実に20日振りの投稿
今日で3月も終わりですね
ある日のSTARRY……
星歌「え〜、諸君!」
店長だ、どうしたんだろ?
なんか、手に封筒持ってるし
星歌「お待ちかねの給料だぞ!」
虹夏「やった〜!」
ひとり「やった……!」
遂に初の給料か!
何に使おうかな〜!
颯太「ひとりさんは何に使うつもりなの?」
ひとり「私は……新しいスコアとか漫画とか……あ、お母さんたちにケーキとかも……」
虹夏「せっかくのところ悪いんだけど、ライブ代徴収するね。」
あー! そーだったー!!
ひとり「……それでは聞いてください、さよなら諭吉。」
虹夏「ごめんって〜! 私だって心苦しいんだよ〜。」
ひとりさんはギターを手に、1万円を失った気持ちを弾き語りし始めた
あはは…、そりゃあ人と接するのが苦手なひとりさんの汗と涙の結晶がこんな形で徴収されちゃうんだもんね
バンドって厳しいね
まぁ、でもこれで結束バンドは活動出来るんだし、良かったのかもね
喜多「え〜!? アルバム作るのってそんなにかかるんですか!?」
虹夏「う〜ん……折角ならライブの物販で置いてみたいし、それにMVの撮影とかも結構お金かかるんだよ〜。」
喜多「じゃあ、夏休みはバイト増やさないとですね!」
虹夏「なら、皆で海の家とかで働いちゃう?」
颯太「ひとりさん……? スマホで何見てるの?」
ひとりさんは、青ざめた表情でスマホをポチポチやっている
なんか、そのサイト怪しくない!?
リョウ「ぼっち?」
ひとり「えっ、あ、やっ、ぎ、ギターを担保にすれば借りれるはずなので! ば、バイトを増やすのだけはどうか、海の家とか遊園地とかはどうか何卒〜……!」
リョウ「いや、曲作ってきたんだけど。」
ひとり「はい?」
リョウさんはスマホを取り出すと、作ってきた音源を聴かせてくれた
虹夏「……かなり良くない!?」
喜多「はい! とっても!」
リョウ「ぼっちの書いた歌詞見てたら浮かんできた。」
颯太「やったね、ひとりさん!」
リョウ「褒めて使わす。」ナデナデ
ひとり「へへへ〜……!」
喜多「せ、せ、先輩! 私だってこんなに…!」
虹夏「私の夢、叶っちゃうかもな……」
え……? 今なんて……?
虹夏「よし、じゃあお姉ちゃんに来月ライブ出来るよう頼んでくるね。」
喜多「え? まだ言ってなかったんですか?」
虹夏「大丈夫、こないだも直ぐに出してくれたし、ね? お姉ちゃん!」
星歌「あ? 出す気無いけど。」
4人「え……?」
虹夏「なんで? オリジナル曲も出来たのに。」
星歌「それはこっちに関係ない。」
バンドマンは売れるのが大変とは言うが、特に最初の方はとても大変だ
実力が無ければ、日を重ねるごとにバンドは分裂していってしまう
なんとも残酷だ
虹夏「あ、集客できなかった分のノルマならあるよ。」
星歌「お金の問題じゃなくて、実力の問題。」
虹夏「……この前は出してくれたじゃん。」
星歌「あれは思い出作りのためだったからな。」
虹夏「思い出作りって……」
星歌「普段はデモ音源とかの審査してるの知ってるだろ? 悪いけど5月のライブみたいなクオリティなら出せないから。」
虹夏「出さないって……じゃあ、私たちは……」
星歌「一生仲間内で仲良しクラブやっとけ。」
虹夏「……!!」
虹夏さんは、自分のスカートの裾を握る
きっと悔しいのだろう
虹夏「未だにぬいぐるみ抱かないと寝れないくせに〜!!」
喜多「伊地知先輩〜!!」
虹夏さんはSTARRYを飛び出していってしまった
星歌「なんだ、今の捨て台詞は……?」
リョウ「ぬいぐるみってこのパンダとウサギのこと?」
PAさん「あら、可愛い。」
颯太「可愛いですね!」
星歌「ちょっ!? その画像消せ!!」
喜多「何してるんですか、追いかけますよ!? ほら、後藤さんと岡沢くんも!!」
颯太「今行く!」
星歌「ぼっちちゃん、ちょっと待った。」
ひとりさんは、店長に呼び止められたみたい
とりあえず僕は喜多さんとリョウさんと同じく、虹夏さんを追いかけた
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颯太「虹夏さん居ました?」
リョウ「あそこ。」
虹夏さんは、積まれた土管に寄りかかって飲み物を飲んでいた
リョウ「分かりやすくすねてる。」
虹夏「……うっさい。」
喜多「あの先輩、大丈夫ですか?」
虹夏「ごめんね、急に飛び出して、でもあんな言い方しなくても……」
ひとり「あ、あの〜……!」
颯太「あ、ひとりさん、虹夏さん居たよ……ええっ!?」
ひとりさんは顔が真っ青をにし、酷く息切れしていた
ひとり「あのっ……はぁ……さっき……かっ……店長に……かはあっ……はぁ……」
虹夏「ぼっちちゃん、まず息しよう!」
颯太「僕、飲み物買ってきます!」
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虹夏「ぼっちちゃんどう? 落ち着いた?」
ひとり「はい、ありがとうございます……」
だいぶ顔色も元通りになってきた
しかし、ひとりさんがそこまで伝えたかった事とは一体……?
ひとり「店長さんが言ってました、ライブはまずオーディション、1週間後の土曜に演奏見て決めるからって……」
颯太「てことはつまり……!」
虹夏「うん、オーディション!」
喜多「それに合格すればライブに出られるって事ですね!」
虹夏「なら最初からそう言えばいいのに〜。」
オーディション、合格してくれたら嬉しいなぁ
そのためには……
喜多「あとは頑張るってことだけですもんね! 良かった〜!」
虹夏「あ、うん、そうだね。」
リョウ「あの2人が1番心配なんだけどって顔してる。」
虹夏「ドキッ!?」
まぁ、喜多さんはギター始めたばかりだし、ひとりさんも実力はあるけど、舞台慣れしてないからそれはしょうがない
リョウ「じゃあ2人のパートはオケ流しておくから、当て振りの練習だけしっかりしてくるように……!」
ひとり&喜多「はい!!」
虹夏「だ〜め! エアバンドじゃないんだよ?」
リョウ「でも1週間しかないから……」
虹夏「下手でも頑張れば熱意は伝わるって!」
ひとり&喜多「下手……」
虹夏「あぁっ! でも2人とも最初よりは上手くなってるし! ね? リョウ?」
リョウ「う〜ん……」
虹夏「ちょっとフォローしてよ! あぁっ! ぼっちちゃん土管の中引きこもらないで〜!」
ひとりさんは土管の中で、何やら即興ソングを弾き語り始めた
とりあえず説得しよう
それと、合格のカギはバンドとしての熱量か……
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〜数日後〜
颯太「え……?」
虹夏「何その髪型……?」
ある日、虹夏さんとの買い出しから戻ってくると、マッシュヘアと黒スーツに身を包んだひとりさんと喜多さん、そしてリョウさんが居た
颯太「ど、どうしてこんな事に……?」
ひとり「バンドマンとしての成長を見た目で表現……だそうです。」
虹夏「やっぱりリョウか……」
リョウ「飲酒、喫煙、女遊び、そして髪型をキノコヘア、これがバンドマン……!」
虹夏「イメージ、コテコテ過ぎるって!」
颯太「撮りますよ〜、はいチーズ!」
虹夏「颯太くんも何撮ってるの……もう満足した?」
リョウ「虹夏には斜め前髪枠が空いてるから。」
虹夏「そんな枠、結構です。」
こういう感じのバンドに入ったら、僕も馴染めたのかな?
いや、さすがに飲酒喫煙は嫌だけど……
リョウ「成長って見た目じゃ分からないし、判断基準ぼんやりしてるし……」
虹夏「はっきりしてるよ! とにかくお姉ちゃんを納得させればいいんだから! ほら練習!!」
でも成長ってなんなんだろう……?
改めて考えると、リョウさんの意見も間違っていないように思える
あの4人はオーディションに向けて必死に練習している
何か僕にも出来る事は……
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〜オーディション前日〜
虹夏「よし、今日はここまでにしようか。」
喜多「え? もうですか?」
虹夏「うん、明日のオーディションに備えて、ゆっくり休んでね。」
リョウ「お疲れ。」
颯太「お疲れ様です。」
いよいよ明日か……!
皆、頑張れ……!
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颯太「帰ったら課題やらなきゃ……!」
喜多「岡沢くん〜!」
颯太「あ、喜多さん。」
喜多さんはギターケースを背負ったまま僕を追いかけてきたみたいだ
そのせいか、彼女は軽く息切れをしていた
颯太「どうかした?」
喜多「岡沢くんって帰り道こっちよね? 一緒に帰りましょう!」
颯太「いいよ。」
喜多さん、一緒に帰りたかったんだね
てか、どこに住んでるんだろ?
颯太「それにしても、喜多さん本当にギター上手くなったよね。」
喜多「後藤さんと岡沢くんのおかげよ!」
颯太「それに……」
僕は喜多さんの手を取る
颯太「こんなに指の皮が硬くなるまでやったんだ、きっと本番も上手く出来るよ!」
喜多「あ、あんまり見ないで……//// 恥ずかしいから……////」
颯太「あぁっ、ごめん! でも昔の僕だったら諦めてたかもしれないから、喜多さんは本当に凄いと思うよ!」
喜多「ありがとね、それとまた岡沢くんのギター演奏聴かせてくれる?」
颯太「まぁ、機会があればだけど……」
喜多「岡沢くんはバンドとか組んだことないの?」
颯太「……これはまだ皆に言っていないことなんだけどね……」
僕はあるバンドから勧誘を受けていること
でも、そうしたら結束バンドのマネージャーとしての仕事が疎かになってしまうのではないかということ
この2つを喜多さんに鮮明に話した
喜多「そうだったのね……」
颯太「凄い悩んだ……でもやっぱり僕はバンドをやりたい、だからもしそのバンドに入ったとしたら……結束バンドのマネージャーは辞めようと思ってる。」
喜多「そ、そんな……!」
颯太「だから喜多さん、オーディション頑張ってね!」
喜多「あっ……!」
僕は喜多さんの制止を振り切って走り出した
結束バンドがオーディションに合格すれば、お客さんから見てもらえる機会が増える
それでいい……
僕の出番はそこまでなのだから……
さぁ、颯太の決断はいかに……!?
次回に続きます!!