一年後
霊夢「......うん、美味しい」
自分が入れた緑茶に舌鼓を打つ。
あの戦争で私は左目と両足を失った、手榴弾の破片が目に入ったからだ、両足は階段を転げ落ちた影響で痺れて動かせない。
今は車椅子に乗って生活している、まぁその気になれば能力で飛ぶことが出来るが流石に疲れてしまう。
そんな事を考えながら私は家を出た。
ちなみに今の家は博麗神社ではなく人里にある、その理由は2つあり1つは博麗神社が爆発で崩壊した事、もう1つは人里を束ねていた慧音の死だ。
まぁ別に悪い事はなく逆にいちいち食料を買いに行く必要が無くなったので楽ではある。
霊夢「......今日はやる事ないし、久しぶりに回りましょうか」
まず最初に紅魔館に行ってみようと人里をでて暫くして一匹の妖怪が飛び出してきた。
「博麗霊夢だな?」
霊夢「そういうアンタは誰?」
とりあえず聞いてみたが最近発生した妖怪だろう、会話はできるようだが私の事を知って話しかけているみたいだしそこまで知能は少ないらしい。
「へへっ話に聞いてたより弱そうじゃねぇか、悪いが俺は腹が減ってんだ」
襲ってくる事はまぁ予想通りだ。
「グベッ!」
糸で切断しようとした時、妖怪の体が上から降ってきた風の刃によって切り裂かれた。
「うぇ......なにが......」
?「黙れ」
体を真っ二つにされても喋るのには驚いたが直ぐに頭を踏み潰された、鮮血が飛び散り地面を赤く濡らす。
?「お久しぶりですね霊夢さん」
霊夢「久しぶり文......様?」
射命丸文、あの戦争で片方の翼を失ったが死にはしなかったらしい、上層部が皆殺しにされたので現在の天狗のトップは射命丸文だ。
文「文でいいですよ」
霊夢「で、今日は何のよう?取材だったら受けないわよ」
その問いに文は苦笑しながら答える。
文「私としても天狗の上層部を皆殺しにした悪魔と萃香様を瀕死まで追い詰め風見幽香すらも殺害した敵の少佐を倒しあの戦争で大活躍した英雄霊夢さんに取材したいところですが、残念ながら仕事が忙しくて文文新聞を書く暇がないんです、いつも私の新聞を購読してくれていた人達には申し訳ないですけど」
霊夢「そうえば八百屋の畑中さんが文の新聞がないせいで野菜を包めなくて困ってるって」
文「薄々気づいてたんですけど私の新聞ちゃんと読んでくれてる人ってあんまりいないんですか?」
霊夢「あんまりどころか1人もいないんじゃない?」
文が割と衝撃を受けていた、どうやらちょっとは見てくれている人がいると思っていたらしい。
霊夢「それに私は中尉と少佐は殺したわよ」
文「でも死体が見つかっていないんじゃ.......」
あの戦争は終わったが何人かの死体が消失していた、それが私が殺した中尉と少佐、そして紫と紫の偽物、お兄ちゃんだ。
霊夢「もし生きてたら殺すから安心なさい」
私は車椅子を紅魔館に向けて進める。
文は特に何も言わずに私を暫く見つめた後飛び去った。
紅魔館に着くと吹き飛ばされ開いている門が目に入る、いつもそこら辺で寝ている門番はいない。
正面の扉をノックしようとすが先に扉が開く。
?「おはようございます霊夢様」
中から出てきたのはメイド服を身に纏った十六夜咲夜だ。
霊夢「レミリアはいるかしら?」
暫くお待ち下さいと言って咲夜が時間を止め消える。
少し待つと階段から咲夜と共にレミリアが降りて来た。
レミリアは以前会った時よりも弱々しくやつれていているようで、目にはクマができ羽や腕に切り傷ができている、再生しないという事は恐らく自分でつけたのだろう。
レミリア「何のよう?私にできる事なんて何もないと思うけど」
霊夢「いえ、久しぶりにアンタの様子を見にきただけよ」
霊夢の視線に気づいたレミリアがクマと切り傷を再生させ治し咲夜の方向を見て言う。
レミリア「ここまで来てくれたんだしお茶でもどう?」
霊夢「そうね.......せっかくだしだし頂いていこうかしら」
館の外の庭に案内される、そこでしばらくレミリアとお茶をした後帰路に着く。
咲夜「本日はありがとうございました」
咲夜は私にお辞儀をして言った。
霊夢「いいわよ私も割と楽しかったし、あ、後」
咲夜が顔を上げ私を見る。
霊夢「私の事はさん付けでいいわよ、少なくとも咲夜はそうだった」
咲夜「........承知しました」
紅魔館から出て向かった先は墓地だ。
墓地は少し人里から離れた場所にある、故に妖怪達の活動域でもあるのだが人里の人もたまにここに訪れる。
その理由が
妖夢「こんにちは霊夢さん」
墓場に常駐している魂魄妖夢がいるため安全だからだ。
妖夢の服は返り血により赤黒い。
霊夢「どうでもいいけどいい加減服洗ったら?」
妖夢「意味がないのでいいです」
妖夢の主人の幽々子は何者かにより殺害された、戦争が終わった後妖夢は幽々子が埋められているここにずっと滞在している。
多分妖夢は幽々子を失って心が死んだんだろう。
霊夢「入るけどいい?」
妖夢「何で私に聞くんですか、いいですよ」
私は墓地に入り魔理沙の墓の目の前に移動する。
?「よお、霊夢」
横から声が掛かる、声の主は敵の生き残り、中将だ。
コイツは今は寺小屋の教師をやっている、本当なら妹紅に任せたいのだが妹紅はあの戦争で精神が壊れてしまった。
霊夢「寺小屋はどうしたの?後妹紅は元気?」
中将「寺小屋は今日休みだ、妹紅も相変わらず一言も発しないよ、あ、でも最近私が作った料理を食べてくれたな」
霊夢「そう」
適当に返事をしてやると中将から離れた、理由は単純嫌いだからだ。
霊夢(この幻想郷どうなるのかしら、紫がいない以上私が死ねば幻想郷の結界は消える、そうすれば外の世界にここが認知されてまた戦争をするの?いや結界が消える前に妖怪と人間とで戦争が起こるかも、あの戦争の前は妖怪は絶対的な人間では勝つことの出来ない存在と思われていた、でもあの一件で人里の自警団は妖怪を殺したナチスの敵を殺した、これにより人間も武器を持てば妖怪も殺せると考えた、さらに戦争で妖怪はナチに殺され減った、それによりいつ人間と妖怪が戦争してもおかしくない)
私は空を仰いで呟いた。
霊夢「私はどうすればいいの、教えてよ、魔理沙、紫、お兄ちゃん.....」
戦争に勝者はいないだから私は戦争が好きだ