紫「クソッ!」
薬品が置いてある机の後ろで紫が悪態をつく、すると机の上の薬品が横に切られ、中の液体が紫の髪を濡らした。
「隠れんぼしたいの?あいにく今は隠れんぼより戦争がしたいの、早く出てきてよっ」
紫が前にある薬品棚から瓶を取り素早く扉を開け廊下に出る、同時に隠れていた机が横に切断される。
この攻撃により紫は敵になかなか近づけずにいた。
紫(アイツの能力は私と同じ境界を操る程度の能力、だけど能力を発動する時間が私より早い、それは奴の能力の使い方、わざわざ指を振った場所のみを切断する、これが奴の能力を出すのが早い秘密だろうけど今の私じゃまだできない.....)
紫は敵に連れられ飛行船に乗っていた、その内部でコイツと戦っている、移動しようにも途中で解除されるため敵をどうにかして倒さないと出られない状況だ。
紫はさっさと敵を殺して幻想郷に戻りたかったが、聞きたい事があったので廊下から扉に向かい言う。
紫「あなた達は何で戦争をするの?」
「何でって、戦争が大好きだからよ」
紫「じゃあ何でここなのよ!貴方達は元ナチスドイツの武装親衛隊!私達は関係ないでしょ!」
それはずっと紫が疑問に思っていた事、なぜこの楽園を戦場にするのか、それが紫は理解出来なかった。
「そうね、確かに全く関係ないわね、強いて言えばここを荒らせば楽しいと思ったからよ」
紫「そんな自分勝手な理由で....!!」
「エゴね、でもあなたもそうじゃない?幻想郷の賢者八雲紫さん?」
紫は相手が何を言ってるかが分からなかった。
「幻想郷を作った、その維持のためにあなたは巫女を作り餌を人里を作った、足りなくなったら外の世界から身寄りのない人を攫い妖怪に食べさせる、自分の、幻想郷の利益の為に他者を害する、同じじゃない、私は私の為に貴方は自分が作った幻想郷の為に他人を害する」
紫「お前と私を同類のように言うなよ侵略者のクズが」
「身寄りのない人を誘拐して妖怪に食わせるようなクズには言われたくないわね」
「それにこの事、霊夢に、先代に教えた?」
紫「.........」
「お前が身寄りのない人を殺してるって知ったらきっと先代はお前を嫌うんだろうな」
紫は先代の顔を思い浮かべる、考えた事もなかった、そんな事、だいたい今まで人間に興味なんてものはなかった。
人間に興味を持ったのはそう、先代の影響だ、先代はいつも私に楽しそうに人里の様子を語っていた、私を母のように慕い良く話しかけてくれていた。
幻想郷のルールに従わない妖怪の殺害、人里の管理などそれが巫女の仕事で先代の前は仕事のことしか紫に話さなかった、しかし先代は積極的に紫に人里の様子を話した。
ある時先代に人里に一緒に行こうと誘われた、紫は初めての事でどうするか迷っていたがついて行く事にした。
そこで色々な物を見たり食べたりした、特に先代は団子にハマっているらしく大量に買い食べていた紫も気に入りお土産に何個か買った。
人間の料理を食べ始めたのはこの時からだ。
先代は恐ろしく強く、優しかった、人里で行方不明になった子供を助ける為一晩中森を捜索し子供を無事に助け出した。
それで私は変わったのだろう、私自身たまに自分で団子や食料を買う為人里に降りるようになった。
しかしどんなに強く優しくとも人間である為寿命があり私達妖怪と違って病にかかる事もある。
私は彼女に死んで欲しくなかった、必死に彼女を助ける方法を探した、そして先代に自分の式になるよう提案した、が先代が首を縦に振ることはなかった。
私は情けなくも彼女の懐で泣いたそんな私にあの子は優しく頭を撫でてくれた。
紫は先代の事を誰よりも知っていた、だから自信を持って言う。
紫「馬鹿言わないで、あの子が私の事を嫌う筈がない、確かに私がした事は許されない事でしょう、でもあの子は許してくれる、だってあの子は超が付くほどお人好しだから」
「そう、じゃあ死んで直接聞いてきなさい」
扉から敵が出てくると同時に紫が手に持った瓶を投げる。
「ッ!?」
瓶の中の薬品が肩にかかり異臭と共に肉が溶ける。
「硫酸!?」
紫「死ぬのはアンタよ」
紫はもう距離を詰めていた、片手に持ったナイフで首を突き刺しにかかる。
「当たらない」
それはギリギリで避けられた、カウンターで敵もナイフを腹を突きにかかる、それを紫は後ろに飛ぶ事で回避した。
紫(アイツはどうせ能力を使う、それに合わせて指を切り飛ばす)
だが紫の思惑とは裏腹に敵は勢いのまま紫に突っ込む。
紫「なっ!?」(ヤバイ!右左どっち!?)
「冷静に考えないでよ!」
紫「ガハッ!?」
そのまま紫に頭突きを捻じ込み蹴りで吹き飛ばされる、紫はいつのまにか現れた隙間に飲み込まれた。