執事の幻想入り   作:kazuスカーレット

27 / 34
悪夢からの目覚め

「はぁはぁ.....」

 

小町「はぁはぁ.....」

 

小町と推尉は泥沼の戦いを繰り広げていた、推尉の持っている銃の弾丸は底を尽きた、小町の霊力も同様だ。

 

息を整えまた互いが飛び掛かろうとするが。

 

?「待ちなさい!」

 

その声の方向に2人は動きを止め振り向く。

 

小町「四季様.....」

 

「四季映姫?」

 

映姫「元ナチスドイツ武装親衛隊、アインザッツグルッペン所属エヴェリン•ジューレさん、貴方を裁きにきました」

 

映姫は推尉を真っ直ぐに見て言った。

 

「裁く?」

 

推尉も映姫の顔を真っ直ぐに睨んだ。

 

(そうえば何でコイツ私の名前を.....!」

 

映姫「貴方は自身の両親を自身の手殺害しましたね?」

 

「ッ!?何で!?」

 

知っているのかと聞きたかったが途中で言葉が止まる、推尉が力なく俯いた。

 

辺りに裁判所の様な重苦しい空気が流れる。

 

「仕方なかったのよ......」

 

絞り出すように声と共に顔を上げた。

 

「殺さないと私が殺された!しょうがないじゃない」

 

映姫「他に幾らでも方法はあったのでは?」

 

「ハハハハハ!他の方法ね!確かに幾らでもあったかもしれない、でも私にはこれしか思いつかなかったのよ!」

 

大声で映姫に叫ぶ、映姫はそれを冷たい目で見ていた。

 

映姫「その後貴方はその街のユダヤ人狩りに積極的に参加していたらしいですね」

 

「違う!私は.....」

 

映姫「悪くないですか?」

 

映姫が鋭い口調で言い放つ。

 

映姫「どんな理由があろうと殺したのは貴方でしょう」

 

「いや....あぁ?うっ、私は」

 

苦しい、苦々しい表情で反論しようとするが言葉が思い付かない。

 

映姫「貴方は今まで環境を理由に自身の罪から逃げていたんですよ、殺された人の気持ち、人を殺した貴方自身の罪悪感から」

 

推尉が何か言おうとする。

 

映姫「さて次です」

 

映姫が無表情に推尉の罪を読み上げる、それが推尉の体を更に重くした。

 

映姫「.......以上です」

 

「......私は死にたくなかった」

 

推尉が下を向きながら話す、それを映姫は黙って聞いた。

 

「死にたくなかったから、親も友達もみんな殺した、じゃないと私が殺されると思ったから、私が悪かったの?私が.....」

 

映姫「そうです」

 

推尉がナイフを力一杯握り映姫に駆ける。

 

映姫「小町!」

 

小町「はいよ」

 

小町が大きく鎌を振り上げる、推尉もそれを視認にして避けようとするが足が動かない。

 

「あ?」

 

小町「四季様からアンタの過去見させてもらったけどね」

 

自身に降りかかる鎌の斬撃が推尉はやけに遅く見えた、だがいつまでも足は動かない、だんだん近づいてくる死に対し推尉は何も出来なかった、いや何もしなかった。

 

小町「流石に同情した、次はいい所に生まれな」

 

鎌が推尉の体を深く切り裂いた、斬撃は臓器まで届いてる、いくら人造吸血鬼でも死ぬ。

 

そのまま推尉は地面に膝をつけた。

 

(思ったより、痛くない?傷が深すぎるから?.......お父さんとお母さんも痛くなかったのかな?)

 

朧げの司会で推尉は2人を見て言った。

 

「私の名前.....違うの、私の名前はフリードリヒ•アンネットって言うの」

 

映姫「そうですか、アンネット」

 

映姫が推尉の前に膝をつき推尉を優しく抱きしめた。

 

映姫「おやすみなさい」

 

推尉の目から涙が溢れる。

 

(あったかい、そうえばお母さんとお父さん考えた事なかったな、私は今まで周りのアイツとか大人が屑で私は悪くないと思ってだけど違ったんだ、私も屑だった、環境のせいなんかじゃない私自身が屑だったんだ、あの時死ねなかった、その時点で私は間違えたんだ、あの時死んでいれば)

 

推尉も映姫を抱きしめる、とても弱々しく。

 

(私には死ぬか屑になるかしか選択肢はなかったんだ、ほんと、私の人生って何だったんだろう?)

 

だんだん意識が闇に沈んでいく、推尉は最後に一言言いたかった、言いたくても言えなかった事、殺されるのも自分で死ぬのも嫌だったから言えなかった事。

 

「....生まれてきてごめんなさい」

 

(次の人生では普通に家族みんなで暮らせるかな?いや無理かそんな人をいっぱい私は殺してきたから)

 

自虐的な笑みを浮かべ意識は闇に落ちた。

 

映姫を抱いていた腕が力なく落ちる。

 

小町「四季様.......」

 

四季「私も彼女の過去を見て思いました、この子は悪くない、悪いのは環境だと」

 

四季が事切れた推尉を見て呟く。

 

四季「でも私の能力は彼女を黒と示しました」

 

四季が推尉を抱き抱え小町に渡す。

 

四季「埋めてあげてください」

 

小町「いいの?」

 

映姫が何も言う事なく小町に背を向けた、後はやっておけと言う事だ。

 

小町「一つ聞いていいですか?」

 

映姫「.....いいですよ」

 

小町「アイツの最後の言葉は本当ですか?」

 

映姫「私の能力では白と出ていました」

 

小町「四季様自身はどう思ってるんですか」

 

映姫は少し俯いた。

 

「本当だと思いますよ、彼女は自分の罪を悔いていましたから」

 

映姫はそれ以上言う事なく自分の職場に帰った。




プロフィール

四季映姫 年齢25歳

本名 フリードリヒ•アンネット

階級 推尉

好きな食べ物
ポトフ

嫌いな食べ物
なし
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。