紅蓮の魔弾銃士   作:赤い変態

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お久しぶりです、そして更新がかなり遅れて申し訳ない(汗)
亀更新とはいえ、待たせすぎですよね(汗)

アイデアが浮かんでも書く暇が無く、それでも少しずつ進めてきたら何時の間にかもう秋に(汗)
なんだか早く早くと焦るほどに遅くなってるような気がするなぁ……(汗)

まあとりあえず、時間かけた割に微妙な出来かもしれませんが再開としましょう。



※どうでも良いかもしれませんが原作無印編突入まであと7~8話くらいを一応の予定としてます。


Sponger

「ん~っ、二日ぶりとはいえ娑婆の空気は最高だ」

 

清々しい程に晴れ渡った空に向かい聳え立つタワー―――管理局の地上本部を背に、出所したての囚人の如くぐっと伸びをしてゆっくりと息を吸う。

 

結局、諸々の処理が全て済むのに二日も掛かった。申請や手続きの大概はクイント捜査官が手配してくれていて俺自身がする事は殆ど無く、そのまま解放となった。

といっても行く当ても無ければ、金も手持ちの分(換金済み)だと精々三食分出来れば良いくらい、そして駄目押しに職無しだ。

早いとこ、今後の宿泊先やら嘱託魔導師試験について等クイント捜査官に窺いたいのだが……

 

「しっかし、肝心の本人はまだ来ない、か……」

 

地上本部、その数本のタワーの基幹部となっている緑地エリアの広場で俺はその本人を待っていた。本来ならさっさと今後の打ち合わせやらをする筈なのだが、「まだ用事が少しあるから外で待ってて」とクイント捜査官から告げられ、此処でかれこれ二時間ほど待っている。

 

―――視線の先、芝生の上で戯れている青髪のちびっ子二人と、本体である古龍の珠の状態に戻り二人に遊ばれている烈龍を少し離れた所から見守りつつ。

 

最初は当主の証を子供の遊び道具にするのは如何なものかと考えてはいたが、烈龍本人からの申し出……まあ恐らく、先日ビビらせた事に対する二人への侘びのつもりなんだろう。

まあ一応、銃形態のまま触らせるのは流石に危険なので器から本体を抜き取って様子を見てはいるが、何とまあ俺より面倒見が良い事で。すっかり打ち解けて……いや、気に入られたようで何よりだ。

 

(仕方あるまい。この幼子達を養子として引き取ると言っていたのだから、その手続きもあるのだろう)

 

此方の呟きに気付いたのか、球遊びにされている烈龍から念話で話し掛けられる。

思いっきり遊ばれている(玩具役に徹している)割には余裕だな、と内心感心しながら同じく念話を行い話す。

 

(まあ正直驚いた、すげえ事言い出すなーってな)

 

昨日の夕方、ちびっ子達の再検査後の面会でだったか……あの御婦人、ちびっ子達を養子として迎える事にしたと言い出した。偶然とはいえ、俺もあの施設での調査に関わった者として理由を教えて貰ったがどうやらあのちび達、検査でクイント捜査官と遺伝子資質が一致したらしく一種のクローンであると判明したそうだ。言われて見れば似て無くは無い……というかまあ、髪の色や顔のパーツは結構似ていたから納得は出来たが。

 

一体誰が、何故彼女の遺伝子を利用してたのかは知らないが、このまま施設等へ預けるより自分の所で普通の人間として暮らしていけるよう育てていきたい。と本人はそう言っていたが、戦闘機人、その実験体を養子として引き取るというのは簡単な事ではないだろう。

全く、よく引き取ろうなどと考えたもんだ。

 

(助けた者の一人としては、やはり気になるか?)

(……そらーな。正直、聞いた当初は同情だけで言い出したかのかと疑ったが……まああの人なら大丈夫だろ、たぶん)

 

なお、既に旦那さん―――というか結婚していた事に驚きだったが、二人を養子に取るというのだから居て当然か―――には昨日の昼間の内に話を通しているらしく、快諾してくれたらしい。なんでも自分たちの間に子供が出来なかった分、嬉しがってたそうな。

 

(ゲンヤ殿、という名だったか。話を聞く限りではそれなりに歳の離れた御亭主らしいし、喜ぶのも無理はない。恐らくだが良き父親になるだろうな)

(……)

 

良き父親、ね……。

その言葉に、チクリと胸の中に刺さるナニカを感じたがかぶりを振り、鬱屈となりかけた胸の内を払拭する。その様子が気になったのか、髪の長いちびっ子に高い高いされながらその身を明滅させた。

 

(どうした、急に顔を曇らせて)

(いんや、別に……何でも無ぇよ)

(そうか……ならば良いが―――それにしても、)

 

魔法が存在する世界の割には一部を除き、普通過ぎる光景だな。

その言葉に視線を眼下の街並みに向ける。相棒の言葉通り、ミッドチルダの町並みはこの管理局地上本部とやらの周辺を除き、地球の町並みとあまり変わらない様に見える。よく言えば普通、悪く言えばファンタジーのカケラも無いように見える魔法世界か。

 

(大気中の魔力素の質はともかく、それ以外での魔法要素はそこそこだな。それにこの世界の魔法は、私を構成している魔法よりも科学寄りの色が幾分か強いようだ)

(同じ科学寄りの魔法とはいえ、原理的な違いとか色々と気になるところだな……。あくまで魔法ベースの機械的発展か、それとも機械技術に魔法を組み込んだ所謂疑似的な代物なのか……)

 

視線を戻し、今度は妙な音を立てながら思いっきり跳ね始めている相棒と、何となく楽しそうな表情を浮かべそれを実行しているちびっ子二人を見て苦笑する。

本人は割と余裕そうに念話を送ってきているが、流石にこれ以上は気の毒に思えてきた。

 

(ま、それを含めて今後追々と調査するとして……そろそろ交代して一時間だ。替わろう)

(……そうしてくれると助かる。流石にこれ以上乱暴に扱われると、な……)

(オーライ、あとは休んどけ)

 

「おーい、ちび共ー」と声を掛けながら近づくと真っ先に長髪の方が駆け寄って来て、それを追い掛ける様にもう一人も烈龍を抱え遅れながらやって近づいて来た。もっとも、短髪の方はまだ俺に慣れてないのか烈龍を俺に返すと同時に長髪の子の後ろに隠れる様に引っ付く。その対応にちょっとばかり胸にグサッと来てしまうのは、何故だろうか……。

 

「さて、球遊びばかりじゃ飽きるだろう。面白いもん見せてやる」

 

そう言い聞かせ、とりあえずその場で二人の目線と同じ高さになる様にしゃがむ。そして上着のポケットから二枚のコインを取り出しよく見ておけと注目させる。

 

「さーて、今からこのコインが変身すっからよーく見ておけ」

 

コインの裏表を交互に見せてから、仕掛けが無い事を確認させるとすぐさま両手の親指で弾き、キャッチした両手をそれぞれ二人の前に突き出すが、二人は「?」と首を傾げる。

開けてみろと促しキャッチした両手を開かせると、わぁ、と小さな歓喜の声を漏らす。

キャッチした二枚のコインは、飴玉に変わっていた。魔法ではなく、単なる手品だが子供を喜ばせるのにこれ程低コスト且つ都合の良いものは無い。

 

「そら、やるよ」

「ありがとー」

「あ、ありが……と」

 

飴玉をそのまま渡すと、二人はそれぞれ礼を言うとさっそく飴玉を口に含み、長髪の子は嬉しそうに笑う。まあ短髪の方は相変わらずだったが、飴玉を口に入れた時は素直に表情を緩めていた。

 

(上手いな。魔法を使った形跡もない)

(昔、修行先の土地でちびっ子の相手をする事が偶にあってな。魔法使うよりもこういった手品の方が受けも良かったから暇潰しも兼ねて身についただけだ)

 

烈龍の疑問に答えながら次の手品を披露しようとポケットからまたもコインを取り出す。

今度はコインを左手の上で転がし、徐々にスピードを付けていく。そして人差し指の先まで転がったところを右手で指ごと掴み、指ごと引き抜くとコインは消えて小さな造花が一本現われる。

 

(他にも色々と仕込み仕込まれたりでな。物の怪や賊だらけの土地で魔法を使わずにその場を切り抜けてみろっていう無茶ぶりな修行をする時なんか割と重宝したもんだ)

 

魔法を使う者として、手品を使うのは如何なものかと言われても仕方ないが、使えるモノは何でも使った方が時に良い結果をもたらす事もある。だから修行では魔法以外の事もかなり仕込まれてきたものだ。戦闘然り、自炊然り、雑学然りといった具合に。

 

(器用なものだな)

(褒めても飴玉と炎しか出せんぞ)

(魔力以外は受け付けん)

(可愛げないなぁオイ)

 

ちび共がパチパチと拍手を送って来るのに気を良くしながら、マイナーながらも受けが良さそうな手品をいくつか試していく……が、最初に飴玉を出したのがいけなかったか。飴玉が出て来ない手品を披露すると俺の手を触り、飴が隠れてないかと探り始めてきた。

花より団子とはこの事か、と、笑いを堪える。

 

「おーっと、残念だが俺の手を見ても飴玉は出ては来ないぞ?」

 

仕方あるまい。子供とは元来、純粋故に欲に素直なのだ。この反応は当然である。

そんな事を考えつつ新たに二枚のコインを取り出し、交差するようにちび達に向けて放り投げる。二人は反射的に、自身に向かって放り投げられたソレを両手でキャッチしてしまうが、それで良い。怪訝そうに俺の方を見るが二人共俺の意図が解ったのか、コインをキャッチした手をゆっくりと開き、そこにある筈のコインが飴玉にすり替わっている事に嬉しそうに頬を緩ませる。

 

「ほぉ、厳つい面の割に面倒見は良いみてえだな」

 

その時、不意に掛かった声にちびっ子達から視線を上げると、視線の先にクイント捜査官と白髪交じりの頭をした局員らしき男性が近づいて来るのが見えた。男性の方は見た目からして三十代後半から四十代前半くらい、来ている制服はクイント捜査官と同じ茶色いモノのようで所謂、地上勤務という事なのだろう。

そして今の声は、その男性からか。

クイント捜査官の親か、それとも上司かと訝るが、そう言えば歳の離れた旦那が居るというのを思いだす。いや、まっさかー……。

 

「やっほ、待った?」

 

待ったも待った、二時間も。なので早急に当分の宿泊先を紹介してくださいませクイント捜査官。と、冗談は置いといて……だ。

ちび達を肩に乗せる様に抱え上げ、少々気になるその隣のナイスミドルなダンディ(オッサン)は一体誰なのかと伺う。

 

『もしや例の歳の離れた御亭主、ゲンヤ殿か?』

 

烈龍がそれとなく予想するが、

 

「正解よ。うちの旦那、中々イケてるでしょ?」

 

実に良い笑顔(グッドスマイル)で返してきた。「よせやい照れるだろ……」と隣の男性もといクイント捜査官の亭主は照れ混じりに指で鼻を擦る。

 

『惚気か……いやしかし、失礼だが歳が離れすぎなように感じられるのだが』

 

直球ですねー烈龍さん。あまりにストレートな発言でクイント捜査官とゲンヤ氏(オッサン)が苦笑してるじゃねえか……まあ気持ちは分からんでもないが。

実際、外見から予測できる年齢差を考えると犯罪臭はプンプン臭う。あぁ、無論ゲンヤ氏(オッサン)の方からだが。クイント捜査官を二十代前半として、ゲンヤ氏(オッサン)を四十代前半くらいと見積もっても……あぁ、どうしようもないくらいに犯罪一歩手前な気がする。

 

「っと、紹介が遅れたな。昨日の内に名前だけは聞いてると思うが、クイントの夫のゲンヤだ。んで、確かアマツっつったか?」

「天津司、まあ気軽に(ツカサ)でどうぞってな」

『相棒兼魔導具の烈龍だ』

「話はクイントから聞いてるぜ、色々とな。まあ此処で立ち話もなんだ、場所、移すとしようや」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

ナカジマ夫妻に引き連れられ、こちらの世界のモノレールらしき乗り物や徒歩での移動を含めて約四十五分くらいだろうか。俺らはミッドチルダ西部、エルセアと呼ばれる地に降り立っていた。中央区クラナガンに比べ緑が多く、まさに地方都市という言葉がぴったりな場所だというのが第一印象である。

ちび達はちび達で、目に映るもの全てが新鮮のようで忙しなく周囲をキョロキョロ見回している。まあちび達からしちゃあ施設を出て此処二日間は検査や地上本部の敷地内ばかりで、こうやって外の世界に触れるのは初めてなのだ。

おかげで興味が惹かれた方向へと歩き出すのを抑えるのが大変で大変で……ちょっと幼稚園の保母さんの気持ちがわかった気がする。

 

まあそれは置いといて、だ。

 

「ほら、遠慮しなくていいわよ」

「空き部屋は確か二階にあったよな。布団は……あー俺のお古はまだあったかな?」

 

―――なして俺は今、ナカジマ夫妻の自宅らしき二階建て一軒家の前に立っているのでしょうか。

 

えぇ、場所を移すとゲンヤ氏(オッサン)は言ってましたね、でもそういうのは普通喫茶店やら休憩室やらとか定番の場所ではないでしょうか。それが自宅でお話ってどういう状況なのでしょうか、偉い人教えてください。

 

『居るぞ、目の前に。偉い人(管理局員)、またはお巡りさん(公務員)

「えらい人ってなにー?」

「おなかすいたぁ……」

 

知ってるよコンチクショウ。

あとおちび達、あんまり服の端を引っ張るな皺が付く。それと短髪の方は涙目やめい、飴玉やるから。

 

 

 




はい、とりあえずナカジマ家に到着です。
ちょっと無理があるかな? と思うかもしれませんが現在の私の腕ではここが限界です…(汗)

司の手品やその他仕込まれた事については今後の話でもちょくちょく利用していくつもりです。もしかしたら、原作の何処かで役に立ったりとか…あるかもね?

次回についてはまた期間が空くかもしれませんので、気長に待っていただけると幸いです。
それでは、また。


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