ストライクウィッチーズ オルタナティブ アサルトウィッチーズ 作:UNIMITES
投稿が1日遅れてしまいました。
申し訳ないです……。
今回で49話となります。
そして次回はいよいよ最終話となります。
どうすれば、よかったのだろうか。
選んだ道は間違っていたのだろうか?
いいや、決して自分の選択は間違ってはいなかったはずだ。
ただ、道は他にもあったのかもしれない。
今の彼の顔を見れば……。
烈風丸の刀身は彼の体を切り裂く。
「ぐあ……」
力なくグルーシャは加賀の甲板に倒れ込む。
「グルーシャが……負けた」
マロニーもまた、その状況をただただ見つめていた。
「はぁ、はぁ……」
零治は肩で息をしている。
体から力が抜けるようにコアの出力を低下させる。
「やりましたね零治さん」
「はい……」
ウルスラもこちらに駆け寄り声をかけていた。
再度倒れ込むグルーシャを見つめる。
「……」
胸元から腹部に掛けて切り伏せられたのだ。
DSであってもこれほどの傷を負えば、当然ただでは済まないだろう。
倒れたままの姿を見る限り、自分や零菜のような治癒能力が発揮されているようにも見えない。
おそらく彼が立ち上がることはないだろう。
そう判断して、再び甲板を見渡す。
「マロニーが、いない?」
「いったいどこに?」
「……まさか!」
零治は思い立ったように駆け出す。
「れ、零治さん!?待ってください」
ウルスラもストライカーユニットを外して、後を追う。
一方、空ではウィザードの動きに変化が表れていた。
「なんだ?」
「動きが変じゃない?」
アビゲイルの言葉通りであった。
操り人形のひもが切れたように、ウィザードの動きが鈍化していく。
「もしかして零治さんたちが?」
「零治さんが?どういうことですか?」
「さっき零治さんとハルトマンさんが加賀に飛んでいくのが見えたんです。多分、零治さんたちが何かしてくれたのかもしれません」
ユースティアナの説明にベアトたちは納得したように頷く。
「それなら後はこいつらをぶっ倒すだけだな!」
「さっさと倒しちゃおう!」
2人の声に合わせてウィッチたちが攻撃を開始する。
「ユースティアナさん行きましょう」
「はい!」
ベアトとユースティアナが「ブレン軽機関銃Mk1」のトリガーを引いた。
放たれた弾丸の雨がウィザードのシールドを打ち消し、その装甲に命中していく。
反撃するようにビームを放つが、2人は攻撃を回避してゼロ距離まで接近して再び銃口を向ける。
「これで!」
「おわりです!」
発射した銃弾が装甲を貫通し、機内のエンジンやフレーム、そして文字通り機体の核であるコアの入ったシリンダを破壊した。
コアが弾けて、霧散するのと同時にウィザードも光の粒子となって消滅する。
「はああぁぁ!」
ヨハンが片手直剣で殴打する。
なんとか攻撃を防御しているもののウィザードは先ほどのように瞬時に反撃するような素振りがない。
再び彼女が接近するのを確認してウィザードも攻撃を実施するが、
「当たるか!」
体を捻るように攻撃を回避してすれ違いざまにウィザードの片腕を片手直剣をで両断していた。
「操縦のバックアップがなきゃ、ウィザードもこの程度かよ!」
吐き捨てるように言葉を紡ぐ。
「……目標確認。狙い撃ちます!」
固有魔法「高感度センサー」で狙いをつけたクロエは「ボーイズ対戦車ライフル」のトリガーを引く。
13.9mmの弾丸が長銃身の銃口より吐き出される。
ウィザードも危機を感じ取ったのかシールドを展開するが衝撃を殺しきれずに再び体制を崩して宙を舞う。
「コアを発見しました」
彼女の言葉通り、装甲が破壊されコアの入ったシリンダが露出していた。
「そこか!」
片手直剣を力一杯振る。
刃はコアをシリンダごと砕き、破壊に成功していた。
ウィザードは光の粒子となって消滅す。
「ラーヴァ行くよ!」
「了解です」
アビゲイルとソフィアは高速で飛行していく。
ウィザードもビームで攻撃するものの、その速度に翻弄されているのか2人に攻撃が命中することはない。
反撃するようにアビゲイルが「トンプソンサブマシンガン」のトリガーを引く。
「――っ!」
放たれた弾丸を防ぐためにシールドを展開するが、
「そこです!」
上空に回り込んでいたソフィアの「フリーガーハマー」のミサイルを浴びせられたことでシールドが消滅する。
さらに爆風によるダメージによって徐々に高度を下げていく。
「これで決めてやる!」
「行きます!」
アビゲイルとソフィアはそれぞれの手に魔力を集中させる。
それぞれの固有魔法を使用すると紫電と疾風が幾重にも重なり音を立てていた。
ウィザードに狙いをつけ、2人が加速する。
「迅雷一閃!」
「疾風一陣!」
放たれた掌打が炸裂する。
紫電と疾風が弾け、周囲を走り抜けていた。
「「はあぁぁぁ!」」
渾身の魔力を込めた一撃がウィザードの装甲、そしてフレーム内のコアを破壊する。
コアを破壊されたことで最後のウィザードも光の粒子となって消滅していく。
「すべてのウィザードの撃墜を確認!」
「残る敵はウォーロックと加賀だけだぜ!」
双眼鏡でその交戦を見ていた直人とユリウスが通信機越しに状況を伝える。
「このまま加賀に向かい、ウォーロックの撃墜に向かいます」
「了解!」
ベアトたちが方向転換して、加賀へと向かうのだった。
加賀の艦内を進んでいた零治とウルスラは人影の全くない状況に違和感を感じていた。
艦内には本来いるはずの乗組員がいなかったのだ。
「全く人がいませんね」
「……俺たちみたく人員は最低限なのかもしれませんね」
こちらの分析を聞いてウルスラも納得したように頷く。
程なくして2人が格納庫に到着すると、
「見つけたぞマロニー!」
「来たか、だが遅かったな」
マロニーの言葉に反応するように、後方に鎮座していたウォーロックが起動する。
ウィザードのように目元が赤く発光して装着されていたケーブル類を一斉を抜線されていく。
「やはりウォーロックか……」
「そう、お前の父、琴村零央作り出したコアコントロール研究の最高傑作だ」
「完全に制御しきれずにかつて、第501統合戦闘航空団に敗北した機体が最高傑作とはな……」
皮肉交じりにそう口にする。
「っ!それは、克服している!やれ、ウォーロック!」
端末を操作すると、ウォーロックがビームを放つ。
「艦内で攻撃を!?」
「ウルスラさん、伏せて!」
零治はウルスラの肩を掴み、地面に伏せる。
放たれた閃光は加賀の艦内を破壊し、黒い煙が舞う。
「大丈夫ですか?」
「はい。零治さんは?」
「俺も問題ないです。にしても無理するな」
思わず悪態を突いてしまう。
「っ!ウィザードたちがやられたか……ウォーロック、外のウィッチを倒してくるのだ」
その言葉に従うように、ウォーロックは巡航形態に変形して、天井を破壊して外へと飛行していく。
どうやら外で交戦していたユースティアナたちはウィザードの撃墜に成功したようだ。
「こっちはウォーロックの起動を止められなかったか」
「仕方ありません……私たちも一旦離れましょう」
「……そうですね」
零治とウルスラは踵を返して、艦橋へと戻るのだった。
加賀に接近した時だった。
甲高い爆発音と共に加賀から巡航形態のウォーロックが姿を現す。
「4機目のウィザード?いや、あれはウォーロックか」
「そんな、琴村さんたちは?」
ヨハンとアビゲイルが思わず息を飲む。
「大丈夫です。零治さんのコアの反応は残ってます」
「ということは、無事ということですね」
ユースティアナとクロエが頷くと、
「みんなウィザードの撃墜に成功したようだな……こっちもグルーシャを倒すことはできたが、ウォーロックの起動を止めることができなかった」
「いえ、零治さんが無事ならいいんです!皆さん、残り敵戦力はウォーロックのみです。ウォーロックの撃墜を最優先とします」
「了解です!」
ウィッチたちとウォーロックが戦闘が開始される。
巡航形態から強襲形態に変形すると、これまでのウィザードとは異なり、複雑な飛行を駆使してウォーロックが接近する。
「なんて複雑な動き……」
「動きが読めないです」
クロエとソフィアはその動きに翻弄されてしまう。
それほどウォーロックは強敵であるということだ。
「アビー、私たちが切り込むぞ!」
「OK!」
ヨハンとアビゲイルが加速して、ウォーロックへと向かって行く。
放たれる攻撃を回避してヨハンが攻撃を見舞うが、
「なにっ!」
ウォーロックは攻撃を腕のようなアームで防御して瞬時に反撃する。
ヨハンもシールドを展開するが、衝撃で大きく後退した。
「ヨハン!ぐっ!」
続けてアビゲイルの方向へとビームが放たれ、紙一重で回避する。
「なかなかやるね……でもまだまだ!」
「それならこれで!」
続けてソフィアが「フリーガーハマー」のトリガーを引いた。
放たれた9発のミサイルをウォーロックは強襲形態のまま後退し、機銃のようなビームで迎撃する。
クロエも動きを読んでトリガーを引く。
しかし、放たれた弾丸をシールドで弾き返していた。
「あれだけの機動力に、シールドを打ち破れるほどの攻撃力、そしてクロエさんの攻撃を防ぐ防御力……一体どうやって?」
戦闘を見つめていたベアトは疑問を抱いていた。
これまで相手にしてきたウィザードとはあきらかに出力が違っている。
いくらシングルコアコントロールであるとはいえ、これほどの出力で運用できるものなのだろうか。
加賀の艦内にいたマロニーたちも状況が優勢になったことで頬を緩ませている。
そんな中、端末が警告を表すように赤いランプが点灯する。
「どうした?」
「ウォーロックのコアコントロールシステムが起動しています」
「コアコントロールシステムが?だが近くにコアの存在など……」
ウォーロックがコアコントロールシステムを起動しようとしていた状況にその場の者たちは疑問を抱く。
「――っ!」
奇声とも形容しがたい声を上げ、ウォーロックはコアコントロールシステムを起動する。
「っ!」
「うっ?!」
零治とユースティアナは一瞬、体に電撃が走ったような感覚を感じていた。
胸に手を当てる。
体内のコアに特に変化はない。
「どうかしましたか?」
ウルスラが心配そうにこちらの顔を覗き込む。
「いえ、大丈夫です。なんだったんだ、今のは……」
「今のって一体……?」
2人共、違和感を感じていたものの一瞬の出来事であったため再び視線を戦場へ視線を戻す。
「……え?」
ストライカーユニットの自由が利かないことに気づく。
彼女だけではない、ヨハンたちもその場で停滞していたのだ。
その様子に零治も通信を送る。
「みんなどうした?」
「それが、ストライカーユニットの操作が……」
「ストライカーユニットが?」
返答された言葉に考え込む。
この状況でストライカーに故障か不具合でも起きたというのだろうか。
「もしかして、ウォーロックのコアコントロールシステムじゃないでしょうか?」
「そうか……」
納得したように顔を上げた。
確かにWRには元々ウィザードに使用していたコアが搭載されている、だからWRにも影響があるということか。
おそらく、さっきの体への違和感もウォーロックがコアコントロールシステムを起動させたからだったのだろう。
「どうするんですか?このままでは皆さんが」
心配そうに声をかける彼女を横目に零治はただただ空を見つめる。
「いいぞ、ウォーロック!その力を知らしめるのだ!」
ウォーロックが再び攻撃態勢に入った時だった。
轟音と共に対空砲が命中してその態勢を崩す。
「赤城の攻撃!?」
攻撃方向を見つめる。
戦闘の中、戦闘区域に入っていた赤城が攻撃を行っていた。
「何やっているんだ、直人、グラハム!攻撃を辞めさせろ、ウォーロックの目標が赤城に向いたら!」
「そんなことを言っていられる状況ではないだろ!」
「グラハムの言う通りだ!」
「……っ!」
2人に一喝され何も言えずに舌打ちする。
だが、ウォーロックは目標を赤城に切り替えたのかビームが赤城へと放たれた。
「……!」
割って入るようにハイデマリーがシールドを展開する。
しかし、すべての攻撃を防ぎきることができず、対空砲が破壊されていく。
「対空砲をやられました!」
「キツイ攻撃をもらったか……」
直葉も報告を聞いて冷や汗をかいていた。
「ストライカーが!」
「よし、動けるようになった!」
ソフィアとアビゲイルの言葉通り、ウォーロックの制御を外れたことでウィッチたちが再び散開する。
「次にウォーロックがコントロールシステムを稼働させたら、こちらも終わりです」
「ですね」
「短期決戦で決めないとですから」
「6人でコンビネーション攻撃をかけます」
「了解」
ベアトの言葉に合わせてウィッチたちは空を駆ける。
ウォーロックも接近に気づいたことで、ビームで攻撃を行う。
「はっ!」
真っ先に前に出たソフィアがシールドを展開する。
巨大なシールドが攻撃を防ぐのと同時にウォーロックの視界を塞ぐ。
「はああぁぁ!」
直上に回り込んでいたヨハンが片手直剣で装甲を切り伏せる。
「そこです!」
「よーし!くらえー!」
直下から上昇するようにベアトとアビゲイルが銃を連射していく。
弾丸の雨をシールドで防御するが、
「狙い撃ちます!」
クロエの放った渾身の魔力を込めた弾丸がウォーロックのシールドを貫通する。
多少射線がずれたものの両脚部を貫通して破壊していた。
シールドが消えたことで2人の放った攻撃がアームに命中してビームの発射口を破壊する。
「――っ!」
悲鳴のように声が周囲に広がっていく。
「「「ユースティアナさん!」」」
「「ローゼンクロイツ!」」
「……っ!」
固有魔法「魔力放出」を使用して身体能力と魔法力を強化した彼女の体が蒼白く発光する。
「決めます!」
超加速して距離を詰めたユースティアナは零距離で弾丸を叩きこむ。
度重なる攻撃によって装甲がひび割れ、ついに装甲の破壊に成功する。
機内からコアの入ったシリンダを視認する。
腰のホルスターからM712拳銃を引き抜き、
「当たれ!」
トリガーを引く。
発砲音と共に放たれた数発の弾丸がコアに命中、溶けるように弾けたコアは光の粒子となって消滅する。
ウォーロックの全身もまた、光の粒子となって消滅していくのであった。
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