浦原喜助の兄に転生して夜一の許嫁にされた俺の話   作:ちーむ

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剣の天才と京楽隊長がきた話

喜助side

 

 

「君、君が浦原くん?」

 

「はい?」

授業終わりに突然呼ばれ後ろを振り向く喜助

 

声をかけてきたのは三度笠(さんどがさ)を被り女物の羽織を羽織った___

 

「あっ、無礼をお許しください。()()()()

なぜこんな所になんてそんな疑問は口にする前に謝罪が出た。

 

「いやいや、いいんだよ、君が浦原維助くんかな?」

あぁ、兄に用だったのか。

それにしてもなにか兄サンなにかやらかしてしまったのかと、冷や汗が出る

 

「ボクは浦原喜助。維助の弟です」

 

「そうかそうか、弟くんか、ごめんね〜じゃぁ維助くんどこにいるか分かる?ちょっと用があってさ」

 

「あぁ、兄ならすぐ……「おーい喜助、教本わすれてるぞ」」

後ろから自分の教本片手に走ってきた兄が、隊長をみて首を傾げる

頼むから粗相はしないでくれと心の中で願うが。

「あ?んだあんた」

 

っという開口一言目にて無礼なセリフを吐いた兄に膝から崩れ落ちそうになるがグッとこらえ、兄の耳を引っ張り

 

「京楽隊長っスよ維助兄サン。兄サンに用があるとかで……流石に無礼はやばいんで……ね?」

っと察しさせると、面倒くさそうに頭をかく

 

「あー、京楽隊長?俺になんか御用でしょうか」

っと渋々っていうようなあからさまな態度で、

隊長も苦笑いをこぼす。

 

「ごめんね急に、講師が噂する千年に一度の剣の天才って聞いてさ。見に来たんだよ」

 

「はぁ……千年に一度……?」

っと首を傾げる兄。

 

兄は自覚は無いが刀を握って5年かそこらで引退した元死神の家庭教師や、現役で戦場を走り回る死神ですら舌を巻くほどの剣の天才。

1000年に1度は大袈裟に言い過ぎだろうが、天才であることには間違いなかった。

 

 

「まぁ次の講義斬術の講義なんで、隊長さんもきたらどうでしょ。」

っとスタスタと歩き出す。

 

それにしても今日は兄の機嫌があまり良くないようだ。

態度に出やすく、イライラしている時の癖なんかも出ている。

きっと昨日あたりメカの不調で寝れてないとかそんな感じだろうな。

これはボクがフォローするしかないようだ

 

「すみません、兄の無礼をボクが代わりに謝罪します」

 

すると、首を横に振る隊長

 

「いやいや、いいんだよ。ああいう子が意外と上に立つもんさ」

っと、色々意味が含まれるであろう言葉を零して兄と後を追う京楽隊長に続く

 

_________

 

京楽side

 

「こりゃなかなか、金の卵……だねぇ、どうも」

 

斬魄刀を使った実践のような講義。

初めて刀を振るうもの、そうでないものも斬魄刀の使い方、そして刀を振るう覚悟や意味を学ぶ場で、彼は特殊だった

 

僕の何十分の1しか生きてない彼は。現役で隊長をしている僕ですら

 

 

___刀身が見えない抜刀術を披露した

 

いつ抜いたのかも分からない。

気づいた時には刀が鞘に収まる音が響き、

巻藁を綺麗にスッパリと切って見せた。

 

 

「君、維助君。是非卒業したら僕の隊にこない?」

 

そう汗ひとつ流してない彼に話しかける

 

「貴方の……京楽隊長の隊にですか?」

 

「そうそう、君なら卒業してすぐに席が貰えるほどの実力あるし。どうかな?」

 

「いえ。すみません御遠慮します」

そうまっすぐと目を向けて断った彼に驚く。

 

「えぇ、先約があるとか?」

 

「まぁ、家柄上、四楓院家との絡みとかそんなんで二番隊に入る予定なんです。」

 

途中で説明めんどくさくなったなこの子、っと感じて笑いそうになる。

 

「四楓院家か〜四大貴族様が絡んでくるなら仕方ない。

でも他の隊に移ることだってできるから僕は諦めないよ?

ぜひ今度手合わせも願いたいものだし、また遊びに来るよ」

 

_____________

 

ニコリと笑って去ってった隊長。

なんだったんだ、本当に見に来ただけなんだなっと感じた。

 

「兄サン」

 

そう背後から聞こえて、振り向かなくてもわかる。

喜助の声。それは怒りが含まれていて

 

「あーえっと〜」っと、言い訳を考えながら振り向く

 

「兄サンいいっスか??自由なのはボクも一緒なんで文句は言わないんスけど、態度!態度をちゃんとしましょ??夜一サンとか京楽隊長みたいに心広い人だからまだ良かったものの!!」

っと肩を揺さぶられながら喜助の小言が始まる。

 

ヘラりとしてるのは喜助も一緒なのに。何が違うというのだ。

 

「わーったわーった気おつけマース!」

 

「そこ!!浦原兄弟!!講義はまだ終わってないぞ!!」

 

っと講師から怒号が聞こえてくる

 

「ほらみた、怒られてやんのー」

 

「それは維助兄サンもっス」

 

喜助の成長は早い。まるでスポンジのようで俺が教えたことをきちんと理解し噛み砕きそ咀嚼して自分のものとしている。

 

上段の構えは様になっている。

俺は感覚でやってるのであまり真似はしないで欲しくはなかったんだけど、喜助は喜助なりに自分に合った型をみつけたらしい。

 

さすが俺の弟!!!

 

まぁしかし___俺には勝てない

 

バシッっと音を立て斬魄刀が壁に突き刺さる

おれが喜助の斬魄刀を飛ばした

 

「はい、俺の勝ち〜峰打ちじゃなかったら腕チョンパだぞ喜助」

 

俺が喜助の小手を払ったら斬魄刀が喜助の手から離れすっぽ抜けたんだ

 

「痛いんスけど」

っと赤くなった手をさする喜助。

 

「ごめーん」

っと軽く謝ればジトーっと見られた。許せ喜助。

 

抜刀術は実践向きで、本気で弟を斬る訳には行かないので抜刀以外の技も身につけているのだが、なかなか楽しい。

っというより、俺は力でゴリ推してる感じだ。上段から打ち付ければ力に負けて相手の体制が必ず崩れるし。床もヒビが入る。

 

いやー楽しい。愉快愉快。

 

「機嫌治ったんスね」

「機嫌?俺はいつも機嫌いいよ」

 

「んなわけないでしょ、さっきまで不機嫌でイライラしてたじゃないっスか。」

「えぇーまぁ少しイライラしてたかも……??でも不機嫌ってほどでは〜」

 

「似たようなもんス。」っと両断

 

 

「いやぁ……実は自動で清掃してくれるメカ作ってたんだけど。動くし指定の場所まで捨てたりとかちゃんとできるんだけど。誤作動すごくてさぁ〜たまに俺の首根っこ掴んでゴミ箱に捨てようとすんだよね」

 

「それ機械に遠回しにゴミって言われてません?」

「しっっっつれいだな、喜助!そんなわけないだろ。それと、霊力なくても使えるようにしたいんだけどなぁ」

 

「なんでっスか?動力は霊力でしょう?それなければ動かないじゃないっスか」

 

「だって、めんどくさいじゃんいちいち霊力込めるの。」

 

「えぇ……?」っと困惑した様子

 

「めんどくさいのを更にめんどくさい工程を得て「楽」を手に入れる!そうだとは思わない?喜助!」

 

「ま、まぁ言わんとしてることはわかるんスけど……はぁ、まぁいいっス、動力どうこうは置いといて、とりあえず誤作動を何とかしましょ、ボクも原因見てみますから」

 

っと喜助。

喜助は機械類の事は詳しい、ちゃんと配線や電気……っても代わりに電力化した霊力だけど、その性質も理解している。

なのになんで喜助が機械作らないのかって言うと、技術がないからだ。

 

筆の使い方、絵の具を混ぜてどの色が作れるかはわかる。

けどそれだけで画家のように綺麗な神秘的な絵が描けるか?

答えは否だ。

それと一緒で機械も作るには技術力って物がいる。

だから喜助は俺に頼んでるんだ。

 

逆に俺は薬品とかだいたい分かるけどそれを作る技術がない。

なんか混ぜると煙立つし、こぼすし、もう触るなと言われたことがある。

 

 

その後喜助と一緒に機械を見直したら、

俺自身がゴミとしてaiプログラムに何故か認識されてたのが原因だった。

なんでや。

 

 

_____________

別の日。

 

「え?明日?」

 

「そうなの、お願い〜明日出かけない?」

 

っと教室に入ろうとしたら女の子に引き止められた。

誰だったかなこの子。見たことあるけど〜

いつ遊んだかも何したのかも覚えてない。もちろん名前も。

 

「明日か〜うーん」

 

「何か予定ある……?」

俺は日付をまたぐ遊ぶ約束が苦手だ。忘れるから

だから直近とか数時間前とかにして欲しい。

 

「明日分かんないんだよね〜今日は無理なの?」

 

「今日はぁ〜床屋に行くからだめなの。」

っと腕にすり寄ってくる。うん。おっぱいでかい

 

廊下で荷物もって俺の事を待ってる喜助から冷たい目が飛んでくる。

 

「維助君は短いのと長いのどっちが好き?」

「えっ、でかいのかな」

 

「え?」

お胸のことを考えてたせいで、そのまま出てきてしまったがすぐに修正する。

 

「いやなんでも、うーん長い方かな。短いのも似合ってたら好きで嫌いってわけじゃないんだけど、長い髪が揺れるとあー可愛いなぁ綺麗だな〜って思うことが多いんだよね」

 

「えぇ!そうなの?あー床屋別の日だったかも〜今日遊ばない?どう?」

 

「今日〜もちろんいーよ〜今日なら空いてる空いてる。買い物する?呑みに行く?」

 

「買い物して〜呑みに行きたいなぁ」

 

「わかった〜じゃぁ酉の刻(18時)ぐらいに寮の前きて、まってるね」

 

「うん!楽しみ〜」

そう言って離れてった女の子。あー胸離れちゃった

 

 

「なにデレデレしてるんスか」

っと荷物を押し付けてきた喜助

 

「ごめーんごめん。いや〜胸デカイなぁって。」

「あの子知り合いっスか?」

 

「いや、見たことあるけど名前も何も知らないけど」

「はぁ……そのうち刺されても知らないっスよ」

 

 

 

 

 

 

「なにが、胸デカイじゃって?」

 

っと背後から聞こえた声に。ゲッっと声が漏れる

 

「あー、いやー……夜一さんの胸がでかいなぁ……って」

 

「この助平が!!」「鼻が痛いっ!!」

振り向いた瞬間。

顔面に蹴りが飛んできた、踵が鼻に……痛い……!!

 

「鼻血、床が汚れるんで」っと手拭いを渡してくる喜助。

ちょっと、床の心配しないで俺の心配しろや。

 

「ふん、」

っと仁王立ちしてふんぞりがえった夜一さん

最近、性とか胸とかそういうのに理解が出てきて。

恥ずかしい事とか分かるようになってきたらしい。いや遅いって……

 

 

「その、さっきのおなごと出かけるのか……?」

っと鼻血が落ち着いて立ち上がった俺にそう言った夜一さん。

さっきと違い目は合わない

 

「え?うん、出かけよーって言われたし。ちょうど買いたい部品あったし。」

 

「そ、そうか……約束しているなら仕方あるまい。の、のぅ今度儂とも出かけぬか?」

 

「え?夜一さんと?珍しい。隠密の仕事は?」

 

「その隠密の仕事が休みになった時に遊ばぬかということじゃ!何度も言わせるな!」っと怒る。

いや何度も言ってないけど……

 

「うーん、そうだな、休みになった日に言ってくれればいいよ、俺日を跨ぐと忘れちゃうからさ。」

 

「!!本当か!ならばよい!儂とも出かけよう」

 

「にしても久しぶりだなぁ!3()()()出かけるの、入学後以来か?」

「えっ」

っと横から喜助の声が聞こえた。

 

何故か夜一は俺の隣の喜助をギロッっと睨んでおり。

喜助はぶんぶんぶんっと青い顔をしながら首を振っていた。

 

「え?ふたり喧嘩でもしてんの?仲良くしようよ〜。ほらその日俺奢るし。楽しみだなぁ!3人だと楽しくて仕方なんだよ俺。あ、その日写真取りに行こうぜ!写真、ほら記録残したいし」

 

っと言うと、喜助が手で顔を覆ってため息を吐いた

 

「ま、まぁ……お主がそこまで楽しみにしているなら仕方あるまい」

 

「おう!写真撮ろうな」


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