ストライクウィッチーズ オルタナティブ アサルトウィッチーズ 作:UNIMITES
久々に創作して投稿なので、拙い文章となりますが読んでいただければと思います。
アサルトウィッチーズ第一部結成編となります。
第1話 始動
1945年ブリタニア。
軍の格納庫には、6機の飛行脚(飛行用ストライカーユニット)が並んでいた。
宮藤博士によってもたらされた理論によって完成した魔女専用の箒である。
「……」
作業着に身を包む青年は1人、ストライカーユニットを整備していた。
青年の名は琴村零治(ことむら れいじ)。
整備音だけが響く中、格納庫に1台のジープが侵入する。
「よう、零治」
「直人、それにベアトか」
ジープを降りて姿を見せたのは白衣姿の鈴木直人(すずき なおと)。
ブリタニアの軍服に身を包み魔法力を有する少女(ウィッチ)であるベアトリス・フーバーであった。
彼女の長い茶髪からは鳥類を思わせる翼が見える。
「整備は昨日で終わらせたんじゃなかったか?」
「ああ。これは最終点検ってところだ」
直人の質問に返答すると、開いていたストライカーの扉を閉じてウェスで手を拭く。
工具を片付け、軍服に着替えるとジープに乗り込む。
「で、午後はどうする?」
「自由行動でいいだろう。明日からは休めなくなるんだしな」
「自由行動ですか……」
自由行動という言葉にベアトは考え込むような表情を見せる。
「食料品の買い出しついでに、甘味でも食いに行くか?」
「いいですね!零治さんも――」
「悪い、俺は行くところあるから。また今度な」
言葉を遮るように声を上げる。
「……そうですか」
少々不満げな表情を浮かべたベアトの顔に罪悪感を感じながらも窓の外を見つめる。
晴天の空が広がっていた。
平和な空である。
現在のブリタニアは第501統合戦闘航空団(ストライクウィッチーズ)によって解放されたのだ。
あの事件が、起きたのも同時期の出来事である……。
数分ほどしてジープが停車する。
「帰りは直接戻る」
「ああ」
短く言葉を交わすと歩き出す。
数分ほどして零治はバーへと入る。
店内にはマスターと1人の客の姿があった。
席につき、マスターを呼ぶ。
「マスター、いつもの」
「お前、まだ数回しかきてないだろ」
マスターはそう言いながらも、カクテルを入れたコップをテーブルに置く。
「遅刻よ」
こちらに苦言を呈してきたのは、軍服に身を包む女性であった。
彼女の名はナナリー・ロアノーク。
零治の父、零央が亡くなってから親のように育ててくれた女性だ。
今も軍に所属しており、自分たちの手助けをしてくれているのだ。
「すみませんね。こっちも休暇がないもんで」
「休暇がないって、あなたストライカーの整備士でしょ?」
「通常の整備士と一緒にしないでくださいよ。一応、開発課でもあるんですから」
そう口にしてカクテルを煽る。
自分にはウィッチのようなネウロイと戦えるような力はない。
できるのはウィッチの使用するストライカーの整備や開発くらいなものだ。
「まあいいわ。状況を教えて」
「新型ストライカーは明日ロールアウト予定、配属されるウィッチのメディカルチェックも問題はなし」
「そう、計画に問題はなさそうね」
書類に目を通し、ナナリーは返答する。
「確認できたなら俺はいくぞ。書類に必要な補給物資も書いてるから手続しておいてくれ」
「ええ。わかったわよ」
残ったカクテルを一気に飲み干し、バーを後にする。
残されたナナリーは1人、酒を飲み続けていた。
時間的にも余裕があることを確認して、街を抜けて草原に出る。
横になり青い空を見つめた。
風が草を揺らし日が心地よいと感じるそんな日であった。
最近はあまり眠れていなかったからか眠気を感じる。
数分後には眠りについていた。
「……」
不意に視線を感じる。
体を起こそうとした時だった。
「あだ!」
そんな声を誰かが上げたかと思うと、自分の頭にも痛みが走る。
「うっ!」
思わずうめき声をあげた。
「いったー、急に起き上がらないでくださいよ……」
「う、悪い……ん?」
目の前にいたのは、十代の少女であった。
ブロンド色の髪の毛と藍色の瞳。
その服装を確認して彼女がブリタニア軍所属の軍人であること、ウィッチであることを理解する。
「君は――」
零治が質問しようとした時だった。
すべてをかき消すような甲高いサイレンが響き渡る。
同時に近辺でネウロイが出現したことを告げるサイレンであることは分かった。
軍に所属する彼女もそれが分かったのだろう。表情が固まっている。
「どこの部隊所属か知らんが軍に戻れよ!」
「え?でも、あなたは?!」
「いいから戻れ!」
彼女の言葉を無視するように駆け出していた。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
後に続くように彼女も駆け出す。
数分で程で基地に到着する。
格納庫に向かうが、直人やベアトの姿はない。
「2人はまだ戻っていないのか……?」
ロッカーからインカム型の通信機を取り出し、装着する。
起動後、数秒もせず通信機から声が響く。
近海ではすでに艦隊が戦闘を開始しているようだ。
「くそ、どうする?ストライカーがあってもウィッチがいなくては……」
「ようやく、追いつきました……」
振り返るとさきほどの少女が格納庫内に侵入する。
「お前、なんでここに?」
「はぁ、はぁ……ユースティアナ・ローゼンクロイツ軍曹です!」
「ローゼンクロイツ……」
彼女の名を聞いて、一瞬表情が固まる。
目の前にいる少女がその名を名乗ったからだ。
「零治!戻っていたか」
「すぐ出撃します!」
その声と共に直人の運転するジープが格納庫に侵入したことで、零治は顔を上げる。
車外に出たベアトが注射器を首元に当てた。
赤い液体が体内へと投与される。
ストライカーユニットを装着する。
「ベアト、敵は大型ネウロイが1体だ!」
「了解です!」
その言葉と共にベアトはストライカーで飛翔する。
そのまま格納庫を出て、戦場へと向かう。
彼女はシールドを展開し、ネウロイの攻撃を防ぐと銃を発射する。
発射された銃弾は次々にネウロイの装甲を貫通していく。
しかし、削った体表はすぐに再生を始めていた。
ネウロイは傷を自己修復する力を持っている。
そのため、ネウロイを倒すには体のどこかにあるコアを直接破壊する必要があるのだ。
「コアは……くっ!」
ベアトは固有魔法『魔眼』を発動させようとするが、次々に繰り出される攻撃によってその行動を邪魔されていた。
格納庫外でその様子を見つめる。
「ベアト1人では部が悪いか……」
彼女の固有魔法は魔眼系。
攻撃に防御、回避とすべてに集中していてはコアを探し出す行動に移れないんだろう。
「あの、私に戦わせてください!実戦の経験はあります!」
「どうする零治?」
少しでも時間を稼げれば、ベアトがコアを発見できる。
彼女ならば……。
再びユースティアナに視線を向けた。
「ついてこい」
格納庫内に戻り、ストライカーユニットを指さす。
「これをつけろ」
「え?……はい!」
彼女はストライカーユニットを見て、違和感を感じていた。
しかし、その違和感がなんなのかはわからない。
魔法力を高める。頭からウサギを思わせる長い耳と丸い尾が現れる。
指定されたストライカーユニットを装着する。
これまで装着してきたストライカーとは少しだけ異なる感覚を感じた。
過去のストライカーとは違い、自分によく馴染むというか。
表現しづらい感覚を感じていた。
「大丈夫か?」
「はい!魔導エンジンの動作も問題ないです!行きます!」
ユースティアナはそう口にして出撃する。
空を舞い、数分で戦場に到着した。
「援護します!」
「了解。私がコアを見つけます。少しだけ時間を稼いでください!」
「はい!」
2人は散開して、飛行する。
ユースティアナが攻撃を行い、大型ネウロイの注意を引く。
少しだけ距離を取ったベアトは魔眼を発動する。
視界のネウロイを透視するように丸いコアを発見した。
「見つけた!」
再びネウロイに接近するように飛行する。
コアを目標として、引き金を引いた。
放たれた銃弾がネウロイの体を次々に抉っていく。
十数発の弾丸を受けたことで紅玉のようなコアが露呈する。
「コアだ!」
ユースティアナもコアを確認したことで攻撃を行う。
2人の攻撃によってコアが砕かれ、大型ネウロイは光の粒子となって消滅していく。
周囲にはその粒子だけが舞っていた。
その様子を確認し、零治たちも安堵する。
「援護感謝します」
「いえ、全然!」
ベアトが感謝の言葉を述べる、謙遜しているのか彼女はそんな返答をする。
「2人とも近海にはネウロイの反応はない。戻ってくれ」
「「了解」」
2人のおかげで、被害は最小限で済んだのだ。
ベアトとユースティアナが格納庫内に戻る。
「体に異常は?」
「問題ないです」
「ローゼンクロイツは?」
「え?えっと、特に問題は、ないです」
「ならいい」
宿舎に戻り、零治たちは休息をとるのだった。
夜、ユースティアナはベットに倒れる。
「疲れたな……」
実戦での戦闘経験はあるとはいえ、やはり戦闘後は体が疲弊していた。
「でも、この部隊は実戦が多いらしいから、頑張らなきゃ!」
零治たちとの合流は明日の予定であったが、ネウロイの出現で緊急で戦闘することとなったのだ。
「ローゼンクロイツ軍曹、ちょっといいでしょうか?」
ノックと共にベアトの声が響く。
「は、はい!」
扉を開くと
「えっとフーバー、さん?」
「自由時間にごめんね」
ベアトリス・フーバーが笑みを浮かべる。
頭には鳥類を思わせる翼が目に入った。
ウィッチである彼女がそのような容姿をしている。
「どうかしたんですか?」
「美味しい紅茶があるので、よかったら一緒にと思って」
「へ?紅茶……?」
予想外の返答に思わず、声が出た。
「うん。もし嫌いじゃなかったら、クッキーもあるよ」
「いただきます!」
お菓子の名を聞いて即答する。
2人で廊下を歩き、しばらくするとなにやら音楽が聞こえることに気づいた。
音楽の響く部屋で足を止める。
「零治さん、直人さん、入ります!」
「ああ」
ベアトが扉を開く。
室内は2人部屋なのか、ベットや机、棚が2つ。
中央には段ボールを置いただけの簡易的なテーブルがある。
「悪いな、出撃で疲れてるだろうに」
「いえ、全然大丈夫です」
資料を整理していた零治は棚に本を戻す。
「座ってくれて構わないぞ」
「はい。ローゼンクロイツ軍曹も座って下さい」
「はい……失礼します」
段ボールテーブルの前に置かれた座布団に座る。
すると紅茶の入ったティーカップとクッキーの乗った皿が置かれる。
「遠慮せずに飲んでね」
「いただきます」
紅茶の銘柄に詳しいほうではないが、いつも飲んでいるものよりもずっとおいしいことはわかる。
「おいしいでしょ?私、アールグレイすごく好きなんだ」
「はい、とてもおいしいです」
お茶会を始め、4人は話に花を咲かせていた。
ふと動いているレコードプレーヤーが目に入る。
どうやら先ほどから室内に流れている歌はあれから流れているようだった。
「フーバーさんこの歌って……」
「ベアトでいいよ。歌?ああ、これ零治さんたちが好きなんだ……名前なんて言いましたっけ?」
「連盟空軍航空魔法音楽隊……ルミナスウィッチーズとも呼ばれてたな。ユースティアナも知っているのか?」
「少しだけですけど」
ルミナスウィッチーズ。数年前から9人のウィッチで構成された音楽隊であり、様々な国でライブを行っている。
自分たちのような戦うウィッチではないものの、ウィッチになったばかりの頃は憧れの存在だった。
「気が合いそうだな」
「確かにな」
「そろそろいい時間だし、そろそろお開きだな」
「片付けは俺たちでやっとくよ。2人は休んでくれ」
直人が片づけを始める。
「お願いいたします。ローゼンクロイツさん、部屋まで送ります」
「了解です」
ベアトに連れられ、部屋に戻ると再びベットに倒れこむ。
ふと右腕を天井に向けると、袖がめくれ腕に刻まれたⅩⅦの文字が目に入った。
「明日からまた戦闘があるのかな……頑張らないと」
そうつぶやき、ユースティアナは眠りにつくのだった。
ちょこっと設定紹介
主人公
・ユースティアナ・ローゼンクロイツ軍曹(オリジナル)
性別 : 女性
年齢 : 14歳
身長 : 145cm
体重 : 40kg
生年月日 : 4月13日
魔法力 : 中の上
使い魔 : ウサギ(エンジュ)