浦原喜助の兄に転生して夜一の許嫁にされた俺の話   作:ちーむ

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魂魄に何かを埋め込まれた話

いきなり呼ばれたと思ったら隊首室の大改造するから手伝えとの事で喜助に朝から呼ばれて配線や喜助の荷物を運び込んだ。

 

「いやぁ、助かりましたぁ〜」

っと嬉しそうに笑う喜助。

 

余程正式に研究ができることが嬉しいんだろうな…

 

俺は浦原神機として技術開発局の依頼を受けて機械を作る役を担う(になう)ことになった。

 

それはいいんだけど────

 

「えぇ?ウジ虫の(いえ)*1の連中を隊士として受け入れる…??」

 

「えぇ、前々からもったいないなぁ〜って思ってたんス」

 

喜助が抜けた今、俺が3部隊長代理となっているので喜助が担当者である俺に頼み込んできたのだ。

 

「何考えてるんだか…思想行動が危険視された連中だぞ?」

 

「大丈夫ッス、ボクが全て責任を取ります」

 

「……わかった、除隊から復帰の手続きはしておく」

 

死神として復帰した中には───

 

「化粧お化けも?」

 

「相変わらず失礼な奴だヨ、浦原維助」

その中には化粧お化けこと涅マユリもいて──

配布された伝令神機を見て製作者を聞くなり顔に青筋を立て

「こんなもの使わないヨ」

って壁にぶん投げたはいいものの跳ね返って鼻血を出していた。

 

なるほど…伝令神機を武器として使う手も____。

ちなみに伝令神機は擦り傷は出来たものの割れてもないし壊れてもない。

 

そうして形になって行った技術開発局。

前々から欲しかった問合せ所なんかも作ってくれて、現世の死神が困ったら伝令神機に問い合わせを送ることで技術開発局に通達が行くようになった。

特殊な虚の研究、曳舟元隊長からの論文を元にした義魂丸の開発、新たな物質の発見など様々な研究をしている。

 

毎日帰ってくる阿近が楽しそうに研究の話をしてくれた。

阿近ももうすぐ卒業、卒業したら入隊は12番隊になるだろう、そうしたら俺の部屋ともおさらば…あぁ、弟離れと子離れ…また寂しくなるなぁ…

 

そしてもう1つ変わった事が

 

「おめでとう!一心!!大出世じゃねーか!」

「いやぁはは、師範のおかげですよ」

 

あの二番弟子の一心が10番隊副隊長に昇進した、まだ隊長ではないけど代理として10番隊を仕切ることになった一心。

始解の能力でゴリ推してた頃とは違いちゃんと筋肉も着いて喜助から学んだ鬼道や俺から学んだデコピンと剣術で──実力で副隊長にまで這い上がった。良くぞここまで…!!

 

そんな感動してる中女の子の声が聞こえた。

「ちょっと志波副隊長!こんな所にいた!」

 

「おぉ、乱菊」

 

トタトタと走ってきた子供…?いや死覇装来てるから死神だな

子供なのに胸がデカイな!将来が楽しみだ…なんて変なこと考えてると俺と目が合う

 

「この人は…?あっ、副官章!す、すみません」

っと俺の腕の副官章をみて頭を下げる

 

「この人は俺の師範で浦原維助。伝令神機を作った人だ」

 

「えっ、これをですか?」 っと懐から取り出す伝令神機。

 

「浦原維助、二番隊副隊長だ。もし伝令神機で改善して欲しい点とかあったら検討するから教えてくれな。」

 

「いやいや、すごく便利ですよこれ!写真撮れるし…隊に設置された印刷機…?ってので写真を印刷して書類に貼れて…!全然満足してます!!」

っとキラキラした目で見つめる

 

「乱菊は今年に入った新人なんですよ、たまにサボるけどやる時はやるやつです」

 

「ちょっと副隊長!副隊長のほうがサボってるでしょう?」

 

「えぇ、俺はちゃんとやってるだろ??」

 

仲良い事で何より何より。

同じくギンも5番隊の席官として入隊したらしいし、色々変わり時って感じだなぁ…

 

そういえば___喜助と夜一さんはどうして原作で現世にいたんだろうか──。

 

現世配属…?いや…ないな、なんでだ…?

そういえばなんか砕蜂と夜一さんが戦ってたような…

 

あぁ…もっと漫画ちゃんと読んどけばなぁ…。

そもそもゲームでは確か…涅が羽織を着てたような…。

いや、気のせい…?エプロンと見間違えた?

うーん…こんなんなるならちゃんとメモでも取っておくんだったな。

 

_________

 

そんな喜助が隊長になって早2年。

早いものだ、阿近も飛び級して死神になり正式に12番隊隊士になり

ひよ里ちゃんもなんだかんだ12番隊として喜助の元で働いていて___。

 

ある日また喜助が相談に来た。

 

「は?()()()()()()()()()()()()()()その被検体になれって?」

 

「はいっス、やっぱ実験しないと」

 

「おい、だからって俺を被検体にしていいと思ってんのか。なにを埋め込むんだよ?」

 

「……それは内緒ッス!大丈夫ッスよ〜多分死なないんで」

 

「多分!?死ぬ可能性あるって事かよ…!虚で試せよ」

 

「いやぁ、もう試したんスけど、死神にも試してみようかと」

「自分でやれよ自分で」

 

「嫌ッス!怖いじゃないッスか〜死んだらどーすんスか」

無理無理っと扇子を扇ぐ喜助

「てめぇ、俺はいいってことか!?埋め込むものを言わねぇとヤダね」

 

「……()()()()()()()()()()()()()()使()()道具ッス!」

 

「…はぁ?」

喜助が良くわかんないことを言うのはいつもの事だけど、今日は更によくわからない。

 

「つまり、ちょっと()()()()()を作っちゃいまして、そのヤバい物のあらゆる想定をした中で必要になる道具を埋め込ませて頂きたいなーって」

 

「…………はぁ、いつもやばいもの作ってる喜助が、自分からやばいものって言うなんて…相当だな。まぁ分かった、いいぞ」

って言った瞬間に()()()()()が走った。

──俺の身体の中心には穴が空いていて、喜助が手を突っ込んでいた。

 

「成功ッスねー」なんて、言って手を抜く喜助

 

「いきなりやるか!?!?普通!!!」

 

「いやぁ、だって心の準備してもやること一緒なんスから早い方がいいかなーって」

「野郎…っ」

 

マジで喜助…兄ちゃんの扱い酷すぎないか…?

「ちょっとまて、これ取れるのか?」

 

「え?取れないっスよ?」

 

「はぁ!?」

取れないって…何か変なのが俺の中に残ったまま!?

 

「いやぁ!言ったじゃないッスか!埋め込む実験だって!埋め込んで摘出する実験だなんて言ってないじゃないですか〜」

 

「てめぇ…!最初からそのつもりだったな!?」

 

痛みはもう何も無いし、何も感じない…本当に埋め込まれたのかって感じだけど…。

 

 

「そう、()()()()()()()()()使()()()()()()…そうならないといいんスけどねぇ」

 

何を埋め込んだかは喜助のみぞ知る

*1
維助のウジ虫の巣の呼び方


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