カオス転生リスペクト-転生者がロバなんで独自設定に走っても良かですか?-   作:平成ウルトラマン隊員軍団(仮)

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今回交戦しているセプテントリオンはオタクくんサマナーリスペクトで大量発生してますが、あちらよりかはかなりマイルドだったりします。
具体的は本体が通常空間に居てくれていて面倒極まりないクソギミックが未搭載で殴れば素直にダメージを負ってくれます。

つーかコレより遥かに面倒な事されてるのになんで滅んで無いんだろうあの世界……


先行配信版 この世界の終末4(ストレンジジャーニー編)

 

限りなく近く果てしなく遠い何処かで。

 

「久しいなバビル2世。

 いや今はビッグ・ファイアだったか」

「ああ、突然呼び出して済まない」

 

 ゆったりとしたローブを纏った男が眼前の少年に話しかける。

 

「変われば変わるものだ。

 貴様の歳が見た目通りだった頃には私の方が世界征服を目論む悪の総帥だったハズが、今ではすっかりアベコベになってしまった」

「人の立場という物は変わるものだヨミ。

 僕達が争うようになってからもう数百年になる。

 その程度の変化は当たり前だ」

「ふん、今の私の名は国際警察機構の黄帝ライセだ。

 わざわざバビル2世からビッグ・ファイアと呼び直してやったのだから合わせて欲しいものだな」

「ああ、そうだったな」

 

 男と少年はまるで自分達が数百年生きていたかのように話す。

 否、彼等の年齢は確かに3桁に達しており彼等の宿敵としての因縁もまた数百年の長きに渡る。

 

「それで私を呼び付けた要件はアレか」

 

 ヨミと呼ばれライセと名乗った男は豊かなヒゲを撫でながら眼前の巨大ロボットを見やる。

 楕円形の頭部が特徴的な機体だ。

 

「BF団の怪ロボットとはいささか毛色が違う機体のようだが」

「ああ、アレはガイアーという外宇宙製の爆弾ロボットさ。

 パイロットに選ばれたマーズという宇宙人が地球人を見限った時に内蔵した爆弾による自爆で地球をまるごと消し飛ばす、そういう代物だ。

 地球人に絶望するよう仕向けられたマーズが起爆させる直前、すんでの所でなんとか取り上げたんだ」

 

 ビッグ・ファイアと呼ばれた少年の、あまりといえばあまりな発言にギョッとした表情で彼の顔を見返すライセ。

 

「安心して欲しい。内蔵された爆弾は既に除去してある。

 今のガイアーは高性能で超能力に反応するシステムを内蔵しているだけの、単なる機動兵器でしかないよ。

 マーズ本人も落ち着かせた後で証人保護プログラム的な措置で普通の生活に戻して、今では寿命で亡くなっている」

「驚かせるな。流石に肝が冷えたぞ」

「それでヨミ、いやライセ。

 お前には僕と一緒にこのガイアーに乗って戦ってもらいたい。

 お前も感じているだろうマジンガーZが呼ぶ戦場は、僕達2人分の超能力でガイヤーを強化する必要があるくらいには過酷なんだ」

 

 そのビッグ・ファイアの一言にライセは瞑目する。

 

「……十傑集と言ったか、貴様の部下どもでも足りぬのだな?

 彼奴らほどの強者であっても」

「……ああ、忠誠を誓ってくれている彼等には悪いがここは僕が知る範囲内で最強の超能力者であるお前で行きたいんだ」

「ふむ……ここは何かしらの対価を要求するのが筋なのだろうが、座して静観してもロクな事にはならんだろう事も事実。

 良いだろう、力を貸してやる。

 貴様との因縁ももう長い。共闘した事も無いではないからな」

 

「あのー……お話は済みましたかお二人さん?」

 

 話を終えたビッグ・ファイアとライセにV字の意匠をあしらったモビルスーツに乗る少年が話かける。

 

 彼等2人が話していたのは科学要塞研究所という施設の近く。

 アメリカからの里帰り的な目的で科学要塞研究所に戻って来た兜甲児という少年や彼の戦友として戦った経験のある者達が、任務やら何やらで何者かにそう仕向けられたかのように同じ日時に機動兵器や艦船を伴って科学要塞研究所を訪れた際、見慣れぬ機動兵器と写真だけでなら知っているライセと見知らぬ少年が現れて話し始めたので今まで静観していたのだ。

 

 少年が国際警察機構の宿敵であり甲児達にも交戦経験がある秘密結社BF団の首領であるビッグ・ファイアだと聞いた時には面食らったが、その後の話が随分と妙な方向に流れていったので情報収集の観点から静観せざるを得なかった。

 

「ああ、今終わった所だ。

 君達も気を引き締めると良い。

 そろそろマジンガーZが僕達や君等を過酷な戦場に呼び出すハズだ」

「え? マジンガーZが?

 マジンガーZにそんな機能あるなんて初耳なんだけど?」

「いやそんな機能は無いハズなのだが……」

 

 とマジンガーZを知る者達が困惑する中

 

「……確かに言われてみれば格納庫のマジンガーZから妙な気配を感じるな……」

 

 超能力や念動力、ニュータイプ能力を持つ者達からマジンガーZから何かを感じるとの報告が上がり

 

「コイツは……」

「ああ、とびっきりヤバそうな雰囲気だぜ……」

 

 マジンカイザーに乗る甲児と真ゲッターロボに乗るゲッターチームが臨戦態勢を取った事から周囲の者達もそれに倣う。

 

 その次の瞬間、ガイアーに乗ったビッグ・ファイアとライセを含む彼等の姿はこの新西暦の世界から消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「光子ノ光ノ下ニ集エ……

 鋼ノ救世主、スーパーロボットト言ウ可能性ノ光達ヨ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 所変わって、世界すら変わって偽装天体ダミームーン司令室。

 

「アースゼロ・ハイヴ攻略班から報告!!

 本物のマジンガーZEROがあ号標的を破壊し、魔神マジンガーZEROによりクソ因果律の消失が確認されたそうです!!」

 

 その報告を受けた司令室に歓声と安堵の声が上がる。

 

 まだまだメシア教所属の危険な敵はいくらでも残っているとはいえ、彼等が絶対的なまでに運命に愛されていたその最大要因であるBETAと鑑純夏が紡ぐ因果律が取り除かれた意義は途轍もなく大きい。

 まだBETAの創造主がいる本星やその本星の戦力として存在が予想されている軍用BETA、平行世界干渉によるお代わりの危険も存在するが、因果律が潰されている以上はマブラヴ世界のような因果律に基づくやりたい放題は流石に不可能だろう。

 

「本物のマジンガーZEROはその後どうしてる?」

「テレポートと思しき現象を起こして消滅したそうです。

 どこかにはいるとは思われますが……」

「ハイヴ内での戦闘記録から考えれば放置していても真マジンガーZERO本編のような無体は働かないだろう。

 取り敢えずマジンガーZEROは置いておいてメシア教の次の手に警戒しよう。

 連中が魔界での拠点にしている天国だってジオイド弾で消し飛ばせた1箇所だけじゃないだろうしな」

「分かりました……待って下さい!!

 世界中で一斉に大量の核ミサイル発射が確認されました!!」

 

 その一言に弛緩していた空気が一気に張り詰める。

 それを皮切りに状況が目まぐるしく変わり司令室は喧騒に包まれていく。

 

「拡散波動砲搭載型砲艦艦隊に通達!!

 敵味方識別付きの拡散波動砲で地球全土を覆え!!

 設定する攻撃対象は人類に敵対的な悪魔にメシア教徒、高速移動中の核ミサイルとあとスペースデブリ!!」

「待て、あとセプテントリオンも追加だ!!

 アイツ等今さっき地球全土でアリオト以外の全種類が大量発生しやがった!!」

「南極大陸でシュバルツバース発生確認!!

 こっから見える速度で広がってやがる!!

 この分だとあと1時間くらいで南極大陸全土がシュバルツバースで覆われちまう!!」

「……っーーー!!

 攻撃対象追加ぁ!!

 シュバルツバースとセプテントリオンもだあぁぁぁ!!!」

「アステロイドベルトから多数の巨大隕石の軌道変更を観測!!

 タイミングから言って大量のアリオトによる牽引っぽい!!」

「そっちは予備の駆逐艦隊と強襲揚陸艦マーセナリー・オブ・アナトリアにアースゼロ・ハイヴで殺られて予備機貰った連中を随伴させて対処!!

 シュバルツバースにはレッドスプライト号を旗艦とした攻略艦隊を差し向けろ!!」

「馬鹿正直にストレンジジャーニーみたいな攻略してたら間に合わない!!

 魔神マジンガーZEROは攻略艦隊と合流してくれ!!

 高次予測で各セクターの座標情報に当たりをつけるんだ!!」

「悠は?」

「んなもん惑星エデンに後送に決まってるだろ!

 魔神マジンガーZEROはあくまでも高次予測要員で戦闘はさせない!!」

「予測データはこっちに送らせてくれ。

 エリダヌスとホロロジウムと嘆きの胎の座標貰えたらジオイド弾でセクターごとメムアレフとシェキナー消し飛ばしてやる!!」

「一応攻略艦隊の艦もジオイド弾載せてなかったっけ?

 アレのお陰で搭載出来る機動兵器が大分減ってるんだけど」

「いやこっちから撃ち込めた方が良いから。

 艦載のジオイド弾はシュバルツバースの中からじゃないと撃ち込めないみたいな異常事態用の予備だからな」

 

 その喧騒の一方で、拡散波動砲搭載型砲艦艦隊もまた拡散波動砲のチャージを開始する。

 拡散波動砲のエネルギーチャンバー内には本来の拡散波動砲用エネルギーである亜空間エネルギーの他に、サイコブラスターのエネルギーと発砲直前のアイドリング状態の貫通付き至高の魔弾も注ぎ込まれ、混ぜ合わされる。

 

 これはリーダー本部所属のリーダーでありながら人間ではなく悪魔である魔黒界の王子パレットの固有能力「この世のあらゆる物質や能力の性質を絵の具のように混ぜ操る」をボーダーが苦心して解析し、かなり劣化したコピーながらも再現したものを拡散波動砲に組み込んだエネルギー混合システムだ。

 これにより圧倒的な広範囲を拡散波動砲で薙ぎ払っても、貫通による耐性無視の攻撃をサイフラッシュやサイコブラスターのように倒したい敵にだけ浴びせる事ができるようにする事に成功した。

 このシステムのお陰で拡散波動砲艦艦隊はなんの遠慮もなく地球目掛けて拡散波動砲を撃ち込んでしまえるのである。

 

「拡散波動砲は1番艦から4番艦、5番艦から8番艦、9番艦から12番艦の4隻ずつで30秒ずつタイミングをずらしながら撃つ。

 いわゆる三段撃ちで行くぞ!!」

「「「「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」」」」

 

 拡散波動砲搭載型砲艦艦隊は一斉射すれば拡散波動砲でミサイルもセプテントリオンも全滅させられるだろうに、三段撃ちによる執拗な攻撃を前提に話を進める。

 唐突に、かつ異常な物量で現れたセプテントリオンは1度一掃出来てもまたすぐに大量のおかわりが補充されるだろう、という判断からだ。

 幸い拡散波動砲艦も艦船用次元コンバータを搭載している上に拡散波動砲発射に特化した艦である為、そうそうエネルギー切れはしない。

 

 なお砲手というか最後の引き金となるボタンを押す役は「人間による攻撃に対して無敵」という性質を持つセプテントリオン・破軍星ベネトナシュ対策としてクルーの仲魔に任せている。

 悪魔にボタンを押させる事で拡散波動砲を「悪魔による攻撃である」という事にして、悪魔の攻撃ならば通用するベネトナシュ相手に通じるようにする為である。

 

 かくして発射され地球全土を薙ぎ払った拡散波動砲は全ての核ミサイルとセプテントリオンを消し飛ばす。

 貪狼星ドゥベの絶対防御も相性による物なので貫通で貫かれ、ベネトナシュの対人類絶対防御も拡散波動砲の砲手が悪魔だった為に無視され、禄存星フェクダや文曲星メグレズの相互補完型蘇生術も地球全土を一手で攻撃されてしまえばどうしようもない。

 元々効きさえすればメガテンスケールの敵に対しては過剰火力だった為、攻撃されればされるほど分裂する武曲星ミザールも一撃即死で分裂の余地は与えられなかった。

 

 ……が

 

「やっぱりか!!

 撃ってすぐ再チャージ指示しといて良かった!!

 総員、お代わりが来なくなるまで三段撃ち継続!!

 リスキル地獄で何もやらせるな!!」

 

 再度大量のセプテントリオンが地球全土に覆い尽くして再び拡散波動砲で全て消し飛ばされる。

 そのサイクルが際限なく繰り返される。

 今のところセプテントリオンによる地球への被害はほぼ無いようだが、早晩拡散波動砲に限界が来る事も、そうなればセプテントリオンによる総攻撃で十分もかからずに全人類が死滅するのも目に見えていた。

 

「クッソ、これメグレズ達が自分を1体魔界かどっかに隠しているとかないか!?」

「いやそんなんだったらメグレズとフェクダしかいないハズだろ!!

 地球で大量発生してんのはアリオト以外の全種類だぞ!!」

「どっかに大元があるハズだ!!

 拡散波動砲が保たなくなる前にダミームーンの連中に探させろ!!」

 

 と、そこにシュバルツバース攻略艦隊に合流した魔神マジンガーZEROからの通信が入って来た。

 

「コチラ魔神マジンガーZERO。

 しゅばるつばーす突入マデノ短イ間ダケダガ、せぷてんとりおん本体ノ位置座標算出ニ協力シタイ」

「っ!! 有り難い!!

 頼むZERO!!」

 

 かくして地球のセプテントリオンの観測データの収集とそれらに基づいた魔神マジンガーZEROの高次予測により、セプテントリオンの本体が居るであろう空間座標が大雑把ながらも判明した。

 

「北斗七星の各恒星系所属の惑星の衛星だと!?

 月みたいな本星に対して不釣り合いにデカい奴??」

「そういや何年か前に、北斗七星がセプテントリオンとなんか関係あるかもって調査計画が組まれたけどゲッター艦隊が屯してて危険過ぎて調査出来なかった事があったな……」

 

 そう、危険過ぎて探索出来なかった北斗七星を中心とした7つの恒星系、そこに所属する衛星計7つの空間座標がセプテントリオンの観測データから得られたのだ。

 しかしそれだけ厚い守りに護られている場所が一切戦略的価値がない無関係の土地とは考え辛い。

 

「つまりその連中セプテントリオン本体の護衛艦隊だった訳か?」

 

 よってボーダーがこの結論に達するのは必然であった。

 

「何にせよゲッター艦隊が年単位で屯しているなら近隣の星にはメシア教徒と天使以外の知的生命体はいないっぽいな。

 居てもゲッター艦隊にとっくに皆殺しにされてるだろうし」

「ならジオイド弾転送1択だな。

 わざわざ北斗七星まで行ってゲッター艦隊突破なんてやってたら先に拡散波動砲がオシャカになる」

「巻き添えにして心が痛むような相手も居ないみたいだしな」

 

「!! 各拡散波動砲搭載型砲艦の周囲に重力異常!!

 何者かのワープアウトです!!」

「拡散波動砲搭載型砲艦艦隊随伴の機動兵器部隊は直ちに迎撃体勢に移れ!!

 こちらもすぐにジオイド弾発射してやる!!」

「ワープアウト、機種・艦種特定、未来ゲッターとゲッター艦です!!」

「ちぃっ!!

 いきなりコイツらか!!」

 

 未来世界から来ただけの事はあってゲッター艦隊の技術レベルは隔絶したレベルで高い。

 体感的にはボーダー側の機体が一年戦争時のモビルスーツとするならゲッター艦隊の機体はF90以降の小型モビルスーツほどの差だ。

 本来それだけ絶対的な差があるならボーダー側が無双されて全滅するハズなのだが、ここに1つ抜け道がある。

 

「どんだけ強かろうが結局のところ中身がメシア教徒なんだろ!!

 フレイムフィールドで焼き払ってやる!!」

 

 そう、乗っているのが天使やメシア教徒なのでマルティン・イーラもといフレイムフィールドに巻き込まれると一瞬で爆散してしまうのだ。

 本来なら堅牢無比なゲッター艦のゲッターバリアもありとあらゆる防御を許さないマルティン・イーラの獄炎の前には無力。

 

 とはいえ隔絶した性能差があるのもまた事実。

 拡散波動砲搭載型砲艦は射程で勝るゲッター艦のゲッタービームに次々と飲み込まれて全艦轟沈。

 

 轟沈の瞬間までゲッター艦には目もくれずセプテントリオンへの砲撃に集中した拡散波動砲搭載型砲艦艦隊は、実にセプテントリオン出現から二十分もの間セプテントリオンに何もさせずに封殺する事に成功。

 そしてその頃にはセプテントリオン本体もジオイド弾で衛星ごと消し飛ばされており、それに伴って地球のセプテントリオンも全滅した。

 

「……とはいえ、この連中どうにかせん事には結局地球が滅びるよなあ……」

「ただでさえシュバルツバースが残ってるのにな。

 突入してった攻略艦隊の連中大丈夫だろうな……」

 

 ボーダーの機動兵器パイロット達はあまりの戦力差に頭を抱えながら、ゲッター艦隊と対峙するのだった。

 

 

 

 

 

 一方、ゲッター艦隊が出現する数分前にシュバルツバースに突入したシュバルツバース攻略艦隊は、予期せぬ先客とその先客と交戦しているメシア教の姿に面食らっていた。

 

「未来ゲッターは良いとしてアニバスター版グランゾンだと!?」

「3邪神やっぱり量産体制整ってんじゃねーかよ!!

 見ないなと思ったらこんなところで量産してやがったのか!!」

 

 メシア教側の戦力は3邪神分身体による大部隊を率いる2機の機動兵器、未来ゲッターとアニバスター版グランゾン。

 

 それと交戦しているのは

 

「ガイアーだと!?

 マーズ版でゴッドマーズ版じゃない!?」

「νガンダムにマジンカイザーに真ゲッター……こっちは順当にスパロボプレイヤー部隊?

 いやだったらなんでヴァルシオンいんのよ!?」

「あっちはレイブレードとサイバスターとネオ・グランゾンか……」

 

 新西暦の世界で科学要塞研究所に導かれた、かつてゼ・バルマリィ帝国や宇宙怪獣などから地球を守り通した鋼の救世主達だ。

 光子力研究所で姿を消した彼等は平行世界を隔てる壁を越えてこの世界のシュバルツバースに出現した。

 かねてよりメムアレフが新西暦をはじめ技術レベルの高い平行世界から縮退砲開発用に技術を盗んでこちらの世界のルオゾールや白河博士に提供していた影響により、新西暦からの来訪者が通常空間よりもシュバルツバース内に出現しやすい状態になっていた為である。

 

 そしてその中には

 

「……俺の目の錯覚でなければ、アレってガンエデンだよな」

「多分ナシムの方だな」

「でもなんか光りの塊みたいになってないか?」

 

 地球の守護者ナシム・ガンエデンの姿もあった。

 

「てーこたーあれアルファ世界の奴らか?

 ビアン博士が生きててプレイヤー部隊と共闘出来そうなのもあそこくらいだし」

「そういや俺達を支援してくれてるのってサルファ無限力組合だし、もし仮にスパロボ世界からプレイヤー部隊が来てくれるとするならアルファ世界からになるのか?」

「……っ!!

 あちらのラー・カイラムから通信!!」

「繋げてくれ!!

 あと機動兵器は全機発艦!!」

「突っ込むなよ。

 いくら邪神に攻撃加えてるから多分味方だとしても、まだあちらと連携取れてないからな」

「「「「「「「了解!!」」」」」」

「通信、スクリーンに回すぞ!!

 規格が合ってくれて助かった!!」

 

 オペレーターの1人がそう言うとレッドスプライト号艦橋大スクリーンに誰もが見覚えのある男性の姿が大写しされる。

 

「スゲェ、ホントにブライト艦長だ!!」

 

男性、ブライト・ノア艦長の姿がスクリーンに現れた瞬間、レッドスプライト号の艦橋は歓声にも似たどよめきで包まれた。

 

「?

 私のことをご存知なのですか?」

「え? アッハイ

 ご高名はかねがねうかがっております」

「それならばコチラからの自己紹介は不要ですか。

 詳しいお話を聞かせて頂きたい所ではありますが、ご覧の通り現在我々は戦闘中で余裕がありません。

 ですので簡単な自己紹介と敵か味方かを簡潔にお聞かせ頂きたい」

「え、えーと、我々は株式会社ボーダーと言いまして、今あなた方と戦っている邪神共を使役して世界を滅ぼそうとしているカルト宗教・メシア教に対抗すべく結成された組織です。

 ですから味方と考えて頂きたいです、ハイ」

「……ハイ?

 失礼ですが1企業体が私有する戦力としてはいささか過剰なのではないですか?」

「そりゃまあ株式会社っていうのは世を忍ぶ仮の姿という奴ですし、その邪神共でも雑兵扱いのメシア教に対抗するにはこのくらいは最低限必要ですから」

「確かに不可解な所はありますが、アレに対抗する為の組織と考えればその程度の軍備は当然ではあります。

……それでもあなた方の装備は1組織に軽々と用意出来る軍備とは思えません。

 あなた方のスポンサーはどこのどなたですか?」

「え? スポンサーですか?

 スポンサー、スポンサー……サルファ無限力組合?」

「サルファ無限力組合?」

 

 ボーダーからの返答で不可解な名前を聞いたブライトはオウム返しに聞き直す?

 

「えー……あー……

 あなた方がバルマー本星や突然出現したザフトやブルーコスモスと交戦していた際に関わった意思を持つエネルギー達、ゲッター線やらビムラーやらからメシア教に対抗する為の情報や技術の提供を受けたんですよ。

 メシア教の目的って彼等視点ですら非常に危険なものでしたんで。

 そんな動きを見せた彼等を俺達の方で便宜上の呼び名として無限力組合と……」

「んな……メシア教というのはそこまで危険なのですか!?」

 

 サルファって枕言葉は何処から来たのだろう? という疑問が消し飛ぶほど、ブライトにとってボーダーからの返答は衝撃的な話だった。

 

そして密かに前線から下げて通信を繋げ、ボーダーに対する嘘発見器をさせていたカミーユ他数人のニュータイプに確認を取る。

 

「嘘を言っているようには感じませんね……

 大体ウソを付くのなら、俺ならもっと有り得そうな話をしますよ」

 

 そのカミーユの言葉にブライトは『マジか』という驚愕と『それはそうだな』という納得の相反する感情を抱く。

 

「ブライトさん、連中から無限力すら恐れるというメシア教の目的を聞き出してみて下さい」

 

 そのカミーユの言葉にうなずいて応えたブライトはボーダーに尋ねる。

 

「無限力がそこまで恐れるメシア教というのは、一体何を目的としているんです?」

「あ、ハイ、えーとアゾエーブという機体の力で時空連続体の基本構造を瓦解させて全ての平行世界を始源の混沌に返して消滅させた上で、遍く平行世界の全ての知的生命体がメシア教徒という意思なき人形となっている世界に再構築する事ですね」

「我々メシア教徒が意思なき人形とはご挨拶ですね。

 ただ正しき神を仰ぎ見る信仰心が強いだけではありませんか」

 

 そう通信に割り込んで来た『メシア教徒の』白河博士の姿は、しかし今しがた彼が否定した『メシア教徒は人形である』という事実を何よりも雄弁に肯定していた。

 

 その目は狂信に血走り、狂信が人格に取って代わって肉体を動かしていたからだ。

 

 戦闘開始時、ニュータイプや念動力者など感受性が強い者が多かった新西暦からの来訪者達は敵機に乗るパイロット達にマトモに人格と呼べる物が備わっていない事に気付いていた。

 そしてゲッターロボではない方の敵機に乗っている敵パイロットがシュウ・シラカワの姿をしているのを見た時、特別な能力を持たない者達ですら絶句する。

 

 その姿は狂信に狂っている一方で、破壊神サーヴァ・ヴォルクルスの支配下にあったハズの頃のシュウからも感じられた確固たる意思が一切感じられなかったからである。

 なまじ同じ姿をしているが故に違う箇所があまりにもハッキリクッキリと浮き彫りになっていたのだ。

 

「しかし株式会社ボーダーですか……取るに足らない木端霊能組織としか思っていませんでしたが、アゾエーブの存在まで知っているとなると生かしてはおけませんね。

 ここにいる者達のみならず全構成員とその係累のことごとくを根絶やしにしなくては」

「どの道世界滅ぼすつもりなら変わんねーよ!!」

 

 そう吼えたファイナルダンクーガの断空砲がアニバスター版グランゾンに直撃するが、グランゾンには一切損傷が見られない。

 

「やれやれ学習しない方々です。

 天使様方やルオゾール様からはあなた方は是非メシア教徒として洗礼して差し上げなさいと言われましたが、あまりにも聞き分けがないようなら手荒に行かせていただきますよ」

「洗礼? 洗脳の間違いだろ!!」

「……って、あの戦力相手に殺さないよう手加減して拮抗してんのか!?

 どんだけ強いんだあのグランゾンと未来ゲッター!!」

 

 戦況は新西暦陣営の強大な戦闘力を持ってしても無限湧きする邪神の物量や必殺技が直撃しても一切ダメージを負わないグランゾンと未来ゲッターの堅牢な防御力の前に決定打を打てずにいる状況という所。

 一方でメシア教の方も宇宙怪獣相手の地獄のような戦場をくぐり抜けてきた歴戦の新西暦側を切り崩すまでには到っていない。

 

「つまり防御力が問題なのか?

 確かに相性ゲーで強くなればなるほどクソ耐性になっていくメガテン世界の理を考えれば、最終的にはある程度以上強い奴らはみんなドゥベみたいな事になるんだろうけど……」

「……解析終了。

 あの連中、常時テトラカーンとマカラカーン張ってる上にグランゾンの方には『間接攻撃無効』がついてやがった。

 さっきの断空砲効かなかったのコレかあ」

「敵対時のネオ・グランゾンみたいな邪神の加護もあるみたいだな。

 未来ゲッターの方は各ゲットマシンにそれぞれ別の邪神の加護があって、グランゾンの方にはカドゥム・ハーカームの加護か。

 大方3邪神を三身合体させたんやろなあ」

「『フルブロック』もあるな。

 スパロボ式の装甲劣化とか以外にもメガテン式の麻痺とか眠りとかって状態異常や即死もシャットアウト出来るみたい」

「未来ゲッターの方にはアストラルシフトと。ナグツァートかよ」

「例によってフレイムフィールドで焼くしかないか?」

「まあそれしか無さ気よね……いや待て!!」

 

 ふとサイバスターの姿が視界に入った『俺達』の1人が前言を翻す。

 

「ブライト艦長……じゃないラー・カイラム!!

 確認したい事があるんですがちょっと良いですか!!」

「なんだぁ!!」

「ひっ!!」

 

 戦闘中という事でラー・カイラムオペレーターから気が立った返事をされて怯む『俺達』。

 だが聞き出しておきたい情報があるので怯えながらも尋ねる。

 

「えっとですね、今回の戦闘中にサイバスターってアカシックバスター使ってましたか?」

「え? アカシックバスター?

 なんであんた達がサイバスターの武装名なんて知ってるんだ!?」

「え、えーと戦闘終わったら話します!!

 それより使ったんですか使ってないんですか?」

「うーん……そういやサイフラッシュと乱舞の太刀とハイ・ファミリア中心で他の武器はあんまり使っていないな」

「よし、じゃあまだアカシックバスターが連中に特効かどうか試して無いんですね?」

「? アカシックバスターが連中特効だと?

 ちょっと良いか、俺にも話を聞かせてくれ」

 

 と、オペレーターと『俺達』との会話にブライト艦長が割って入ってくる。

 

「あ、えーと、その」

「お、おいブライト艦長に説明すんだよ!!」

「アッハイ

 えーとアカシックバスターって一見ただの火の鳥アタックに見えますけど、確か実際にはアカシックレコードに干渉するとかなんとかで相手の存在を抹消する技なんですよ。

 ただ普通の相手は抹消出来る程存在があやふやじゃないんで、結局は普通の火の鳥アタックになるみたいですけど、あの邪神達は普通じゃないんです」

「ふむ?

 まあなんでアレでアカシックと名前がつくのかは以前から疑問だったが……

 まあ良い続けてくれ」

「この世界はあなた方がいた新西暦の世界ではない平行世界でラ・ギアス3邪神やその大元となったカドゥム・ハーカームは本来フィクションの中にすら存在しない世界なんです。

 その存在しない邪神達を平行世界の知識を持つ者がどうやってか無理矢理に具現化させたのが今ここにいる邪神達なんですよ。

 つまり連中に関するアカシックレコードの記述は後から無理矢理追加される形で書き込まれた物で、アカシックバスターでの存在抹消が普通より効きやすいんでないかと……」

 

 ここが平行世界だという話にはブライト達も驚くが、そもそもがそんな機能を持たないハズのマジンガーZにより気が付けばシュバルツバース内に転送されて現在に到っているのだ。

 ギリアム・イェーガーという実例により平行世界が実在する事も理論などではなく事実として知っていた為、この場が平行世界であるという話は受け入れる事が出来た。

 

 となると問題はアカシックバスターの力と敵の存在の脆弱性だ。

 

「サイバスターと後ネオ・グランゾンを下がらせてくれ。

 格納庫にいるイクナート博士も交えてアカシックバスターによる敵の攻略が妥当かどうか、マサキとシラカワ博士と話し合いたい」

「分かりました」

 

 現在ラー・カイラムの格納庫で機体整備の手伝いをしているウェンディ・ラムス・イクナートはサイバスターの開発主任でもある。

 彼女がアカシックバスターの仕組みを知らない筈がないので、ボーダーの話に嘘がないかどうか、アカシックバスターが本当に邪神特効かどうかも、彼女なら分かるハズ。

 そういう判断だった。

 

 

 

「お話は分かりましたブライト艦長。

 確かにその人が言っているようにアカシックバスターはアカシックレコードに干渉して対象の存在を抹消する兵装です。

 普段はそのように作用せず普通の物理破壊になってしまう理由も合っています」

「しかしあの連中、なんでそんなもん知ってやがったんだ?」

「胡散臭くはあるが今はイタズラに敵を増やさない方が良いだろう。

 少なくともあの偽シラカワ博士達とは敵対しているのは間違い無さそうだしな」

「恐らくは平行世界の知識とやらについてボーダーなる組織も詳しいのでしょうね」

 

 サイバスターとネオ・グランゾンがラー・カイラムに着艦した後。

 サイバスターとネオ・グランゾンのパイロットであるマサキ・アンドーとシュウ・シラカワは何時でも再出撃出来るよう、コクピットからブライト艦長やウェンディを交えた作戦会議に参加していた。

 

「しかしアカシックバスターが本当にそういった代物であるのなら、本当に邪神達を消してしまえるのか?」

「いや本当に消してしまえたとしてもあんだけ沢山いる連中を少しくらい消し飛ばしても何も変わんねーんじゃないか?

 それにそんなの普通にブチのめすのと何が違うってんだ」

「……いいえ、それが違うのよマサキ。

 邪神達の中でも大元に当たる個体、そうでなくとも取り分け強い力を持つ個体をアカシックバスターで消してしまえれば、他の邪神を存在抹消に巻き込める可能性があるの」

 

 マサキの発言を否定するウェンディの言葉にシュウが反応する。

 

「……なるほど。いくら数が増えようとも大元は同じ。

 破壊神サーヴァ・ヴォルクルスの分身体もまた破壊神サーヴァ・ヴォルクルス以外の何物でもない以上、サーヴァ・ヴォルクルスという存在をアカシックバスターで否定出来てしまえば、本体も分身体も区別なく全てのヴォルクルスを一掃出来るのですね。

 他の邪神についても同じく。」

「ええ。元よりアカシックバスターはそういうつもりで作った兵装ですから。

 魔装機神は無数の分身をバラ撒き普通に倒してもいずれ復活する破壊神サーヴァ・ヴォルクルスを仮想敵として開発された物ですので、邪神の存在を根底から否定できる武装としてアカシックバスターが搭載されたのです。

 もっとも私達の世界では邪神、そしてその大元である巨人族の存在が拭い難く深く刻み込まれてしまってましたから、結局は普通の物理破壊兵器にしかなりませんでしたけども」

 

 その話に残る2人も合点がいく。

 

「するってーと、あのボーダーとかいう連中はその元々の用途でアカシックバスターを使えっつってる訳か」

「そうなりますね」

「後は邪神の存在がアカシックバスターによる抹消が通用するほど脆弱か否かが問題になる訳か。

 シラカワ博士、イクナート博士、お二人ならお分かりになりますか?」

「すみません……先程までの戦闘記録である程度検討がつくとは思いますが、今すぐとなると難しいと思います」

 

 ブライトの質問を受けたウェンディは頭を振って否定的に答えた。

 ブライトがシュウの方にも視線を送るとシュウも頭を横に振る。

 

「それよりその辺のザコ邪神にアカシックバスターで突っ込んでみればハッキリするんじゃないか?

 もし上手く行っちまったらその直後から死ぬ程警戒されるけどよ」

 

 さな2人の反応を受けて、マサキは取り敢えずアカシックバスターを使って試してみる事を提案する。

 するとブライトが彼に答えて言った。

 

「それならダメ元で大元らしき相手にアカシックバスターを使ってみたほうが良いだろう。

 少なくともアカシックバスターなら実体剣のような単純物理でもないから、あの良くわからん攻撃反射を受ける事もないしな」

「最悪普通の攻撃にしかならなくてもダメージになってくれるならそれはそれで、って奴か」

「……となると狙うべきは」

 

 シュウは自分と同じ姿の男を思い浮かべる。

 

「重力兵器を備えたあのズングリとした機体ですね。

 あれからは邪神達の大元であるカドゥム・ハーカームの気配を感じました。

 少なくともこの戦場にいる敵戦力の中では最も大元に近く強大でしょう」

「ズングリとした機体ってあのお前の姿をした奴の機体か」

「……決まりだな。

 マサキ、シラカワ博士の援護であの機体にアカシックバスターを撃ち込んでみてくれ。

 良好な結果が得られたなら、敵ゲッターロボの方にも頼む」

「了解だ。

 出るぞシュウ!!」

「分かりました。

 ネオ・グランゾン発艦します。整備の方々は退避を」

 

 そうして再出撃していった2人が目指すアニバスター版グランゾンはというと、ボーダーのシュバルツバース攻略艦隊に攻撃を加えて大きな被害を与えていた。

 

「ブラックホール・クラスターってこんな乱射系の武器でしたっけーーーーーっ!!」

「おかしな事を言う人達ですね。

 クラスターというからには単発で終わる訳が無いでしょうに」

 

 アニバスター版グランゾンは大量のマイクロブラックホールを自身の周囲に発生させると、それを嵐のごとくシュバルツバース攻略艦隊に浴びせ掛ける。

 恐ろしい事にマイクロブラックホール弾一発一発がネオ・グランゾン版のブラックホール・クラスターの80%ほどの威力があり、それを大量に発射するので総合的にはネオ・グランゾン版のブラックホール・クラスターより遥かに強大な兵器と化している。

 

 当然そんなものの直撃を喰らえばボーダーの強襲揚陸艦などひとたまりもない。

 ラプラスウォールなど紙切れのように貫かれてギガンティック号とブルージェット号はなすすべもなく轟沈し、少なくない数の機動兵器もまた吹き飛ばされる。

 結果、たった1射でシュバルツバース攻略艦隊は半数近くが消し飛ばされてしまった。

 

「あの野郎、マジで俺達相手じゃ三味線弾いてやがったのか!!」

「生け捕りにしてやるってのも本気みてえだな。

 舐めやがって!!」

 

 その様子を見て真ゲッターロボに乗るゲッターチームが歯軋りする。

 お前達など本気を出すまでもない、と宣告されたも同然だからだ。

 

 そんな戦場にサイバスターとネオ・グランゾンが再び姿を現す。

 

「じゃあ打ち合わせ通り頼むぜシュウ!!」

「分かりましたよ。

 ワームスマッシャー!!」

 

 マサキはそう言うとアカシックバスターの火の鳥を纏ってネオ・グランゾンに突撃して行き、ネオ・グランゾンはワームホールを開いてアニバスター版グランゾンにワームホール越しのエネルギー弾攻撃を仕掛ける。

 

「?

 どういうつもりでっ!?」

 

 エネルギー弾を浴びながら「どういうつもりですか?」と言おうとした白河博士の言葉が突然の衝撃で中断させられる。

 エネルギー弾を吐き出していたワームホールが突然大きくなった次の瞬間、エネルギー弾ではなくアカシックバスター使用中のサイバスターを吐き出して来たからだ。

 

「アカシックレコード・サーチ!!」

 

 アカシックバスターがアニバスター版グランゾンに直撃した瞬間、マサキは、そして彼の猫型ファミリアたるシロとクロは今までにない手応えを感じる。

 何を、とは言わないが「消せる」という確信がマサキ達の中に生まれ、その確信に従って「消す」。

 

 そうするとアニバスター版グランゾンから憑依していたカドゥム・ハーカームが消え、その加護たる間接攻撃無効が消え去ったばかりか、爆発を起こしてかろうじて動ける程度になる程の大ダメージを負った。

 

「コイツは、ビンゴって奴らしいな!!」

 

 邪神達は消えない。

 この世界においてはカドゥム・ハーカームの怨念が3邪神に姿を変えたのではなく、3邪神を元にカドゥム・ハーカームが三身合体で生み出されたからだ。

 しかしそれとても「カドゥム・ハーカームの怨念が3邪神と化した」という概念あっての物。

 カドゥム・ハーカームの存在が否定された影響で邪神達の存在も揺らぎ、それが霊的資質を持たない者の目にもノイズや揺らぎとしてハッキリと見て取れた。

 

「となると次に狙うべきは……」

「敵ゲッターロボ!!」

「くっ、グランゾンが!!

 この損傷では流石に下がるしか……」

 

 次はルオゾールの未来ゲッターだと色めき立つボーダーやマサキ達を他所に、コッソリと戦線離脱を目論むアニバスター版グランゾンの前にネオ・グランゾンが立ちはだかる。

 

「……まさか私にあそこまで不快な思いをさせておいて、ただで帰れるとでも思っていたのですか?」

 

 シュウは的確にアニバスター版グランゾンのコクピットの位置を割り出し、ネオ・グランゾンの手を突っ込ませてエグり取る。

 

「ふむ、私と同じ方法による洗脳解除は不可能。

 脳と魂に羽のような物を埋め込んでの人格汚染……ではなく、元々の人格を完全に消滅させた上でのテンプレート人格移植に転生の後にも残るだろう魂の汚損ですか。

 ならば……」

 

 ネオ・グランゾンはおもむろにマイクロブラックホールを生成するとそこにアニバスター版グランゾンのコクピットを放り込む。

 

「私にとっては一瞬ですが貴方にとっては永遠です。

 永劫の虚無の中でいつまでその信仰心を僭称する魂の汚損を保っていられますかね?」

 

 そしてマイクロブラックホールを消え去った後に残った魂の状態を見てひとまずは満足したシュウ・シラカワは、メシア教への殺意を漲らせた。

 

「いやあ……この世にここまで私の主義と反する方々が居られるとは驚きましたよ。

 巨人族の教化ですらここまででは無かったと思ったのですがね」

 

 シュウはそう言うとアストラルシフトに護られた未来ゲッター相手に攻めあぐねている味方の方に向かい『感応』によるサポートを受けた上で未来ゲッターにブラックホール・クラスターを直撃させる。

 

「今ですマサキ。

 あなたの言う無敵モードは取り払いました」

「しまっ!!」

「逃すかよぉぉぉ!!

 アァァァァカシックゥッ、バスタァァァァーーーーーー!!」

 

 サイバスターに対する『感応』によってアカシックバスターの直撃を受けた未来ゲッターから、憑依していた3邪神と彼等による加護が失われる。

 それと同時に戦場を埋め尽くしていた邪神達の姿は、まるで最初から邪神など存在していなかったかのように消え去っていた。

 それがアカシックレコードからラ・ギアス三邪神についての記述が綺麗サッパリ拭い去られた結果だった。

 

「……今まで散々使ってきたけど、アカシックバスターって元々こういう代物だったのか……

 エグいというか邪神特効というかもう少し早く本気出して欲しかったというか……」

「今まで本領を発揮する機会に恵まれなかったという事ですね」

 

 パイロットがそう話し合うサイバスターとネオ・グランゾンに、未来ゲッターのゲットマシンを小脇に抱えた真ゲッターが近づく。

 

「この野郎、トンズラしようとしてたから捕まえてきたぞ」

「コイツ締め上げて色々聞き出そうぜ」

「そう言う事なら私に任せて頂けませんか?

 私なら尋問に使えそうな魔術や催眠術の心得がありますので」

 

 シュウにそう言われたゲッターチームはゲットマシンごとルオゾールをネオ・グランゾンに引き渡す。

 そうして受け取ったゲットマシンのコクピットを抉り出したシュウは逃げられないよう抉り出したコクピット周りに結界を張りながらルオゾールの頭の中を調べ上げた。

 

 

 その一方でシュバルツバース攻略艦隊は残存戦力を纏めながら各セクターの位置情報を調べていた。

 ルオゾール率いる邪神群と新西暦からの来訪者達の戦闘の余波そのものが音響探知用の音波のような役割をしてくれたお陰で割とスムーズに探知が進む。

 

「セクター発見、遠隔アナライズで出現悪魔レパートリー調べます」

「すみませんこの座標のセクターですけど、出現悪魔の傾向からアントリアっぽいです」

「んーまあこんな入り口付近のセクターならアントリアになるよな……」

 

 先程までの戦闘中に比べると緩い印象を受けるやり取りだがその表情は真剣だ。

 シュバルツバースの拡大速度を考えれば、ノンビリ各セクターの攻略などやろうものなら確実に間に合わないからだ。

 

 「!! この出現悪魔レパートリーは!?

 探査機射出要請します!! 座標は……」

「コチラ5番探査機からの地形情報!!

 嘆きの胎です!!」

「!! 出現悪魔レパートリーは?」

「鬼女ランダ魔王ツィツィミトル邪龍ファフニール邪龍ヴリトラ魔王スルト死神イシュタム邪神マダ邪龍ヴァスキです」

「最深部じゃねえかよ、良く見つけた!!

 ジオイド弾に5番探査機の座標情報を入力だ!!」

「了解!!」

 

 そうして魔神マジンガーZEROの高次予測の助けも借りて、シュバルツバース攻略艦隊は程なくして攻撃目標である3つのセクター、ホロロジウムと嘆きの胎最深部・十天への至とエリダヌスの座標情報を入手する。

 

「良し!!

 ホロロジウムと嘆きの胎をジオイド弾で爆破したら次はエリダヌスだ!!

 脱出経路も把握してるな!!」

「はい、出口座標も取得済みです」

「ラー・カイラムというかアルファナンバーズ+αの人達はどうすんの?

 このまま爆破したら出られないと思うけど」

「そりゃここを爆破するから一緒に脱出して下さい、って言や着いてきてくれ……なさそうだな。

 なんか微妙に俺達に対する不信感っぽいの持ってたし」

 

 とはいえなんの通達もせずにジオイド弾を使うことは出来ない。

 そこで取り敢えずラー・カイラムとの通信を繋げてみると、真剣な表情のブライトやシュウがメシア教殲滅に是非協力させてほしいと言ってきた。

 話を聞く限り、未来ゲッターに乗っていたルオゾールの記憶によりボーダーの話の裏が取れ、全平行世界の危機である以上は自分達も無関係ではない、という事だった。

 

「なるほど。

 皆さんが協力してくださるのなら心強い。

 それなら早速ですが俺達に着いてきてここから脱出して下さい。

 この異空間の外にもまだまだ大量の敵が残ってますので」

「分かりました」

 

 そうしてシュバルツバース攻略艦隊は帰る道すがら艦載したジオイド弾を発射してホロロジウムと嘆きの胎とエリダヌスを消し飛ばす。

 

 その後程無くして崩壊を始めたシュバルツバースを攻略艦隊とラー・カイラムが脱出していく中、レッドスプライト号から脱出艇が発艦して数人の『俺達』がシュバルツバース内に残る。

 天涯孤独かつメシア教徒再洗脳計画に参加した為、『陰謀論の悪役が行うような行為に手を染めた者』としてニュートロンジャマーの攻撃対象となってしまい地球で暮らせなくなった者達だ。

 

 彼等はシュバルツバースにはディープ・ストレンジジャーニー追加Nエンドの主人公のような内側からの監視員が必要になるという話が出た際、他の普通の生活に戻れる者達を犠牲にするくらいならもう戻れない自分達の方が良いと言い出したのだ。

 他の『俺達』は反対し、機械での監視でも良いのではという話にもなったが、結局機械オンリーでは信頼性に欠けるという話にもなり、彼等の覚悟も堅かった為に説得を断念。

 せめてもと数機のBALLSと彼等好みのアニマトリガー多数を連れて行く事を条件に監視部隊としてシュバルツバース内に置き去りにする事になった。

 

 本人達は

「まあせいぜい誰にも邪魔されないハーレムとかリアルシムシティとかで楽しませてもらいますわ」

と笑ってシュバルツバースに残っていったのだった。

 

 そんな脱出艇はラー・カイラムからも見る事が出来、その真意もシュバルツバース攻略艦隊から聞く事が出来た。

 

「どうも彼等はこの世界をゲームの世界だと軽んじる気はないようだなブライト」

「ああ、俺達の事をスーパーロボット大戦αという話の登場人物として軽んじる気もな。

 第三次スーパーロボット大戦α……『サルファ』か」

 

 男達の覚悟は確かに戦士達に見届けられ、通常空間に脱出したラー・カイラムの背後でシュバルツバースは消滅していったのだった。




 え? メムアレフとシェキナー?
 そんなもんスパロボプレイヤー部隊の前にお出しして何をやらせろと?

 スパロボαの主人公ですが、一応クスハ(スーパー)→アラド→クォヴレーという変遷となっています。
 クスハやウッソ、マサキのような途中で登場しなくなった連中やアラド・久保以外のニルファ・サルファ主人公達は、ニルファからサルファにかけてスパロボEXから魔装Fまでのラ・ギアスでの戦いに参加していたという事で。
 マサキやシュウといった地上とラ・ギアスの繋がりが切れてない状態でビアン博士も生存している為、この新西暦世界のヴァルシオーガはビアン博士の監修が入っていたりします。

 そして失われたハズのガンエデンがなんでいるかですが、それは次回ゲッター編で。
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