魂魄消失事件の始まりの話
腕の布の位置を調節することによって霊圧の制御が細かくできるようになった。幸い、変な生物の歯音はしない……してたら外してたかも。
細かくできるようになったおかげで制御ギリギリを保ち身体が慣れての繰り返して少しずつ制御できる霊圧が増えて行った。
霊圧硬化も更に硬くなり惣右介に全力で斬ってもらったんだが薄皮が少し斬れる程度にまで硬くなる事が出来るようになった。
「腕を落としたつもりだったけど」って言われたのは少し怖かったな。
ガチの目だったぞあいつ。
そしてバカ重い両腕30キロ以上にまで増えてた制御装置の重さは数gにまで軽くなったおかげで、抜刀の速さも戻ったし動きも軽くなった……
うん、阿近すごいな!!
惣右介に聞いたところ平子隊長はあれからずっと落ち込んでるらしい。相当仲良かったんだな……
実はどこかで生きていたなんて希望を持たされて、死体を操ってましたーなんてカミングアウトされたらそりゃ落ち込むよね。
「───惣右介、何用?」
「……あの時の''恩''返してもらおう」
ある日惣右介に呼び出されたと思ったらそう言われた。
恩を返せ……?そうだそういえば。
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『それで、なんで俺に教えてくれたの?』
『………恩を売っても損は無いからね』
『そっかそっかぁ!友達を助けたかったのか!ありがとうな惣右介』
『聞いていたかい???』
『ありがとう!この恩は絶対返すよ!』
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七々扇家の時に恩を返すって言ったな……そういえば
「なに?俺に何をして欲しいんだ」
「これから先起きるであろう
「なにか起こすって?」
「……」
ニッコリと笑う惣右介。
「前も言ったけど俺はお前が何しようとしてるのかは無理に聞かない。けれど、夜一さんと喜助に何かしてみろ、お前とは絶交。つまり敵になるからな」
「それは約束するよ、あの二人には何もしないさ、他の二番隊にも手をださない」
「…………わかった、首は突っ込まない、これでチャラだからな」
「あぁ、助かるよ」
俺はチラッと茂みに視線を移し、踵を返した___
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「ええんですの藍染副隊長、あの人邪魔してきそうやけど」
「……大丈夫さこっちがあの二人に手を出さなければ邪魔はしてこない。」
「言い切るんです?随分信用しとるんですね」
茂みに隠れてたギンが藍染に話しかける。
おそらく維助は気づいて居ただろうが
「罪をでっち上げて牢に入れといた方が安全なんちゃいます?」
「そうだね、浦原維助の動きを止める事など造作もない。けれどそれじゃ僕が後々困るんだ、彼は今回の実験に首を突っ込まないでいてくれればそれでいい。それに僕は彼がこの先どのような歴史を作るのか楽しみでね。敵に回したくはない」
「…………」
ギンは不思議でたまらない、確かに伝令神機や記憶置換装置、虚の予測出現警報等、多大なる功績を上げる伝説になるであろう死神。
剣術においても負けたという話は聞いたこともない。
最初は仲間なのかと思ったらそうでも無い、実験内容も知らないようだし、何を待っているのか何を期待してるのか、ギンにはそれが分からなかった。
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「魂魄……?なんだって?」
「魂魄消失じゃ、
っと夜一さんが現世から取り寄せたアイスティーをグルグルと回す。
「服のみ……」
本来死んで消えたのなら服ごと霊子となるのが普通。
服だけを残してどこかに消えた……?
「それで二番隊の俺の2部隊が警戒にあたれと、分かりました。各地配置につかせておきます」
各地配置につかせて書類をまとめてると。
スマホが揺れて通知が来た事を知らせる。
《よろしくね》
っと猫かぶりモードの惣右介の笑顔が脳内に浮かぶ。
あぁ、この消失事件……惣右介の仕業か。
これにあまり首を突っ込むなってことね……。はいはい
全く本当に何をしようとしてるんだか……
その時俺は軽く考えてた、惣右介が変なこと企んでるのはいつもの事で結界の機械を貸せだの、死神の記憶を一定時間消して欲しいだの。
またそんな感じで何かやろうとしてるのか……って。
ただ、これが俺の人生、
この時はまだ思っていなかった