超昂大戦SS 決戦・ルビーVSアメイズ! そして魔女は真の仲間に   作:環 藍河

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§8 戦友で親友! エリー、心のバリアフリー生活

「アカリ…ヒビキ、うらら。

もう私、隠し事、何もないからね。

私の中身、全部、ぜーんぶ、みんなに見せちゃうから!

改めて、雪城エリーをよろしく、ねっ。」

「あっ…エリーちゃん、私の呼び方…!」

「私、親しい人は呼び捨てって決めてるの。

…いいよね?」

 

「あ…、ああ…っ…!!」

こくっ、こくっ。

…言葉を忘れるほどの嬉しさで、二度、無言で頷くアカリ。ツインテールがわんこの尻尾のように喜びをたたえて揺れる。

 

がばっ…!

続けざまに両腕を広げ、エリーの胸に飛び込み、左頬に自分の左頬を寄せる。

「やったあ〜っ!

あははっ、エリーちゃんと、仲間だあ!」

「きゃあっ! …もおっ、喜びすぎぃ!」

 

「…その、今更だが、私もエリーを歓迎する。

これまで通り…、いや、それ以上によろしく、だな。」

「かったーいっ! ガッチガチじゃないの!

…あーっ、もう!!『エリーが仲間で嬉しい』って、もっとストレートに言えばいいじゃない!」

「な…何だとおっ!」

「エリー、これでヒビキにしちゃ、ずいぶん素直な方なんだから、割り増しで受け取りなさいよっ!」

「なっ…私はこれで精一杯、最大限なんだ!

いつでも365日オープンハート24時間のアカリと比べるなっ!」

「ぷっ、あははははっ! 確かに、アカリはコンビニレベルでいつでも人懐っこいもんねー」

「そ…それ、褒めてないよねーっ!? 

みんな、ひどいーーっ!!」

 

…エリーが、自分が本当に三人に、全部を包み隠さず言えるかどうかは、まだ自信がなかった。

…と言っても、アカリたちを疑うわけじゃない。

単純に、自分の心を晒す経験が不足しているのである。

 

代々エリザベス派の長を務める雪城家に生まれたエリーは、幼い頃から大人の建前と本音のギャップを嫌というほど見せられた。

自分や父母や祖母に向けられる悪意や妬みの棘に傷つき続け、ときに暴漢のテロや誘拐未遂といった実力行使に晒され…。

 

やがてエリーは、人のひどい悪意や本音にも傷つかなくなり、心の痛覚が麻痺してしまった。

心を強く保つために、人を信じる気持ちを諦めてしまった。

 

同時に、誰に対しても最後の一線で、エリーは自分の真意を隠すようになった。

権力者であるエリーの旗の色を見て、取り入ろうと近づく大人や、土壇場でエリーを罠に嵌めようと影でコソコソ始める大人が、あまりにも多すぎたから。

 

(…だったら、初めから私の真意なんか、隠しちゃえ。)

 

それが、エリーの処世術になった。

嫌いなものを嫌いと言い、好きなものを好きと言う…そんな当たり前のことさえ、エリーは人前ではとことん回避し、本心を隠し通してきた。

 

『…占い師はね、自分を占っちゃいけないの。』

それは事実でもあり、自分の敏感すぎる核心を守り抜くための、便利な口実でもあった。

 

……

(でも、この3人には…!)

 

エリーは小さな決心をした。

できるだけ…いや、何でも。

 

(アカリたちには、いつでも絶対、私の気持ち、全部を言うんだ。)

 

本心を見せなかった私を打算なく受け入れ、傷つけてしまった私を赦してくれた、アカリ、ヒビキ、うららだから。

自分の好きなものを私が嫌いと言っても、その逆でも、きっと三人は、ありのまま受け入れてくれる。私の核心を、自分の心のように、きっと優しくいたわってくれる。

 

だから私は、もう何も隠さない。

それが、信じてくれた最高の仲間たちへの、私の精一杯の答えだから。

 

(あっ、長官くんへの気持ちも、みんなには隠さず見せなきゃね。

…アカリは狼狽えるかな、うふふっ)

 

もう、ダイビートを、トキサダを試すための色仕掛は必要ない。

ここからのアプローチは…、エリーの本心。

 

同じものを好きと言って、喧嘩になることもある。でも、戦いを経て絆を強く繋いだアカリとエリー…この二人ならば、それも絆を強くするスパイスにできるだろう。

世界に一つしか無い宝箱の争奪戦は、改めてこの日、幕を開けた。

 

【了】

 





筆者の環藍河と申します。
改めて、お読みいただきありがとうございます。
以上、超昂大戦ショートストーリーの第1作リメイク版をお届けしました。

この初稿である環の処女作、投稿開始(半年前)は超昂大戦をプレイし始めてから2ヶ月。
ストーリーやキャラに惹かれて、自分でもこの世界観でいろいろ表現したい想いが日増しに募り、加えて当時は無課金だったので、スタミナ回復待ちのプレイできない時間がヒマで仕方なく。

結果、十数年前まで零細同人描きをやってた血がうずいて、リターンライダーのように二次創作を再開しました。
※そしたらさらに深みにハマり、立派な廃課金者に墜ちたとさ。現在VIPレベルはMAX。うわあ。

以来、原典のストーリーを補間する、自分が見たい(読みたい)世界をわがままに作ってきましたが、まさか半年で20作も書くとは、さすがに思いませんでした。
原作が物足りないわけじゃなく、むしろ原作に衝き動かされて「じゃあ、こんなムーブもあるんじゃね?」とその都度ジェネリックに創作を繰り返した結果であります。
※夏のチルカとリコリスとサイカのイベント、次第に味が出てきたイノリとライカ(最近はムツカを加えたデコボコチームで味わいプラス)、復刻イベントを加えた季節モノ、新SSRのプレイアブル…、その都度書いてるなあ(ちょろいぞ環)。

今回のリメイク(レストア?)、環は大いに勉強させていただきました。
文章表現のさじ加減も、未だに手探りですが。
リメイクしたい(下手っぴで恥ずかしい)作品は、むしろ「ちょっと執筆に慣れてきて、チョーシこき始めた」時期の作品だと今さら気づきましたが。

新しさでは劣るリメイクにも関わらず、毎日しっかりお読みいただける読者さまに大感謝です。
次作は新作。公式でも予告が始まった、あの季節イベントで「マジメかー!」方面を1本、間もなくリリース開始します。

エナジーを下さる読者さま方、ありがとうございます。感想、評価だけじゃなく、アクセス数、お気に入り登録(Youtubeみたいにお金が入らなくても、「読み返したくなる作品」と認めてくださるバロメーターなので…燃えます!)…様々なアクションが励みになってます。

無理のないペースで、今後も原典の面白さに衝き動かされながら、ジェネリックでプラトニック(ときどきエキセントリック)な超昂大戦SSをこれからも書き連ねます。
変わらぬお付き合い、よろしくお願いいたします!
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