浦原喜助の兄に転生して夜一の許嫁にされた俺の話   作:ちーむ

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身体壊した話

 

伝令神機が浸透して1年弱

 

休みない開発、会社経営、機械のメンテナンス、隠密副司令官の仕事に、二番隊副隊長の仕事、2,4の部隊長に1~5部隊の補佐、弟子の指導に惣右介との剣を交わし、定期的に来るひよ里ちゃんの相手もして・・・・

 

最初は眠れなくなって、疲れが取れなくなった、目を閉じると目の中で眼球はグルグルと回る感覚に陥り(おちいり)目が回って、さらに耳鳴りまで___

 

 

____そう

 

 

過労で体を壊しました・・・・

 

 

 

「阿近ごめん.....」

 

「いいから、休んでください」

 

布団で横になってる俺の頭に濡れタオルを乗せる阿近。

 

ぶっ倒れた俺に気づいたのは同室に住まわせてる阿近で、阿近がいなかったらやばかったかもしれない。

 

卯ノ花隊長がわざわざ診に来てくれて、副隊長になってから5,6年休まなかった疲労が蓄積されついに身体の方が耐えられなくて悲鳴を上げたからつまりは休んどけとの診断を受けた。

 

 

しばらくのお暇をいただけることになり、こうして阿近に看病されている。

ついでに喜助も___

 

その喜助は俺が倒れたと聞くなり、部屋に来て「無理しすぎッス」って言ったかと思うと

俺が効率化のために作った機械・・・・元の時代でいうパソコンをカタカタし始めて恐らく自分の書類をやり始めやがった。

 

眩暈する_確かに少し働きすぎたかもしれない.....

ここ最近は書類の効率化とタスク管理をわかりやすくするためにPC作ったりしてますます休む暇もなかったし…

 

「なんか一瞬で体回復してすべての疲労吹き飛ばす薬とかねぇの…」

っていったら呆れたように振り向いた喜助

 

「それただの怪しい薬じゃないッスか。そんなのあっても所詮元気になったと脳を騙しただけで、身体は壊れたまま。そもそもそんな倒れるぐらいまで行くと薬を頼っても身体の機能なんてそんなすぐに回復しないッス。」

 

と言われた・・・・まぁそりゃそうだよなぁ

 

「そもそも、本質はめんどくさがりでサボリ症のくせして、死神になってから、仕事は必ずこなさなきゃいけないみたいな責任感を無駄に負いすぎたせいッス。」

 

「だってそれが責任と信用で…」

 

「はいはい、それはも何度も聞いたッスよ」

っとあしらわれる。

「あれ、俺が兄だよな…???」

 

「それに、4部隊なら砕蜂サンに任せてはどうなんスか?5,6年前は経験不足って言って断ってましたけど、彼女もう十分実力上げましたよ??」

 

「あーー・・・・すっかり忘れてた、4部隊は俺がやらなきゃみたいな感覚抜け切れてなくて」

 

「頼ることを忘れていた…と、馬鹿ッスね」

「バカはねぇだろバカは・・・・」

 

「維助さん。これお粥もらってきました」

っといつの間にかどこかに行ってたらしい阿近がお膳を持って入ってくる

 

「卵粥です。曳舟(ひきふね)隊長が、『ひよりちゃんがお世話になっているから。』__と」

 

「あぁ…あのおっぱい美人の隊長か・・・・」

 

「そんな口聞けるまで回復したならよかったです。」

 

「いつもこんなんだろ」

 

「いえ、最近の維助さんは返答が日本語じゃなかったり、いきなり笑いだしたり、花瓶をみて『美人さんだー』とか言い出したり…」

 

「何それ怖い」

「こっちのセリフですけど」

 

まじ??そんなことしてたの...こわい記憶ない

 

起こしてもらって、匙で粥を口に運ぶ

 

あーーおいし…おい…し

 

「くない…あれ?」

 

おっぱい隊長の料理は何回か食べたことあるけど、味がなかったなんてのは一度も…

 

「そりゃそうでしょう、この1年ぐらいごはん食べる時間も惜しいとか言って携帯食ばっか口にくわえて作業してましたし、身体弱って味感じないんですよ」

 

と、いわれる、阿近なんかその冷静な感じ昔の喜助っぽいな…。

 

ドロドロの味のしない米を食べてる感じですごい…うん、身体ここまで弱ってたのか

 

「物理攻撃は大丈夫だったんだけど、中身がだめになってたか……疲労が物理的に攻撃してくれれば耐えれたのに…内側となると…」

 

「浦原さんあれは…?」

「あのたまにアホな事言うのは兄サンの通常運転ッス」

 

「おいこら、そこ聞こえてるぞ!でもこれでも書類は減ったんだよ、そのパソコン作ったおかげで…それに休ませてもらうって言っても期限近い物とかあるし…ちょっとやんなきゃ」

 

「大丈夫ッスよ〜代わりにやってるんで」

っとニッコリな喜助、どうやら俺のパソコンでやってたのは喜助の書類ではなく俺がやるはずだった書類やらをこなしてくれてたらしい。

 

ガガガっと、印刷される紙を見て流石喜助…っと感謝しながら粥を食べ終えて俺は横になった。

 

 

 

 

 

──────────

 

「休息って大切なんだなって…」

 

「はぁ…?」っと俺のセリフに首を傾げる阿近。

 

俺はなんと1週間ほどで復帰出来た。

卯ノ花隊長からも無理せぬ程度に…と、実質復帰許可も貰えた。

 

あれから溜まりに溜まった書類を、休息前だったらふらついたり目眩したりとかで時間かかってた書類もあっという間にぱぱっと片付けることが出来た。

正常なからだって…いいな…!うん!

 

それから、わざわざ刑軍の仕事を停止させてまで2部隊と4部隊の代理部隊長を1週間務めてくれた砕蜂にお礼しに行った

 

「元気になられて何よりです!倒れたと聞いてどれだけ心配したことか…」

っとすこし泣かれてしまった。

 

「ご、ごめんな?これからは適度に休憩するから…な?それに2部隊と4部隊ありがと」

 

っと頭を撫でる

 

「あの…この砕蜂に是非4部隊をお任せしては貰えませんでしょうか…私はあの頃の維助様に守られるだけの女ではございません!ここ5年ほど任務失敗率も0ですし…その…」

っと言って俯く。

 

「たしかに、砕蜂の働きはとてもいい。ただ刑軍である1部隊に務めるのはお前の夢みたいなものだろ?それなのに4部隊を兼任するとなると刑軍の活動も疎かになってしまうし」

 

「いいえ!それは大丈夫です!仕事にも慣れましたし夜一様にも許可を得ております!!」

 

なるほど、そう来たか…先に夜一さんに許可を得てくるとは…

 

「はぁ…よし、分かった。無理そうだったら何時でも言ってくれて構わないからな?今度引き継ぎの書類を渡す。今日より4部隊の部隊長を砕蜂に任命する」

 

 

「っー!ありがとうございます!」

っと花のような笑顔になった砕蜂。

 

そういうことで俺の仕事も少し減った。

 

_____________

 

「よ、夜一さん??」

 

執務室でずっとしょんぼりしている夜一さん

 

「お主を無理させてしまった…本当にすまぬ...」

 

「なんで夜一さんがあやまるのさ?夜一さんは夜一さんの仕事をちゃんとやってたから俺が困ることもなかったよ?俺が体壊したのは自分の限界を知らないで不摂生な生活してたせいだから。」

 

まさかここまで夜一さんが落ち込むとは…悪いことしたなぁ

 

「で、でも夜一さんとのお出かけで結構体が休まってたよ?気分転換にもなったし、夜一さんが仕事ちゃんと終わらせて、ちゃんと俺との約束をずっと守っていてくれたから…な?」

 

上手いこと言えない自分を恨む…けれど

 

「ま、まぁ儂もお主がいないと仕事がまともにできないからの…その…元気になってよかったぞ維助」

 

とようやく笑顔を見せてくれた

 

「今日も早く仕事終わったら甘味処いこうか」

 

「うむ!今日は三色団子の気分じゃ!さぁ早く終わらせるぞ維助!!」

 

 

_____________

 

日付が変わるか変わらないかぐらいの夜遅く

 

「わり、惣右介身体壊しちゃってさー」

 

「あぁ、何となく分かってたよ」

 

ここ数ヶ月全然剣を交わしてなかった惣右介と久しぶりに流魂街のいつもの場所に来ていた。

 

「わかってたんだ」

 

「あぁ、だから誘わなかった」

 

「へぇ?身体壊してる時に挑んだら勝てたんじゃない?」

 

「……それは本当の勝利では無いからね。それで勝てても嬉しくないさ」

っと、惣右介は惣右介なりに心配してくれた…?のかな。本音かどうかは知らないし俺の勝手な解釈

 

「でもまぁ、もう完全復活、倦怠感もないし睡眠もちゃんと取った。さぁ1週間休んだリハビリに手伝ってくれよ?」

 

「いいだろう」

っとお互いに剣を構える。

 

 

いつも通りお互いボロボロになるまで戦うのかと思ったら、一戦してスっと刀を鞘に納めた惣右介

 

「??もう終わりなのか?用事?」

 

「いいや、また身体を壊したら意味ないだろう?リハビリならこのぐらいで十分さ」

 

と、まだやってたいけど、まぁそれもそうかと俺も鞘に納めた

 

ちなみに惣右介の鏡花水月(斬魄刀)だけど、始解を見たものの五感を支配する完全催眠。

俺はあんまうろ覚えで正確じゃないかなって思ってたけど、あってた

あってたっていうのは惣右介自身から斬魄刀の能力を開示してきたのだ。

 

他の人には言うなって言われた。

俺に催眠かけてくるかと思ったけど、そんなことはなく、始解は一度も見た事が無い。

 

本気で最近惣右介の考えていることがわからないときがある・・・・・

多分試されているのだろうって感じはする。

 

まぁ俺はガチ友人と思ってるから、せっかく秘密教えてくれたのに、それをバラすような真似しないけどな。

 

 

なんて考えていると口角を上げた惣右介

 

「そういえば君に会わせたい子がいてね」

 

「へぇ惣右介が?珍しい」

 

「君にはどう見えるか見てほしいんだ」

 

「え、師匠てきな?俺無理だから、また体壊すよ??」

っと言うと首を横に振る

よかったこれ以上弟子増えるのは勘弁だったし。

 

「面白い子でね...面白い君と顔合わせさせてみようかと」

 

「へぇ…」

面白い君って何だよ…

 

「でも惣右介がそこまで言うのは珍しいし、顔合わせぐらいなら__

一応忘れたらごめんだけどその子の名前は?」

 

 

 

()()名は__」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──市丸ギン──

 


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