ロボトミー社に入ったら人外に囲まれたんだが 作:はちみつレモンって美味しいよね
「誰も彼の遺体を持ち帰ることを願い出ませんでした。」
<あー、あー、聞こえてる?>
入社5日目の朝、管理人さんから放送が入った。
<聞こえてそうだね、ならいいや。エージェント エル、君は今日からランクⅡエージェントだ。>
私の昇進を報告するアナウンスだったようだ。
後から管理人さんに言われたんだが、私は慎重、自制、正義の3つが高めらしい。
特に正義が高いとか。
何回か作業を終えた後、私がまだ作業をした事のないアブノーマリティへの作業指示が出た。
名前は母なるクモ、あれかな?虫の方の蜘蛛かな?
「おおエル、昨日はありがとうな。」
「昨日…あ、キュートちゃんですかね?」
廊下でロイさんとすれ違った。
「…なんか疲れてます?」
何故かは知らないが、ロイさんがゲッソリしているように見えた。
母なるクモの収容室はこの先だし、何かあったのだろうか。
「いや、それがだな…」
どうやら母なるクモの収容室には小さな子グモが沢山いるらしい。
そのうちの1匹を踏んでしまいそうになった時の母グモの圧が凄かったのだとか。
「そのせいでずっと周りに注意しながらの作業だったからな…収容室から出た時の解放感と疲労感が凄くてな…」
お疲れ様です。
何はともあれ、作業前に情報を貰えたのは嬉しい。
「失礼します。」
そこに居たのは…大量の子グモ?
「可愛い…(ボソッ)」
…で、ロイさんが言うには、この子グモに危害を加えなきゃいいんだよね、もちろんそんなつもりはないけど。
「…おっと」
子グモのうちの1匹が肩に乗って来た。
『ピョンピョン』
なんか跳ねてる、可愛い。
…キュートちゃん?私は罰鳥くんやマッチちゃんだったり、こういう子グモくんの方が好きかなぁ……
ピピッ ピピッ
「あれ?もう作業終わり?」
しばらく子グモ軍団と遊んでたらいつの間にか作業終了の合図が。
…てか、そういえば母なるクモって名前なのに母グモさんは見てないな。
「…?」
ふと視線を感じて上を見ると…
『…』
暗くて見づらいが、赤い目が沢山ある大きなクモが。
母グモってこのクモか…
「…ペコッ」
今回は沢山子グモくん達と遊ばせてもらったし、軽くお辞儀をしておく。
ありがとうございました。
その頃、管理人室にて…
「「ええ…」」
管理人とアンジェラは引いていた。
もちろん、エージェント エルに。
管理人には二重に認知フィルターが施されている。
1つ目はモニターそのものに、2つ目は管理人が常につけているXと書かれた紙に、だ。
そんな認知フィルター越しでも少し不気味に映る母なるクモの子供と至って普通に遊んでいたら管理人とアンジェラが引くのも納得である。
「罰鳥の時もマッチガールの時もうっすら思ってたけどやっぱ価値観っていうかなんというか色々おかしいと思うのは僕だけじゃないよね。」
「ええ、私もそう思います、管理人。」
エルが原因で今後も意見が合っていく2人であった。
「クシュンッ」
『?』
その後、作業中に罰鳥に心配されるエルであった。
はちみつです。
エルちゃんは色々とズレてます。
虫とか好きなタイプです。
今回も読んで下さりありがとうございました。