フラフラと瀞霊廷内を練り歩く俺。
俺の手には新しい工具。と部品とガラクタ。
力で色々ねじ曲げられても。小さなネジとかは流石に工具使わないと無理だし、分解にも必要だ。
ガラクタはいつも粗大ゴミが廃棄されている所から漁ってきた。
たまに掘り出し物あるんだよね…
風呂敷に包んでルンルン気分の俺は、なんとベタな事に___
曲がり角で女の子とぶつかってしまった。
それも小さな___
「っっ__!!なんやねんボケ!」
「あ、すまん」
ドスッとぶつかった女の子は勢いよく尻餅を着いてしまって。
起き上がらせようと手を差し伸べるも
バシッ!!っと払われ、
立ち上がった女の子はぶつけたであろう鼻を赤くして俺を睨みつけていた。
「きぃつけや!!このハゲ!!」
っとブチ切れ?ている。
「ほんとごめん〜。大丈夫、お嬢ちゃん」
「おじょ…!?!?オマエ失礼なやっちゃな!!!お嬢ちゃんやないわ!!!」
よくよく見ると、怒って顔歪んでるけど…
可愛いな。うん。
「俺は浦原維助。お嬢ちゃんは?」
「だーっ!!お嬢ちゃんちゃう
オマエ、ウチの事知らんて新人やろ!この副官章が見えへんのか、ハゲ!」
っと腕をグイッと捻らせ見せつける副官章
まぁ新人じゃないけども。
「へぇ…副隊長なんだ〜よろしく〜」
「ダァァァ!!なんでそんなヘラヘラしとんねん!!そこはもう、スミマセンでしたっ!って頭下げるとこやろ!!」
っとァ”ァ”ァ!!っと言いながら頭を掻きむしる
うん。この子面白いな!!!
「えーと、ひよ…ひよこちゃん?何が落ちてるけど、君のじゃない?」
「ひ!!よ!!り!!ひよ里
そばで落ちてる何かを拾い上げる
「からくり人形か」
ボロボロのからくり人形で、ゼンマイを巻くと鼓を叩く人形だった。
「!!!触んなや!ハゲ!」っと言って俺の手から奪い返す。
「それ、壊れてるよな」
「…せや。ウチが壊したちゃうねんぞ。急に動かなくなったんや」
「へぇ。何でそれを外に持ってきたんだ?」
「修理や修理!修理に出してんねんけど…無理って言われたんや!
ボケ!普通わかるやろ!」
いや分からんって…
「壊れてんのか。俺直そうか?」
「ハァ!?アンタが直せるわけないやろ!寝言は寝ていい!」
「まぁまぁ、俺これでもメカ…カラクリには詳しい質なんだ。ほら貸して」
そう言って手を差し出すと、疑い半分っと言った感じだが渡してくれた。
俺は地面にに胡座をかいて、懐から工具を取りだして分解する
「おい!バラバラになったやんけ!」
「中を見ないとわかんないだろ?あー…大丈夫、これなら治るよ。」
複雑な歯車だからか、修理屋は直せなかったんだろうな。
それともそもそも分解できる技術持ってないとか有り得るかも。
これ現世の人形だなぁ多分。
歯車のかみ合わせを直して。他の緩んだ所や曲がったところを治して
ゼンマイを巻くと
ポンッ!
っと人形が鼓を叩いた
「っ〜!!!うせやろ!?全然動かんかったのに、数秒かそこらで直ったんか!?」
っと人形を上に掲げてキラキラした目を向ける
「良かった良かった。それ結構な高級品だよね。」
「せや…ウチの隊長に貰ってん。」
ぎゅっと人形を抱きしめる。
相当大切にしてたんだな。
「俺は自称機械技師だから…あーカラクリ技師?壊れたものとかカラクリ以外に簪でも櫛でも何でも直すし作れるから困ったことあれば二番隊に来なよ」
「二番隊ィ!?あんな裏でコソコソしてる奴がカラクリ作れんのか!二番隊なにしとん!」
「いや、カラクリは二番隊関係ないっていうか…俺の趣味だから。」
「ほん!なんでも直せるんやな!」
「全く同じには復元できないものや、物によっては日を取るけと、一通りなんでも」
「ゆうたな!今度もってってやるわ!」
ふんっ!と言って帰っていったひよ里ちゃん。今までにない面白い子だ
____________
「あー大量だね」
「どや、これでも治せるんか!」
後日、風呂敷に包まれた大量の荷物を持ってきたひよ里ちゃん
「へぇ、火縄銃か古いな・・・・
それと、歪んだ煙管…うん全部治せるよ、大体・・
風呂敷を持って俺は、隊舎に戻る。
まずは分解、どこが壊れてるのか、不調なのか…うん錆びてるな。
でも部品の破損はなし、錆のせいだろうな。
火縄銃の紐を新しくして錆も落とす。
接着剤で櫛は直し、欠けて復元できないものは、似た物資やパーツできれいに継ぎ合わせ、やすりと塗装、
ついでに磨いて、ちょうど1時間。
6個ぐらいの破損したり故障したり、割れてたものをきれいに直した。
うん、楽勝楽勝
門を開いて出ると、仁王立ちしてるひよ里ちゃんと、金髪のサラサラヘアーを下ろした平子隊長がいた
「なんや、まさか直す
「まぁ見てみて」
俺は風呂敷を差し出すと、バッと開いた。
「うせやろ........?」
「おー!俺の飾りの銃綺麗になっとるやんけ」
そう言って銃を手に取る平子隊長
ぐぬぬぬっとなぜか怒っているひよ里ちゃん
「ほら、ひよ里。礼がさきやろ、曳舟隊長さんからもろた人形直してもろたんやろ」
「っつーー!!!わぁとるわ!!ぼけ!・・・・おーきに」
そう言ってそっぽ向いたひよ里ちゃん。うんかわいいなぁ
「俺の銃も直してくれてあんがとさん、ひよ里がきゅーに壊れたものあらへんかって騒ぐもんでな」
「いいえ、いいんスよ。」
「んや禿げしんじ、こんな胡散臭いやつと知り合いなんか!」
胡散臭いって…
「んや、名前知っとるやろ?浦原維助。アレや、剣の天才」
「はぁ⁉剣の天才だぁ!?こんのひょろ長の胡散臭いハゲが剣の天才やと!!ホラ吹いてんちゃうぞ!」
ビシっ!っと俺に向かって指さす
「いやいや、ホラちゃうで。アレや院生の時に中級大虚を一人で倒したつー化けもんやで」
バケモンって…。
「アジューカス…を…?認めへん!こんなヒョロ長がそんなん認めへんぞウチは!!なんなら今から戦えや!ホラ吹いてるって認めるまでボコしたる!!」
「そらええなぁ!俺のとこの訓練所つかい」
「えぇ…?」
俺を置いて勝手にどんどんと話広がってるんだが…?
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「どっからでもかかってきー!!」
結局ほぼ無理やりに五番隊に連れてかれて
ひよ里ちゃんと向き合う。
致し方なく斬魄刀を抜くと、合図もなしに突っ込んできた
上にとんで振り下ろすようにした刀を下から受け止め
キィンッと耳をつんざくような金属音が響く
「へぇ、やるやんけ」
意外そうな顔をした後、ニヤリと笑って俺から距離を取るひよ里ちゃん
あんな小さい体でも結構力もあるし
今弾いただけで結構距離をとるほどには俺の実力がそこら辺の雑魚と違うと見抜いた。
さすがは副隊長と言ったところか。
「ほら、ボコすんでしょ、来なよ」
っと指をクイッと曲げて煽る。
「っ…!ナメてんちゃうぞ!このハゲ!」
今までの言動通り、彼女は熱くなりやすいというか煽られやすい性格のようで、無鉄砲に正面から突っ込んできた。
俺は間合いに入った瞬間彼女の攻撃を避けて足を払い転ばせると首筋に斬魄刀を滑らせた。もちろん峰で
「なっ…」
っと、首筋の斬魄刀に冷や汗をかくひよ里ちゃん
「何が起きたかわかんなかった?もういいッスか」
っと、手を離すと、ペタンっと座り込んだひよ里ちゃん
「っ〜〜!!!認めへん!今のはまぐれや!!まぐれ!!」
もう一度や!!っと立ち上がってまた突っ込んでくる。
これ終わるのか?
かと言って戦闘不能になるまで女の子をボコボコにする訳にも行かないので、なるべく傷つけないようにして参りましたと言わせようとするも認めてくれない。
「はい、また死んだ」
切っ先を心臓部分に当てて。何度目かの詰み。
「っー!まだや!!」
そして何度目かの再戦
そしていつの間にか始解までしてきてるし。
だが、それを止めたのは___
「ようやく止めるの…??」
遅くない??平子隊長。
ガシッとひよ里ちゃんの首根っこ掴んでとめた平子隊長
「んやねんシンジ!まだ終わってへんぞ!!」
「終わっとるやろ、ひよ里実戦なら何回死んどるんや」
「それは…っ油断や!油断!!」
「油断してないんは自分がよーわかっとるやろ。維助は汗ひとつ傷1つおうてへんぞ。負けを認めるのも大人になる1歩やで」
「んや……」
何かを言おうとしてるひよ里ちゃんに俺と平子隊長は首をかじける
「ウチがガキみたいに言うなや!! !禿げシンジ!」
「ゴフッ!!」
下からのものすごい勢いのアッパーが平子隊長の顎に直撃して吹っ飛ぶ平子隊長
うわ、痛そ
「認めへんからな!!ボケ!!首洗って待っとけや!!」
なに、俺殺される…??
そのまま地団駄をふんだひよ里ちゃんは訓練所を出ていった。
「あのアホ…!舌噛んだやんけ…!!」
いなくなったひよ里ちゃんの方向をギリッと睨む平子隊長。
「大丈夫ッスか?」
「いつもの事や、いつもの、すまんなぁ…ひよ里あぁ言い出したら聞かへんくて。俺もあんたの剣術見たくて止めんかったのも悪いんやけどな」
やっぱり故意的に止めなかったのかと、小さくため息を吐く
「んで、始解せんかったん?ひよ里が始解した時点で始解すれば良かったやんけ。出来へんわけちゃうやろ?」
「まぁ、剣術での戦いで俺が始解したら能力が強いから!って言われて長引かれても困るので」
「あんたええ性格しとんな…だから最後まで始解せんかったんやな。剣術でって言われたから剣術でノシたんか…」
事実半分、始解はしなくても勝てるという余裕半分。
認めてもらいたかった訳では無いけど。俺も俺で熱くなって意地になってたのもあるのだろう。
それからというもの_______
「ハゲ維助!!今日もやるど!」
「えぇ、俺暇じゃ「あん?」はいはい…」
二番隊に押しかけて俺を呼び出したかと思うと
毎日のように命狙いに来てる並の戦いを挑んでくるようになって
毎日のように砕蜂が呼んでくれた平子隊長の制止が入り毎回ボコボコにされてる平子隊長。
そしてひよ里ちゃんの
「このハゲ!」
っていう捨て台詞から
「殺したるからな!!」
に変わってマジで殺意マシマシ。
俺特に何もしてないんだけどなぁ…
まぁストレートな正直な性格は嫌いじゃない。
猿柿ひよ里との出会い