監視者の生き方   作:RTスパークリング

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オーバーウォッチのクロスがなかったため書いた後悔はない(多分)


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早朝、いつもより少し早く目覚めコーヒーを淹れ待ち時間にスーツに着替える。

朝のニュースを見ながらパンをかじり、時間を確認し雇い主を叩き起こす。

 

「少し早いがもう出るからな。ちゃんと起きろよ」

 

と椅子に座ったまま寝ているクルミに一声かけ出発する。

今日はとある取引の見物に向かう。銃取引という日本でほぼあり得ない取引。それも数十丁ではなく約千丁という情報をつかみ、己の好奇心にあらがえず来てしまった。

取引のビルの向かいのビルに陣取りスナイパーライフル【ウィドウズ・キス】を構えビルの中をのぞき込む。

現在はサンプルの銃をビルの中に運び込んでいる最中だった。

 

数分後ビル内に緑髪の男を先頭に複数の男たちが入っていく。

 

また約十分後取引が終わったのか緑髪の男が出ていった。

取引が終わったかと思い帰ろうとしたがいつまで待っても撤収が始まらない。

待つこと約三時間現場付近に女子高生が四人、車から降りてきた。片手に銃を構えて。

 

(なんだ・・・こいつら・・・なんで銃なんか持って・・・)

 

考えるのもつかの間女子高生が突入を開始する。

激しい銃撃戦の上一人の女の子が人質に取られてしまい状況が膠着してしまう。

 

ふと周りを見渡すと今いるビルから斜め左300mのビルにスナイパーライフルを構えた黒人がいるのに気が付く。

その黒人も取引ビルを覗いているようだった。

 

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「先生!何階だって?」

 

ファーストリコリス 綿木千束が銃取引のビルの非常階段を駆け上がっていた。

 

「六階だ。急げ!」

 

先生と呼ばれ無線越しに返答した男。名前はミカ。表向きは喫茶店の店長、裏はDAの協力者である。

しかしミカは奇妙なものを発見する。見たことのないスナイパーライフルを構え、取引現場を覗く全身黒スーツの男。

 

「楠木。敵グループに狙撃手はいるか?」

 

銃口をスーツの男に向け無線に向かって話す。

楠木と呼ばれた無線の女。その声の主はDAの司令官である。

 

「いえ、そんな情報はありません。ですが武器を持っている事とリコリスの姿を見たとあっては見過ごすことはできません。」

 

ミカにそう伝えると楠木は部下に指示を出しドローンをその狙撃手に近づけた。

 

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以前膠着中だが非常階段を駆け上がる白髪の姿があった。

 

「別動隊?一人か?」

 

と考えていると周囲にドローンが飛んでいるのか見える。

だがそのうちの一機が近くもなく遠くもない距離でこちらにカメラを向けていた。

バレた!と声に出さずに叫び黒人男性がいた方を見るとこちらに銃口を向けている。

ドローンを破壊し、グラップリング・フックを使いビルを飛び降り、ステルスを使い急いで離脱する。

しかしなぜか離脱中に弾が飛んでくることはなかった。

 

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---数日後---

 

「クリア」

 

そう呟き、スーツのほこりを払い拳銃をホルスターにしまう。

すると無線越しから依頼者からのねぎらいの言葉が返ってくる。

 

「確認した。依頼は達成だ。報酬はいつもどおりに振り込んでおく。ご苦労だった」

 

ああ、と短く返し無線を切りターゲットを一瞥し家路につく。

 

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「帰ったぞクルミ」

 

扉を開け、セーフルームに入る。

 

「んあ~?おお監視者。戻ったか」

 

天才ハッカー、ウォールナットことクルミがディスプレイから顔を覗かせてこちらに目を向けていた。

 

「うまくいったか?」

 

「もちろん。依頼人にはターゲットは死亡と報告したがいつもどおり生かしてある。表には出てこないようにきっちりと``教育``してな。あとはクリーナーにお任せだ」

 

ハンガーにスーツを掛け、依頼で使った道具の手入れをしながら答える。

 

「そっちこそどうなんだ?例のなんとか機関ってやつの依頼は」

 

「それに関しては今からだ」

 

クルミがキーボードを叩きながら答える。

 

「ふーん。どれどれ・・・」

 

ディスプレイをのぞき込むと黒髪の少女と茶髪の成人女性が話ながら歩く様子が映っていた。

 

「作戦は?まさかこんな盗撮だけってことはないんだろ?」

 

「そのまさかだ」

 

「嘘だろ?」

 

普段と変わらない報酬金で盗撮だけとは・・・それほど重要な事なのか?

クルミが肩をすくませながらドローンを操作し後をつけていく。

すると急に黒髪の少女が走り出し姿を消したその直後、白いバンが女性に横付けし車内に連れ込まれてしまう。

 

「何やってんだ?これ」

 

女性を誘拐するにしては逃走が遅い。

なにやら車内でごそごそやっているみたいだが・・・

と、思っていた矢先やっと逃走するのかバンがヘッドライトをつける。

しかし、車は動くことなくライトをつけた瞬間に現れた先ほどの黒髪が銃を構えて立っていた。

 

「まさか・・・これがリコリスか?」

 

「リコリス?」

 

リコリス、銃器を用い犯罪者を処分することを任務とする、DAの実働部隊員。やっぱりあの少女たちはそうだったのか。

意識をディスプレイに移すと黒髪が白髪に角に引っ張られていた。

あれはいつだかの銃取引の現場にいたやつか?

 

「護衛対象を囮にしたの!?」

 

ドローンが拾った音声から白髪が言ったであろう言葉が聞こえてくる。

まじかよ・・・リコリスってのはそんな奴らのあつまりなのか?

そう思っていると、バンから男が三人降りてくる。

少女が二人話をしている様子がディスプレイに映し出されるが、急に黒髪が振り向きドローンに向かって発砲。

弾丸が命中しディスプレイにOFFLINEと表示される。

振り向き一発で命中とは・・・

 

「替えのドローンは?」

 

少し動揺が隠せないクルミに問いかける。

 

「用意してない・・・クソ・・・」

 

と答え一つため息をつくとクルミはアラン機関と連絡を取る。

 

「この距離のドローンに気が付くとは・・・」

 

「千束・・・か・・・」

 

そうアラン機関がつぶやく。

 

「リコリスと知り合いか?国家に仇名すものを消して回る処刑人がまさかこんな少女とは驚きだ」

 

依頼終了の流れだったため飯にしようと準備しているとキッチンに向かうと遠くから爆発音が聞こえてきた。

コンロの火を止め急いでクルミのところへ向かう。

 

「クルミ!」

 

「あ?」

 

通話が終わったのかクルミは気の抜けたような返事をする。

がしかしディスプレイには昨日までいたセーフハウスから黒煙が上がっている様子が映っていた。

 

「アラン機関が敵に回った」

 

一言クルミが言い放つ。

なにやら爆破音が聞こえたことで薄々わかっていたが・・・

 

「また凄いモンを敵に回したな」

 

少し呆れながらクルミに問いかける。

 

「今回は何も悪いことはしてないぞ!」

 

「今回は・・・ねぇ・・・」

 

両腕を上にあげながら噛みついてくる。

だがアラン機関も敵になったとなるともうこれ以上ここにはいられない。

住み心地よかったんだけどな・・・

 

「これからどうする?国外にでも逃げるか?」

 

「そうだな。これからはDAからもアラン機関からも狙われる」

 

クルミが少し悲しそうに口を開く。

 

「住みやすかったんだがな・・・」

 

「それ俺も思ってた」

 

といい二人で顔を見合わせ笑う。

しかしクルミの顔が少し陰る。

 

「なんか気になることでも?」

 

「ん?ああ、一つ目の依頼の件でな。天下のアラン機関が何故銃取引にかかわるのかと思ってな・・・」

 

そう言い少し考え込んでしまう。

しかし頭を切り替え今後のことに目を向ける。

 

「まぁ、とりあえず明後日には国外に出よう。それまでに腕のいい護衛を見つける」

 

「俺だけだと不安か?」

 

むくれたような演技をしながら問いかける。

それを見てにやけながら

 

「いや、作戦があるんだ」

 

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「なるほど・・・その作戦だと当日俺は一緒に居られないな」

 

作戦の概要を聞き、そう答える。

当日俺はウォールナットを殺す側らしい。

 

「今、いくつかの護衛できそうなやつに連絡した。明日その協力者と会って話をしてきてくれないか?」

 

クルミが心配そうな目で訴えかけてくる。

 

「任せろ。ウォールナットの護衛にふさわしいか否かこの目で確かめてくるさ」

 

とりあえず明日の予定は決まった。

明日からは忙しい日々になりそうだ。

 

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「銃が消えた!?量は?」

 

先日の銃取引の件でミカと楠木が電話で話していた。

 

 

「情報によれば約千丁です」

 

「ははっ戦争でもやるのか」

 

少し茶化すように話す。

 

「初めから誤情報だった可能性もあります」

 

「しかし商人は居たろ?尋問できたのか?」

 

「いえ、全員死亡しました。機銃掃射でしたから」

 

「あぁ・・・」

 

確かにあれでは全員死亡してしまっていても仕方ない、と頭を抱えてしまう。

 

「また連絡します」

 

ミカとの電話を切り部屋に入ってきた秘書からの報告を受ける。

 

「例のハッカーが割れました」

 

秘書から手渡された報告書に目を通す。

 

「ウォールナット・・・」

 

「ネット黎明期からのベテランでダークネットでは有名なウィザードです」

 

「ふむ・・・老人か。探し出して殺せ。消えた銃の行方もだ。当面ハッキングの件は内密にとの上層部からの指令だ」

 

「では先戦失敗の報告はどのように?」

 

別の報告書を秘書に手渡す。

 

「リコリスのスタンドプレー?それでたきなを・・・」

 

「組織を守るためだそうだ・・・」

 

少しの沈黙か過ぎるが楠木が口を開く。

 

「そういえば現場にいた例のスナイパーはどうした」

 

そのスナイパーに関しては気がかりなことがあった。

なぜ銃取引を知っていたのか。それに加えあの位置ならいつでもリコリスをやれたはず。しかもミカの報告ではトリガーにさえ指をかけていなかったらしい。ただ見ていただけなのか・・・

それと逃走時の光学迷彩・・・あれがあればもっと活動しやすくなる。ぜひ欲しい。

 

「はい、奴ですがコードネーム``監視者``だと思われます。数年前から活動しておりそれより前の記録が何一つありません」

 

「殺し屋か?」

 

「殺し屋・・・をやっているみたいですが、殺しはせずに表に出てこないことを条件に生かしているようです」

 

殺しをしない殺し屋とはなかなか面白いやつだ。

 

「その監視者とやらを探せ。いろいろと聞きたいことがある」

 

「承知いたしました」

 

監視者・・・お前は一体何者だ・・・

 




読んでいただきありがとうございました。
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