執事の幻想入り   作:kazuスカーレット

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奇跡に溺れた愚か者

ウォルター「......鬱陶しいな」

 

ウォルターが目の前の女に悪態をつく、辺りには糸で切断された木が散乱していた。

 

?「凄いですね!こんなに攻撃されてるのに一発も当たらない、まさに奇跡です!」

 

女はケタケタと笑いながら2丁のライフルの銃口をウォルターに向け乱射する。

 

ウォルター「意味のない事を何遍もやるなよ」

 

ウォルターは前方に糸の壁を作り弾丸を弾いた。

 

ウォルター「グッ!?」

 

しかし糸により弾かれた銃弾が奥の木に当たりまた弾かれる、その跳弾はウォルターのコメカミを僅かに抉った。

 

ウォルター「.....奇跡を起こす程度の能力か」

 

目の前にいる黒い軍服に身を包んだ東風谷早苗?に対しウォルターは言い放つ。

 

「そうですよ、私は奇跡を愛し奇跡に愛される、超人天才可愛い東風谷早苗でーす!」

 

ウォルターは奥の木を全て糸で切断した。

 

「森林破壊する悪者は死んで下さーいっと!」

 

乱射する早苗に対しウォルターがまた目の前に糸の壁を貼る、糸の壁で銃弾が弾かれるが周囲の木はほぼ全て切断した、そのおかげでそれが跳弾となってウォルターに放たれる事はなかった。

 

しかし地面に当たった弾丸が跳弾し糸の壁を下からすり抜けそれがウォルターに放たれる。

 

ウォルター「クソッ」

 

ウォルターは反射的に糸の壁を作り弾丸を止める。

 

「どうせ死ぬんだからちゃっちゃと死んで下さい、早く先輩とも合流したいんで」

 

早苗はいつの間にかウォルターの側面に居たそこに壁は設置されていない。

 

ウォルター「隙だらけなんだよ」

 

ウォルターが一瞬で早苗の方に振り向き糸を振った。

 

ウォルター「くっ!?」

 

だが突如突風で切断した木から落ちた葉がウォルターの視界を潰す、それにより首を切り落とすつもりで放った糸はあらぬ方向に飛んだ。

 

「まさに奇跡」

 

早苗は容赦なくウォルターに乱射する、すぐにウォルターは糸の壁を作ろうとした、しかし作る途中で弾丸がウォルターの体にくらいついた。

 

ウォルター「ガッ!」

 

弾丸がウォルターの胸に当たる、が。

 

「うーん?心臓に当たったはずなのにあんまり効いてない?あっ!糸を防弾チョッキみたいに纏わせてるんですか?」

 

その通りだ、ウォルターは人体の急所、脳や心臓などに糸の壁を設置して流れ弾で死なない様に工夫していた。

 

尤も敵の大軍と接敵する前にコイツと交戦することになったがそのおかげで命拾いした。

 

ウォルター(勝ち筋が見えないな、どうすれば勝てる?)

 

ウォルターの周りを回りながら早苗が乱射する、そのほぼ全てを防ぎカウンターとして糸を放つがその全てがまさに奇跡の力で防がれる。

 

「あなたに奇跡は起こりません、私だけに奇跡が起こります!」

 

そう言って空に銃を乱射する、普通ならそれは意味のない銃撃、しかしそれは奇跡で何か起こるとウォルターは察し凝視していた。

 

だが何も起きない。

 

「うーん?」

 

銃口を再びウォルターに合わせ乱射する、ウォルターは虚を突かれカウンターが間に合わない、糸で壁を作って銃弾を防いだ。

 

ウォルター(流石に空に向かって撃った弾丸がコッチに来る何て事は無かったか、だがこのままじゃいつかは殺される、なら)

 

ウォルターは石を何処かに向けて投げる

 

「.......え?私に向けて投げたんですか?いやそんなはずないですよね、何か狙いが?」

 

ウォルターは早苗の問いかけを無視し全方位に糸の壁を作った。

 

その行動に早苗は首を傾げる。

 

「えーと?どうしたんですか?急に引きこもりたくなった?分からないですね」

 

ウォルター「聞きたい事があるだけだ」

 

ウォルターは早苗の目をまっすぐ見て言う。

 

「あぁ....もしかして惚れました!?」

 

ウォルター「馬鹿いうな」

 

早苗は残念そうに手を振った。

 

ウォルター「お前らは何が目的だ?」

 

「目的ですか?あれ貴方あの言葉聞きませんでした?我々は手段の為には目的を選ばないって」

 

ウォルター「だからその目的は何だ?」

 

「目的ですか、この幻想郷をめちゃくちゃにする事らしいですよ」

 

ウォルター「らしい?」

 

「ええ、この大隊を作り上げたのは貴方のよく知っている少佐じゃありません、八雲紫って言う奴ですね」

 

ウォルター「八雲紫......の偽物か」

 

「さぁ?本物か偽物かなんて分かりません私はただ戦争で奇跡を起こし続けたいから他人の事なんかどうでもいいんですよ」

 

ウォルター「奇跡か......」

 

ウォルターは時間を稼ぐ。

 

「そう、奇跡です私は昔から奇跡が好きでしてね、奇跡を起こすたび私の中の何かが満たされる感じがするんです」

 

ウォルター「奇跡か」

 

「奇跡です奇跡を信じていたら私は楽に楽しく生きていけました、だから貴方も奇跡を信じてみたらどうですか?」

 

ウォルターは僅かに口角を上げ言った。

 

ウォルター「奇跡はな、実力で起こす物だ」

 

「何を言って.........」

 

一発の銃声が響く、それは早苗の胸に命中し鮮血が舞う。

 

「ガハッ!?」

 

早苗が吐血し倒れる。

 

ウォルターは糸の壁を解き銃を撃った人物を見据える。

 

ウォルター「すまんな早苗」

 

早苗「いえ、全然大丈夫です......はい」

 

僅かに手が震えている、仕方がなかったとはいえ自分の手で人を殺したのだから当然だ。

 

吐血した早苗が顔を上げ2人を見る。

 

「そうですか、あの時投げた石に何か書いていたんですか、それが偶然早苗の所に届いたと、それにその銃、古明地こいしさんの物ですね死んだんですか?まぁその様子から見るに殺したのは貴方じゃないんでしょうけど」

 

早苗が頷く。

 

「あぁ、今まで私の味方をしてくれた奇跡が......私が死ぬ原因が奇跡とは皮肉ですね、非常に残念ですがぁ........まぁ、悔いはありませんゴフッ、結構楽しい夢でした、出来れば先輩と死にたかったなぁ........」

 

早苗の頭再び地面に落ち、それから2度と動く事は無かった。

 

早苗の最後を見終えたウォルターはまだ震えている早苗に振り返る。

 

ウォルター「で、その銃誰から貰ったんだ?」

 

早苗「れ、霊夢さんが持っておけって」

 

ウォルター「なっ!?霊夢は今どこにいる?」

 

早苗「博麗神社を目指してる様です」

 

ウォルターが博麗神社目指し駆け出した。

 

早苗は木々が薙ぎ倒された静かな場所で取り残された、早苗が何となく死んだ早苗?の顔を見てみる。

 

その表情は絶望や死の恐怖で恐怖に染まった表情、なんかではなくその表情はとても満足そうに微笑んでいた。




プロフィール

東風谷早苗 年齢23才

本名ラインウンダー・フェレイダ

階級 曹長

好きな食べ物
ドーナツ、チョコチップクッキー

嫌いな食べ物
パイナップル
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