浦原喜助の兄に転生して夜一の許嫁にされた俺の話   作:ちーむ

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弟子の成長と友人と平子副隊長の話

 

「維助師匠!お久しゅうございます!」

 

俺が朽木家に来た瞬間瞬歩で目の前に現れた白哉坊ちゃん。

いや早くなったなぁ……夜一さんが闘争心を燃やしたせいだろうけど。

 

キラキラした目を向ける白哉坊ちゃん。

腕の筋肉も着いて少し大きくなった気もする

 

「久しぶり白哉坊ちゃん」

 

俺が忙しいせいで全然指導できなかったけど

白哉坊ちゃんは白哉坊ちゃんで頑張っているようだ。

早速抜刀術を見せてもらうと。

 

一瞬にして巻藁が半分に切れた。

ど素人からしたら太刀筋は見えないだろう。成長したなぁ〜

 

「どうですか師匠!!師匠みたいに鞘に収めるのはまだ出来ないんですけど……いつか……いつか師匠のようになるのが私めの夢!

そしてあの化け猫に。あっ!といわせるのだ……!!」

 

っと拳をギリギリにぎりしめる。

夜一さん一体白哉坊ちゃんに何したんだ……。

 

そういえば、る……る……なんだっけ。

主人公に死神の力与えたやつ。

その人の兄だったよね確か白哉坊ちゃん。

それで確か主人公と戦った気がするけど……

まぁ俺の抜刀術ぐらいで原作変わんないよな!多分大丈夫!

 

白哉坊ちゃんの成長を見れたところで帰宅しようと瀞霊廷内を歩くと。

 

 

昨日見た顔が___

大きく手を振って声を張り上げる

「あっっつれぇ〜!おぉい惣右介〜」

 

一瞬顔を顰められたけど、直ぐにニッコリと猫かぶり表情になった。

 

「やぁ、維助君。仕事はどうしたんだい」

 

「そんなの終わらせてきたんに決まってるじゃん〜

任務終えればあとは自由だし。呑み行こ呑み奢るからさぁ〜」

っと肩を組む

 

「昨日呑んだじゃないか」

 

「お前呑んでないじゃん。いこーぜー暇だろ」

 

「いや……今は……「おーい、何しとん惣右介」平子副隊長」

 

っと、関西弁が聞こえると。

副官章を腕に着けたポニテ金髪ロングが。

 

「ん?誰や、惣右介の知り合いか?」

 

「いや彼は……「惣右介の友達の維助で〜す!」」

っと惣右介の声を遮ると小さくため息が聞こえた。

 

「ほん、惣右介友達居たんやな……。」

 

「失礼ですね平子副隊長、僕にも友達ぐらいいますよ」

もう開き直ったらしい、

思ってはなさそうだけど、友達と言ってくれた〜わーい

 

「ん?自分.浦原維助って()うた?二番隊か?」

どうやら俺のことを知っているらしい

 

「そうだよ……いや、そうです二番隊第九席でーす」

 

「あんたがあの剣術の……」

 

上から下までじろりと定めるように見てくる

 

「なんやホワホワしててそうは見えへんけどなぁ」

 

「人のこと言えないですよ平子副隊長」

 

「んや、呑み行こ聞こえたけど約束しとったん?」

 

「いや、たまたま惣右介見つけたんで誘ったんですよ〜」

 

すると何か考えたような表情をする平子副隊長さん

「ほーん……なら惣右介今日はもう上がってええで、俺の買い物の付き添いやし。いってき」

 

「いやでも……」

 

「おーやっさしい副隊長さん〜じゃ行こうぜ惣右介〜」

 

ってかこの人か、惣右介の猫かぶり見抜いたの。

 

__________

 

「どういうつもりだい?呑みにいこうだなんて」

っと眉を顰める惣右介

 

「いや、意味も何もそのままの意味だけど。」

 

「何か用はないと?」

 

惣右介は熱燗(あつかん)俺はビールを呑んで向かい合っておつまみをつまむ。

 

「友達なんだから出かけたり遊ぶぐらい普通だろ?」

 

「……本当に君の考えていることはよく分からないな」

 

「褒め言葉として受け取っとくよ。それにしてもあの人が昨日言ってた人か……なんか派手な髪色の人だね」

 

「それを君が言うんだね……?」

 

俺そんなに明るいパツキンじゃないもーん。

あんなロングの髪は漫画見たことないなぁ。多分。

 

「あ、そういえばそのメガネ調子どう?メンテナンスは無料だからいつでもどーぞ」

 

「昨日君の蹴りを食らってもヒビひとつ、歪みすらなかったよ」

っと眼鏡の縁をなぞる惣右介

 

いやぁ、さすが俺

 

「だろ?そんな壊れるような物作んないって、それ惣右介がかけないと霊圧制御しないから。もし落としたとしても霊圧制御装置だと分からないと思うよ。」

 

「へぇ、それは気が利くね」

 

思ってもなさそうに棒読みで刺身をつまむ惣右介

にしても箸の使い方綺麗だな

 

「だろ?俺は気が利く良い男だから!」

 

「気が利くなら僕にダル絡みしないで欲しいんだけれど」

っと少しジト目

 

「え〜いいじゃん」

 

そこで少し知ってる霊圧を感じてお互い口を噤む

惣右介と目が合うと、小さくコクンと頷いた。

 

 

「いやぁ、維助君はやっぱり凄いなぁ。僕も抜刀術見習いたいよ」

 

「えぇ?やだなぁ、惣右介も凄いじゃん〜そういえば五番隊給料どう?高い?」

 

「いやぁ、あんまり話せないよそれは、はは」

 

っとたわいも無い会話。

猫かぶりモード惣右介とそれに合わせる俺。

 

感じた霊圧はさっき出会った___

 

「よー惣右介、維助、こんな所で呑んどったんやな」

 

っと平子副隊長さんの声。

気配を消して俺らの会話を聞いてたらしいけど

俺らはそれに気づかないほど雑魚くない

 

「平子副隊長もどーです?呑みません?」

っと言うとガンッ!っと惣右介に(スネ)を蹴られた

 

「いっ……」

 

お前……!っと言う目で見るとスッと視線を外された。

おいこら!こっち見ろ!

おーい!!視線逸らすな!惣右介!

 

戦闘中じゃないから霊圧硬度あげてないせいでまともに食らった。

脛はダメだって……!!

 

「ん?どしたん?」

っと、涙目になってる俺に首を傾げる平子副隊長さん

 

「いやぁ、舌噛んじゃって、」

 

「あーそりゃ痛いやつやな、」

 

「まぁ、とりあえず座ってくださいよ、俺平子副隊長とも仲良くなりたくて」

 

っと言うと遠慮なく〜と惣右介の隣に座った。

 

「おねぇちゃん〜俺もビール!キンキンのな」

っと頼む。

 

しばらくたわいもない話をする

そのうち酒が入ってお互いにテンションが上がって

趣味なんかの話をし始めた

 

「へぇ、なんでも直せるん」

 

「なんでも直せますよ〜」

 

「現世の物も直せるんか?」

っと趣味関連でカラクリの修理の話になった。

 

「現世の?まぁ見ないとわかんないんスけど〜直せなかったことないんで!」

 

「へぇ!なら今度もってくわ」

 

「平子副隊長。流石に他の隊の者にそれは……」

 

「いーんよ惣右介〜俺も現世のカラクリ気になるし。」

 

「ほうら惣右介!お前堅いねん!」

っとバシバシっと惣右介の背中を叩く平子副隊長さん

 

「はぁ……維助君。もし副隊長が何かしでかしたら呼んでくれて構わないから」

 

「んやねん!俺が何かすると思っとんのか!」

 

こうしてみると仲良い上司と部下に見えるけど、

たまに見える平子副隊長の警戒の色。

 

なにか心を許してそうで許してない関係にも見える。

俺が惣右介から聞いてたから益々そう見えるのかもしれないけど。

 

__________

 

そして数日後の任務帰りに隊舎に帰ると、門の前に金髪が

 

「あれ、平子副隊長さん?」

 

「おー、維助、この前ゆーとったやつ持ってきたで」

 

「あー二番隊はちょっと今重要な任務あって入れたら殺されるんで、ここで直しちゃいますね」

 

っと懐から道具を取り出すと

 

「あんたいつも持ち歩いとんの……?」

っと有り得ないという顔。

 

「いやぁ、いつなんどき必要になるかわかんないスからねぇ〜」

 

「ほーん本当にカラクリ好きなんやな」

なんて、信じてなかったのだろうか。

 

平子副隊長さんに渡された風呂敷の中を見ると、高価なオルゴール

相当古い型で、まぁ江戸の世にはもうオルゴールは日本に渡ってたし持っててもおかしくないけど。相当高かったんじゃないだろうか。

 

副隊長って結構お金もらえるんだなぁ〜っと、

その場で胡座かいて分解する

 

相当大切に使われてるのか、錆は無く。

綺麗に拭かれた跡もある

 

しゃがんで俺の手元を覗く平子副隊長

 

「なんか途中で音が止まるねん。」

っと、

 

「なるほど」

 

音の発生源を見るとすぐに原因がわかった。

歯車の噛み合いがズレて、回らないようになっているだけだった。

細い工具でその噛み合いを直すと

 

すぐに___

 

「おぉ!!音が出よった!!もう直ったん!?すごいなぁ!」

っと嬉しそうに音が鳴り始めたオルゴールを俺から受け取る。

 

「喜んでもらえてよかった良かった。」

 

「見直したわ〜、いい趣味もっとんな!また壊れたら頼むわ!」

見直されるほど下に見られてたのか俺……?っと思ったけと言わなかった、きっと深い意味は無いだろう。

 

すると、周りをキョロキョロと見渡した後

俺に向き直りスッ__っと目を細めた平子副隊長

 

雰囲気がガラリと変わる

 

「なぁ、惣右介とはいつから友達なん?」

 

「数日前ですね、俺が飯に誘って」

 

「いきなり飯に誘ったんかいな、あんたのコミュ力どうなっとん」

 

っと俺が嘘ついてないことがわかったのか、眉を顰める

 

「悪い事はいわん。けんど惣右介にはきーつけ、あんま心開くなや、

あんたは二番隊、裏の情報やら大切な情報を持っとる。

惣右介から維助に絡んだのかと思ったけんど、違かったんやな」

 

「惣右介が俺から情報を引き出すために友達になったと?」

 

「……いや、変なこと()うたわ、忘れてくれや。

あんた良い奴そうやし、俺見る目はあるんや。

__ただ、あんまベラベラ情報話さんようにな」

 

「そんな事したら俺が夕寝隊長にぶち殺されますよ。

弟にでも任務内容一緒にならない限り仕事の話しないんで。大丈夫です」

 

「へぇ!維助、弟おるんや!今度紹介してや」

 

っと、そのまま帰って行った。

まぁあの人はあの人で多分いい人なんだろうな。

 

 

わざわざ俺に忠告するあたりとか__

っと見えなくなっても平子副隊長が歩いていった方を見ていると

 

 

 

門から喜助の声が聞こえた。

 

「兄サン……母上が」

 

「?」

 

門を開けた喜助は俯いていて。

 

「母上になんかあったのか?」

っと寄るとすこし涙目になっていた。

 

 

 


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