藍染惣右介じゃないか?って思ったあたりからどんどんと口調やら何やらでアニメと似通ったものを感じ、確信に近いものになっていく。
「なにか?」
っと、俺を見る藍染惣右介。
「いいえ〜。ようこそ駄菓子屋さんへ今日は何をお求めで?水が湧く壺?呪いたい人が?虚から守るものを?それとも直したいものが?何でも承りますよ」
ヘラりと、商人ぽいいつも客に向かって言ってるセリフを吐く
闇商人なんて、あのアニメの喜助みたいだなんてやってて思った。
印刷機やた特殊な3dプリンターみたいなものもあるので大量生産は余裕だ。
なんでもドンとこい!
「ここは金によっては要望の物を作ってくれると聞いたんですけど…」
っと、猫かぶりしてる時の藍染惣右介だ、懐かしいなこの時アニメで見たんだよなぁ〜
って思ってるが、商売中だと、頭から懐かしい記憶を飛ばして咳払いする
「はい、お客さんのご要望に沿ったものを”何でも”ね。」
「何でも…ね。今まで頼まれて作ったものを聞いても?」
「えぇ、とある女性は絶対に汚れない上等な着物を。とある男性は絶対に棘が丸まらなく自分だけが持ち上げられる金棒を、”血判契約”で作らせていた頂いてます」
「
っと、先を話そうとした俺を遮る。
よし、食いついた!
「契約ですよ、血判契約は別料金っスけど。特別な契約で
【お互いの正体、及び取引内容を”絶対”口外しない】という契約です。」
「その口ぶりだと口約束じゃないんだね」
「そう!試してみます?」
っと特別性の紙を取り出すとコクリと頷く。
俺は紙の上の空欄を指さす
「ここに、契約内容を記載します。
そして、この下にそれぞれの血判を押す。
それで契約が完了。
内容は血判を押した人にしか見えなくなります。
その瞬間、
1.契約に関する事を他人に伝える事が出来なくなる。
2.取引した相手の正体を伝える事が出来なくなる
3.たとえ穴を突いたとして他人の耳に目にその情報が入った瞬間、記憶が消える。
悪いことする人バレたくない人なんかはみんなこれを使いますよん」
っと指を立てて説明した
「それはまたすごい技術だね。」
なんで俺がこれを作ったって、俺の自分自身の身を守る為と、
かっこいいから!!!いやぁ〜契約とかやってみたかったんだよね。
「試しにやってみましょうか。例えば俺がジャンケンで貴方に負けた。と、その事象を空欄に書き」
おれは、針で指に穴を開け、血判を押す。
ちなみに内容はなんでもいい。
その紙を藍染に差し出すと、俺が手渡した新しい針で同じく血判を押した。
「これで契約完了。さぁさっき取引した内容を口に出してみてくださいな」
「…!!!」
口がパクパクとして声は出ていない彼から驚いた様子が伺える。
「ね?声が出ないでしょ?似たようなことを言ってもそれが声に出ないんスよ、書こうとしても、脳がそれを許さず書けないし、暗号もむりなんスよ!
いやぁ、我ながら自分の技術が怖い!」
っと、血判契約のセールストークを終わらせると。
「これで安心して取引が出来そうだ。では____」
っとニヤリと口角を上げた彼___
「毎度あり」
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しばらくして帰っていった藍染惣右介。
彼が頼んだのは霊圧を極限まで制御するメガネを希望した。
破格の高額な値段で取引してくれたのでいい客だ。
また次取りに来るだろう。
血判した紙を仕舞う
別にメガネぐらいなら別に構わないと思って取引に承諾した。
なんか、弱そうに見せてたみたいな話聞いたことあったようなないような気がするし。
もしかしたら俺の技術を盗もうとしてるのかもしれないけど。
俺の技術を舐めてもらっては困る。
真似できるようなものを作ったら商売にならない、
例えメガネを調べようとしてもそれはただの伊達メガネにしか見えないだろう。本人がかけてようやく本領発揮する。
俺の霊力があって初めて造れて初めて構造がわかる優れものだ。
調べようとしても円周率の最後をみつけるようにほぼ無理に近い。
でも俺の知識途中で終わってるし飛んでるから、
藍染惣右介が倒されたのかとか全然分からないんだよなぁ…。
俺が知ってるのはなんか女の子の胸に龍の手を突っ込んでるシーンぐらいで、俺が天に立つぜって言って天に旅立った?藍染の姿だ。
何年前だよ、俺小学生ぐらいじゃね…その時。
今世で時が経って益々薄れてるって言うのに。
まぁいいか。っと次の客を迎える
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「さすがだね。」
そう言って俺を褒める藍染惣右介。
手にはご希望のメガネと藍染用の血判契約書。
早速翌日同じ時間に来店してきたのだ。
「君の名前を聞いても?」
っと言われるが
「それは内緒ってもんスよ。こんな商売してるんでね。」
「…まぁいいさ、それもお互いのためだろう。契約書があったとしても警戒して損は無いからね。」
受け取ったメガネを懐にしまって踵を返した。
はずだが。こちらを見てにこりと笑った
「また機会があったら頼むよ
浦原維助」
ヒューっと、彼がいなくなった後ボロボロの蔵に風が吹き抜ける音が聞こえ
おれは座卓机にガンッと頭をうちつける
いつからだよ…まぁ血判契約で絶対に口外できないし、バラされないしもし伝えられたとしても記憶から消えるから絶対安心なんだけどさぁ…
はぁ…
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「兄サン?ボクの外套かってに持ってきましたよね?」
二ッッッコリっと笑って仁王立ちする喜助が
一変ジッ__っと薄く目を開いて俺を睨みつける
あ、怒ってる。
「てへ、あいたたた!鼻!鼻ちぎれるって!鼻!」
ぐぃぃいっと鼻を引っ張られる俺
「前も勝手に机持ってったり座布団持ってったりと!!兄サン、ボクのもの勝手に持ち出すのやめてとあれほど…!」
「ごめん!ごめんって〜!!許して〜」
「じゃぁ新しい薬の被検体で許してあげますよん」
っとパッと俺の鼻を離した
「はぁ、やだよ!また痺れたり、この前なんて失神したじゃん俺!三途の川見るって!」
「死神が何言ってるんスか……大丈夫ッス!安全な薬なんで!!多分」
「喜助の多分はダメなんだって!あ、おいこらどっから出した注射器!!!」
おれはしばらく逃げ回る羽目になった。