執事の幻想入り   作:kazuスカーレット

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亡霊

「気持ち悪いんで早く死んでください」

 

大将がさとりに銃口を向ける、引き金を引く前にこいしが突然サイドから現れ手に持った包丁を顔面目掛けて突き出す。

 

こいし「えっ?」

 

「まぁ、アイツよりは戦いやすいですね」

 

大将はその一突きを通り抜ける様に躱した、引き金が引かれ弾丸がさとり向け放たれる。

 

空「さとり様!」

 

さとり「うっ!?」

 

空がさとりを押す、それにより銃弾は空とさとりの頭の間を通りすぎるだけに終わった、流れる様に大将はこいしに向き直り片手に持ったナイフでこいしの頭にナイフを振り下ろした。

 

こいし「ギャァ!」

 

さとり「こいし!」

 

咄嗟にこいしが反応し防御するが力負けしそのまま袈裟に切られた、一応包丁で防御していたため致命傷は免れる。

 

(またですか)

 

さとりは自身の能力で大将の深層心理、トラウマを探っていた、大将も同じ能力だから自分に何かされている事は分かる、しかしトラウマを深層心理が探られている事には気づかなかった。

 

「何をしようとしてるんでしょうか」

 

大将が再び銃口を向ける前に空が大将に向けてレーザービームを放とうとする。

 

「危ないでしょ」

 

大将が空の足元に筒を転がす、スモークだ。

 

空「わっ!?」

 

一瞬で視界が白煙で覆われる、空はその状況に焦り闇雲にレーザービームを放つ。

 

さとり「待って!こいしに当たる!」

 

計七発の銃声が響くと共にドサっと人が倒れる音がした。

 

さとり「空!」

 

空「うぅ.....」(足が痛い........)

 

さとりが空の思考を読み推測する。

 

さとり(多分足をやられた、完全に動けないって事は両足があの拳銃で撃ち抜かれた様ね、でもなら後の5発の銃弾は何を狙って.....)

 

その答えはすぐに出た、白煙が晴れると明かりが全て消えていてまた視界が見えなくなる。

 

さとり(やられたのは照明器具!この程度ならすぐに慣れるでしょうけど)

 

後ろから冷たい物を感じた、さとりは咄嗟の判断で前に飛ぶ。

 

さとり「くっ」

 

背中に灼熱感が走り血が滴る。

 

さとり「暗視ゴーグルですか」

 

「知っている、いや知ったんでしたねじゃあ弱点も把握しているでしょう、もう使いませんけど」

 

そう言うと大将は暗視ゴーグルを乱雑に地面に投げた。

 

さとり「外してしまうんですか?案外似合ってましたよ」

 

「もし本当にそう思っていたなら感性を疑いますね、やはり貴方達の様な劣等種族の考える事は理解できない」

 

薄ら笑いで大将が呟きナイフをさとりに向ける。

 

さとり「私もあなたの考える事は分かりませんよ、まぁ劣等民族の貴方達の考えを理解など出来るはずないですがね」

 

さとりも同様に薄ら笑いで大将を挑発する。

 

「劣等種が」

 

大将が挑発に乗せられ怒りのままさとりに接近しナイフを振り上げる。

 

それは今までで一番速い攻撃、だが挑発に乗ってしまったため直線的だ、さとりは反応して横に飛ぶと同時ナイフを振り終わり隙だらけの大将に弾幕を放った。

 

「おっと....」

 

弾幕が大将の体に命中して吹き飛ばす。

 

「.......はぁ、やっぱりあの人のようにはいきませんか」

 

頭から血を流しながらも大将の意識を飛ばすまではいかなかった。

 

「私はさっさと貴方達を殺して......」

 

さとり「自分の国に帰るですか?」

 

さとりが先に物を言う、大将が明らかに不愉快そうな顔をした。

 

さとり「そういう契約を八雲紫としているのでしょう、この戦争が終わればその体のまま敗戦前のナチスドイツに返してやるって」

 

「やっぱり思考を読まれるのはあまり良い物ではありませんね」

 

何て行っていると大将の横から包丁が現れる、首に迫る凶刃を大将はギリギリで受け止めた。

 

「まだ生きてたんですか」

 

こいし「おねぇちゃんをいじめるなー」

 

大将が片手に持った拳銃をこいしの顔に投げる。

 

こいし「痛っ!」

 

こいしが痛がるそぶりを見せるが包丁を握る力は弱まらない。

 

「急所を突くだけなら素手でも十分です」

 

大将がこいしの喉に向けて貫手をしようとする。

 

「え?」

 

しかし目の前からこいしの姿が消えた。

 

(いや、無意識で姿を消しただけだ、このまま喉を.......)

 

手が急に生暖かくなる、喉を貫いたわけではない。

 

「まさか!?」

 

こいし「わー」

 

こいしが大きく口を開けていてその中に自分の手が入っている事に気づく、咄嗟に手を引っ込めようとするが間に合わない。

 

「ガッ!?」

 

勢いよくこいしが口を閉じた、歯が大将の小指、薬指、中指、人差し指、計4本の指に落とされる、ゴキと指の骨が折れる音が鳴った、大将は歯を食いしばり痛みを堪える、だがその痛みによりこいしの包丁を止めている力が弱まった。

 

「うっ!」

 

こいしの包丁がナイフの守りを抜けナイフを持っている右肩に突き刺さった。

 

「放せ!」

 

大将がこいしを蹴る、こいしは肩に刺していた包丁と共に地面を転がる。

 

「........チッ」

 

肩は何とかまだ動かせるが左手の指は殆ど骨が砕かれていた、そんな状況に大将は冷や汗を浮かべる。

 

「使いたくなかったんですがね」

 

大将がこいしに聞こえないようボソッと呟く。

 

こいし「何言ってるのー?」

 

大将が右手を懐に突っ込んだ、次いで1発の銃声が館内に木霊する。

 

大将が懐から放った1発の銃弾、それは正確にこいしの心臓を捉えた。

 

こいしが仰向けに倒れ、包丁が手から溢れ落ちる。

 

「さ、最後です」

 

大将が右手にナイフを持ち言う。

 

さとり「貴方のね」

 

その言葉と同時大将の目が見開かれた。

 

「嘘、でしょ、貴方は私が殺したはず」

 

さとりは敵のトラウマを思い起こさせた、大将が頭を抱え絶叫する。

 

「うるさい!やめて!いや!」

 

懐から取り出した、金色の拳銃を幻覚に向けて発砲する、いくら発砲してもその弾丸で幻覚は消えない、銃弾が最後の1発となる。

 

大将は柱にうずくまった後自身の拳銃の銃口を口に含める。

 

大将は引き金を引く、鮮血が頭から吹き出し柱を赤く染めた。

 

さとり「トラウマを蘇らせただけなんですが.......まさかここまで効果があるとは」

 

さとりが大将の死体を横目に呟く、すぐにこいしの方に向き直った。

 

さとり「大丈夫?」

 

こいし「うん!平気、痛かったけど」

 

さとりは白煙の中銃弾の対策として偶然持っていた鉄製のライターをこいしの胸に貼り付けていた、それにより銃弾はライターにめり込んだだけで心臓には届かなかった。

 

さとり「外の敵は勇義がなんとかしてくれるでしょう、とりあえず空の治療......を?」

 

突然さとりの言葉が止まる。

 

こいし「どうしたのおねえちゃん」

 

さとり(何これ?頭にノイズが....頭が痛いし.........なんか気持ち悪.......うっ」

 

能力を多用した影響か。

 

さとりの意識が途切れる。




プロフィール

古明地さとり 年齢秘匿

本名 リサ•ハイドリヒ

階級 大将

好きな食べ物
なし

嫌いな食べ物
砂糖水
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