浦原喜助の兄に転生して夜一の許嫁にされた俺の話   作:ちーむ

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スマホの話

 

俺の前世が現代に生きる学生だったからか

初めから物足りなく感じていた。

 

あぁ、待ち合わせに時間がかかる……

あぁ……こういう時に連携取れれば……

こういう時スマホがあればな……っと何度考えたか。

 

連携報告、状況が遅延ほぼ0で伝えれる便利な機械。

スマホがほしい……!!

 

それか小型の通信インカム。

それがあれば2番隊の隠密も有利になるし、状況把握もしやすい。

 

ドローンを作るにあたって、電波の代わりになる霊子構成は開発済み。

ただ、電波塔となる施設・設備が必要になる。

またどこまで小型化出来るか、どこまで通じるのかという問題、現世にも通じるようにもしないといけない。

 

それで、施設だが浦原家が所有しているバカでかい土地があるそこに施設を作ればいいのでは……?っと考えている。

そして小型化、現世は隠密で試験的な運用をすれば、そのうち事業として……っと先のことまで考えてみる。

 

尸魂界は現世の道具や知識、化学や道具を尸魂界で使えるように改造したものが多く

1から作ることがほぼないからか科学者はいても、俺みたいな機械系の技術者がいない。

恐らく原作の伝令神機も現世の携帯をパクって作られたものだろう

 

それで携帯……つまりは黒電話や小型機器のガラケーみたいなのが出るのは今から150〜200年後。

そんなに待てるか?いや!待てない!!

俺は作るぞ……!!!!

 

 

尸魂界でスマホを!!!

 

 

─────────────

 

っと言っても仕事は次から次へと舞い込む。

大前田さんの引き継ぎからまだ荷物の移動も終わってないし。

 

最初にいきなりスマホを作り上げるのは無理だからまずは通信機器であるインカム系を作ろうかな……。

 

とりあえず目標はできた……!

 

新しい事は本当にワクワクする。

きっと俺の顔はだらしなくしまらない変な顔をしてるのだろう。

 

「なんじゃ、維助ご機嫌じゃの」

夜一さんの食事を毒味してる俺の顔を見て首を傾げる。

毒味は七々扇家の問題があってから護衛がやってた毒味を副隊長になって俺が引き受けた。

 

「あ、やっぱ分かっちゃう?いやぁ、毎日同じ日々を過ごすのもいいけど、新しい事があると新鮮でいいなって感じで」

 

「ほう……まぁ数十年も同じ日々を過ごすと飽きるもんじゃしの。

維助が楽しそうでなによりじゃ」

 

「まぁ、それもあるけど夜一さんが隊長、俺が四席になってから暇が少なくなって一緒にいる時間も減ってただろ?

こういうゆっくり朝話すのなんて久しぶりだなーって感じてさ。」

 

「そ、それもそうじゃの……」

っと顔を赤くする夜一さん。

 

毒味を終えたお膳を渡す。

 

「約束しただろ?業務をきちんと終えたらなんでもひとつ叶えるって。

夜一さんはいきなり隊長になって色々不安で大変だったと思う。

隊士のゴタゴタもあったし、それでもめげずに真っ直ぐ頑張る夜一さんに少しでもご褒美あげたいし……

ってのは半分、もう半分は夜一さんと少しでも一緒に居たかったからなんだ。」

 

「っっ……!」

っと、さらに林檎のように赤くなる顔。

まぁ夜一さんは面と向かって言われる事少ないだろうから照れるのもわかるけど、そこまで顔を赤くされるとこっちまで移りそうだ__。

 

 

それから夜一さんはビックリするぐらいに真剣に執務室で書類を書きあげる

やっぱモチベーションって大事なんだな……。

 

「よし!!今日の仕事は終わったぞ維助!!甘いものを食べに()こう」

 

「えっ、ちょ俺まだ仕事終わってな__」

 

言い終わるか否や俺の襟首(えりくび)を引っ張り瞬歩で走り出す夜一さん

 

ギャァ!!首!首しまる!!」

 

咄嗟に気道を確保する。

死ぬ死ぬ!っと思っているとあっという間についた甘味処。

瞬歩更に早くなったなぁ夜一さん。

 

早速大量の団子を頼む夜一さんを見て懐かしい気持ちになった。

前にもこんな事あったな……。

 

 

口にみたらしをつけて幸せそうに食べる夜一さんを見ながら頬杖をつく。

 

少し小さな幸せでも、行動を制限された当主であり隊長の夜一さんにとってはその小さな幸せはとても大切で貴重なものだ。

 

彼女の幸せが続くといいな。

 

____________

 

 

なんて業務後に鍛錬や甘味処に行く日々を過ごしつつ、例の伝令神機の件を進めている。

 

まずはインカムを作ろうとしたがお金が足りない……!

夜一さんに二番隊のためになるし尸魂界が変わるかもしれないことをプレゼンしたら

なんと__!!予算を使っていいことに!

 

 

「理屈はよう分からぬが、維助と喜助がそこまでやる気になっておるなら許可するぞ」

 

っと(こころよ)く承諾してくれた。

 

早速喜助は機械と機械を繋げる電波霊子の安定とそれの隠蔽。

霊子で居場所を辿られてしまう等の問題を解決するための隠蔽だ。

 

俺はその繋げるための装置を作る。

まぁ難しい話は置いといて簡単に説明すると__

 

声を霊子に変換。電波霊子でそれをもうひとつの機械に送り込み変換したものを元に戻す。

つまりまた声に変換させることで聞こえるようになるというもの。

 

 

それを発信受け取りと両方の機械つけて混線も防ぐ、それにより同時に話せるし同時に聞きとる事も。

また音質もいいし声のみを霊子に変換するので雑音などの音は変換されないのでうるさい場所でも使える……!

 

 

雑音を拾わないインカムの完成だ。まぁ形はワイヤレスイヤホン。

落ちないように固定もできるようになってる。

 

また、付けてる隊士が殺されたり奪われたりしてインカムが敵の手に渡ってもそいつは使えない。

何故なら事前に使用者の霊力を記録しておいてその記録した霊力を持つものしか使えないようになっているからだ。

 

現代でこんなことすると馬鹿でかい装置になりそうだが、霊力や霊子という色んな性質を持つものがあるからなせる技だ。

 

 

そして試験運用として、実際に夜一さんと俺と維助で使うことに。

元々目をつけていた謀反のアジトを見つけたからそこで使おうということになったのだ。

 

 

''『あーあー。聞こえます?』''

っと耳元のインカムから喜助の声が聞こえる。

 

「よし、聞こえる」

俺はついガッツポーズしてしまう。

 

100メール離れてても聞こえる。これは成功だな……霊子の残滓(ざんし)も残ってない。さすがは喜助!

 

''『本当に耳元から声が……すこしむず痒いな』''

っと夜一さんの声も聞こえる

 

「まずは遅延確認だ。はいっ!と合図したら同時に聞こえたって言ってくれ

 

───はいっ!」

''『聞こえたぞ!』'' ''『聞こえたっス』''

 

ほぼ同時に話した瞬間に聞こえたと応答がある。

うん、遅延も無さそうだ。

完璧……ッ!!

 

それでインカムとか想像しにくい名前は良くないとのことで。

伝声神機(でんせいしんき)という名にした。

単純わかりやすい!俺が覚えやすい……!

 

伝令神機と似てる名前だけどまぁ、いいだろう!統一感あるし。

 

「さぁ、早速だけど、任務の確認だ、

謀反衆は一番隊の機密文書を盗んだ疑いがかかっている_っていうかほぼ確定。

文書の在処を吐かせるために捕縛するのが目的。

誰が情報を持ってるかも分からないから一人も逃さず1人も殺さずに捕縛する。

喜助の待機位置には大量の捕縛装置がある。

敵は全て15人。

夜一さんが喜助の待機所まで敵を追い詰め、夜一さんの合図とともに喜助が装置を起動。

喜助は人数確認!逃れた奴がいたなら夜一さんと俺がそいつを捕縛するから報告忘れずに。」

 

追い込んで合図とともに捕縛装置起動させましょうね!の簡単な任務。

大声で合図する必要も無いので悟られる確率も下がるだろう。

 

早速夜一さんが戦闘を開始し謀反衆を外に出す事に成功との報告を受ける。

 

直ぐに俺も取り逃しが出ないように動くが、そんな心配はなかったようだ、喜助の縛り紅姫で取り逃しは防がれていた。

 

そして、インカムを渡した部下に報告して引き取ってもらう。

よし…とりあえず運用試験は合格。

 

完璧___!!

 

 

ってことで伝声神機(インカム)は二番隊で大活躍。

本格的に導入の流れになった。

 

 

 

そしてその装置を伝令神機となる箱に取り付け、また虚が空間を裂いて出てくるのを感知する装置も作りそこから近くにある伝令神機に自動で通達を送るという装置を作った。

ちなみに現世で実験済み

 

「はぁ…伝令神機で報告とかできればいいんだけど…」

報告はできるがそれを取仕切る受け取り側が居ない、情報をまとめる機関とか作りたいけど…

 

「そうッスねぇ…そういう()()いつか作りたいッスね」

 

まぁしばらくは扱える奴いないから無理だろうなぁ。

 

───────────

 

そしてついに───

 

液晶も完成させた。この時代にこの世界ではまだ作られていない、ガチスマホ液晶!まぁ霊子で構成されてるしちょっと俺のいた世界とは構造異なるけど…

 

もう何年かかった?文では簡単だけどガチで色々大変だった。

 

 

現世尸魂界関わらず通信ができて。

電話もメールもできる

写真も撮れるし

虚襲来も緊急速報も通知が来る___。

 

 

──伝令神機(スマートフォン)──

 

が完成した───。

 

ちなみに見た目はバチバチiPhone12である。

液晶の半分ガラケーのキーボードが付いているver(バージョン)も作った

 

 

───────────

 

 

 

 

そして今日────

 

「よっしゃー!!!」

 

俺は四十六室の為の居住区域(きょじゅうくいき)である

清浄塔居林(せいじょうとうきょりん)から出てガッツポーズをする

 

正式に四十六室の元へ行ってプレゼンテーションし

 

伝令神機を尸魂界で使用する()()()()()

隠密機動が元は四十六室直属の組織だったこともあるだろうけど…

それに四楓院家と浦原家の名も決断の一つになったと思う。

 

四十六室が伝令神機は危険ではなくこれから尸魂界で有効的に活用できる物だと理解し気に入ってくれたのだ。

そして俺の許可無しに勝手な製造改造も禁じてもらったので──つまりは()()()()()()()

 

 

 

──そして浦原神機(うらはらしんき)という携帯の会社を立ち上げた。

会社経営系は俺は全くダメだったのでそこは喜助に丸投げしておいた。

 

夜一さんがなんと!スポンサーになってくれることになり。

つまりは、五大貴族のうちの一つ四楓院家の後ろ盾と広告塔となり信用ができる会社になった。

 

早速、喜助と俺の合同で技術を集結させて、通信をより安定させるための電波塔とそれらの通信をまとめる地下施設を作った。

 

場所は浦原家が所有している土地。

喜助の作った結界と俺がウジ虫の家で作ったあのサイバー感溢れるセキュリティで情報を盗むとか壊すとか遮断すると言ったものも出来なくした完璧なエリア。

 

─この開発から許可を得て会社を作るまでの間約5年

 

ありえないほど爆速である。

しかも機械技術者俺1人。と科学者喜助1人の計2人。

 

いやぁー短いようで長い濃い期間だった────

 

 

 

ちなみに浦原神機(うらはらしんき)って会社の命名俺な!

 

 

 

 

 


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