執事の幻想入り   作:kazuスカーレット

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静止した時の中で

裏口から脱出しようとした咲夜と妖精メイドは強襲を受けていた、消音が付いたライフルで妖精メイドは全滅、咲夜も肩に銃弾を一発もらっていた。

 

咲夜「........チッ、一体誰なの?姿を見せなさい!」

 

咲夜が木の後ろに隠れ発砲音がした方向に問う、それに対して襲撃者は棒状の何かを投擲する。

 

咲夜(なんかやばそうね)

 

本能的に咲夜は時間を止めた、投擲された何かは咲夜の真横で静止する。

 

それと同時止まった世界に咲夜以外の足音が鳴り響く。

 

咲夜(まさかっ!?)

 

咲夜がナイフを手に取り迎撃の体制を取る。

 

木の影からナイフが咲夜の心臓目掛け飛んで来る、それを咲夜は辛うじて弾いた。

 

2人が向き合う。

 

咲夜「私ですか一体......」

 

「無駄話はいい、早く死ね」

 

もう1人の黒い軍服を纏った咲夜がナイフで切りかかってくる。

 

咲夜はいつもと違いナイフを投げない理由は単純、時が止まっているからだ、止まった時の中ではどんな遠距離武器も効果が薄い、武器が加速し斬る前に止まるからだ、もう1人の咲夜が銃で発砲しないのもその為だ。

 

何よりここで時間停止を解除すればすぐ近くにある物体も動き出す、それはドイツ軍で使われているM24型柄付手榴弾だが咲夜はもちろんそれを知らない。

 

咲夜は能力を解除をするのは危険だと感じナイフでの戦闘を選んだ。

 

咲夜「グッ!?」

 

咲夜とてただナイフを投げていたわけではない、もしものために近接戦は美鈴と練習している、それでも近接戦には圧倒的な差があった。

 

咲夜は急所は何とか防いでるものの斬撃全てに対応する事はできない、だんだん体が血塗れになってきた。

 

だがコイツに負ければコイツが紅魔館に行く事は明白だ、そうすればいくら美鈴達とは言えただではすまないだろう、それが分かっている咲夜は引かない、咲夜のナイフが加速する。

 

「うん?」

 

余裕だった表情が変わる。

 

突然スピードを上げた咲夜のナイフに僅かに反応が遅れる。

 

「チッ」

 

それが頬を貫いた。

 

咲夜「ガハッ」

 

それとほぼ同時、咲夜が蹴り飛ばされる。

 

それにより咲夜の能力が解除され止まった時が動き出す。

 

咲夜のいた場所から爆発する。

 

時が動き出すと分かった途端お互いが得意の遠距離武器、投げナイフ、銃を取り出す。

 

咲夜がギリギリ先手を取り銃を持った左手にナイフを投げた。

 

「甘い」

 

それを片方の手に持ったナイフで弾きカウンターに銃弾を放つ。

 

咲夜は必死に頭を下げる、弾丸が頭上を通過したが咲夜に命中する事は無かった。

 

すぐに次弾が発射すると思われたが顎に手を当て何かを思い出した様に言った。

 

「そうえばアンタ、元々吸血鬼狩りの家系だったけ?」

 

咲夜は一瞬驚いたが、いつもの口調で答える。

 

咲夜「そうです」

 

「吸血鬼狩りになるために育てられたのになぜ裏切った?私は全く理解できない」

 

明らかに今までの無感情な感じではなく確かな怒りを込めて咲夜に言う。

 

咲夜「.........私は確かに吸血鬼狩りでした、ですがお嬢様と出会って分かったんです、吸血鬼が必ずしも悪いものではないと、あれはただの可愛い女の子で私の偉大な主人でもあります、確かにお父様やお母様には悪いとは思っていますが私はこの選択を後悔はしていません」

 

それに対し不愉快そうに言い放つ。

 

「紅魔館のメイド長なんてくだらないな、吸血鬼狩りを続けていれば最高の人生だっただろうに、馬鹿だないや、可哀想だなあんな吸血鬼にこき使われる何て」

 

咲夜「お嬢様を馬鹿にするなよ、私にとってお嬢様に仕えている日々は宝そのもの、まぁアンタみたいに何かに縛られた人間には分からないでしょうけどね」

 

その言葉と同時、もう1人の咲夜が殺意と共に右手にナイフを持つ、それに対して咲夜は両手一杯にナイフを持った。

 

「まぁ、裏切り者の戯言はもういいわ、邪魔だしさっさと死ね」

 

咲夜「死ぬのはアンタよ」

 

咲夜がナイフを弾幕の様に放つ、それに対しもう1人の咲夜は何とナイフを弾きながら前に出る。

 

何発かは命中するがその全てが直撃とはいかない。

 

「チェックメイト」

 

上からナイフが振り上げられるがそれを咲夜が両手で持ったナイフで防ぎ押し合いになる、対するは片手咲夜の方が有利だが力が違った。

 

しかし咲夜は両手というアドバンテージを活かして徐々にナイフを押し返していく。

 

だが咲夜は上から降ってきたナイフに気を取られていた事に今更気づいた、そもそもなぜ片手なのか、咲夜が押し合いの中向かい会うもう1人の自分の顔を見る、その顔には全くと言っていいほど感情は宿っていなかった。

 

押し合いをしていないもう片方の手には既に銃を握りその銃口は咲夜の心臓に狙いが定められていた。

 

気づいた咲夜がすぐ横に体を逸らす、直後銃弾が放たれ脇腹に灼熱感が走る、それにより両手のナイフの押し合いはすぐ逆転し咲夜が袈裟に切られた。

 

咲夜「ガッ....ゴフッ」

 

咲夜が吐血する、と同時咲夜に蹴りを入れる、それは鳩尾に正確に入り咲夜の体を吹き飛ばした。

 

完全に終わったと思い背を向けるが後ろからナイフが投擲される。

 

「へぇ、まだ死なないんだ」

 

嘲笑いながら完全に不意打ちだったがそれにも反応する、しかし完全に避けきれず脇腹にナイフが深々と刺さった。

 

咲夜「紅魔館に仕えるメイド長です、この私をそう簡単に殺れると思わないでくださいね」

 

「黙れ、お前は吸血鬼狩りを、自分のやるべき事を放棄するようなくだらない人間だ、私とは違う死んで当然だ、そのナイフの投擲も戦闘技術も全てお前の役目、吸血鬼狩りのためにある、どう考えても吸血鬼狩りのために生きるためだろう」

 

咲夜「.........分かりました、アナタはただ駄々をこねている子供です」

 

「は?」

 

咲夜「他人はアナタじゃないんですよ、自分が役目っていう鎖に囚われているからって他を羨むな」

 

「.......うるさい、お前はもう殺す」

 

咲夜が言う言葉に何処か感じることがあったのだろう、怒りを露わにしナイフ片手に一直線に襲いかかってくる。

 

咲夜「来なさい」

 

それから激しい斬り合いに発展した、咲夜も両手に持ったナイフで迎撃する、本来は力の差があり咲夜が敗れると思ったが。

 

咲夜のナイフのスピード威力が上がる。

 

「チッ」

 

これにより勝負はほぼ互角になった。

 

だが気合いで勝てるほど甘くはない、咲夜のナイフの斬撃の嵐を抜け凶刃が胸に突き刺さる、それは明らかに命まで届いていた。

 

「はぁ......?!」

 

明らかに終わったと思い油断していた、咲夜はナイフを持つ力すら失っていた、しかし拳を握った。

 

すぐに終わる命だとしてもお嬢様達のためにも自分が誰も敵を倒さず逝く訳にはいかないという精神力で、渾身の力を込め拳を振るう。

 

それを回避する術はなかった。

 

「ガハァァァァ!」

 

その一撃は確実に顔面を捉えたが意識を飛ばすには至らない。

 

咲夜「はぁはぁ、ゲフッ......」

 

咲夜が瀕死の体を動かしてもう1人の自分へ歩み寄る。

 

「.........私の負けですね、さっさと殺してください」

 

咲夜は掠れる声である事を話した。

 

それに対し、倒れた咲夜が驚愕する。

 

ポケットから取り出した鍵を渡した後咲夜の意識は終わり深い2度と覚めない眠りについた。




プロフィール

十六夜咲夜 年齢25才

本名 ウルティ・ドライゼン

階級 曹長

好きな食べ物
ジャガイモ

嫌いな食べ物
梅干し、納豆、生魚
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