更新しますね!」

 

虹夏「それから〜ファンクラブの設立?」

 

リョウ「年会費は1万円。」

 

 

 

 年会費高っ!?

 

 

 

リョウ「ファンクラブ会員特典として、握手会と年に一度のメンバーとのたこ焼きパーティーを。材料はファン持ちで……」

 

喜多「安い! 入ります!」

 

虹夏「喜多ちゃんも一応メンバーだからね?」

 

喜多「後藤さんは? 何かアイデアある?」

 

ひとり「え!?」

 

虹夏「あ〜、ぼっちちゃんは大丈夫、ぼっちちゃんにはオリジナルソングの作詞という重要任務があるから。」

 

ひとり「え……?」

 

虹夏「前に決めたじゃん! リョウが作曲、ぼっちちゃんが作詞って!」

 

 

 

 へぇ〜、リョウさん作曲出来るんだ

 

 しかもひとりさんは作詞も……凄いなぁ

 

 

 

喜多「後藤さん、凄い仕事任されててカッコいいわね!」

 

ひとり「か、カッコいい!? いや〜、作詞なんて朝飯前、ちょちょいのちょいですよ〜!」

 

喜多「後藤さん、すぐ調子乗っちゃうのね。」

 

 

 

 ひとりさんの褒められて嬉しいオーラが滲み出てる

 

 さっきリョウさんはひとりさんのバンドらしい歌詞って言葉に反応してたけど、何か引っかかったのかな?

 

 そうこうしてる内に、バンドミーティングは終了した

 

 

 

 

 

________________________________________________

 

 

 

 

 

颯太「はぁ……」

 

 

 

 今日はSTARRYでバイトの日だ

 

 僕には悩みがある、それは自分もバンドも組んでみたいと思っていることだ

 

 結束バンドはあくまでもマネージャーとしての参加だから、自分は表舞台に立つわけではない

 

 でもやっぱり、ステージに立ってギターを弾くのだってやってみたい気持ちもある

 

 

 

星歌「颯太、今日は話題のインストバンドが出るから勉強のために見とけ。」

 

颯太「は〜い。」

 

 

 

 インストバンドか

 

 そういえば、結束バンドの初ライブもインストだったな

 

 

 

颯太「あれ? 思ったよりお客さんいない……」

 

 

 

 話題のバンドと言っていたのに、それほどお客さんは集まっていない

 

 店長、間違えたのかな

 

 

 

星歌「お客さんが少ないから、大したバンドじゃないって思うだろ?」

 

颯太「店長!」

 

星歌「だが、あいつらの演奏は本物だ。」

 

颯太「え……?」

 

 

 

 そのバンドの名前はツーフェス

 

 ギター、ベース、ドラム、キーボードとシンプルな編成だ

 

 ベースの人が少しMCをしてから、演奏が始まる

 

 

 

 〜♪〜〜♪〜〜

 

 

 おおっ……!

 

 

 

 

星歌「どうだ?」

 

颯太「凄いです……!」

 

星歌「あれが知る人ぞ知る演奏だよ。」

 

 

 

 1人1人の音に特徴があって、それらが絶妙に絡み合って見事なハーモニーを生んでいる

 

 もっと評価されるべきバンドだな

 

 

 

颯太「あ、終わっちゃったみたいですね。」

 

星歌「気になるなら楽屋に挨拶してこいよ。」

 

颯太「え? 大丈夫なんですか?」

 

星歌「飲み物差し入れるついでに、ライブの感想言いに行けばいいだろ。」

 

 

 

 あ、そういうものなんだ

 

 なら、行ってこよう

 

 

 

颯太「よし……」

 

 

 

 うぅ、ドアの前まで来ると緊張する

 

 さっきまで演奏をしていた凄い人たちがこの奥にいるんだ

 

 結束バンドとの出会いも、こんな感じだったな

 

 

 

颯太「し、失礼します〜……」

 

?「お、ありがとね〜!」

 

 

 

 声をかけてくれたのは、さっきギターを弾いていた女の子だった

 

 

 

颯太「え〜っと……」

 

未来「あ、私たちの名前分からない? 私は田村未来、ツーフェスでギターを弾いてるよ!」

 

?「お、飲み物か? サンキュー!」

 

未来「こっちは山中翼、ドラム叩いてた子だよ!」

 

翼「おう、よろしくな!」

 

颯太「よろしくお願いします。」

 

 

 

 不思議だ

 

 あれだけの演奏技術と人柄があるのに、ひっそりとした人気がある

 

 実に不思議で面白そうなバンドだ

 

 僕もこんなバンドに入れたらいいな

 

 

 

未来「君は名前何て言うの?」

 

颯太「僕は岡沢颯太っていいます、ここでアルバイトしてるんです。」

 

未来「颯太くんか〜、いい名前だね!」

 

翼「あと、あっちにいる2人も紹介しとくな! あのキーボード片付けてるのが鏑木真奈、そしてその隣にいるのはベースの夕日淳だ、俺たちは皆高校1年だぜ。」

 

 

 

 なるほど、真奈さんと淳さんね

 

 ん? 高校1年生!?

 

 

 

颯太「え、僕も高校1年生です……」

 

未来「そうなの!? 私たち同級生じゃん!」

 

翼「もっとあっちで話そうぜ。」

 

颯太「あ、はい。」

 

 

 

 そして僕は、未来さんたちに連れられ、ツーフェスの人たちとお話しすることになった

 

 これ、ファンに見られたら怒られそうだな……

 

 

 

淳「へぇ〜、ここでバイトしてるんだ。」

 

颯太「はい、まぁ。」

 

真奈「別に同い年だからタメ口でもいいわよ?」

 

颯太「あ、じゃあ……皆は何年ぐらいバンドを組んでるの?」

 

未来「私と真奈は中2の頃からバンドに入って、もう2年になるかな〜。」

 

翼「俺と淳は小さい頃からの付き合いでな、もう10年以上は一緒にやってるぜ。」

 

淳「颯太はなんか楽器やってるの?」

 

颯太「僕は少しギター弾けるくらいだけど……」

 

未来「ちょっと弾いてみてよ!」

 

颯太「えっ!?」

 

 

 

 そ、そんなこと言われたって……

 

 バンドやってる人の前でやるなんて恐れ多いよ〜

 

 

 

颯太「あ、僕今日、ギター持ってないから……」

 

未来「私の貸すよ!」

 

 

 

 これ、弾かなきゃダメなやつだ……

 

 

 

颯太「よいしょっと!」

 

 

 

 未来さんが使っていたのはフライングVと呼ばれる変形ギター

 

 初めて持ったけど、凄い弾きにくそうだな

 

 でも、良い音出そう

 

 

 

颯太「〜♪」

 

淳「おぉ……!」

 

未来「凄い〜!」

 

 

 

 す、凄いだなんてそんな……

 

 結構無茶苦茶な感じで弾いちゃったけど

 

 

 

翼「颯太、めちゃくちゃ良いギター演奏じゃねぇか!」

 

颯太「そう?」

 

真奈「あなた、バンド組んだりしてないの?」

 

颯太「組みたいとは思ってるんだけど……なかなか出来る人が身の回りに居なくて…」

 

未来「いや、いるよ。」

 

颯太「え?」

 

 

 

 未来ちゃんは、僕の前に来てくるりと一回転した

 

 凄い綺麗なターンだな

 

 

 

未来「私たちだよ!」

 

 

 

 え……?

 

 ど、どういうこと!?

 

 

 

未来「私たちとバンドやろうよ!」

 

颯太「え、いや、でも……」

 

真奈「分かるわよ、いきなりで演奏出来るのかって。」

 

翼「でも、もっと自信持った方がいいぜ。」

 

淳「実はもう1人ギター弾ける人を探してて、君の実力なら入ってほしいなって思った。」

 

颯太「そ、そっか。」

 

 

 

 確かにこの人たちとなら、更に上の音楽を目指せると思う

 

 でも、そしたら結束バンドのマネージャーが疎かになってしまうのではないかと脳裏をよぎった

 

 そして僕の出した答えは……

 

 

 

颯太「ちょっと考えさせて……」

 

淳「分かった、じっくり考えてね。」

 

真奈「どんな結果でも、私たちは受け入れるわ。」

 

未来「君の答え、楽しみにしてるね!」

 

翼「それじゃ、バイト頑張れよ!」

 

颯太「あ、うん。」

 

 

 

 そしてツーフェスの皆は、楽屋を出ていった

 

 なんか、去り際も凄くカッコよかったなぁ

 

 そんな人たちと一緒にバンドか

 

 結束バンドのこともあるし、じっくり考えてみよう

 

 

 

 

 

 







 後半、オリ主に大きな転機が訪れました!!

 さぁ、颯太の決断はいかに!?

 次回もお楽しみに!!

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