毎年恒例おバカさん達の新年会。
今年もやっぱりダージリンは全く懲りていない模様。
更に今年は西住流家元が裏で何やらやらかすようで……。

1 / 1
大変遅まきながら新年明けましておめでとうございます。
昨年最後の投稿から大晦日まで仕事が続き、
元日こそ休んだものの翌日から今日までずっと休みなしとなってしまいました。
その間も少しづつ用意していた原稿の校正を続けていたのですが、
結局は新年最初の投稿がここまで遅くなって申し訳ない限りです。

今年も新年早々えっちな展開で果たして大丈夫か内心ヒヤヒヤしてますw
しかも最後は恋愛戦車道初の展開で結構下品だしww


ガールズ&パンツァー 恋愛戦車道番外編 兎兵法

「私絶対に着ないわよ!」

 

「オイ煩いぞ、何だ藪から棒に……?」

 

 

 毎度お馴染み西住流道場併設のコンベンションセンターの小ホール。

 そのホールの高い天井に突然ヒステリックなラブのハスキーボイスが響くと、彼女の直ぐ目の前に背を向ける形で立っていたまほは如何にも迷惑そうに顔をしかめて小言を言った。

 しかしそれでもラブが口を噤む事はなく柳眉を逆立てた彼女は、一層激しい口調で雁首揃えて怪訝な顔をするお仲間達を非難するのだった。

 

 

「とぼけんじゃないわよ!アンタ達はどうせ今年も絶対そこにいる紅茶キノコの口車に乗せられて、とんでもなくイヤらしいバニーコスとか用意してんじゃないの!?」

 

「誰が紅茶キノコですってぇ!?」

 

 

 名指しせずとも紅茶キノコ呼ばわりされた挙句ビシッと指を突き付けられたダージリンも、黙って黒幕に徹していればいいものをそれが出来る性格ではないので、瞬間湯沸し器よりも早くお頭を沸騰させた彼女は、キーっと牙を剥いて見下すような態度で自分を睨むラブに速攻噛み付いていた。

 

 

「紅茶キノコって何だ……?」

 

「さあ?私に聞かれても知らないよ…それより西住、お前まさかまた……?」

 

「……」

 

「オイ、何故そこで黙る……?」

 

 

 毎年新宴会の度にラブと抱き合わせで酷い目に遭わされるアンチョビも、当然今年も何かあると警戒はしていたので、黙って目を逸らしたまほの態度に自分の勘が間違っていなかった事を確信した。

 だがアンチョビがまほを尋問するより先に完全にブチキレたラブの怒声が辺りに響き渡り、出端を挫かれた形となった彼女は開きかけた口を閉じるのも忘れ事態を傍観していた。

 今年も新年会で多少大騒ぎしても周囲に迷惑の掛からぬ西住家に参集していた一同であったが、彼女達にあてがわれた小ホールに足を踏み入れて早々にキレたラブは、超早口なブロンクス訛りの英語混じりに喚き散らし手が付けられなくなっていたのだ。

 

 

「このF●ckin'でЁЖ℃なHoly Sh★tめ!ったくΩ◆〒で油断も隙もない最低なB〆tch共は毎年毎年私にいやらしいカッコさせようとして!そんな事して一体何が楽しいのよ!?」

 

 

 丑年の牛柄コスに未遂に終わったとはいえ寅年の虎縞ビキニに続き、今年も絶対にバニーコスでエロなコスプレをさせようとしているに違いないと断定するラブは、目尻に涙を浮かべながら懲りるという事を知らないケダモノ達の顔を順繰りに睨み付ける。

 

 

「Ha!ナンセンスね、楽しいからやるに決まってるじゃない♪」

 

「黙れこの尻軽クソバカヤンキーGo home!」

 

 

ところが軽薄な人を小馬鹿にした身振りで肩を竦めながら笑うケイが火に油を注ぎ、激怒したラブは目尻を釣り上げ口汚くF・S・Bワードを乱発して彼女を罵ったのであった。

 

 

「You s〇ck!クッソ最っ低ぇ!フェアプレイが信条の私の何処が尻軽なワケ!?」

 

「Huh?そういうトコよ!」

 

 

 すると今度はここぞとばかりに挑発していたケイが逆ギレし、ラブと似たような宜しくない英語混じりに自分が如何に高潔な人間であるかをアピールすると、それを聞いたラブは鼻で笑いながら再びCIWS(シーウス)のような勢いで喚き始めていた。

 

 

「ったくドイツもコイツも毎度毎度何であっさりとダージリンの口車に乗っかるのよ……ってダージリン!とぼけてそっぽ向くな!コッチ向け!何よ聞こえてるクセに聞こえないふりすんな!それともナニ?マジで紅茶飲み過ぎて耳ん中にキノコでも生えてんの!?この首までどっぷり英国面に浸かったずぶずぶ腹黒暗黒卿が!」

 

 

 ケイの態度の悪さに一層ヘイトを溜め込みイライラが頂点に達しつつあったラブは、怒りの矛先が逸れていたのをいい事に『私関係ありませんわ』とでも言いたげな顔で背を向けるダージリンに、思い付く限りの罵詈雑言を浴びせたのであった。

 

 

「ちょっと!さっきから何なんですの!?黙って聞いていれば人の事をまるで悪の枢軸みたいに!」

 

「事実じゃない!」

 

「何ですってぇ!?よく鏡を見てから口開いて下さる!?」

 

 

 だが身から出た錆とはいえダージリンも一方的になじられて黙っているタマではないので、再び即ギレで火が付いた瞬間湯沸し器は反撃に打って出たのだった。

 ガチギレした者同士の容赦の欠片もない口角泡飛ばしての激しい罵り合い。

 その過激な言葉の応酬は果たしてこの二人が本当に仲が良いのか疑わしくなる程で、見た目通りに気も小さいビビりなカチューシャなどは恐怖にその小さな肩を震わせ怯えていた。

 

 

『ね、ねぇ…この二人ホントに仲良いの……?仲良かったらここまで罵り合ったりする……?』

 

『そのはずですが…あらカチューシャ様もしかして……?替えのパンツならここに……』

 

『だからノンナ!アンタは何でそういつも私がちびる前提でパンツ用意してんのよ!?』

 

 

 傍から見ればこれも相当異常なやり取りだが、カチューシャがビビってちびるのもいつもの事だったしノンナがその対策を怠らないのもいつもの事で、結論から言えばこの二人はこれが日常であり安定の平常運転だった。

 

 

「ええそうよ!今年もあなたの言う通りちゃんと新年会の余興を用意していますわ!」

 

「あ!この茶坊主とうとう開き直ったわね!?」

 

「フン!何とでもおっしゃい!さぁご覧なさい、今回は本物のウサギを用意しましたのよ!」

 

 

 いつ果てるとも知れぬ罵り合いであったが、カチューシャとノンナがヒソヒソやるうちにこのままでは埒が明かぬと判断したダージリンが開き直り、喚くラブを無視して懐から何やらリモコンらしき物を取り出すとホールのステージに向けてスイッチを押していた。

 

 

「ちょ…何を……あ゛……?」

 

 

 遂にダージリンが実力行使に出たかと身構えながらステージに目を向けたラブは、閉じていた緞帳が開き照明に灯が入るとそこに広がる光景に暫し言葉を失うのだった。

 

 

「あ、あの…何で私はここにいるんでしょう……?」

 

「あ、あああ梓ぁ!?」

 

 

 案の定ステージ上にはラブの予想通りバニースーツを着せられたトルソーが二つ。

 これはまず間違いなく自分の分とアンチョビの分だと予想が付いたが、その間の椅子に可愛らしいピンクのバニースーツを着せられた少女がいる事に気が付いた瞬間、心底驚いたラブの目は大きく見開かれ声も裏返り顎は大きく落ちていた。

 それもそのはず椅子にリボンでラッピングでもするように拘束されていたのは、大洗の首狩り兎にして副隊長の澤梓その人であり、何故彼女がここにいてバニースーツで椅子に縛り付けられているのか理解出来ないラブは頭の中が真っ白になっていたのだ。

 

 

「どうかしら?今回のサプライズ、気に行って頂けて……?」

 

 

 ラブの驚愕の表情に漸く溜飲が下がったのか、悦に入った表情のダージリンはネチネチした口調で語り掛けながら勝ち誇ったように彼女の顔を覗き込む。

 

 

「Wow!ラビットじゃない♪Heyダージリン!このサプライズはどういう事?私何も聞いてないんだけど?てか私らに何も言わずにこんな仕込みするなんてアンタやっぱ性格悪いわ~」

 

「うっさいんですわよ!」

 

 

 梓が大のお気に入りなケイは予想外過ぎるサプライズにテンション爆上げだが、そのケイにディスられたダージリンはいい気分になっていた処に水を差され、あからさまに不機嫌そうに目を吊り上げて彼女の事を睨み付けていた。

 

 

「…ハッ!オイこらダージリン!アンタ何梓まで巻き込んでのよこの脳グロ女!」

 

「脳グロってどういう意味ですの!?」

 

「そのまんまよ!ちょっと梓大丈夫!?一体何があったのよ?」

 

 

 予想だにしない梓の登場に呆然としていたラブであったが、ケイにディスられヒスを起こしたダージリンの声で我に返ると、直ぐに彼女を黒幕と決めつけ罵倒したのだった。

 

 

「…ラブ姉……わ、私は西住隊長に大事な仕事を任せたいって言われて……てっきりチームの事だって思ってたら、何故か聖グロの輸送機が迎えに来て気が付いたらここに……」

 

「みほぉぉぉ!あんのお馬鹿ぁ!ダージリンに梓の事売ったわねぇぇぇ!」

 

 

 我に返ったラブがピンクのバニースーツで椅子に縛り付けられたままの梓に事情を尋ねると、涙目で目をグルグルさせた梓は相当混乱した様子でたどたどしく自分に何が起きたかを説明したのだが、話を聞いた途端何があったか察したらしいラブは口から火でも噴きそうな勢いで怒声を発していた。

 実際彼女の予想は大方当たりでありダージリンに唆されたみほは、己が煩悩に従い自分とエリカの分のバニースーツと引き換えに梓を売り渡していたのだ。

 尚みほ相手にこの裏取引を進めるにあたり、ダージリンはオレンジペコにバレて計画自体が頓挫せぬよう細心の注意を払って行動していたが、後日結局はバレて盛大に〆られる結果に終わっていた。

 

 

「人聞きの悪い、私の事人買いみたいに言わないで下さる?」

 

「思いっ切り人身売買やっといて何ぬかすかぁ!アッサムぅぅぅ!アンタも何で止めないのよ!?」

 

 

 日頃何かとダージリンの問題行動を皮肉るクセに、いざ問題が発生すると自己保身の為に何もしないアッサムにも腹を立てたラブは、スッと視線を逸らした紅茶キノコ2号にも怒りの矛先を向けた。

 実際の処アッサムもみほと同様に、溺愛するローズヒップに着せるバニースーツを用意するのを条件にダージリンの暴走を黙認していたので、ラブから見れば彼女も立派な共犯者であった。

 

 

「…お風呂入る時妙に大人しかったのはこの為だったか……もう付き合い切れない!梓今助けるからね!千代美手伝って!こんなバカ共放っといてもう帰ろう!」

 

「お、おう解った!」

 

 

 ステージ上にはサイズ違いで二着のバニースーツが用意されていたので、今回も自分とアンチョビがオモチャにされると踏んだラブは、何かされる前に脱出するべく行動を起こそうとしていた。

 

 

「アラアラ、本気で逃げられると思っていますの?だとしたら相当におめでたい話ですわ♪」

 

「どういう意味よ……?」

 

 

 自分が帰ると言うや否やス~ッと目を細めたダージリンは、勝ち誇ったような態度でラブに向かって楽し気に言い放った。

 

 

「まだお解りにならないの?このまほさんからお預かりしたこのリモコン、ホールの設備を全てコントロール出来ますのよ?」

 

「ま、まさか……」

 

「ええ、ホールの全ての出入り口はこのリモコンで施錠出来ますのよ?私、こんな事もあろうかと全員がこのホールに入った後直ぐに鍵を掛けておきましたの」

 

 

 予感的中、ラブが口元を引き攣らせる様を楽し気に鑑賞したダージリンは、手にしたリモコンを実に嬉しそうにヒラヒラと振りながら勝ち誇って見せたのだった。

 

 

「まほのドアホ!アンタ何てモンをダージリンに与えてんのよ!」

 

「イヤだって……」

 

 

 どうせ『千代美さんのバニー姿見たくはなくて?』とかダージリンに唆され、言われるがままに自分を罠に嵌める準備に手を貸したのだろうと察したラブは、まほのアホさ加減と自らの軽率さに腹が立ち独り忌々し気にギリギリと歯嚙みをしていた。

 

 

「全く往生際の悪い…いい加減諦めて用意した衣装に着替えたら如何ですの……?」

 

 

 ほぼ八方塞がりで退路を断たれた状況にキレたラブはまほを責めるが、諸悪の根源たるダージリンは立場も忘れ呆れ顔で肩を竦めていた。

 

 

「何を偉そうに!誰があんな恥ずかしいシロモノ着るもんですか!」

 

「まだ抵抗する気ですの?…ならこちらも手加減なしで参りますわ……者どもかかれ!吶喊!」

 

「な、ナニが吶喊よ!?いつもは絹代さんの吶喊喰らって蹂躙されてるクセにぃ!」

 

「お黙り!さぁ一気にひん剥いてしまいますわよ!」

 

 

 如何なる状況に於いても決して諦めない、厳島流唯一絶対の教えを骨の髄まで叩き込まれているラブは徹底抗戦の構えを見せ、目下ダージリン最大のウィークポイントである絹代の名を出し精神的な揺さぶりをかけて脱出の隙を窺おうとする。

 しかし残念ながらそれでもダージリンが攻撃の手を緩める事はなく、業を煮やした様子で一気にラブを攻め落とさんと進軍を開始したのであった。

 

 

「こっち来んな!この色ボケ紅茶キノコ!」

 

「だから私を巻き込むな!オイ西住!オマエもマジで大概にしろよ!」

 

 

 ダージリンがラブにいかがわしい行為に及ぶ際、常に巻き添えにされるアンチョビはその片棒を担ぐまほを語気も強く叱責したが、既にアンチョビのバニー姿を見たいという色欲に捕らわれた彼女にその声は届かず、他の色ボケゾンビ共と一緒にじわじわと包囲の輪を狭めつつあった。

 

 

「まあまあまあ♪すっかり怯えて可愛らしいウサギさん達です事……でもたかが着替えるだけでそこまで怯えるなんてウサギが怖がりって本当ですのね」

 

「ふざけた事言ってんじゃ…ちょ!何処に手ぇ入れてんのよ……!?」

 

 

 遂にケダモノ達の群れに包囲されてしまいそれでも逃れようとする二人の怯えた姿に、すっかり悦に入った様子のダージリンは狂喜の笑みを浮かべながら触手を伸ばした。

 

 

「ホントいつも思うけどこんなにボディラインがピッチリ出るロングティーとか、この子は一体どうやって着ているのかしら……?」

 

「大きなお世話よ!ってブラん中に手を入れて揉むなぁ!」

 

「ハァハァ…可愛いよ……可愛いよ安斎♡」

 

「西住オマエ学習能力はないのか?イヤ、ある訳ないよな…一応聞いただけだ……」

 

 

 一度火が付けば止まるはずもないケダモノ相手に必死の抵抗を続ける二人だが、その努力は焼け石に水処か油田火災に水鉄砲一丁で挑むようなもので何も効果がない事は本人達も解ってはいた。

 しかしそれでも抵抗を続けるのは、何の抵抗もしなければどんなセクハラ行為をされるか解らないという恐怖心に駆られているからであった。

 現に今もラブのブーツカットのポケットから転がり落ちたギターピックを拾ったダージリンは、それが何であるか認識すると実にいやらしい笑みを浮かべ、ロングティーを捲り上げられブラを外されたラブににじり寄るとたわわの先っちょのピンクの蕾に手を伸ばしていたのだ。

 

 

「あらコレは…ええと確かこう持ってこうだったかしら……?」

 

「や!先っちょピックで弾いちゃらめぇぇぇ!」

 

「なぁダージリン…そのギターピックを私にも貸してくれないか……?」

 

「止めろ西住…マジで止めろ……あぁん♡」

 

「わ、私達にもやらせなさいよぉ!」

 

 

 ダージリンの思い付いた鬼畜極まりない悪戯で身悶える二人の姿に一層興奮したケダモノ達は、入れ替わり立ち代わりギターピックで先っちょを責めまくり、三回程順番が巡った頃にはラブもアンチョビも既に息も絶え絶えな状態だった。

 

 

『何コレ何コレ何コレ…帰りたい……早く大洗に帰りたい!』

 

 

 そしてこの悪夢のようなセクハラ地獄を椅子に縛られたまま最前列で見学させられた梓は、その深層心理に忘れようのないトラウマを植え付けられてしまったのであった。

 

 

「もういいようですわね…さ、さっさと身包み剥いで仕上げてしまいましょう……どなたかステージから二人の新しい衣装を持って来て頂けないかしら?」

 

「おっけ~任されたわ♪Hey!ナオミも手伝ってよ!」

 

「オウ……」

 

 

 二人がもう抵抗する気力も体力も失ったと見るやダージリンはその顔にどす黒い笑みを浮かべ、ここからが本番とばかりに最後の仕上げに掛かろうとしていた。

 

 

「ハァハァ…ちょ、ちょっと待ちなさい……そのバニーコスは一体何なのよ!?」

 

 

 ケイとナオミがステージ上からトルソーを降ろし間近で用意されたバニースーツを目にした途端、ラブは震える指を二着のバニースーツに突き付け悲鳴を上げていた。

 いくらホール内は空調が効いているとはいえ、季節は真冬でありすっぽんぽんにひん剥かれた状態では寒いに決まっているが、それでもここまで彼女が震え上がるのはそれなりの理由があった。

 彼女の目の前に置かれた二体のトルソーには確かにバニースーツが着せられていたが、問題はそのデザインと使われている素材が問題ありありだったのだ。

 それは最近話題の所謂半透明バニー。

 本来であれば同一の素材で作られていて然るべき体の正面部分が透明なビニール素材に換えられ、見えてはいけないたわわの先っちょ部分及び更に絶対見えてはいけない秘部までもが丸見えで、ある意味全裸より羞恥心を掻き立てられるエロい事この上ないバニースーツなのだ。

 

 

「な…な、な……何なのよ!その透明なビニール素材は何なのよ!?肝心な部分がスッケスケで全部丸見え!見えちゃいけないトコが何にも隠れてないじゃない!」

 

 

 牛柄ビキニや虎縞ビキニも充分猥褻だったが、今年用意された半透明バニーは完全に変態の領域に脚を踏み入れていたので、怯える自分を見て嗜虐の笑みを浮かべるダージリンの事をラブはいよいよ正気を失ったかと恐怖した。

 

 

「ち、血迷ったかダージリン!?オマエはまたなんちゅうモンを作ったのだぁ!」

 

「失礼ですわね…私は至って正気ですわ……」

 

『どこが正気だ!黙れこのド変態!』

 

 

 ラブと一緒に丸裸にされ震えていたアンチョビもラブの怒声で我に返ると、彼女に続いて英国面剥き出しに笑う邪悪なダージリンを激しく非難していた。

 しかしラブをいたぶる絶好のチャンス得たダージリンがその程度でめげるはずもなく、そんな彼女を全裸待機状態にされた二人は一層激しく罵ったのであった。

 

 

「フン、全くピィピィとよく囀る事……そんな元気があるならこちらももう一切遠慮しませんわ」

 

 

 ケダモノの群れに襲われ身包み剥がれてカーペットの上に座り込み、必死にたわわの先っちょと秘密の花園を隠す二人に罵倒されても何処吹く風、ダージリンは勝ち誇ったように鼻を鳴らすと最後の仕上げに入るべくパチリと一つ指を鳴らす。

 

 

「さぁ、それではこの可愛らしい子ウサギ達に素敵なドレスを着せて差し上げましょう♪」

 

「バカヤロウ!それの何処が素敵なドレスだぁ!」

 

「ぎゃあ!こっち来んなこの色ボケの痴女どもが!」

 

 

 トルソーから脱がせた半透明のバニースーツを手にすっかり色欲に支配されたゾンビ達が迫ると、ラブとアンチョビは無駄と知りつつも最後の抵抗を試みた。

 だがやはりそれは無駄な抵抗でしかなく、鼻息も荒い変態の群れは破廉恥では済まない半透明のバニースーツを二人に着せに掛かっっていた。

 

 

「こらぁ!何処触ってんだぁぁぁ!や、だから揉むなぁ!」

 

「や、やめ!そんな引っ張らないで喰い込んじゃう!」

 

「だ、ダメだダメだダメだ!そこをコリコリしちゃダメだぁぁぁ♡」

 

「さ、先っちょペロペロしてるのは誰よぉぉぉ……」

 

「そ、それはまだ西住にも許してないんだから止めろぉ……」

 

「いやぁぁぁ…そんなトコに指を装填しちゃらめぇぇぇ……♡」

 

 

 ただ二人にバニースーツを着せるだけ。

 たったそれだけの事なのにどう見ても作業の工程に無駄な行為が多く見受けられ、まな板の上の二人は荒い息で肢体をくねらせ体力を消耗して行く。

 

 

「なぁ、何で網タイツやストッキングじゃなくてニーソックスなんだ?」

 

「バカねぇ、それじゃビニール素材のスケスケが台無しになるじゃない」

 

「あ、そうか…けど網タイツの直穿きも捨てがたい気がするんだが……」

 

「それは確かに一理あるわね」

 

「けどそれならブラウンのストッキングに黒の網タイツの重ね履きも行けるんじゃないかしら?」

 

「それはまた随分と玄人志向ね……」

 

『人の身体でエロい妄想広げるな────っ!』

 

 

 無理矢理バニースーツを着せるという倒錯的な行為に興奮の度合いは増々高まり、ケダモノ達は作業の合間にろくでもないアイディア出し合っては更に妄想を膨らませる。

 聞きたくなくても耳に入って来るそれらの鬼畜共の戯言に、ラブもアンチョビもこれ以上酷い事をされては堪らぬと力を振り絞って抗議声明上げた。

 しかしケダモノに人間の言葉が通じるはずもなく二人の悲鳴は彼女達の嗜虐心を呷るだけで、結果セクハラ行為は更にエスカレートするだけで何の解決にもならなかった。

 

 

『…ハァハァ……』

 

「実に良い眺めだわ、二人共とてもよくお似合いよ♪」

 

『……』

 

 

 悪の首魁っぷりがすっかり板についたダージリンは半透明バニー姿で荒い息の二人の姿に、満足した様子で限界まで口角を吊り上げいやらしい笑みを浮かべる。

 一方でケダモノ達に凌辱されすっかり息が上がり言い返す事も出来ないが、それでもラブは鋭い光を放つエメラルドの瞳でダージリンを睨み付ける。

 

 

『…本当にエッチな身体なんだから……』

 

 

 するとラブの鋭い視線に気圧されて目を逸らしたダージリンは、弄ばれた事で通気性の悪いビニール素材の内側の汗ばんだ肉体に目を奪われゴクリと生唾を飲み込んだ。

 

 

「と、とにかく…私とて鬼ではありませんから、あなた達だけに恥ずかしい思いをさせるつもりはありませんわ……」

 

『いや、オマエは鬼処か鬼畜だろ……』

 

 

 手負いのラブの気迫に呑まれ掛けたダージリンはそれを誤魔化そうとしたが、さすがにその無理のある話題転換には徒党を組んで狼藉を働いたケダモノフレンズ達も鼻じらんだ様子だ。

 だがそれでもそのまま強引に押し通す事に決めたダージリンは、お仲間達の視線に気付かぬふりをして彼女達を急かすように大きく二度手を打った。

 

 

「ハイハイ!それでは私達も着替えると致しますわよ!」

 

 

 そう言うや再び手にしたリモコンを操作すると今度は舞台後方の屏風が自動的に左右に分かれ、その後ろに隠すように並べられていた彼女達のバニースーツが姿を現した。

 

 

「う~む、ダージリン達のロイヤルブルーは解るとして、黒森峰の私の衣装が黒ではなくジャーマンシルバーなのはちょっとやり過ぎじゃないのか……?」

 

 

 並べられたバニースーツはどれも光沢のあるサテン生地で仕立てられていたが、その生地色はそれぞれが属する学校のイメージカラーが使用されていた。

 

 

「あら?在り来たりな黒では些か面白みに欠けるとは思いません事?まほさんならそれ位派手な物でも余裕で着こなせる筈ですから安心なさいな」

 

 

 自分達しかいないのを良い事にステージ上で堂々と着替え始めたダージリンは、眩く光り輝くバニースーツを前に難しい顔をするまほに素っ気なく答えると、自らは品の良い高級ラウンジでも使えそうなロイヤルブルーのバニースーツを身に着けていた。

 

 

「まほなんかまだいいじゃないか…ウチはよりにもよって星条旗カラーだぞ?これじゃ何処から見てもワンダー〇ーマンにしか見えないじゃないか……」

 

「ナオミお前…本当に女だったのか……」

 

「ざっけんなバカヤロウ!今まで散々一緒に風呂入ったりしてただろーが!」

 

「え…あ、スマンつい……」

 

 

 星条旗カラーのバニースーツを身に着けぼやくナオミだったが、日頃仲間内で一番漢前な彼女らしからぬセクシーさに目を丸くしたまほは、ついいらん事を口走り彼女をブチギレさせる。

 

 

「その言動がいけないのですよ…しかし我が校のイメージカラーは、例え光沢のあるサテン生地を使用してもやはり地味さは変わりませんね……」

 

『イヤイヤイヤ!色が地味でもそのナイスバディが却ってエロさを増してるから!』

 

 

 他校のイメージカラーに比べ地味な仕上がりのバニースーツにノンナはやや残念そうにするが、ラブに次ぐ高身長でスタイルの良いノンナに着替えながら全員が一斉にツッコミを入れる。

 

 

「ねぇノンナ!私の分のバニースーツは!?私のだけ何処にも見当たらないんだけど!?」

 

「カチューシャ様の分はこちらに用意してありますよ?」

 

「なら最初からそう言いなさいよ!」

 

 

 並べられたトルソーが自分の分だけない事に不満を抱いたカチューシャは、ノンナが手提げ袋を掲げて見せると癇癪を起しながらその手提げをひったくった。

 

 

「ちょっと…何なのよコレは……」

 

「カチュー様専用のバニースーツですがそれが何か……?」

 

「こ、コレの何処がバニースーツなのよ!?どう見たってただのスクール水着じゃないのよ!」

 

 

 ウキウキしながらひったくった袋の中を覗き込んだカチューシャは、一瞬固まった直後に怒鳴り声を上げて袋から取り出したスクール水着をベシッっと床に叩き付けた。

 

 

「しかもこの水着!コレって私達の通っていた小学校指定のスクール水着じゃないの!」

 

『ぶふぉ!』

 

 

 キレるカチューシャと眉一つ動かさないノンナによる最早お約束の展開に全員がツボる。

 そしてカチューシャが床に叩き付けた小学生向けの旧型スクール水着の胸には、ご丁寧に白木綿の名札が縫い付けられ、平仮名で大書されたかちゅーしゃの名が止めを刺しに来た。

 

 

「さぁカチューシャ様、お着替えの時間ですよ……」

 

「や、やめなさいノンナぁ!」

 

 

 日頃は絶対的な忠誠心で彼女に付き従っているように見えるが、その実完全に拗らせた偏執的なカチューシャ愛を原動力にしているノンナは常に自らの煩悩に正直であった。

 今日もまたスク水バニーなどというコアな趣味を現実のものとする為、彼女は必死に逃れようと抵抗するカチューシャを捕縛すると電光石火の早業で着替えさせてしまったのだった。

 

 

「うふふふ♡とてもお似合いですカチューシャさま……」

 

「ひぃぃぃ!怖いからその目は止めなさいよ!」

 

『ぶれないなコイツらも……』

 

 

 ブリザードの笑みで迫るノンナに地吹雪に震えるカチューシャ。

 毎度お馴染みの光景とはいえ、飽きる事なく繰り返すコンビ芸に全員開いた口が塞がらない。

 

 

「ダメだコイツら……」

 

「ど、どう千代美?解けそう……?」

 

「イヤ駄目だ…後ろ手で縛られると例えリボンでも簡単には解けんな……」

 

「ハァ…やっぱ千代美も無理か……」

 

 

 自分達が着替える間逃走防止の為に椅子に縛り付けられた二人は、何とか脱出出来ないかと努力したがアンチョビの言う通り後ろ手ではリボンひとつ解くのもままならなず、さすがのラブも打つ手なしと大きく溜息を吐き肩を落としていた。

 

 

「…まだ諦めていませんでしたの……?」

 

「ダージリン……」

 

 

 そうこうしているうちに最初に着替え終えたダージリンが戻って来てしまい、いよいよ脱出のチャンスも潰えたかとラブも悔しそうに唇を噛んだ。

 

 

「あらいけない、一つ大事な事を忘れていましたわ……」

 

「この期に及んでまだ何かする気なの!?」

 

 

 絶対にわざとやっているのは見え見えだが、この上まだ何かされるのかとさすがに気丈なラブの表情にも恐怖の色が浮かぶ。

 

 

「そんな警戒しなくても大丈夫よ、ちょっとしたアクセサリーを付け忘れていただけだから……」

 

「アクセサリー……?」

 

 

 彼女は大した事なさそうにちょっとしたアクセサリーなどと言うが、この紅茶毒キノコの戯言など一切信用がならないのでラブは一層胡散臭そうにダージリンを睨み付ける。

 

 

「そう、アクセサリーよ…折角バニースーツを着たのにこれを付けなかったら、それこそ片手落ちとというもの……さ、今から私が付けて差し上げますわ」

 

 

 如何にも親切そうにそう言いながら彼女が手にしていたのは、長さ10㎝程の安っぽいエメラルドグリーンの物体でお嬢様のラブでもよく知っている物であった。

 

 

「ちょっと……それのドコがアクセサリーよ!?それはただの100円ライターじゃない!アンタいよいよマジで頭煮えて来てんじゃないの!?」

 

「あら随分と失礼ね…でもその手のお店ではマストアイテムだと聞きましたわよ……?」

 

 

 100円ライター片手に質の悪い笑みと共に迫り来るダージリンに、何を言っているのかまるで理解出来ないラブは口の端を歪ませて罵りの言葉を叩き付けていた。

 しかし残念ながら今の彼女にはそれも馬の耳に何とやらで、涼しい顔でラブの怒声を聞き流したダージリンは得意げに下らない豆知識を披露したのだった。

 

 

「こんな100円ライターをアクセサリーにするって一体どんな店よ!?っていうかそんなふざけた情報をアンタは一体どっから拾って来たの!?」

 

 

 どう考えても真っ当な高校生が知り得るはずもない世界の話を、いつもの格言やら蘊蓄を語るような調子で話すダージリンにラブは蔑みの目を向けていた。

 するとダージリンはほんの一瞬だけ目を逸らし、その逸らした視線の先に明後日の方を向き部外者のふりをするアッサムの姿があったのをラブは見逃していなかった。

 

 

『やっぱり情報源はコイツか……』

 

 

 ダージリンが何かやらかす時、その陰には常にアッサムが姿があるのはラブも承知していた。

 だがこんな下らない小ネタまで拾う必要が何処にあると、アッサムの度を越した収集癖にラブは軽い頭痛を覚えたのであった。

 

 

「だから気持ち悪い笑い方しながらコッチ来んな!」

 

「随分な言われようですわね…けど何を言おうがその状態では何も出来ないでしょう?さ、いい加減諦めて全てを受け入れたら如何ですの……?あぁそうだ()()()さん、ちゃんとあなたの分も用意してあるから安心なさって下さいね♪」

 

「いらないよ!」

 

 

 100円ライターを何に使うか知らないがどうせロクな事ではないと踏んだアンチョビは、思い出したように微笑んで見せるダージリンに速攻でお断りの意思を示した。

 

 

「ヤダ!ちょっとダージリン!なに人の胸の谷間に100円ライターねじ込もうとしてんのよ!?」

 

 

 直ぐ目の前に立ったダージリンの狂気に満ちた笑顔に息を呑んだラブは、いきなりたわわの隙間に100円ライターをねじ込むなどという蛮行に思わず悲鳴を上げた。

 

 

「チッ!な…なんと強情な……?ホントいーかげん諦めて無駄な抵抗はおよしなさい!」

 

 

 ただでさえ高い弾力性を誇るラブのたわわにピッチピチなバニースーツを着せた事で、彼女の乳圧は通常の限界を遥かに超えた処まで高まっていた。

 結果としてたわわの谷間もそれまでとは比較にならぬ程狭くなり、あらゆるものの進入を拒む難攻不落の要塞と化していたのだった。

 

 

「こ、このどスケベ!変な揉み方すんなぁ!マジで止めろダージリン!」

 

「えぇいこの!何て反発力なの!?」

 

 

 ラブの悲鳴とダージリンの喚き声が交互に響き、その意味不明な一進一退の攻防に隣で椅子に縛られたアンチョビも絶望的な表情でガックリと項垂れている。

 

 

「ヨシこれでどうだ!?」

 

「うひひゃう!?」

 

 

 しかしそうしているうちにとうとうラブのたわわの深い谷間に、ダージリンがフェイントを使って100円ライターをねじ込む事に成功し、その感触に脱力したラブは思わず悲鳴を上げたのであった。

 

 

「ゼェゼェ…て、手間を掛けさせて……で、でもこれで漸く完璧なバニーの完成ですわ……」

 

「な、ナニが完璧よこのド変態の茶坊主が!」

 

「おほほほほ♪何とでもおっしゃい!縛られて手も足も出ないクセに!あぁ愉快極まりないわ♪」

 

「ぐぬぬぬぬぬ……」

 

 

 ダージリンの壊れっぷりに彼女の口車に乗った者達もさすがに引き気味だが、調子に乗って浮かれる彼女の態度に苛立ったラブは怒りに顔を真っ赤にして唸っていた。

 

 

「悔しい?ねぇ悔しい?」

 

 

 ラブを悔しがらせる事が出来て嬉しくてたまらん状態のダージリンは、得意満面且つ卑屈な笑顔で高笑いしながらトントンと小躍りしていた。

 ただこの時あまりに調子に乗り過ぎたダージリンは、一見怒りに顔を歪ませているように見えるラブの目論見を見抜けず、彼女が顔が真っ赤になる程集中して限界まで乳圧を上げていた事に気が付かなかったのだ。

 

 

「フンッ!」

 

「アダッ!?」

 

 

 そして迂闊にもダージリンが射角に入ったその瞬間、ラブは裂帛の気合と共に限界まで上げた乳圧を一気に開放しダージリン目掛けて100円ライターを撃ち出していた。

 するとパンターの主砲もかくやという高い射速で撃ち出された100円ライターは、狙い違わずダージリンのデコにクリーンヒットして彼女を一撃で昏倒させたのであった。

 

 

「…思い知ったがこの馬鹿め……あまり調子に乗るからこういう(オチ)になるのよ……」

 

 

 デコにヒットした100円ライターのフリント部分の痕も生々しく、無様に大の字でカーペットの上に沈んだダージリンを一瞥したラブは、恐ろしく低い声で吐き捨てるように呟きを洩らしていた。

 

 

「わ、私だって……」

 

「え?ナニ……?」

 

 

 縛り付けられたまま見事ダージリンを撃破したラブであったが、不意に歩み出たカチューシャが何やら呟きながら100円ライターを拾い上げると一難去ってまた一難かと顔色を変えた。

 

 

「私だってそれ位出来るわよ!」

 

「は……?」

 

 

 小さくて可愛いものが大好きなラブにとってカチューシャはどストライクな存在だが、さすがにダージリンの真似をされたら堪ったものではないと身を固くしたが、直後カチューシャが取った斜め上過ぎる行動に間の抜けた声を上げたのだった。

 身長以上に胸のサイズの可愛さがコンプレックスなカチューシャにとって、たった今ダージリンがやらかしたセクハラ行為はそのコンプレックスを甚く刺激するものであったらしく、彼女は痛々しい位必死に自らの胸元に100円ライターを差し込もうとしていたのだ。

 

 

「カチューシャも真似しない!」

 

 

 ラブにとってそれはご馳走のような光景であったが、今この状況でそんな事をされるとどのようなトラブルに発展するか解らないので、無謀なチャレンジをするカチューシャを止めようとした。

 

 

「あ……」

 

 

 しかし彼女の制止の声は一足遅く、旧型スクール水着の胸元にカチューシャがドヤ顔でねじ込んだ100円ライターは、そのままストンと水着の中に滑り落ちてしまったのだった。

 

 

『まぁそうなるわな……』

 

「くっ……!」

 

 

 お約束が発動して赤っ恥を掻くカチューシャのお陰で幸か不幸か難を逃れたラブであったが、その分不幸は纏めて他ならぬカチューシャに降り掛かろうとしていた。

 

 

「か、カチューシャ様!今直ぐ私が取って差し上げます!」

 

「や、止めなさいノンナぁぁぁぁ……!」

 

 

 絵に描いたような自業自得で過保護なパートナーにエサを与えたカチューシャは、ダボハゼのように喰い付いたノンナに水着の中を弄られ悶絶の悲鳴を上げる羽目に陥ったのだった。

 

 

「ハァハァ…おかしい、一体何処に消えてしまったのでしょう……?」

 

「そ、ソコは違…あ、アンタわざとあぁ~ん……♡」

 

 

 身長差にモノをいわせて背後からガッチリとカチューシャをホールドしたノンナは、胸元から侵入させた手でちっぱいを中心に責め回り、衆人環視の中凌辱されたカチューシャはすっかり腰砕けで逃れる事も出来ずにいる。

 

 

「も、もうこれ以上は…そ、そっから手入れるんじゃなあぁぁぁぁ……♡」

 

「これだけ探して見付からないという事はもうここ以外考えられません!」

 

『うわぁひでぇ……』

 

 

 そして遂にノンナは旧型スクール水着最大の特徴にしてウィークポイントになっている、胸元から流れ込んだ水を逃す為のスリットから手を差し込みカチューシャの秘部を大胆に弄り始め、齧り付きで見守っていた観客をドン引きさせたのだった。

 

 

「Un f☆cking believable!信じらんない!ひっどい事するわね~、さすがブリザードのノンナ!ロリは手加減ってものを知らないようね~、これぞ鬼畜よ鬼畜!鬼畜の所業だわ!」

 

「お言葉ですがケイ、あなたにだけは言われたくありません…気が付けば大洗のロリ会長をまんまと手籠めにしていたのはどなたですか……?」

 

 

 揃いも揃って自分には正直なケダモノ集団だけに、互いに何を言っても目くそ鼻くそにしかならなかったが、ニヤつきながら自分を非難するケイをノンナは凍れる瞳で睨み付けた。

 

 

「それにケイ、あなただけまだ着替えていないのはどういう訳ですか?今更ラブに自分だけ善人ぶろうとしても手遅れですよ?」

 

「フン!お互い様ねノンナに言われるまでもないわ…それと別に善人ぶらなくても私は善人だし、これは単に演出でもったいぶってる訳じゃないわよ……?けどそうね、そろそろ役者も揃っていい頃合いだから真打登場と洒落込もうかしら?」

 

 

 ノンナの皮肉に鼻を鳴らし白々しいセリフを吐いたケイは、言葉とは裏腹にもったいぶった挙句にポーズを決めると、アニメ的演出で一気に身に着けていた衣服を脱ぎ捨てたのであった。

 

 

『イ゛!?』

 

 

 それまでケイのチャラい言動をいつもの事と放置していた一同であったが、彼女が衣服を脱ぎ捨てた途端全員が驚愕に顎を落としていたのだ。

 

 

「ケ、ケイ…このおバカ!アンタ一体なんてモン着てんのよ……!?正気を疑うわ!アンタの頭マジでどうかしてんじゃないの!?」

 

「What!?私の頭が何ですって!?ラブだってこっち側(ヘンタイ)の人間のクセに!」

 

 

 アンチョビと共に椅子に縛り付けられていたラブは衝撃の光景から真っ先に我に返ると、得意げに腰に手を添えポーズを決めるケイに罵声を浴びせケイも即座に応戦している。

 

 

「う゛~このバカ…私と別に発注書書いてたのはこの為だったのか……」

 

 

 ラブの罵声で我に返ったナオミは、ケイが別口で発注書を用意していた理由をこの時なって漸く悟り、その馬鹿さ加減に頭を抱え呻き声を上げていた。

 

 

「フフン♪新年会の度にラブと千代美ばっか目立ってたら面白くないでしょ?だから今年の新年会の主役は私が頂く事にしたのよ!」

 

『誰が望んでこんな恥ずかしいカッコするかぁ!』

 

 

 これまで散々人にセクハラを働いておきながら何を言うかと、ラブとアンチョビは口を揃えて寝言をぬかすケイを怒鳴り付ける。

 

 

「しかしこれもダージリンが用意したのか……?」

 

「他に誰がいます?彼女が資金調達から一切合切やってたんですから当然そうかと……」

 

「そうか、そうだよな…しかしそれにしても何だ……ケイの着ているというか着ていないというか…自分でも何を言っているか解らないが、何ともとんでもないバニースーツだな……」

 

 

 念の為アッサムに質問したまほはだったが、返って来た答えに一層困った様子で彼女は軍神立ちを決めるケイの姿をマジマジと見つめていた。

 

 

「何よまほ?あなたもコレが着たかったの?」

 

「イヤ…遠慮するよ……」

 

「何か失礼ね……」

 

 

 まほを含め他の連中の態度にケイは面白くなさそうな顔をするが、彼女のバニースーツはラブ達の半透明バニーより更にヤバいシロモノだったのでそれも当然の反応であった。

 勢い良く豪快に私服を脱ぎ捨てたケイが身に着けていたのはまさかの逆バニー。

 半透明バニーと並んで昨今話題のバニーコスだったが、前面が透明とはいえボディスーツを身に着けている半透明バニーと違い腕と脚以外はほぼスッポンポンになる凶悪なコスチュームだった。

 

 

「確かに元々露出過多なトコあったけどまさかこれ程とは……」

 

「誰が露出狂ですって!?」

 

「アンタよアンタ!ホント信じらんない!今度会ったらアンジーにもよく言っとかなきゃ……」

 

 

 開いた口が塞がらぬ一同の前で何ら恥じ入る事もなく乳を揺らすケイに、彼女に昔からその傾向があった事を思い出したラブは、彼女のパートナーの杏にも注意喚起せねばとぼやいていた。

 

 

「何よラブ、アンジーにチクる気?だったらそれは無駄ってモンよ、だって昨夜はアンジーも同じの着て二人で一晩中すっごい盛り上がったんだからね!」

 

「あ?ちょっとケイ…アンタ今何て言った……?」

 

 

 何だったらケイとの付き合いを考え直すよう忠告しようかと思っていたラブは、そのケイから何やら聞きたくもない恐ろしい話を聞かされた気がして、思わず真顔で問い質してしまうのであった。

 

 

「ちょっとぉ、まさかラブ耳が遠くなったの……?言ったでしょ?昨夜はアンジーとあら……?」

 

 

 口を尖らせケイがもう一度同じ事を話そうとしたその時、申し訳程度に彼女のたわわの先っちょとチラリとでも見えたら一発アウトな部分を覆い隠していたハートニプレスと前貼りが同時に剥がれ、空調の風に乗って桜の花びらのようにヒラヒラと舞い散ってしまったのだ。

 

 

「あちゃ~やっぱ昨夜一度使ったのを貼り直してもやっぱダメね~」

 

『うわ──────っ!』

 

 

 非常事態にも拘らず慌てる素振りすら見せずあっけらかんとケイは笑うが、丸見えというあってはならぬ重要インシデントを前に昏倒しているダージリン以外が盛大に悲鳴を上げた。

 

 

「わぁバカ!か、隠せ一刻も早く隠せ!」

 

「い、今直ぐ何とかしなさい!」

 

「ま、マズい!放送コードに引っ掛かるから早く隠せ!」

 

「いやもう放送事故だって!」

 

「つるっつるじゃないか……」

 

「もうどうでもいいから早くこのリボン解きなさいよ!」

 

「帰るー!もうお家(大洗)帰る────っ!」

 

 

 今年もまたケダモノ達が企てた新年の宴は、カオスに幕を開けカオスに幕を閉じるのであった。

 

 

 

 

 

「しほさんお疲れ様、もういいのかい……?」

 

「ええ常夫さん、今年も無事新年の宴は滞りなく終了しました」

 

「毎年の事とはいえ本当にお疲れ様だったね」

 

「いえ、常夫さんこそ裏方に徹して頂いてお疲れでしょう?」

 

「そうでもないさ…それより子供達の様子は……?」

 

 

 ()()()がコンベンションセンターで狂宴を開いていた同じ日、西住流の家元たる西住しほもまた新年の祝賀行事の対応に追われ日がな一日忙しく立ち回っていた。

 そんな彼女の夫である常夫も裏方としてしほを支え、彼女と同様一日中広大な西住家の敷地内を駆け回っていたので、こうして夫婦が会話を交わしたのは朝食前に一日の段取りを確認した時以来であった。

 

 

「コンベンションセンターの方でまだ騒いでいるようですが、あそこならご近所にも迷惑は掛かりませんし宿坊に部屋も用意してあるので問題はないでしょう……」

 

「そうか、滅多に全員が集まれる機会もそうないから、少々羽目を外すのも問題あるまい」

 

「ええ…そうですね……」

 

 

 新年最初の仕事を終え徹甲の湯で一日の汗を流したしほは、もう間もなく日付が替わろうという頃夫婦の床が用意された寝室に戻ると、一足先に風呂から上がり寛いでいた常夫の隣にそっと腰を下ろした。

 

 

「どれ、疲れただろうから肩でも揉んであげよう……さ、しほさん肩をこちらに向けてごらん」

 

「はい……」

 

 

 これが普段であれば自分以上に疲れているだろう常夫を気遣い遠慮するはずのしほは、珍しく素直に夫の言葉に従いその肩を委ねようとしていた。

 

 

「ふふ♪いつもそれ位素直に従ってくれると僕も嬉しいんだけどな……」

 

「…揶揄わないで下さい……」

 

 

 妻の見せた素直さに気を良くした常夫の嬉しそうな声に頬を朱に染めたしほは、困ったように一言だけ呟きながら半纏を脱ぐと、ひと呼吸分の間を置き寝間着の肩まではだけていたのだった。

 

 

「え……?し、しほさん…そ、その恰好は一体……?」

 

 

 その後ふぁさりと衣擦れの音を残し肩まではだけた寝間着をしほが一気に脱ぎ捨てると、そこにはそれまで湯上りで髪を結い上げていた妻の後ろ姿はなく、黒髪ストレートにウサ耳を装備したバニースーツのしほの姿があった。

 

 

「…常夫さん……」

 

「な、ななな何ですかしほさん……」

 

 

 何やら思いつめた様子のしほにその名を呼ばれた常夫は、突然目の前に降臨した黑ウサギにすっかり動転し上ずった声で恐る恐る返事をした。

 

「……」

 

「え…え……?えぇ───────────────────────────────っ!?」

 

 

 何が起きたのか状況に頭が追い付かぬ様子の常夫が震える手をしほの肩に添えようとすると、それを待っていたかのように無言でしほが振り向き、真正面からバニースーツ姿の彼女を見た常夫は今度こそ本気で驚き長すぎる叫びを寝室中に響かせたのであった。

 

 

「…その、似合いませんか……?」

 

「い、イヤ!似合うとか似合わないじゃなくて!な…何故そんな恰好を……!?す、スケスケで全部丸見えじゃないですか!」

 

 

 しほが密かに寝間着の下に纏っていたのは、ラブとアンチョビがケダモノ共に無理矢理着せられたのと同じ半透明バニーであり、艶めかしく光沢を放つビニール素材越しの彼女の肢体から目を逸らせぬ常夫の視線に、彼女はいたたまれず耳まで赤くしながら身悶えていた。

 すると一層刺激的な妻の痴態を目にする事になった常夫は増々動転し、彼女を更なる羞恥の深みへと沈めてしまうのであった。

 

 

「…そんな言わないで下さい……」

 

「あ…あ!済まないしほさん!と、とても似合ってると思う……で、でも何で!?」

 

 

 羞恥に震える妻の姿にハッとした常夫は慌てて取り繕おうとしたが、それでも何故という思いが先に立ってしまいどうしても問わずにはいられなかった。

 

 

「…その……忙しい新年に唯一確保出来る夫婦の時間、常夫さんに…あなたに喜んで欲しくて用意したのですが駄目でしたか……?」

 

 

 使用目的は一つしかなさそうな扇情的な半透明バニースーツを身に着けたしほが、声を震わせながら潤んだ瞳で上目遣いに見つめて来る。

 正直常夫にとってもこれは辛抱堪らん状況で心臓は早鐘の如く鼓動し、特定部分に血液が集中して行くのも自覚していたが、それでもこの一線を超えてよいものかとの葛藤もあった。

 

 

「あなた……?」

 

「…だ、駄目じゃない……駄目じゃないけど!でも本当に……?」

 

「はい…あなたのお好きなようにして頂ければ私も嬉しいのです……何ならこのまま常夫さんのシュトルムティーガーで三人目の西住流の後継者の種を()()して頂いても構いません!」

 

「な、ななな何を言って──」

 

 

 すっかり思いつめた様子のしほの口から飛び出した仰天発言に、一層気が動転した常夫は何とか彼女を正気に戻そうと試みようとした。

 しかし話の途中で抱き着いたしほに唇を塞がれた上に、密着したバニースーツ越しのたわわの感触にとうとう常夫の理性のリミッターも弾け飛んでしまうのだった。

 

 

「お、お…お……おぉぉしほさん!」

 

「常夫さん♡」

 

 

 今や完全に発動機がレッドゾーンに突入した常夫の主砲は最大仰角となり、その逞しい勇姿にしほもうっとりと蕩けた声で甘えていた。

 

 

『最初あのダージリンという子が話を持ち掛けて来た時はどうかと思ったけど、まさかここまで常夫さんがその気になってしまうとは…これだけ効果があるのなら出資して正解だったのね……』

 

 

 実は今年の新年会の謀の為の資金繰りに行き詰っていたダージリンは、あろう事か西住流家元であるしほに話を持ち掛けあの手この手で彼女を焚き付けた結果、見事にバニースーツの制作資金を捻出する事に成功していたのだった。

 但ししほもまた交換条件として極秘裏に自らの分のバニースーツを制作する事を条件に加え、ラブに着せるのと同じ半透明バニースーツを手に入れていたのだ。

 

 

「さぁ常夫さん…あなたのヤークトティーガーで私を一気に蹂躙して下さい……♡」

 

「し…しほさん……!え、エ……エレファ────ン────トぉぉぉぉ!」

 

 

 しほの企みなど全く気が付かぬ常夫は、彼女の思惑通りに夜が明けるまでパンツァーフォーを繰り返し、しほもその激しさに心ゆくまで白旗を揚げ続けたのあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ…大口径……♡」

 

 

 




やっと新年最初の番外編を投稿出来ましたが、さすがにここまで出遅れてしまうと新鮮味はあまり感じられないかもしれませんね……。
身の回りの状況は昨年末から殆ど変化がなく先も見通せない状況ですが、それでも諦める事なく連載は続けますので今年もどうか宜しくお願い致します。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。