浦原喜助の兄に転生して夜一の許嫁にされた俺の話   作:ちーむ

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副隊長時代
副隊長になったのと最新機器の話


 

副隊長の就任は一応拒否権がある。

だから俺も拒否しようとした……

 

したんだが____

 

「なんじゃ……儂の補佐はいやか……?」

っと夜一さんにシュンっとした顔で言われるもんだから……

 

「あぁぁ……はぁ……分かった分かったけど、約束してください」

って俺が即折れた

 

「ん?なんじゃ約束とは」

っと首を傾げる夜一さんにむけて俺は指を2本立てる

 

「1つ、1日最低一刻半(さんじかん)は必ず事務仕事すること。

2つ、隊士から重要書類は必ず受け取りその場で終わらす。また確認書類は確認すること。」

 

「一刻半も……か!?」

3時間って少ないからな!?

 

「あんたがずっと同じ場所にじっとしてられないのは分かってます……分かってますけど!!大前田さんがいなくなった今……!

夜一さんが好き勝手にサボり始めると二番隊は崩壊するんだ!!」

 

多分恐らくこのままでは夜一さんはサボるだろう。

だが、しなければ罰を与える系で言う事聞かせるのは逆効果

罰を与える系は1回の約束程度なら効果的だろうが

持続的な約束事の話だとあまりよくない。

 

しないと罰が待ってる……!という緊張感と仕事への嫌悪が募ってしまう可能性もある。

 

夜一さんには緊張感と苦痛はあまり与えたくない。

仕事をなるべく楽しいもの……っと感じさせたい。

 

「もし!約束を守ってくれたのなら。1日ひとつ、俺に出来ることなら何でもしますよ。鍛錬、お出かけ、なんでも」

 

「な、なんでも……」

 

キラキラとした目になる夜一さん。

 

「どうします?やってくれますか?」

 

「もちろんじゃ!一刻半ぐらいドーンッと……!」

 

って事でやる気になってくれたらしい。

良かった良かった。

__________

 

「そういえばなんで俺なんです?繰り上げなら三席の喜助が適任でしょうに。」

 

「それは喜助が拒否したからじゃ」

っと、言い放ちお茶を飲む夜一さん

 

「俺は!?!?俺の拒否権は!?!?」

 

「まあそう怒るな維助!もう決まったものじゃしな」

っと笑う

 

はぁ……。心の底からのため息が出た

 

また仕事が増えて四席が空くけど、四席の部隊はとても危険だ。

まだ育成も終わっていないから後任を任せられるのも居ないので俺がしばらく兼任することになりそうだ……。

 

 

 

 

 

「ならば私が!」

 

っと部屋掃除をしてた砕蜂に愚痴を零すとそう力強く言った。

 

「いやいや。刑軍と俺の世話係と四部隊長はキツいよ、さすがにお前の身体が心配だから却下」

 

「そ、そんな……」

っと明らかに落ち込んでる砕蜂。

 

「俺の世話係無くしたとしても、四部隊は相当危険で相当な重任務。他の隊で倒せなかった虚の討伐だったり相手は死神だったり。

わかるだろ?お前の実力を下に見てる訳じゃないがお前はまだ経験が足りない。わかってくれるな?」

 

「はい……お任せしてくれるようになるまでこの砕蜂頑張ります!!」

 

っと意気込む。うんうん、前向きだ

 

 

_______________

 

場所は変わりその夜とある居酒屋

 

「維助の〜昇進にかんぱぁーい!」

 

カランッっと4つのグラスがぶつかり合う

 

声を上げたのは平子隊長。

俺の昇進を聞きつけた平子隊長が暇な人を引っ張って居酒屋に来たのだ。

 

もう呑み仲間になりつつある__

京楽隊長に、平子隊長、そして惣右介は俺が無理やり連れてきた。

 

「いやぁ、早いものだね……数十年が一瞬に感じるよ」

 

「んやねん、ジジくさいで京楽さん。」

 

「いやぁ、僕は維助君が院生の頃から見てきたからねぇ……」

 

っと、しみじみし始める京楽隊長

 

「まぁ、副隊長にはなりたくなかったんですけど」

 

「ありゃ、そりゃまたどうして?」

っと首を傾げる京楽隊長

 

「いやだって、サボり魔が隊長で副隊長もサボり魔ですよ?二番隊崩壊しますって」

 

「ははは!僕も人の事言えないけれど……まぁ君はやる時はやるから心配ないんじゃないかな。色々仕事任されてるみたいだけど何だかんだやり遂げているんだろう?」

っと、笑う。

 

「まぁ……そりゃ、サボりたいけどせっかく任せてくれた仕事は最後まで終わらせたいから。責任と信用ってそう言うもんでしょう?」

 

「んや、真面目なやっちゃなー維助」

っともう酔ってるのかバシバシ俺の背中を叩く平子隊長。

いたい

 

「平子隊長も見習ってください」

っとお茶を啜る惣右介……

 

飲めないアピールなのかお前!全然酔わないの知ってるからな!

って俺の目線に気づいたのか、つま先を机の下で踏んできた。

クソてめぇ!

 

 

 

さすがは隊長、副隊長。色々不安がってる俺にアドバイスをくれたりなんかした。

 

「へぇ、流れで書類を……なるほど!」

惣右介も惣右介で猫被りモードだけど、ちゃんとしたアドバイスをくれた。

メモっとこ。

 

「惣右介はそういうとこ上手いんよなぁ……気分いい時に書類渡されると、ついついやってまうわ」

 

「書類やることは普通なんですよ隊長。」

 

 

 

「うちのリサちゃんも何だかんだ仕事してくれるしねぇ〜真面目だよ彼女。しかも早いし効率的」

「へぇ、八番隊の副隊長さんか」

 

見た事ないけどまぁそのうち副隊長なら顔を合わせることになるだろうな。

 

平子隊長と京楽隊長が酔ってべろんべろんになって帰って行ったあと。

 

残った惣右介から「はい」っと渡されたa4用紙ぐらいの紙。

 

「君との剣を交わす時間が減ったらかなわないから」

そう言うだけ言うと俺に紙を押し付けて帰っていった惣右介。

 

「おぉ」

そこにはびっしりと、副隊長の仕事や、あらゆる問題とその対処法、集まり時の待機場所、等々など事細かに書いてあった。

字めっちゃ綺麗だなおい。

 

それは新しいものではなく紙の端が傷んでたりしたので、惣右介が副隊長になった時に書いたものなんだろう。

 

ありがたく貰っておこう___

俺はそれを懐にしまった。

 

_________

 

ただ、副隊長は悪いことめんどくさい事だけじゃなかった__

 

「部屋が広いっ!!!」

 

十二畳、中庭直通縁側付きの副隊長専用部屋!!!

しかも夜一さんからの許可を得て改造も可に!!

 

「まずは防音でしょ、防壁もやって……それから配線も……へへ。改造しがいあるわ!」

 

新しい部屋ってドキドキするよねぇ……!

 

喜助を引っ張ってきて手伝わせた。

「ボクも暇じゃないんスけど……」

 

「お前が俺に副隊長押し付けたんだから。手伝うぐらいいいだろ?」

 

「はぁ……あれ?これなんスか見ない機械ッスけど」

 

箱に入れた機械を指さす喜助。

箱の中には__

 

「あぁ、偵察用無人機(ていさつようドローン)か。いや見回りとかあるだろ?前々から機械使って監視すれば見回り人数も減らせるし、偵察にももってこいだから潜入にも使えそうだなーって。院生の時代から考えてたのをようやく手をつけたんだよ」

 

「へぇ……」

物珍しそうに俺の試作品ドローンを見る喜助。

 

「なるほど、霊力とこの操作機器(リモコン)で無人機と繋いで遠くに行っても操作できるようになってるんスね。それで問題は遅延と音___」

 

「お前も機械詳しくなったよな……」

 

見ただけで問題を見抜ける喜助も喜助だわ

 

「長年見てるんスから知識ぐらいつきますって。それに改良の痕もみれば……ねぇ?まぁ兄サンみたいに作れる技術はないんスけど」

っと箱を指定の位置に移動する喜助。

 

「まぁ、音は何とか出来そうなんだけどなぁ……それでも無音とはいかなくて。あと少し改良したら何とかなりそうなんだが次は重量と耐久性に問題が出るから、新しい素材とか探して色々試そうかと」

 

「楽しそうッスね兄サン。最近忙しくて機械弄ってるの全然見てなかったんで心配だったんスけど。良かったッス」

 

って、なんか嬉しそうな声色

 

「なに、ご飯抜いた時みたいなこと言って……。機械弄ってなくても仕事中はちゃんと設計図とか改善点とか頭の中で書き起こしたりしてるし」

 

()()()()ってなんスか……」

っと呆れた様子で振り向く

 

「お前だってボーッとしてる時の半分は研究の事だろ?」

 

「まぁそりゃそうなんスけど」

 

「新しい環境ってのは不安で大変そうだと思うけと……その反面楽しそうだと思うよ。()()()()ってのは俺らにとったら花の蜜のように魅力的に見える。」

 

「そうッスねぇ……」

 

あっ!っと思い出した事があり声を上げて喜助に振り向くと、

俺の声に驚いたのか少し肩をビクつかせる喜助。

 

「副隊長就任でしばらくバタバタするし、時間も取れるわかんないんだけど。

ずっと考えてた()()()機械作ろうと思ってて。喜助の知恵も借りたい」

 

「へぇ……そりゃ面白そうっスね。その機械はどんなのッスか?」

 

そう、俺がずっと考えてて。原作にもあった機械

ずっと名前思い出せなかったけどようやく思い出して、

この今の時代に無いことも確認した……

 

もう作るしかないよね。

最初は俺の時代にあったものと同じものは作れないと思うけど

 

 

 

「遠くの場所でも連絡を取り合えて……情報戦が有利になる。虚も緊急事態も通知が来る

 

 

 

 

 

 

名を___」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─── 伝令神機(スマートフォン) ───

 

 

 

 


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