とある魔法使いのヒーローアカデミア   作:睦月透火

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能力把握テストで最下位となった優希。
想定はしてたけどいざ現実となると悲しいよ……

……でも、物語はまだ始まったばかり。

という事で続きました。


浮かぶ疑問

「種目別でいちいち成績を発表するのは非効率だからまとめて出すぞ?」

 

 そう言って相澤教諭は、グラウンド脇に設置されているモニターを使ってテストの総合順位を一気に表示させた……

 

 ……分かってはいたが、いざ目の前にするとやはり堪える。

 

 総合最下位……操真優希。

 

 緑谷くんとは他種目でも僅差だったので、やはりあの「ボール投げ」の結果が左右していたのだろう。

 

(やっぱ……“無個性”には大き過ぎる壁だったかなぁ……っ)

 

 そんな感じでため息を吐きそうになる……だが、相澤教諭の次の一言で私は我が耳を疑った。

 

「……あ、因みに“除籍”は嘘。君達の“限界”を知る為の合理的虚偽な?」

 

 ……え、待って……煽る為の虚偽……つまり嘘?!

 んもー! ちょっと泣きそうになったじゃん、私の涙返せ〜!!

 

「良かったね、操真さん!!」

 

「もの凄く安堵したよ……僕が蹴落としちゃった様な感じだったから」

 

 緑谷くんと麗日さんも、相澤教諭の合理的虚偽という発言に私が本当に除籍されてしまうものだと気が気でなかったらしく、心底安堵した顔で私に声を掛けてくれた。

 

 斯くいう私自身もメチャクチャ安堵したよ……

 

「……えぇ……ありがと……ハァ……」

 

 素で安堵のため息を発した私の元に、八百万さんと葉隠さんも寄って来た。

 

「正直ヒヤヒヤしましたわ。折角お友達になったのに除籍にされてしまうのかと……」

 

「ホントだよ〜、相澤センセー容赦ないなぁ」

 

 葉隠さんの意見には素直に同意したい……でも、それでヒーローが育つのかと言われればそれは“NO”だ。

 相澤教諭はそこの所をしっかりと考えている様だし、この程度で参っていてはヒーローになるなんて夢の又夢……

 

 気合を入れ直さなくては……!

 

──────────

 

「……操真、少し良いか?」

 

「はい、なんですか?」

 

 テスト終了後、私は相澤教諭に呼び止められた。多分、さっきのボール投げの事だろう……無意識とはいえ“魔法”を行使したのだ、違和感に気付いて当然である。

 

 案の定、相澤教諭から問われたのは……

 

「操真、お前……本当に“無個性”か?」

 

 私の魔法を“個性”と仮定している様子……

 

 本来なら私の扱う“魔法”は、基本的に左手の媒体用リング又は脳内に保存してある術式を、ベルトに付けている「ハンドオーサーバックル」から得た魔力を使って行使するのが基本……

 勿論、その方法であれば装備やアイテムを使用している様に見えるので問題ない……のだけど、今回はガチで脳内での術式構築から直接出力、更に魔法発動に必要な魔力の全量を大気中から掻き集めての発動……

 

 ……つまり()()()()()()()()()()()()()()をしてしまっている。

 

「“個性”を偽るのは犯罪に近い……とはいえ、事情があっての場合なら事前に届け出てくれれば此方でも対処はできる。だが今回お前の件は不可解が過ぎる……事情があるなら今この場で話せ」

 

 私を“未知の個性”の持ち主と仮定して話を進める相澤教諭……言い逃れが出来ない以上秘密を明かすしかないが、相澤教諭が誤認している事もある。

 

「……込み入った話なので、ココではちょっと……」

 

 と切り返し、あまり話を拡げたくない事をアピールすると。

 

「……分かった。生徒指導室を使わせて貰おう、そこでなら良いか? 勿論、聞くのは俺だけだ」

 

「……はい」

 

 さて……何処まで話すべきか……

 

 

 生徒指導室に来た私と相澤教諭……勿論、指導室は無人で普段から人の気配もない。そして中は防音室でもあるため盗聴対策もバッチリだ。中に入った私は、まず相澤教諭の誤認を何とかするため、()()使()()()()()を話す。

 

「……成る程。皆既日食の時に素質のある人間が“ある事”をする事で“覚醒”する……その素質の有無は、自分の身体に怪物を飼っている……と。……お伽噺の類か?」

 

 案の定、理解はしても疑わし過ぎて納得はしてくれない……だが、魔法使いの素質の話は事実だ。素質ある人間は強大な力を持つ“魔獣”……ファントムを精神に宿している。

 “ファントム”は宿主の精神に少なからず害を齎すし、精神が悪影響を受けて凶暴な性格になる事もある……

 

 私は一部の“個性”もこの“ファントム”の影響で発現している可能性も考えているが、そこまで追求するのは専門家の役目であって私じゃない。

 

「……でも、コレは事実です。相澤教諭は数年前の“ある事件”をご存知ですか?」

 

 納得してもらう為、私は過去に話題となった“ある事件”の真相を話す事にした……まずは、3年前の出来事……

 

「3年前、ネット上で話題になった“皆既日食”の日の事件はご存知でしょう? アレは……魔法使いを“ファントム化”させる儀式……“サバト”の影響です」

 

 そこから私は立て続けに、過去に起きた怪事件の真相を語り続けた。最初は作り話の類だと考えていた相澤教諭も、実際に起きた事件の裏側……普通なら合わない辻褄を完璧に説明されるとなると、疑う事も出来なくなる。

 

「……ちょっと待て。その……“サバト”とやらはそんな簡単に起こせるものなのか?」

 

「条件と道具を揃えば必ず起きますし、半分は自然現象でもあるので。あ、あと条件を揃える為にはやはり自身も“素質”がある人間でないと無理です」

 

「……なんてこった。あの事件の真相が今解けちまったとは……」

 

 ……3年前、ネット上を騒然とさせた「日蝕事件」の動画。

 

 本来は月や太陽、そして地球の位置関係で発生する自然現象「皆既日食」の時に“ある事”をすると、魔法使いの素質を持つ人間、その精神に巣食う“ファントム”が宿主の精神世界を喰い破って入れ替ってしまう……それが「サバト」の真実だ。

 

 3年前にあった皆既日食の日……実はその時に魔の儀式「サバト」が開かれ、実際に何人もの人間が“ファントム化”してしまい、その全員がヒーローに倒されている。

 

 しかし、この事は世間には知らされておらず、警察や当時鎮圧に参加した一部のヒーローだけが知る“怪事件”として扱われていた。

 

「犯人の一部は、本来持っていた筈の“個性”とは違う能力を持つ人物も居た。そして本来の性格とも全く違う……という話。それこそ“魔獣化”の影響です」

 

 相澤教諭も当時、この鎮圧に参加していたと聞いている……勿論、この事件は“魔法使い関連の事件”を専門に扱う“元魔法使い”の真由さんから得た極秘情報。当事者しか知り得ない物も含まれているが、私は当事者ではないので当然その辺りは暈している。

 

「前置きが長くなりましたが……私があの時使ったのは、この“魔法”であり、“個性”とは似て非なるもの。先天性の素質と深い知識が揃えば使える“汎用の力”です」

 

 そこから私は、魔法を少し実演しつつ警察内部の秘密組織「国家安全局0課」の存在を明かし、魔法関連の事件を無闇に詮索すると()()()()()()()()事もついでに教えた。

 

「……思った以上の()()()()()()()()だったな……分かった、もう詮索はせん。だが俺はお前の担任でもある、直接お前に関する事だけは情報を提供してくれ」

 

 話を聞いただけなのに、とんでもなく疲れた様子の相澤教諭。

 無理もない……聞かされた事実を詮索すると“消される”可能性があるんだもの……

 

「分りました……では、今の時点での私の状態と、使える魔法について……」

 

 そう続けようとすると「……オイ待て、まだあるのか?!」と相澤教諭の酷く怯えた顔が一瞬だけ見えた。

 

 もしかして、()()()()()()()()S()A()N()()()()()()()()と勘違いしてるのかな……?




相澤先生、国家安全局0課を知る。
……つまり半分ほど優希の仲間入りですねw

なお、3年前の「サバト」は犯人グループの1人がネット上に転がっていた情報を面白半分で実行したのが原因であり、解決着後にはその情報ごと掲載サイトそのものを0課が削除した。

国家安全局0課には、ウィザード本編の登場人物である大門凛子と稲森真由が所属しており、本作では仮面ライダーウィザード本編終了後の時間軸がヒロアカ世界と融合している。

なお、この世界でも元のヒロアカ世界と同じく“個性の発見”騒動や各種の事件は存在するが、全て仮面ライダーウィザードのメインストーリー終了後に起きた事になっている。

──────────


本年最後の投稿です。
一番手を掛けてるメイン作品(勇者王if)でなくてスミマセンねぇ!!

……とはいえコチラも妙にシナジー高そうですし、やりたい事多いので頑張りますので感想ヨロシク♪

では皆様、良いお年を……
来年もヨロシクお願い致します!!

絶対に見たいエピソードは?

  • 対ステイン戦
  • 壊理ちゃんの救出作戦
  • 雄英トップ3との邂逅
  • 優希が“本来の力”に覚醒
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