紅蓮の魔弾銃士   作:赤い変態

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遅れてしまい本当に申し訳ない(おっぱい好きかい?)


Look for a job

自分の思惑に対し予想の斜め上に進む事態を思い返しながら、事の発端である二日前の施設でのことを思い出し、どうしても考えてしまう。

あの時、ちび達預けてさっさとズラかった方が良かったかもしれん、と。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「―――つまり、なんだ。都合のつく場所が見つからなかった故、保護観察期間を利用し期間中の間預かる事にした、と?」

「クイント曰く、な」

「納得いかねぇ……」

 

結局流されるままにナカジマ家に上がり和風のリビングに通された俺は、ゲンヤ氏とテーブルを間に挟み相対する形で座布団に座り、事の詳細を聞いていた。

いや、場所が見つからなかったのは仕方ないとしても他に何かあるだろう? いや、確かに流石に牢屋(ムショ)暮らしとかしたくないが、いくらなんでも普通余所モンをホイホイ泊めるもんかね……。

 

なお、当の本人はちび達を着替えさせる為に別室に引っ込んでいる。というか、もうちび達の服を用意していた事や、座布団の数が人数分ピッタリなあたり用意周到過ぎではなかろうか。

 

「しかし、アンタは良いのか? ちび達の方はともかく、俺みたいな胡散臭い小僧を泊める事に抵抗あるだろう」

「はっ! 若いのが何一丁前に言ってやがる。ガキが一人二人増えようが特に変わらねえし、若いの一人泊めるのを渋るほど俺の心は狭くはねぇよ。それにな、これはクイントから聞いたんだが……ちび達、お前さんに会えねぇ時はぴゃーぴゃー泣いてたらしくてよ。 そんなに懐かれてるならいっそ、引き離すより一緒の方が二人も寂しくないだろうって訳で、泊める事にしたのさ」

 

ま、娘が出来たついでにデカい息子も出来たようなもんだと思えば、それはそれでちょっと面白いと思ってな。そう続けながら、ゲンヤ氏は何処か気恥ずかしそうに笑う。

……何だろうか、聞いてるこちらも恥ずかしくなってきた。

 

「買いかぶり過ぎだっての。それに、短髪の方にゃあちょっと怖がられてると思ってたんだがな、俺ぁ」

「そうかぁ? その割にはここまでの道中引っ付いてたように見えたがよぉ。しかし、今日からアイツらの親父になるっつーのに、先に懐かれてるお前さんが羨ましいぜ、まったくよぉ」

「ちびっ子に懐かれるより、金髪巨乳の美人に懐かれた方が個人的にも嬉しいがな」

「クイントから聞いてた通り、正直すぎる奴だなぁお前さん……。いやまあ、その気持ちは分からなくもねえがな。男なら一度は憧れるもんだ、そういうのは」

「―――へぇ、憧れてたんだ、そういうの」

 

不意に聞こえた声に顔を上げると私服に着替えたクイント捜査官が腕を組み、ちび達と一緒にゲンヤ氏の背後に立っていた。ちび達も子供らしい服に着替えているが、スカートやヒラヒラが気になるのか落ち着かない様子である。

ただ、それ以上にクイント捜査官の表情に注目せざるを得なかった。微笑んでこそいるが、その目は針の先端の様に眇められ、夏場でありながら部屋の温度が急激に下がったような寒気を覚えた。

 

「な、なんてな! 冗談だって冗談! ンな事憧れても無いし、仮に内心憧れてても口に出す筈がねえよ!」

 

視線の先にいたゲンヤ氏は引き攣った笑顔で乾いた笑い声を上げると、錆付いた蝶番の様にぎこちない動作で俺へと向き直る。

 

「お前さんが余計な事言うせいで恐ろしい目に遭ったじゃねえか」

「いやー、今のはアンタの自業自得だろう。俺は自分好みの理想(金髪巨乳)を語っただけだし」

「はいはい、この子達の前でそれ以上如何わしい話を続けるようならセクハラ扱いで豚ば―――コホン、逮捕するわよ?」

 

途端に2人揃って閉口する。さすがにセクハラ扱いされるのはアレだが口調や目が笑ってない事から冗談とは思えないし、俺としてはこれ以上前科を重ねたくないのでここは大人しく従う事にした。

その様子を見て「よし」とクイント捜査官が組んでいた腕を解き満足そうにうなずく。

 

「……坊主、気を付けろよ。良い女ってのは怒らせるとかなり怖い」

 

ゲンヤ氏は小さく溜息を吐きながら、やけに実感のこもった口調で言った。

 

「ンな事言われなくとも知ってらぁ……」

 

俺とて過去の経験上、無闇に女性を怒らせるような真似はしたくない。

あまり思い出したくもないが一例を挙げるとすると、不可抗力とはいえ無い胸(絶壁以下)に手が掠った程度で龍種との追いかけっこを強要された。パンツ一丁で。

 

そういやあの貧乳今頃どうしてるだろうか。爺さんの飯の面倒見てやれるのは俺を除くとアイツくらいだしなぁ。ちゃんと爺さんの飯を作ってくれてると良いんだが……放っておくと爺さん土食うし。

 

などと考えているとクイント捜査官は「どう? サイズとかは問題無いと思うのだけれど」と、ちび達の服装をについて感想を求めてきた。

長髪の方は「どう?」と真似をしながら、俺とゲンヤ氏の前に出て見せびらかせるようにくるりと1回転する。短髪の方もおどおどとしながらも感想を求めるよう上目使いで視線を送ってきた。

此処は無難に似合ってるとでも言っておくか。と口を開こうとしたが、

 

『中々様になってるじゃないか、似合ってるぞ二人共』

 

先程までだんまりだった烈龍が、何時ぞやの様に人が言おうとしたことを先回りし告げる。

その言葉にちび達はそれぞれ嬉しそうな反応を返すが、幾らなんでも良いとこ取りし過ぎではなかろうか、この魔導具(球体)

 

「んー、烈龍40点。そんな回答じゃあ褒めた内には入らないわ」

『手厳しいな。まあマスターが言いそうな事を先に言ってやったまでだから、そんなものか。さてマスター、手本を見せてくれ』

「おう自分の主ディスるのと同時にハードル上げるのやめーや」

 

こっちは用意してた回答以外なんも思いつかないっての。なお、ゲンヤ氏も同じく無難な回答をしようと考えていたのか、何ともいえない表情になっていた。

さて何と答えるべきか、真面目に考え直すが女性に対する褒め言葉なぞたかが知れている。御伽物などの主役じゃぁあるまいに、そうヒョイヒョイと気障な言葉なんぞ思いつく訳ない。

と、そこで話が完全に脱線していた事に今更気付き、クイント捜査官に顔を向ける。

 

「なあ、クイント捜査官」

「今職務中じゃないんだから普通にさん付けで良いわよ。で、何かしら?」

「幾らなんでも俺みたいなのを居候させるのは流石にどうなのかと」

「旦那からもう話は聞いてるでしょ? 保護観察担当としては保護観察期間の間出来るだけ観察対象には近くに居てくれた方が助かるし、何よりこの子達にとっても君が近くに居る方が精神的に安定するみたいだから」

 

ちび達の頭を撫でながら、穏やかな表情で答えるクイントそうさ―――クイントさんを見て俺は「いや、だけどなぁ」と言おうとするがまたもや烈龍が遮ってきた。

 

『知っているか、マスター。しつこい奴は嫌われやすいそうだ』

「お前何処でそんな言葉覚えたよ……」

『必要な知識は事前に組み込まれている。今の言葉もその一つと思ってくれればいい。まあそれはともかく、ここは素直に厄介になってしまった方が良いのではないか? なにより期限付きとはいえ居候という事は、三食風呂付きは約束されているようなものだぞ』

「む……」

 

三食、そのワードを聞いてぐらりと自分の何かが揺らぎ、修行時代の事を振り返る。

思えば修業時代は碌な飯が食えずに随分と苦労した。しかも食える物が限定される故に妙な好物まで出来てしまう程で、酷い時は下手すりゃ三日近く人が食う物を食えた例が無かった。

そういった経験故か、良質な食を餌に誘惑される事には弱くなった。

 

『さぁ、どうするマスター。私は別に構わんが……そこの小さな二人はどうかな?』

「いっしょじゃないの?」

「……」

 

言われるがまま、ちび達の方へ視線を向けると今にも泣きそうな表情を浮かべている。

やめろ、涙目やめろ、そんな目で見るな。泣かれたら俺が悪いみたいじゃないか。

 

「さて、どうするのかしら?」

「諦めろ小僧、こうなったらクイントを止めれる奴なんぞいねぇ」

「――――オーライ、降参だ……」

 

そんな訳で、俺のミッドチルダでの最初の生活拠点(居候先)がこの瞬間決まった。

 

 

◆■◆■◆

 

 

当面の生活拠点はどうにかなったものの、まだまだ問題は山積みである。言語に当面の資金稼ぎの為の職、そしてなによりこの次元世界間を自由に行き来する為の手段等々。

肝心の嘱託試験についてだが、そちらはまず筆記試験の事を考慮し準備期間として最低一ヶ月から二ヶ月、またこの次元世界において未知の魔法を使っているという事も有り実技試験の方もある程度便宜を図って貰えるとの事だ。

 

そして言語に関する問題だが口頭での会話は何の問題も無いものの、今後この地で過ごしていくには文字が読めないとなると厄介である。幸いな事にこの世界では管理・管理外世界を問わず現状確認されている世界の大半の言語の翻訳辞典が数多く出版されているらしく、地球のモノも数種ほど出版されているそうだ。これには驚かされたが、百以上の別世界と関わっている以上当然なのだろう。

この次元世界では大半の世界において口頭での会話は難なく成立するそうだが、文面によるやり取りだけは一々翻訳する必要が出てくるという。故に、翻訳用のアイテムは必須となる。

 

「難儀なもんだな、この次元の住人も……」

 

手元の古びた翻訳辞典を閉じ、溜息交じりに愚痴る。

 

ナカジマ家に居候して早や二日目、いや居候確定したあの日を含めば三日目か。俺は現在、自室として宛がわれた四畳半程の和室でゲンヤ氏、もといゲンヤのオッサンから借りた翻訳辞典相手にミッド語を学習していた―――というか、オッサンの家系が地球出身であった事が幸いだった。もし、彼の祖父以前の代が使用して来たであろうこの古びた辞典が無ければ、この次元世界の共通語であるミッド語の習得に今頃梃子摺っていただろう。

 

「しかしこうもあっさりとはね。修行時代に立ち寄った世界での古代言語の方がまだ手応えがあったが……まあ今回は翻訳辞典があったから苦労も何も無いんだが」

『だからと言って、約二日、いや食事や睡眠などの時間を除いて約一日弱か。幾らなんでも学習速度が速過ぎだな』

 

()から抜き出されたまま、ミニテーブルの上に置かれている烈龍が呆れ半分、驚き半分の感想を漏らす。

ちなみに、学習中はコイツと意識を繋いでいるため自動的に烈龍にも俺が覚えた内容が記憶に蓄積されていく。例えるならまあ、俺がレコーダーでこいつが録画・ダビング用のディスクみたいなもんだろう。

こんな芸当も可能なあたり、流石天津(うち)の秘奥の塊といったところか。

 

「天津の当主やるなら何事もそつなくこなせ、ってな。むしろこんくらいでこなせねぇと他の分家連中から何言われるか堪ったもんじゃねえ」

 

特に過去にやらかした『ある出来事』で一部の分家からは無闇矢鱈といちゃもんを付けられたりしているのだ。この程度出来なくて今代の天津当主とは笑わせる、と言われる訳にもいかない。

なるほどな、と点滅しながら呟いた後烈龍は更に言葉を続ける。

 

『ま、これで言語の方の問題は粗方解決なわけだ。後は嘱託試験を受ける為の資金稼ぎと、次元世界で自由に行き来する手段だな』

「移動手段だが、仮に嘱託にならずとも正規の手続きを取ればある程度は自由に行き来出来るそうだ。……まあ、それでも金は掛かるし無断転移はご法度だそうだから結局嘱託になるまではお預けだがな。んで資金稼ぎだが……こんな物がある」

 

脇に置いていた雑誌を手に取り烈龍にも見えるよう卓上に広げる。

 

『求人雑誌……か?』

「もし必要ならって、クイントさんから1冊な」

『それでアルバイトでも探す、と』

 

そう言う事だ、と言いながらページをめくり何か手頃なバイトは無いかと探し始める。

飲食店や量販店、土木や警備などの定番どころを見てみるがどれも皆、年齢や『デバイス』―――此方の魔導師のとって『杖』に当たる魔導具の有無などで引っ掛かってしまっていて、中々良さげな候補が見つからない。

管理局の魔導師や嘱託ですら十代前半の奴が居るとクイントさんから聞いてはいるが、どうやらこういった普通の職ではまた別らしい。

はてさて、どうしたものかとページの残りがあと数枚に差し掛かり勤務エリアがミッドチルダ北部に入ったところである欄に目が留まる。

 

『聖王教会本部の短期警備、期間は約三ヶ月で週休制。シフト相談に応じます。

※応募資格は最低十四歳以上。デバイス有無に関係無く戦闘経験がある方積極採用』

 

少々突っ込みたい部分が見えたが、烈龍が代わりにその部分に対して口に出した。

 

『なんだこの、優良過ぎるというか教会という名のつく割には『戦闘経験がある方積極採用』とか物騒な案件は……』

 

聖王教会。

以前、地上本部の取調室でクイントさんからこの次元世界の事について尋ねた時に聞いた事があるのを思い出した。確かこの次元世界において最大規模の宗教組織で、管理局を含む各方面への影響力も大きいと聞く。また管理局と同様に、『ロストロギア』と呼ばれる危険な魔導具の調査や保守の活動にも精力的に活動しているとの事だ。

他にも歴史的価値のある文献や遺物など一部が一般にも公開されているというのだから、いずれ訪れてみるのもアリかと考えていたが……なるほど、これは良い機会かもしれない。

 

いっちょ受けてみるか、と募集期間や応募方法を確認する。一応募集は随時受付のようで、応募についても電話または直接教会に出向き「求人情報を見て来た」といえば良いらしい。その後面接及び実技と詳細が書かれていたが……実技て。

 

「ま、まあ……態々戦闘経験があるヤツを積極採用と謳うくらいなんだから、実技試験やるのも可笑しくは無いよな……」

『さぁ……』

 

 

◆■◆■◆

 

 

その後リビングに赴き、既に使い方をレクチャーして貰っているこの世界の家庭用通信端末で聖王教会に求人情報について問い合わせたところ、明日にでもさっそく面接及び実技試験を行いたいと返事が返ってきた。

一応自身が初めてミッド、というか次元世界に訪れた身である事を伝えたが特に問題等は無く、寧ろ何か困ったことがあったら是非教会を頼ってくれと最後に担当の女性から心配されてしまったが。

その後幾つかの確認を終えた事で電話を切った。

まあ、電話口での印象付けは特に問題無かっただろう。あとは明日、聖王教会本部に直接赴き面接と実技試験を受けるのみだ。

 

とりあえずあとは観察担当であるクイントさんが帰って来た際、相談しておくのが良いだろう。

そう考えながら宛がわれた自室に戻ろうとすると、いきなり背後から軽い衝撃が両足に襲い掛かって来た。不意なものだったので僅かに前のめりになりそうになったが即座に踏ん張り、その衝撃を加えたであろう下手人(ちび共)に向き直る。

 

「おいこらお前ら……危ないじゃねぇか。怪我したらどうする」

「だっておにぃかまってくれないもん」

「タイクツなんだもん……」

 

ちび達はそれぞれ主張を述べながら俺の脛をテシテシと叩いてくる。普通の幼児程度の力なら何の威力も無い行動だが、生憎彼女達はその出自故に一般幼児以上の威力を叩き出してくるわけで……。

 

つまるところ、俺の脛、割とピンチ。

 

ただ彼女達はまだ幼い上に力の加減も簡単に出来ないので、仕方ないかと今の所諦めている。まあそれでも彼女達が今後普通に生活していく為に、出来るだけ早い内に力の抑え方を覚えさせておかないといけないが。

 

「……しゃあない、遊んでやるよ。だからスバル、ギンガ、叩くのおやめなさい」

「やったー!」

「はーい」

 

脛の痛みをなんとか無視し、二人の要求に応えながら言い聞かせるが特に反省の色無し、二人は無邪気に返事を返してくる。

 

さて、一応今言ったが『ギンガ』、『スバル』というのはこの二人の今の名であり、普通の人として生きていく証だ。

因みに髪の長い方がギンガで、短い方がスバル。名付け親は勿論ゲンヤのオッサンで、もしクイントさんとの間に子が出来たら付けようと以前から考えていた名前らしい。

 

(……しかし、二日前(ここに来た当初)に比べよく笑うようになったな)

 

二人の表情を見ながらそんな事を考える。

出会ってからまだ数日程度でこの変わり様、やはり環境の違い故か。二人はナカジマ家に来る前に比べ年相応の表情を頻繁に見せるようになった。よく笑い、よく泣き、よく食い、良く寝る。本当にガキらしくなったというものだ。……まあ、ギンガはともかくスバルは泣き虫の気があって少々、いやかなり言動に気を付ける必要が出てくるのが面倒ではあるが。

 

二人に引っ張られる形でリビングのソファーに座ると、それに続くように二人が両隣に座ってくる。これが幼女じゃ無くて金髪巨乳の美人な姉ちゃんというシチュエーションだったらいいのになぁと、頭の片隅で考えつつ懐に仕舞っていた烈龍(玩具)を徐に取り出す。

 

「さて、それじゃあまた烈龍(玩具)で遊ぶか?」

『オイ、今玩具と言ったかオイ』

「れつりゅうあきたー!」

「ちがうのがいい」

『……』

 

しかし流石子供、興味を持つのが早ければ飽きるのも早く、飽きたと言われた本人は弱々しく光るだけだった。

気を落とすな相棒、まあ提案した俺自身も悪いのだが。

 

「……はぁ、じゃあ何するんだ?」

「おそとがいい」

「お前ら勝手に連れて外出たら俺が怒られるっての」

「やだ! もっとおそと見たいの!」

「うん」

「だからなぁ……あ」

 

そこでふと、今朝出勤前のクイントさんから言われた事を思い出す。

今日は早上がりだからお昼調度には戻る、と。壁に掛けられた時計を見るとまだ午前十時過ぎ。勝手に連れ出している間に戻って来たら確実に怒られちまうよなぁ……俺が。その時は、初めて会った時に見た華麗なアッパーを食らう事になるかもしれん。

とりあえず昼過ぎまでは二人にはなんとか我慢して貰うしかない。

さて、それまで何かで気を引くべきか……そう考えながら俺は、二人の気が紛れる遊びをいくつか用意し始める事にした。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「アイツの魔力を追ってここまで来たけど、まさか連中(管理局)の御膝元とはなぁ……」

 

ミッドチルダ中央区、クラナガン。

その中心部から徒歩十分ほどの距離にある繁華街にて、ミッドチルダに渡航(密入国)して三日目のモルトは屋外カフェのテーブルに一人座っていた。行き交う人々や街頭ビジョンを尻目に彼女はアイスコーヒーを飲みながら眼前に小型ホロウィンドウを展開し、ミッドチルダ全体の地図を表示させる。

そして表示された地図の西、ミッドチルダ西部エルセア地方に光点が表示されたのを確認すると「またか」と言いたげな顔をする。

 

「やれやれ、今度は西か。まあここ二日、アイツの魔力が移動した様子は無いようだし、そろそろ落ち付けれる場所を見つけていても可笑しくは無いか……」

 

気怠げに腕を振り、眼前にホロウィンドウを閉じアイスコーヒーを飲み干す。

 

「ぷぁっ。……とりあえず明日辺りにでも合流してみるかな。あとの事は、まあそれからで良いだろ」

 

夏の日差しで火照った体にコーヒーの冷たさがじんわりと広がっていくのを感じながら、今日この後をどう過ごすか考えることにしたモルトはウェイターにコーヒーのお替りを注文した。

 




とりあえず更新出来たは良いものの最近中々筆が進まない。

あと、現状リメイクする事にした作品の準備がもう少しかかりそうです。

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