結束バンドのマネージャーになった件   作:ローマン

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 遅かれながら、沢山の評価とお気に入り登録ありがとうございます!!

 





アー写撮影作戦

 

 

 

ひとり「ゆ、ゆ、ゆ、許してください……!!」

 

 

 

 とある日の休日

 

 僕たち結束バンドは、とあるものを手に入れるため下北沢駅に集まっていた

 

 しかし全員が揃った途端、先に着いていたであろうひとりさんが突然僕たちの前で土下座をし始めた

 

 

 

喜多「後藤さん!?」

 

颯太「ちょっ!? 顔上げてよ!」

 

虹夏「えぇ、どうしたの!?」

 

ひとり「調子に乗っておいて、全然歌詞書き上げてこない私を呼び出して吊し上げる会では……?」

 

虹夏「そんな外道なことしないよ。」

 

 

 

 こ、怖いこと考えるね、ひとりさん

 

 虹夏さんたちはそんな人たちじゃないよ

 

 

 

ひとり「じゃあ、今日集まったのは……」

 

虹夏「この前思いつかなかったけど、まだあったんだよ! バンドらしいこと。」

 

ひとり「え……?」

 

虹夏「アー写を撮ろう!」

 

ひとり「アー……?」

 

喜多「アーティスト写真のことよ!」

 

 

 

 アーティスト写真、略してアー写

 

 バンドを証明するための大事な写真である

 

 

 

虹夏「今ある結束バンドのアー写には、ぼっちちゃん写ってないしね。」

 

ひとり「い、今ある……?」

 

リョウ「見る? この前ライブ出るために撮った。」

 

喜多「うっ……!?」

 

 

 

 リョウさんが見せてくれた写真には、全力のポーズを決める虹夏さんとそっけない感じのリョウさん

 

 そして、合成写真の喜多さん

 

 

 

虹夏「ほら、喜多ちゃん逃げちゃったから……」

 

喜多「あの時は本当にごめんなさい!」

 

 

 

 言っちゃ悪いけど、凄い適当だな

 

 写真も理由も……

 

 

 

虹夏「というわけで、今日は天気も良いし、皆の予定も空いてたからアー写撮っちゃおうかなって。」

 

ひとり「そ、外でですか!?」

 

虹夏「スタジオで撮るのはお金かかるから無理。」

 

 

 

 なるほど、スタジオで撮るのはお金がかかるっと

 

 メモメモ……

 

 

 

虹夏「まぁ外じゃなくてSTARRYでも良いんだけど、アー写ってバンドの方向性とかメンバーの特徴を伝える大切なものだからさ。」

 

喜多「じゃあ気合い入れて撮らないとですね!」

 

虹夏「その通り! だからインパクトのある写真にしなきゃね!!」

 

颯太「分かりました!」

 

ひとり「覚悟決めます……!」

 

喜多「覚悟……?」

 

虹夏「それじゃあ、アー写撮影の旅に〜? レッツラゴー!!」

 

颯太「おー!」

 

 

 

 

________________________________________________

 

 

 

 

 そこから僕たちは、撮影に使えそうな場所を探した

 

 階段、植物、公園などなど……どれも虹夏さんのチョイスだ

 

 

 

虹夏「あとは良さげな壁とか!」

 

喜多「あ、ここどうですか!? たくさんポスター貼ってあって下北沢っぽいというか。」

 

リョウ「そこ、前までよく行ってたCDショップだった。」

 

虹夏「レコードショップもライブハウスもどんどん無くなるねぇ。」

 

リョウ「昔ながらの店がどんどん消えていく。」

 

喜多「あの、なんだかごめんなさい。」

 

 

 

 リョウさんが通いつめていたCDショップか……

 

 確かに、昔行ってた店がいきなり閉店してるの見ると、心にくるよね

 

 最近、レコード屋も見かけなくなっちゃったしなぁ

 

 

 

虹夏「リョウ、新しい本屋出来て喜んでたじゃん。」

 

リョウ「うん、B&C好き。」

 

虹夏「喜多ちゃん、リョウに振り回され過ぎないようにね、その場のノリで話してること9割だから。」

 

颯太「そ、そうなんですね……」

 

喜多「でも、先輩にならいくらでも振り回されたいです!」

 

虹夏「えぇ……」

 

ひとり「あ、あの、あっちに多分ですけど……良さげな感じの壁が……」

 

虹夏「おぉ! でかしたよ、ぼっちちゃん!」

 

 

 

 そして、ひとりさんが見つけたと言う良さげな壁をバックに写真撮影を始めていく

 

 ちなみに僕は撮影担当だ

 

 

 

颯太「それじゃあ、撮りますよ〜!」

 

 

 

 カシャ!!

 

 

 

虹夏「う〜ん……メンバーのキャラは出てるけど、いまいちバンド感が……バンドっぽい要素が欲しいなぁ。」

 

リョウ「バンドマンのお手本たる存在こと、私の表情を真似してみて。」

 

 

 

 め、目のハイライトが消えてる……!?

 

 

 

虹夏「ホントどこから来るの? その自信。」

 

喜多「でも先輩の言う通りにすれば間違いなんてないですよ! ね、後藤さん!」

 

ひとり「あ、はい……」

 

虹夏「イエスマンが2人か〜。」

 

颯太「とりあえず1回撮ってみましょう!」

 

 

 

 カシャ!!

 

 

 

 やっぱり怖い!!

 

 絶対辞めたほうがいいよ!!

 

 

 

虹夏「なんかお通夜みたい。」

 

ひとり「ですね……」

 

虹夏「にしても、喜多ちゃんはどの写真も可愛く写るね〜。」

 

喜多「あぁ、それはよくイソスタに写真上げるからかも。」

 

 

 

 喜多さん見せてくれたスマホには、友達との自撮りやカフェの写真などがアップされていた

 

 

 

ひとり「うゔっ!!」ドサッ

 

虹夏「ぼっちちゃんが瀕死状態に!?」

 

颯太「ひとりさん、どうしたの!?」

 

喜多「後藤さん、死なないで!!」

 

ひとり「私が……私が下北沢のツチノコです……」

 

喜多「後藤さんが変なこと言ってる〜!」

 

虹夏「いつもこんなんだよ。」

 

 

 

 何だ……!? 後藤さんがどんどん乱れた映像みたいになってる……!?

 

 ヤバっ、なんか気持ち悪い……

 

 とりあえずひとりさんを元の世界へ戻すか

 

 

 

颯太「ひとりさん〜!!」

 

虹夏「ぼっちちゃ〜ん!!」

 

喜多「SNSはもういいから戻ってきて〜!!」

 

ひとり「はっ……!」

 

颯太「あ、戻ってきた。」

 

虹夏「ぼっちちゃん大丈夫?」

 

ひとり「あ、はい。」

 

虹夏「じゃあ、アー写撮影再開ね!」

 

 

 

 ふぅ〜、ひとりさん、元に戻ってよかった

 

 さてと、良いアー写を撮るぞ〜!!

 

 

 

 

 

________________________________________________

 

 

 

 

 

虹夏「う〜ん……なかなか良いの決まらないね〜。」

 

喜多「あ、ジャンプとかどうですか?」

 

颯太「ジャンプってあのジャンプ?」

 

喜多「絵になるし、皆の素の感じが出ると思いますよ!」

 

虹夏「それ良いね〜! 喜多ちゃん採用!!」

 

リョウ「有識者が言っていた、オープニングでジャンプするアニメは神アニメだと!」

 

 

 

 そうなの!?

 

 確かに、最初の所でジャンプしてるアニメは面白いかも……!

 

 

 

リョウ「つまりアー写でジャンプすれば神バンドになるのでは!?」

 

虹夏「全然意味分からないんだけど……とりあえずやってみよー!」

 

颯太「じゃあ撮りますね〜、ジャンプですよ〜?」

 

ひとり「ジャ、ジャンプ……!?」

 

颯太「3…2…1…」カシャ

 

 

 

 僕はシャッターを切ったけど、良からぬ物が写っていることに気付く

 

 

 

虹夏「どう? 良い感じの撮れた〜?」

 

颯太「え? あ、まぁ……」

 

虹夏「どれどれ〜?」

 

リョウ「あ、ぼっちのパンツ……」

 

虹夏「とんでもないもの撮れちゃったな〜!」

 

ひとり「え!?////」

 

 

 

 ひとりさんは僕からカメラを取り上げ、撮った写真を確認する

 

 ヤバい、なんて説明すれば……

 

 

 

ひとり「無価値な物を映してすみません、消してください……」

 

虹夏「もっと可愛い反応を期待してたんだけど……」

 

ひとり(でも、岡沢くんには見られちゃったんだよね……//// 恥ずかしすぎる〜……!////)

 

颯太「じ、じゃあ、もう一回撮りますね!」

 

 

 

 その後、何回か撮り直し、虹夏さんに仮のアー写を見せると…

 

 

 

虹夏「うん、バンドらしくなってきた、人気バンドの道にまた一歩近づいたと思うよ!」

 

ひとり「は、はい!」

 

喜多「結束バンド、本格始動ですね!」

 

虹夏「よーし! 夏にライブ(未定)とデモCD配布(未定)して冬にファーストアルバムリリース(未定)下北沢発祥のエモエモなロックバンドになるぞ〜!」

 

喜多「確定情報が何ひとつ無いですね!」

 

 

 

 虹夏さん、仮の部分、多すぎ〜!!

 

 でも、叶うといいなぁ

 

 

 

虹夏「あはは、まだ曲も出来てないんだけどね、あれリョウは?」

 

喜多「気づいたらもう……」

 

颯太「さっきまでは居たんですけどね……」

 

虹夏「ホント、自由なんだから〜、じゃあ今日はありがとね、皆解散〜!」

 

 

 

 さてと、帰ったら新しい曲コピーしてみようかな

 

 あれ、そういえばひとりさん、歌詞大丈夫なんだろうか…?

 

 

 

 

 

 

________________________________________________

 

 

 

 

 〜ライブハウスSTARRY〜

 

 

 

 

喜多「ふぅ……」

 

颯太「良い調子だね、喜多さん!」

 

 

 

 僕は今、喜多さんにギターを教えている

 

 何やらひとりさんは、歌詞を今から書くそうで、僕が代わりに頼まれたのだ

 

 

 

喜多「ありがとう、私頑張るね!」

 

ひとり「あ、あの……」

 

 

 

 お? ひとりさんの声だ!

 

 

 

ひとり「歌詞出来たんですけど……ど、どうぞ……」

 

喜多「後藤さん、目のクマ大丈夫?」

 

颯太「寝てなかったの?」

 

ひとり「ここの所、作詞に夢中になってその……寝るの忘れたりして。」

 

虹夏「どれどれ、ぼっちちゃんの力作、拝見しましょ〜。」

 

颯太「どれどれ〜?」

 

ひとり「あの、暗すぎるかも……」

 

 

 

 僕はひとりさんの歌詞を見て思った

 

 確かにひとりさんの歌詞は暗い

 

 けど、その奥に秘めた何かは汲み取れる

 

 

 

リョウ「でもぼっちらしい、少ないかもしれないけど、誰かに深く刺さるんじゃないかな。」

 

ひとり「へへ…へへへへ……」

 

リョウ「フフッ……」

 

 

 

 お、なんか2人が笑い始めた

 

 音楽っぽく言うと、共鳴してるみたい

 

 

 

虹夏「でもこの歌詞本当に良いよ、ぼっちちゃん!」

 

颯太「特に、ここの歌詞がグッて来るなぁ!」

 

喜多「私もそこのフレーズ好きです!」

 

リョウ「私も。」

 

ひとり「へ、へへへ……!」

 

 

 

 ひとりさん、元気になって良かった

 

 これから先、こんな風に突き進む結束バンドが、もしかしたら見られなくなるんだもんなぁ……

 

 ちなみに、まだあの事は皆に話していない

 

 その時は……覚悟を決めなくちゃいけないんだな……

 

 

 

 

 

 







 あ、次回もよろしくお願いします



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