あれから隙間時間に稽古をすることになった。
確かに始解は強いかもしれないけど、扱い方がなっていないのが俺からしてもわかる。
型や癖は喜助に直してもらった。
ちなみに勝手に一心をちょっと任せる事になったって話を喜助にしたら
「何勝手に決めてるんスか????」
って静かに怒られた。
しばらく実験台になるから許せって言ったら
──まぁ……それなら
という事で渋々承諾してくれたので結果オーライ
一心は物覚えは良いらしく、喜助が直したらそのままの形を意識している。
さて、癖もなおったところで……
「一心、俺は鬼道は教えられない。鬼道系は喜助に任せとけ」
すると喜助から何を勝手に……っという目を向けられる
「俺が教えるのは『受け身』『避け方』『攻撃』『反撃』
全て模擬戦で叩き込む。後は適当に必殺技作ろう」
「お願いします……!!」
少し緊張しているようでこちらに斬魄刀を向ける。
俺は完全手加減で木刀を使わせてもらってる。
_________
「ほらほら、もう何度死んでるんだ?遅い遅い!」
「ガッ!」
俺が下から顎を蹴りあげると勢いで仰け反るが
ひっくり返らずに寸前で耐えた一心。うんうん体幹はいいな。
「はぁぁぁー!!!」
勢いよく上段から切りつけてくるがそれを霊圧を収束させ硬度を上げた木刀で受け止める。
「はい、いちいち驚かないー!隙あり!」
驚いて動揺してる一心の刀を弾き軽く腹を蹴りを飛ばすと
ようやく吹き飛んで行った
霊圧はデカいし力はあるし物覚えもいいけど、正直すぎる単純な剣。
短期決戦がいい所か……。
「はい、死んだー」
起き上がろうとした一心の首元に木刀を添えると
ふぅー……っと一息ついた一心。
「強すぎです…。」
「疲れた?」
「いや、まだ行けます」
っと起き上がる。受け身をちゃんと取ったらしい傷はあるけど身体は痛めてないようだ。この分だと受け身は完全に身に付くな。
あれから時間の許す限り打ち合ったり殴りあったりして、
一心は驚く程に成長した。うん才能の塊だな……。
あれから何か必殺技を作れって言った。
始解以外にも特化したものを___。
瞬歩、鬼道、白打、剣術なんでもいい。
俺は馬鹿力と抜刀術。
喜助は霊力操作に長けた鬼道。
夜一さんは瞬歩。
一心は白打と剣術を選んだが、とりあえず白打を教えることにした。
教えるって言っても単純な殴り合い。
避け方反射を鍛え、どこをどう拳を振るえば有効打になるのか。
実際に経験を
しばらく殴りあってコツを掴んだらしい一心が拳を振るい俺は手で受け止めるが。
バジッ!!
「およっ?」
俺の手が勢いよく弾き返された。
その隙に俺の腹に右ストレートがはいるが……
「っ〜〜!!!」
一心が右手を押えて声にならない悲鳴を上げて涙目になっていた。
ふははは!俺の筋肉の硬さ+霊圧硬度爆上げした腹筋はどうだ!
「大人げないッス……」
っと喜助から聞こえたけど知らん知らん!
「鉄かよ……っ!!」
どうやらさっきのパンチは拳に霊圧を収束させたものを貯めて殴るのと同時に解放したらしい。
__________
そして一心の必殺技が決まった……
バチンッ!!!っと音を立ててへし折れる木。
一心が
ただの物理攻撃ではなく、霊圧を収束してデコピンと一緒に放つ__
霊圧の収束と解放が上手い一心だからなせる技。
手に収束させるのは簡単だが、指先となると難しくなる。
勢いが出なかったり、解放タイミングをミスって爆発したり指が吹き飛んだりと
色々リスクを負うのでわざわざやろうとは思わないが。
一心の操作能力があるから才能があるから出来る。
敵もまさかデコピンがこの威力になるなんて!ってなる不意打ち技。
ちなみに俺も食らってみたけどちょっと痛かった。
鍛え上げれは凄いものになりそうだな。
─────────
「___兄サン」
「なんだよ」
壊した訓練場を修理してる俺に話しかける喜助。
ちなみに一心はボロボロのまま帰って行った。
「あの
必殺 鬼痛デコピンとはあの一心が使ったデコピンの名前である。
「えぇ?分かりやすくない?ガチで痛いデコピンだよ。わかりやすいだろ?」
「……いや分かりやすいッスけど、その……ダサい」
「ダサい!?!?」
「志波サンと盛り上がってたんで言えなかったんスけど、2人して名前付けるセンス0ッス。ダサい、恥ずかしい」
っとピシャリと言い放つ喜助
「そ、そこまで言うか!?だって俺名前付けてもつけた名前忘れるし……」
犬をわんちゃん、猫を猫ちゃんってわかりやすいだろ……?
「それから、その維助兄サンの抜刀術名。それもダサいッス」
「うっ……確かに橋姫にも言われてたけと」
橋姫を使って
『やめて!恥ずかしいわ……!!』って顔を抑えて顔を真っ赤にして否定される。
そんなにダサいか…?
________
ガッシャァァァン!っと音を立てて大穴が空く訓練場
「あーあー、また直さなきゃ」
っと、俺は大穴を見てため息を吐く。
俺二人分ぐらいのデカ穴は
「うん、やばいな」
たった1ヶ月でこの威力までに成長した一心。
最初は指を痛めてしまったりしたが今は霊圧収束解放に慣れたのか完璧なものだった。
「よっし」
穴を見てガッツポーズする一心。
俺は防いでダメージ0だとしても、吹き飛びはするかもしれないな……
本来は他の隊の隊士を勝手に虚退治に連れて行ってはダメなのだが。
虚任務に連れていってみた。
一瞬で虚に急接近してデコピンを虚の仮面に向かってデコピンをぶっぱなし。顔面から上半身まで吹き飛んだ虚をみて少し引く。
我が弟子ながらちょっと引くよ……。
「こりゃ大物になるかもしれないッスねぇ〜」
っと一緒に見に来た喜助が苦笑いする。
あんなにくそざこで癖つきまくりの一心がこんないい能力持ってるなんてなぁ……。
まぁデコピンはそう何度も効く技じゃないので、他にもいろいろ教えなければ。
そして一心は完全物理型の脳筋に成長した____
そしてもう1人の弟子。第一の弟子である朽木白哉坊ちゃん。
「ハァッ!!」
彼は俺よりも遅いけど、隊長、副隊長格でもなければ目に負えない程の速さで、
まだ連撃は出来ないけど、白哉坊ちゃんは俺の抜刀の速さを劣化ながら受け継いでくれた。
力は無いけど速さで何とかできるだろう。
こっちもこっちで化け物に成長するかもなぁ……。
___________
そしていきなりだが隊首室に呼ばれた俺。
「はっ、浦原維助参りました」
「よいよい、維助儂らの仲じゃろ」
「やってみたかっただけだよ」
って俺は下げてた頭をあげる
豪華な座椅子に座った夜一さんと横には大前田副隊長さんが控えていた。
「んで、何用で?またなんかありました?」
また4部隊を出陣させる程の何かあったのかと思ったが……
口を開いたのは大前田副隊長さんだった
「いやぁ……俺引退しようと思ってて」
「……はぁ……はっ!?副隊長さん引退!?」
つい聞き返してしまった。
「そう、俺の息子がさぁ__
ちゃらんぽらんでこのままじゃ院も卒業できないかもしれん。
俺がほっぽってたのが悪いんだがな?
次男も産まれたし、教育に専念しようと思ってな。
そこで隊長に相談したら__
────俺の代わりの穴埋めは維助がいいんじゃないかって」
「…………はぁ……えっ?」
おれが代わりに……???
「いや待っっって!夜一さんの脱走サボり癖!あんたにしか止めれないだろ!?俺鬼道使えねぇし」
「大丈夫だ!お前なら何とかなる」
っと俺の肩にポンっと手をのせる
どっからその自信でてるんだ……??
「俺ですら働き者じゃないのに……なんならサボってバックれたいぐらいなのに……!!二番隊は終わりだっ……!」
俺は頭を抱えてしゃがみこむ
「そこまで言うか?ぶっちゃけすぎだろ」
「ははは!相変わらずじゃの維助!大丈夫じゃお主ならなんとかなる」
だからその自信はどこから……?
「じゃ、手配はしておく、大前田希ノ進!今まで大儀であった」
そして俺は__隠密機動副司令官兼、二番隊
二部隊の
更に当主の土地の管理に、弟子2人の鍛錬。
定期的な喜助の所の機械のメンテナンス。
俺……過労死しないかな……?
最後の最後まで行かないで!!って大前田さんに言ったけど、
「がんばれよ〜」って手を振られるだけでダメだった……
夜一さんを拘束するために極めてた大前田さんの縛道……!!
あれがなきゃ絶っっったい逃げる!!無理!
俺このままやって行けるのかな……