お見合いが早速始まった。
なんでせっかくの非番を……っとぶつくさ言うが仕方ない。
父上にニッコリ顔で言われたら行くしかない。
「えっと……維助様の事が……」
ある日は可愛い小動物みたいな子
「維助様はどんな趣味を……?」
ある日はプライド高そうなThe令嬢
「維助様!私とー!」
おっぱいでかい子
数々の貴族令嬢達の見合い。
下級貴族なんかは玉の輿になるから必死だ。
昔ならうへへへしてただろうけど大人になって
死神、しかも貴族の結婚は結構めんどくさいと分かる。
俺は身軽がいいし、子供が……子孫が欲しいとは思ってない。
可愛いし美人に迫られるのは嬉しいけど。結婚となれば話は別である。
「へ、へぇ、カラクリ……あはは」
カラクリ弄り回す変人。なんて噂がそのうち流れるかもしれんな……
そしてまた今日も見合い。
「砕蜂、で、でふ」
座っての開口一言目がそれだった。
「ぶふっ」
俺が吹き出してしまって、令嬢さんは恥ずかしさからか顔を赤くしてしまった。
あとはおふたりで……というテンプレ通りに、砕蜂と2人きりになる。
ちなみに名前を覚えないと父上に殺されるので本気で令嬢の名前は覚えた。
「あ、あの!!!大変恐縮なのですが。私は蜂家の末っ子で……蜂家のただ1人の女ですが。
四楓院家に生涯を捧げる為に産まれ四楓院家の為に死ぬ。私は軍団長閣下に……」
っと自分で話して少し混乱しているようだが大体伝わった。
「つまり結婚するつもりは無いと」
「ひゃ、ひゃい!たとえ貴方様の浦原家に嫁ぐことになり一族から抜けたとしても……私は軍団長閣下に全てを捧げるために生きてきたので。今更結婚などと……」
下級貴族で上級貴族に入るのは相当な玉の輿でしかも死神ともなれば将来は安泰。
なのに夕寝様に命を捧げると。自分の安泰よりも四楓院家に命を捧げる
「君……強い子だね、それなら俺と取引しない?」
「へ?取引……?」
「そう、砕蜂ちゃんも、俺も結婚する気は無い」
「貴方も……?」
「うん、俺は身軽でいたいし子供が欲しいとも思ってない。
自由でいたいから。君も色々見合い話を断られると困る立場でしょう?
まぁベタな話だけど、表向き……って事にしよ
夜一さんともそうだったしね。
で、俺らのどちらかが第五分隊までの部隊長になればその見合い話も正式に断れる。
まぁつまりは、出世するまで表向きは婚約者……って事にしよ」
「……分かりました」
「契約成立。よろしく」
俺と砕蜂は握手した。
これで暫く結婚話も落ち着くだろう
中世ヨーロッパの恋愛漫画のベタな展開!
ロマンです。
_____________
「はぁ……なんでボクまで」
「うるさいぞ喜助!!!!し、静かにするんじゃ」
見合い会場の少し離れたところから霊圧遮断外套を来て気配を消す
喜助と夜一。
何故こうなったかは数日前に遡る__
「ど、どうじゃ喜助!!やま、病かもしれぬ」
「はぁ……ですからそれは病じゃないんですって」
ここは喜助の部屋。維助が見合い話で出かけてる時に。夜一が訪ねてきていた。
「じ、じゃが心臓が!維助といるとキュッって!キュッて!!痛くて……そ、その。一緒にいたいという思いが強くなるんじゃ!!
お、おかしくは無いか!?」
「(夜一サンは自分自身で気づいてると思ってたんスけど。今まで無自覚だったんスか……)それは恋ッス」
「恋!?わ、儂が!?」
「そうッス。夜一サンは維助兄サンの事が好きなんですよ」
「す、すき……維助……の事が……!」
ボボボ!っと顔を真っ赤にする夜一
「はぁ……」
ようやく気づいたのかとため息を吐く
「喜助!こうはしてられぬ!!見合い会場に
「は、えぇ?なんでッスか?そんなわざわざ」
「だって気になるであろう!?維助が結婚なんぞ……」
「まぁ……(兄サンは結婚する気なさそうなんスけど……面白いから黙ってましょうかね)」
そして外套を着るまでの用意周到さで見合い会場に乗り込んでいた。
遠くからだが、机を挟んで女性と向き合ってる維助の姿が見える。
「き、今日も見合いは断るのだろうな!」
「さぁ……それはどうっスかね。好みの女性がいたら__」
「ぬぉおお!辞めるんじゃ喜助!心臓が痛いぞ!」
ギュッと外套を握りしめる夜一。
しばらく見ていると2人が庭に出た
「あれ、珍しいッスね。兄サンが午後になってもまだ会場に残って……しかも、園庭を散歩してますよ」
「だ、誰じゃ!相手は!!」
「(あれは……蜂家の……)さぁ、そこまでは兄サンの好みの女性ですかねぇ〜」
「ぐぬぬぬ……ここからじゃよく見えぬ……!」
すると、ピタリと足を止めた維助
「なにしてんの夜一さん。喜助」
「ありゃ、バレちゃいました?」
_____________
どれだけ喜助といると思ってるんだ喜助の消しても消しきれない僅かな気配を感じれる。
そしてよくよく探ると夜一さんもいた。
2人はバレたからだろうか茂みから出てきた。
霊圧遮断マントまで来てやがる。
砕蜂は夜一さんを見た瞬間に膝を着く
「ん?お主蜂家の……なるほど、よいよい、楽にせい」
っと夜一さんが言うとハッ!っと言って立ち上がる
「んで?なんで見に来たんだよ、喜助興味なーいっていってたじゃん」
「いやぁ、そうだったんスけど夜一サンが……痛いっ!」
うわ、喜助の顔面に夜一さんの裏拳が入った。痛いぞあれ。
「な、なんでもないぞ!!また維助が
「夜一さん俺の事なんだと思ってるんです?
さすがに家が絡む見合いに変なことしませんよ
俺が父上に殺されるんで。
砕蜂、こっちの鼻抑えてうずくまってるのは浦原喜助。俺の弟だ、
夜一さんは説明要らないな。俺の正式な婚約者で。夜一さんが当主になったら解消されることになっている」
「は、はい!」
「維介兄サン、それを話すのは……」
っと懸念する喜助に、まぁ待てと遮る
「実は__」
俺らは結婚する気は無いが、見合い話は面倒なので表向き__という話をした。
「なるほど、それなら納得ッス。」
「そ、そ、そうじゃったか!!うむ!維助に結婚は無理であろうな!!!」
「なんでそんな失礼な事を大声で言うんだ夜一さん。」
さっきの暗い表情から一変活き活きとした顔で仁王立ちした夜一さん。
本当に俺が女の子に変なことしてないか気にしてたんだろうか。
ただ、お互い興味無い見合い話で、
表向きの話だったのに…胸なんかは好みじゃない子だったはずなのに___
「喜助、どうしよう砕蜂可愛いかも」
「……は?」