カオス転生リスペクト-転生者がロバなんで独自設定に走っても良かですか?- 作:平成ウルトラマン隊員軍団(仮)
あとアビャゲイルさん「マルティン・イーラ」の使用許諾ありがとうございました。
書き上げた後に気付きましたが、今回のメイン敵については掲示板で言及してから投入した方が良かったですね。
まあ次回以降はそういう不備は無いと思いますが。
月と入れ替えに地球上空に転送するダミームーンだが、その役割は月のワープ補助と偽装だけではない。
その地下にはメシア教が画策するであろう核ミサイル乱れ撃ちをはじめとした各種滅亡案件に対処するためのボーダーの前線基地が隠されていた。
セキュリティを考えて出入りにはもっぱらワープを使用するため出入り口は設けられていない。
第一ワープ前のダミームーン内部ではニュートロンジャマー起動に伴って発生する終末戦争に向けての集会が行われていた。
「さて、もう間もなくニュートロンジャマー起動によって地球に巣食うメシア教のクソどもが一斉にくたばるハズだが、あーゆーゴミは『自分が死ぬのと連動して核ミサイルが発射される』なんて仕掛けを用意するのが大好きだ。
真1の核攻撃もまさにそんな感じだった訳だし、ニュートロンジャマー起動とそれによるメシア教のお偉いさんどもの死と連動して、世界中の核ミサイルが一斉に発射され原発という原発が一斉に『事故る』可能性もほぼ100%と考えて良い。
つまりニュートロンジャマー起動こそが終末開始の合図であり、俺達が対処しきれなければそのまま人類滅亡に直結する」
「俺達」の前で神隼人が訓示を述べている。
彼の訓示の内容などこの場にいる全員が百も承知の内容ばかりだが、作戦前に気合を入れる、ただそれだけであったとしてもその気合が重要な局面なので「俺達」やアニマトリガー達の表情は真剣だ。
ニュートロンジャマーこそが終末を引き起こすのならニュートロンジャマーなど使わなくても良いのでは? との意見もあったが、終末開始の時期をボーダー側で指定出来るメリットも多かったのと何より社会戦最強のメシア教を問答無用で社会から排除できるメリットがあまりにも大き過ぎた為、ニュートロンジャマーの使用が踏み切られた。
「原子力発電所の事故は発電所を覆う『ドーム』をニュートロンジャマー起動と同時にこことは別のワープステーションから各発電所上空5メートルにワープさせて防ぐ手筈になっている。
もし核爆発やメルトダウンが起きてもドームに施された核熱無効と爆風対策の疾風無効、破片対策の物理無効で防ぎ切れるハズだ」
なおこのドーム、デコボコの地形に対応出来るよう縁から布状の物体を十数メートルほど出しており、そちらの物体にも核熱無効と物理無効と疾風吸収が施されている。
こちらの疾風耐性が吸収になっているのは爆風ではためいて放射性物質や爆風そのものを外部に漏らさないようにする為だ。
「よって原発の方はそちらに任せて問題ない。
核ミサイルの方も迎撃用に拡散波動砲搭載型砲艦を十二隻用意している。
コイツらで地球を包囲し「見切り」で敵味方識別機能を持たせた拡散波動砲で地球全土を薙ぎ払えば核ミサイルが何発発射されようとも関係ない。
「飛んでる間は異界に収納」程度の小細工はブチ抜いて確実に地表に残る生き残りの大天使やメシア教徒もろとも全ての核ミサイルを消し飛ばせるハズだ。
……一応討ち漏らしの可能性も考えて砲艦の艦載機部隊も用意しているがな」
なおこの拡散波動砲、流石に本物ではなくライトブレイザーに近い次元エネルギー照射システムの射程と照射範囲をひたすら拡大させた物で、最大射程は20万キロ程度で威力も拡散・長射程化の代償としてラッシュバードのライトブレイザーと比較して弱体化している。
ヤマト世界の各種波動砲に近い艦首砲で射角に融通が利かず照射角も75度と狭い為、ヤマト世界で通用するほど高性能な物ではない。
だが相手が核ミサイルとなればむしろオーバーキル気味な代物だ。
「そこで問題になってくるのはセプテントリオンやシュバルツバースといった超常現象による地球攻撃のタイミングと、対セプテントリオン・対シュバルツバース用の戦力を後詰めとして温存した状態でどれだけ地下や魔界にある天国に籠もっているクソどもに痛手を負わせられるか、だ。
幸い天国の方はジオイド弾で遠慮なく消し飛ばせるが、地下の方には流石にあんなもん使えん」
対セクター破壊用に開発された転送型ミサイルであるジオイド弾には、爆薬として内蔵したディメンションストーム臨界暴走専用大型次元コンバータの力により単純な物理的破壊力で惑星1つ消し飛ばせる威力がある。
魔界にある天国やシュバルツバース内のセクター相手ならばそれ自体が1つの小世界として閉じている為ジオイド弾で吹っ飛ばしても周辺被害はほぼゼロに収まるのだが、流石に通常空間にある超大規模地下要塞アースゼロ・ハイヴにそんなものを使えば地球そのものが消し飛ぶ。
いくらなんでもそれでは本末転倒の極みだ。
……そう、アースゼロ・「ハイヴ」。
この世界にはマブラヴのBETAが存在しており、BETAは平行世界に数多存在する自分達と「鑑純夏」と呼ばれる少女の並行同位体から受けている平行世界と因果律を超えた影響により「白銀武と香月夕呼以外の者では絶対にBETAから地球を救う事は出来ない」という因果をこの宇宙そのものに強烈に刻み込んでいる。
本家本元のマジンガーZEROやゲッター線らサルファ無限力組合が送り込もうとしている人員達がこの世界に来れない原因も、実のところゲッターエンペラーによる妨害よりコチラの影響の方が大きい。
BETAの絶対勝利を約束する因果がBETAに対して敵対的なBETAでは絶対に勝てない存在の来訪を許さないのだ。
また14代目葛葉ライドウの敗北と洗脳もまたこの因果による影響が大きいと推察されている。
BETAから世界を救ってしまう人材として因果律に排除され、むしろBETAの勝利を盤石とする存在としてメシア教に取り込まれたのだ、と現在のボーダーでは考えられている。
そしてメシア教は地球におけるBETA達の中枢、多くの並行同位体が「あ号標的」と呼ばれている個体に大量の天使達を憑依させてコンタクトをとりつつ羽根を埋め込みながら地球の譲渡を約束、また白銀武・香月夕呼・鑑純夏の3名及びその周辺の人物を徹底的に洗脳。
そうする事でメシア教はBETAを味方につけて因果律によって定められた勝馬に乗りつつ、BETAに敵対するメシア教徒以外の人類滅亡の因果を確実なものとした。
ゆくゆくは終末によりメシア教徒以外の人類が死滅した後、メシア教徒が異教徒や悪魔の生存者がいる可能性がない別の惑星に移住した上で地球がメシア教からBETAに譲渡され、もし仮に終末を乗り切った人類や悪魔の生き残りがいたとしても全てBETAの津波に轢き潰される予定である。
ちなみにこのメシア教とBETAの交渉にはメシア教側としてメムアレフも参加しており、彼女は人類よりBETAの方が遥かにマシとのスタンスによりBETAへの地球譲渡を認めている。
所詮は自動機械に過ぎないBETAはこの世界のメムアレフにとって霊的に退化した悪しき霊性(メムアレフ視点)を持った人類よりもずっと無害で許容できる存在らしい。
なおボーダーはこの辺りのメムアレフのスタンスについては全く知らないので「なんで自称地球意思なのにBETAとよろしくやってるんだよ?」と不審に思っている。
メシア教の終末プランの中には地球そのものを消滅させるものもあるのだが、それらに関しては鑑純夏とBETAが紡ぐ絶対勝利の因果が破られあ号標的が破壊された時の為のサブプランとされている。
さらに地球消滅のサブプランさえも潰えた場合の最終プログラムも用意されているが、それは地球のみならず宇宙全体を破滅させかねない超危険行為である為、アゾエーブによる破滅の波動からの全平行世界再生の目処が立たない内は使えない諸刃の剣。
あのメシア教をして実行には理性が邪魔するほどの破滅的行為なのだ。
ボーダーは最終プログラムの存在に関しては察知してはいないものの、「どうせメシア教の事だしロクでもない事を考えているだろうな」と当たりをつけて備えてはいる。
だが全てはBETAによる因果を越えねば話にならない。
「天国の方は作戦開始、現着と同時にジオイド弾を射ち込んで動きがあるまでとりあえずそれで良しとして、俺達は地底15kmにあるアースゼロ・ハイヴに転送突入する。
想定される敵のうちクソ天使どもとメシア教徒どもはフレイムフィールドで焼けるとして、問題はBETAどもだ。
天使どもに憑依されているであろうあ号標的ならともかくラジコンに過ぎない他のBETAにはフレイムフィールドが通用しないだろうし、連中はクソ因果律に厳重に守られている。
コイツをどうにかせん事にはその場その場では勝てても戦略的・最終的な勝利は不可能だ。
そこを突破するための鍵がお前達だ。
悠、そして魔神マジンガーZERO……いや、マジンカイザーZERO!!」
そして隼人の訓示も終わり、作戦開始時刻であるニュートロンジャマー起動時刻が刻々と迫る中、ボーダーの「俺達」とアニマトリガー達は慌ただしく出撃準備を整え、任された任務内容を反芻する。
最重要任務……兜甲児が乗るマジンガーZを探し出して交戦しマジンカイザーZEROで撃破する事で本家マジンガーZERO召喚の儀式とし、因果律の妨害によって自力でこの世界に来られないマジンガーZEROを支援し喚び寄せろ……を任された久須見悠、つまり四文字とマリーによる処女受胎代理母出産によって産まれた少年も例外ではない。
果たしてマジンガーZを斃す事で本当に本家マジンガーZEROを呼び出せるのか、上手く出現させられなかった場合にはどうするべきか、そもそも兜甲児のマジンガーZに勝てるのか、いやその前に会敵できるのか、と不安は尽きる事がない。
「ナニヲ考エテイル?」
彼の乗機であるマジンカイザーに憑依している魔神マジンガーZEROが悠に訊ねる。
「いや俺が言い渡された最重要任務って奴の事だよゼロ。
勝てるかどうか以前に、地球を一周するほど広大なアースゼロの中で果たして兜甲児って人と出会う事が出来るのか? とかさ」
「ナルホド。
ダガ案ズル事ハナイ。
我ガ高次予測ニヨッテ兜甲児ノ所在ハ予測出来テイル」
「それだって予測の範疇は超えないんだろ?
お前が言う本物のマジンガーZEROと違って変な力がない精度が高いだけの普通の予測じゃないか」
「イヤソレダケデハナイ。
我ガ紛イナリニモまじんがーZEROデアリまじんかいざーデアル以上、兜甲児トハ因縁ガ生ジテ引カレアウノダ。
……本物ノまじんがーZEROトモナ」
「ふぅん。
そんなものなのか?」
悠はイマイチ納得がいかない様子で出撃準備を進め、ふと手を止める。
「なあ、もしマジンガーZと兜甲児を斃しても本物のマジンガーZEROが来なかったらどうするんだ?」
「ソノ場合ハ……我ノ因果律兵器デBETAノ因果律二立チ向カウ他アルマイ。
出力ヤ精度ガ大分心許ナイガ、局所的ニナラ計算上何トカハナル。
後ハあ号標的ヤ鑑純夏ヲ直接排除出来レバ問題ハ無イ。
特ニ鑑純夏ハ因果ノ要デアリナガラBETAドモノヨウナ因果律ノ忖度対象ニ入ッテイナイ。
問題ナク仕留メラレルハズダ」
「……そっか」
魔神マジンガーZEROはそう言ってはいるものの、実は現時点で既に因果律兵器をフル稼働させている。
物事をBETAにとってトコトン有利に進めようとする因果律に対するジャミングとして因果律兵器を使っていなければ、確実にマシントラブル祭りが起きて艦船や機動兵器の大半がマトモに動かなくなりワープシステムやジオイド弾の誤爆や誤射、故障が頻発するからだ。
その因果律兵器の影響範囲を一時的にでも彼等がいる戦場に限定する事は途轍もなくリスキーな選択であり、目の前にあ号標的ないし鑑純夏が存在し確実に仕留められる、というタイミングで瞬間的にやるしかない。
その瞬間すら絶望的なまでに致命的なのだ。
「マア案ズルナ。
アマリ使イタイ物デハナイガ、イザトナレバ我ニモ魔神化機能ハアル。
ソレヲ使エバ我ヲ依代トシテ本物ノまじんがーZEROヲ呼ビ寄セル事モデキヨウ」
「……分かった」
その魔神マジンガーZEROの返答に悠は納得した。
母であるマリーが本来ならあり得ない処女受胎という現象で自分を身籠って出産した事ならば悠も知っている。
その特殊な生まれによる「見立て」が成立するのであれば、磔刑に処された大工の息子と同じく自分にも生贄・犠牲という属性がついて回るのだろう。
つまりメシア教からこの宇宙を救う為マジンガーZERO召喚の生贄となる。
それが自分の天命だと悠は悟った。
不思議と恐怖は感じず、代わりに感じたのは覚悟だった。
……そしてニュートロンジャマー起動時刻となり、予め地球全土の地下数百mに埋め込まれたニュートロンジャマーが一斉に起動した。
無論、本家本元機動戦士ガンダムSEEDに登場した物とは完全に別物で、地球全土に埋めて稼働させるという点で類似しているためコードネームとしてそう呼ばれている物だ。
ニュートロンジャマーの中には微細悪魔散布装置とビアン・ゾルダークの劣化分霊を魂に宿した「俺達」がなんとか劣化分霊から原理と設計をサルページしたサイコブラスターが埋め込まれており、まずは「特攻」のスキルを持った微細悪魔と「リカームドラ」を持った微細悪魔、そして元ドッペルゲンガーのスライムを生成・散布する。
散布された「特攻」持ちの微細悪魔達は人間に害をなす雑霊や魔蟲に天使含む悪魔、メシア教徒やガイア教徒の他、「元の人格を消滅させるガチ洗脳などメシア教のような陰謀論の悪役的な存在ならやるかも知れないけどそれ以外の人なら絶対やらない悪事をやっている人達」にも襲い掛かる。
これは「内実はメシア教徒のままなのに名義だけメシア教徒でなくなる事で微細悪魔の攻撃対象から逃れる」という事が出来ないようにする為の措置である。
一匹一匹はそれこそ粒子サイズで特攻の威力も非覚醒者すら一撃で殺し切れない程度の代物だが、何せ微細悪魔は数が違う。
アボガドロ数というトチ狂った数の微細悪魔により狂気的な回数の特攻を仕掛けられた相手は相当に高レベルの大天使などであってもひとたまりもなく即死する。
また、頭に天使の羽根を埋め込まれているメシア教徒の場合、本人ではなく埋め込まれた天使の羽根が微細悪魔の攻撃目標となり、本人はその巻き添えを食う形で死亡する。
この時肉体は元より羽根の影響下にあった魂も羽根と関わっていた所のみが破損状態になり、そこに元ドッペルゲンガーのスライムがやって来て自分の方が吸収される側に回りながら肉体や魂と同化。
この際ドッペルゲンガーの「もう一人の自分」という属性を利用して欠損箇所に成り代わりながら吸収される事で対象の肉体と魂を修復するのだが、この時に自分が交わした悪魔の契約である「メシア教を信仰する等の微細悪魔の特攻のターゲットにされるような行為をするな」「メシア教以外参考に出来る道徳規範が無いと言うのなら、とりあえずスライムにプリセットしておいた日本式(というかメシア教を蛇蝎の如く忌み嫌う転生者式)の道徳規範を参照しろ」という契約をメシア教徒の魂に引き継がせつつ「もう一人の自分」という性質を利用して「メシア教を信仰してなかった場合の人格」をエミュレートして破損状態に陥っている本来の人格と同化させる。
そうする事で洗脳されていた被害者であり、なおかつ洗脳解除が絶望的だった下っ端メシア教徒達の精神を、メシア教による再度の洗脳を難しくした洗脳前に近い状態に上書き洗脳するのだ。
なおガチメシア教徒の魂はスライムから押し付けられる契約とのコンフリクトを起こして精神崩壊を起こしたのち改めてスライムから精神崩壊した人格に代わるエミュレート人格を与えられてメシア教徒でなくなり、強大な力を持つメシア教徒の場合は精神崩壊を起こさずスライムから押し付けられる契約を振り切ってメシア教徒のままで耐えるが、それは魂そのものが微細悪魔の攻撃目標になるという事であり、魂が消滅するか成仏するか天使などに回収されるまでしつこく「特攻」され続けることになる。
一方、「リカームドラ」持ちの微細悪魔のリカームドラの対象は「特攻」持ちの微細悪魔の攻撃目標となっていない知的生命体全て。
未覚醒者には回復魔法の効きが極端に悪いのだが流石にアボガドロ数の試行回数で全回復魔法中最高威力のリカームドラを撃ち込まれ続けたら話は別で、死亡していた場合でも死亡直後であれば普通に蘇生可能で重傷を負った怪我人も後遺症なく復活出来る。
これによりメシア教徒達の突然死によって発生する彼らが運転していた乗り物による交通事故の被害者達を救済すると共に、元ドッペルゲンガースライムとの同化による再洗脳でメシア教徒では無くなった者達を蘇生させる。
また元ドッペルゲンガースライムは新鮮な死体やその持ち主の霊魂、怪我人には無差別に同化を図るので、コチラの方でもサポートに回って手足の欠損などがあった人々の欠損箇所に成り代わりつつ吸収される側に回りながら同化し、リカームドラによる蘇生・治療の成功確率を引き上げている。
ニュートロンジャマーは起動後30分ほどこの微細悪魔散布を続けて地球上の通常空間からメシア教徒を一掃した後、散布する微細悪魔をマグネタイト回収用の微細悪魔に切り替え、同時に分速2発のペースでサイコブラスターを発射するようになる。
マグネタイト回収用微細悪魔は先んじて散布された微細悪魔によって濃度が上昇している大気中のマグネタイトをその身に集め、ある程度集まった時点でニュートロンジャマーの下に戻ってその外側を覆うマグネタイト吸蔵物質に身投げして投身自殺をする。
そうする事で回収されたマグネタイトは付近の地脈に流し込まれて地脈に合流する。
このように大気中のマグネタイト濃度を下げる事で終末に向けて上昇し続けていたGPを低下させて出現する悪魔の強さや出現頻度も低下させると共に、万が一強い悪魔が出現したとしてもすぐにマグネタイト不足で死んでしまうように仕向ける。
そんな中でもここがメガテン世界である以上人食い悪魔や有害な雑霊・魔蟲が出現し続けるので、「特攻」持ち微細悪魔に代わってサイコブラスターが「特攻」持ち微細悪魔と同じ攻撃目標に向かって攻撃を行う。
サイコブラスターに切り替えるのはサイコブラスターでならマグネタイトを撒き散らさずGPをいたずらに上昇させないからで、最初からサイコブラスターで行かない理由はサイコブラスターだと威力が高すぎて下っ端メシア教徒の肉体を修復不能なレベルで消し飛ばしてしまうからだ。
一応下っ端メシア教徒は洗脳被害者であるので、メシア教徒だからと消し飛ばしてしまうのは躊躇われたのである。
そんなメシア教徒と悪魔に対する大量虐殺が始まってから2分後。
悠達アースゼロ・ハイヴ制圧班総勢1500名強は300人ずつに分かれてアースゼロ・ハイヴ内の5か所のポイントに転送される。
転送先にはまだ地上の惨状に気付いていない様子の天使とメシア教徒ばかりが大量にいたので、「俺達」はメシア教徒や天使達を突然の巨大ロボットと浮遊駆逐艦出現に戸惑っている隙にフレイムフィールドで焼き尽くした。
フレイムフィールド。
ボーダーの機動兵器や艦船に標準搭載されている武装で「マルティン・イーラ」という非常に特殊なスキルを機械的に範囲拡大させて放つものである。
このマルティン・イーラが曲者で、天罰などと同系列の味方陣営まで巻き込む自爆テロ型のスキルなのだが、対象の『どれだけナチュラルかつ強固に「自分達だけはお綺麗で、だから何をやっても許される」と認識しているか』の度合いによって大きく威力が変動する、という性質を持つ。
つまりメガテン神族との相性が最悪で、さらにメシア教徒や天使との相性はその最悪をも遥かに上回り、たとえ四大天使であろうとも一発食らっただけで1兆度を超える業火によって一瞬の内に陽炎となって消滅するばかりか本体にまで伝播するダメージにより「四大天使という悪魔」が出現した際の最低レベルまでもが大幅に低下してしまう大惨事となる。
一応炎なので火炎ブースタなどの対象にはなるのだが、耐性やマカラカーンなどあらゆる防御手段を一切合切全て無視して炎の塊のような相手であろうと問答無用で焼き尽くす性質を持つ。
かつてマルティン・ルターという教会に逆らえば死あるのみの世界で聖書を翻訳し教会の嘘を暴いて免罪符の存在を糾弾した漢の生き様から生まれたこのスキルは、一時期人類への組織的干渉を目論む天使や神々を地上から駆逐し、この世界が大正時代の超力超神出現まで悪魔がいない前世世界と大差ない歴史を刻む事になった一因となった。
人類を脆弱な存在に留める為の技術停滞など、不埒な事を企んだ神々や天使の多くがマルティン・イーラの獄炎の中に消えて行ったのだ。
その猛威はルターの宗教改革の逸話から発生した悪魔である魔人マルティン・ルターが法の神に敗北し、「マルティン・ルターという概念」から悪魔が発生しないようかつてルターが糾弾した宗教的腐敗の具現であるメシア教によって厳重に封印されるまで続いた。
かつてそのマルティン・イーラを発生させる使い捨て使用アイテム「ルターのインク壺」を3つ手に入れた四文字はそれをメシア教との決戦の切り札としたが、自分で使えば間違いなくただでは済まないので使わせても大丈夫そうなサタンとルシファーに1つずつ預けて、残りの1つは予備として手元に残した。
サタンとルシファーはメシア教との戦争の終盤、集中攻撃を受けた際に抱え落ちを嫌ってインク壺を使用、メシア教側に大きな被害を与えて四文字やメタトロンなどが落ち延びられる隙を作り、インク壺は四文字の手元に1つだけ残った。
その1つだけ残ったインク壺は後にボーダーに譲渡され、徹底的な解析作業の果てに使い減りせず量産も可能なトリガーチップとして生まれ変わり、さらに威力と範囲を拡大させた形で機動兵器に搭載される事になった。
つまりはメシア教特攻の断罪の炎の領域を展開するのが機動兵器・艦船搭載型マルティン・イーラ展開装置「フレイムフィールド」なのである。
それ故にフレイムフィールドの餌食となったメシア教徒や天使達は悲鳴を上げる間もなく陽炎と化して消え、魂までもが完全に焼き尽くされて消滅した。
アースゼロ・ハイヴにいるようなメシア教徒は間違いなく改宗の余地がないガチメシアンなので、魂まで抹消してもボーダーには一切の動揺がない。
彼らにとりガチメシアンはもはや悪魔よりなお遠い敵対的異質生命体であり生存競争相手でしかないからだ。
「あっつ!!」
「まあコレ使うと俺達の方も焼けるからな……今のうちにヤケド治しとけ」
「で、とりあえずはクリア……か?」
「いや、どうしたってこんなデカい図体でゾロゾロ集まって行動してたら監視カメラにひっかかるし……見ろ」
そう言った「俺達」が乗機で指差した先には、彼等に向かって接近中のおびただしい数のBETAの姿があった。
「あいつらは意思のないラジコンだ。
さっきの連中みたくフレイムフィールドで焼けてくれないぞ」
「全くメガテンらしい悪趣味な警備ロボットだこと!!」
「浮遊駆逐艦の艦首砲広域照射で纏めて処理を試してみるぞ。
BETAの物量相手にマトモにやりあうなんてバカバカしいからな」
「了解、全機駆逐艦の射線上から退避!!」
こうしてボーダー対メシア教の人類、否、全平行世界の命運をかけた決戦の幕が上がったのだった。
まあBETAのクソ因果律があった割にはボーダーの巡り合わせがなんだかんだ恵まれていたのは、メシア教との合流によってBETAの戦力が跳ね上がった影響で「BETAから地球を救えてしまう存在なので殺す」と因果律に判定されるハードルが高くなっており、そのハードルを超える前に魔神マジンガーZEROと合流して因果律兵器によるジャミングで因果律からの影響を防げるようになっていたからです。
神々含む悪魔とペルソナなどの異能で悪魔に対抗する異能者が主役のメガテン世界では霊的資質がロバ資質なボーダー構成員達はマブラヴ因果律からの評価が低くなりやすい、という事情もあって因果律に目をつけられずに済んでました。
魔神マジンガーZERO合流以前の巡り合わせに関しては……まあなんだかんだで中島やゲッターチームは主人公なんで「巡り合わせの妙」的な意味では強いんですよ。
それでもマブラヴ因果律に目をつけられるとライドウのようになってしまいますが。
あ号さんを抹殺してハイヴ完全攻略まで行く予定でしたが長引いたのでとりあえずここで切ります。