ストライクウィッチーズ オルタナティブ アサルトウィッチーズ 作:UNIMITES
幕間を作成しました。
第2話はクロエです。
これは夜翼の魔法少女と呼ばれるウィッチが特務統合強襲航空団(アサルトウィッチーズ)に所属したころの話。
ある日の夜、クロエ・エリザベートは静かな海辺にいた。
頭部には鳥類を思わせる翼が生えており、左右にはXのような形状をしたナイトウィッチが持つ特有の魔導針がある。
そう、彼女はナイトウィッチなのだ。
「……」
「エリザベートさん?」
「……あ、ラーヴァさん。どうかしました?」
その声に反応するようにクロエは瞼を開く。
振り返ると視線の先にはソフィアの姿がある。
「いえ、何をしていたのかなと思いまして」
「あそこ」
クロエは空を指さし短くそう口にする。
しかし広がっているのは闇の空だけであった。
「何も、見えませんよ?」
「あそこを飛行艇が飛んでるんです。この後、強い嵐が来そうなので少し心配だなって」
「よく見えますね。私には暗い空しか見えないです」
目を凝らして空を見つめるが、やはり広がっているのは闇の空だけである。
そんな彼女と異なり、クロエの目には空はよく見えていた。
「そうだ、嵐って?」
「私の固有魔法は高感度センサーだから、結構いろんなことわかるんです」
彼女の使用する固有魔法、それが「高感度センサー」である。
ナイトウィッチの持つ情報の送受信が可能な他、周囲の風や気圧などの気候情報を正確に感じ取ることが可能だ。
その正確な情報探知能力から的確な天気予報も可能である。
「すごいですね。それで天気の予想までできるんですか?」
「うん。まあ天気の予想ができてもあんまり役に立たないかも……」
「いえいえ、嵐が来ることを事前に察知できるのはすごいと思いますよ」
ソフィアは素直に驚いている様子を見せる。
「そうだ。夜間哨戒任務に出てみませんか?琴村さんに申請すれば許可もらえるかも」
「そうですね。この時間なら格納庫にいるかも」
2人は軍の格納庫へと向かう。
格納庫に到着した2人は事情を説明する。
「夜間哨戒か……この部隊じゃやってなかったな」
「夜間哨戒任務に出るのはいいが、2人とも経験は?」
説明を聞いて零治が質問する。
「あります!」
「わ、私も数回ですか、あります!」
「2人とも夜間哨戒の経験はある。エリザベートはナイトウィッチだから特にな」
「わかった」
直人が鞄からウィッチ専用同調率上昇薬「Grow」を取り出す。
「ベアトは呼ばなくて大丈夫か?」
「ネウロイの出現もないし、アルカ・ネウロイも近辺にはいない。問題ないだろう、だが敵の出現があればすぐに報告してくれ、援軍を送る」
「了解です」
2人はGrowを投与し、ストライカーユニットとジェットストライカーをそれぞれ装着し、空へと飛翔していく。
「夜間哨戒任務なんて俺たちには不要だろ」
「アルカ・ネウロイが夜間出現しない、なんて保証はないからな。たまには夜間哨戒を行うのも必要だろ」
「まあ、そういうならいいけどよ。2人が戻ったらメディカルチェックしに来るように言っておいてくれ」
零治の言葉に納得したように直人は鞄を持ち上げ格納庫を後にする。
一方、クロエとソフィアは夜の空を飛行していた。
周囲にはすでに風が吹き荒れ、雨が降り始めていた。
「エリザベートさん。この辺ですかね?」
「はい。あそこに」
視線の先には空を進む飛行艇の姿がある。
「こちらクロエ・エリザベート少尉です。嵐を抜けるまで、誘導いたします」
「助かります」
彼女の通信にパイロットは感謝を述べる。
適切な距離を保ち、誘導を開始した。
「エリザベートさん周囲にネウロイを感じますか?」
「いいえ。この辺にはネウロイも感じません。あと数分もすれば嵐を抜けます」
雨風に打たれながらもクロエは周囲への警戒を怠ってはいない。
「よし」
「なんとか抜けましたね」
数分後、嵐を抜けたことで吹き荒れた風も雨も上がっていた。
「夜に舞う翼をもつウィッチか……誘導感謝します」
「はい。私たちもこれで帰投します」
通信に返答すると、飛行艇から離れると来た道を戻るように空を飛行する。
「問題なくてよかったですね」
「うん。ラーヴァさんがいてくれたからだよ。私、あまり自信なくて1人じゃ誘導なんてできなかったと思う」
「そんなことないよ、自信もっていいと思います。エリザベートさんは自分が思っているよりずっとすごい力を持ったウィッチですよ」
「そう言ってもらえるとちょっと照れますね」
クロエとソフィアは月明かりが照らす空の下、笑い合うのだった。
人物紹介(詳細)
・クロエ・エリザベート少尉(オリジナル)
性別 : 女性
年齢 : 15歳
身長 : 154cm
体重 : 44kg
生年月日 : 5月16日
魔法力 : 中
使い魔 : コノハズク(ティナ)
固有魔法 : 高感度センサー(魔導針の効果に加えて周囲の状況をより正確に把握することができる魔法)
容姿 : 橙色のセミロングヘアに緑柱石色の瞳を持ち、ガリア空軍軍服(青)を身に着けている。
性格 : 我慢強いが、気が弱い
得意分野 : 長距離狙撃、天気予測
使用ストライカーユニット : ストライカーユニットWR 2号機
パーソナルマーク : 花を加えたフクロウ
概要 : ナイトウィッチであり、固有魔法によって長距離の狙撃による戦闘を行う。
戦闘回数はそれほど多くないものの、夜間戦闘回数はアサルトウィッチーズの中でも最も多く昼夜を問わず対応できる数少ないウィッチ。
しかし狙撃戦、後方支援が多いことから接近戦や高速の機動戦は苦手としている。