将来の夢___
小学生中学高校と、そんな目標や将来の夢なんか書かされた事がある人が大半であろう。
俺は小学の頃は低学年で《サッカー選手になりたい。》から
中学で《金持ちになりたい》
高校《赤点回避出来ればなんでもいい。ニート希望。》
専門では自分の学んでる系に携われる専門系の会社に行きたいな、なんて目標や将来の自分が見えてきた頃だった。
そして今世もそう言った時期になって来たようだ。
今回このまま死なずに院を卒業すれば死神となる訳だが。
「維助君は死神を目指すんだろう?」
「まぁ……はい、そうですね」
何か紙に書いている講師。
いわゆる面談だ、鬼道衆を目指すか死神を目指すか、その他か。
確定では無いけど生徒の進路を確認しておきたい。みたいな感じだろうか。
「君はやる気ないけど、それでも優秀だからね。どこの隊に入っても何しても上手くいくと思うよ。」
なんて笑う。
その後困った事や相談しにくいことなんかも聞かれたけど特になしと、言って相談室から出る。
「あれ喜助、待ってたの?別に待ってなくていいのに」
生徒が沢山いるので、同時進行で喜助も別の部屋で行われていたんだが、先に終わったら先に帰ってていいって言ってたのに部屋の前には喜助がいた。
「ボク、鬼道衆もどうかと言われたんス。」
突然そう言った喜助。とりあえず帰りながら話そうとゆっくり足を進める。
「それで?なんて返したの?」
「鬼道衆には鉄斎サンもいるし上手くやれるとは思うんスけど。ボクは死神になりたい」
「へぇ、まぁいいんじゃない?何でも」
「なんでも……って少しは相談乗ってくれても」
「それ相談だったの?死神になりたいならなればいいじゃん鬼道は死神も使えるじゃん。」
「いやそうなんスけど…… 。」
何かしっくり来てないような喜助。
「まどろっこしー。何に悩んでんの?」
「兄サンは剣を極め、現段階でこの院内で右に出る生徒・講師はいないっスよね」
「え、まぁ……そりゃ全員と戦ってみないとわかんないけど」
「かっこいいと思ったんス。1つの事を極めて全てを圧倒する力……ボクは兄サンにはきっと一生剣は勝てないでしょう。ボクも兄サンのようになるなら鬼道を極めた鬼道衆に__なんて。考えたんスけど」
喜助の話をきくと、それは俺に相談と言うより、自分自身の中で整理している口調のようにも聞こえた。
きっと喜助の中でどうしようか迷っているのだろうな。
「でも俺、オールマイティな死神怖いよ。刀も上手く扱えて鬼道も使える死神。俺そっちの方がかっこいいな、何気に戦闘中鬼道飛んでくんのめんどいし」
っと思った事を言うと。
しばらくして考え込んでたように俯いていたが、ふと顔を上げる。
グラグラしてた喜助の中でハッキリ進路が決まったようだ。
「うん、そうっスね。うん……ボク死神目指します。死神になって維助兄サンを支える……いや抜かします。」
「おっ、言うじゃん喜助〜!」
肩を組んでワシワシと片手でその頭を撫でると、重いっスって言われた。酷いなぁ
「ねぇ、喜助、喜助は将来の夢ある?」
「はい?死神……って答えは求めてないんスよね。将来の夢……ねぇ」
「そうそう、死神になったとしてその先の話だよ。例えば総隊長を超える強さを手に入れるだとか。世界を変える伝説になりたいだとか」
「そういう兄サンは?」
「俺?おれは__尸魂界で伝説になるよ。
二番煎じじゃない、俺だけの俺にしか作れない機械を作って、あの伝説の浦原維助ですか!!なんて知らない人はいないぐらいに有名になってキャッキャウフフされたい」
「なんスか、最後の方もうただの願望じゃないっスか」
「いいんだよ、願望でそれが将来の夢だろ?たとえ実現しようのないものでもいい。こうありたいという思いを残すって大切だと思うんだよね」
「ボクは……そうっスねぇ……好きな事を好きなだけ研究できる研究者になりたいっス。未知の物を全て知り尽くしソレを扱えるぐらいの」
「おっ、いいねぇ!そうでなきゃ。
兄が尸魂界で一番の剣の達人で機械技術士!
弟が鬼道、剣、なんでも出来るオールマイティの科学者!
いいじゃん、俺ら兄弟最強だな」
少しスッキリしたような喜助の顔。
実際口に出したこと以外にも悩みはあったんだろうな。
喜助に悩みなんてあるのかなんて失礼な事を考えてたが流石に口には出さなかった。
「あ、喜助明日休みじゃん?なにか予定ある?まぁ無いと思うんだけどさ。明日斬魄刀と対話しよ。」
「えぇ?なんスかそんな人を暇人みたいに」
「実際暇だろ」っと言うと黙ってしまった。
「はぁ……まぁいいっスけどなんで急に?」
「いや、ほらかっこよくない?それに俺らと夜一さん来週3回生に混じって特別に現世の魂葬の授業混じれる事になったろ?
その時に始解できてた方がもし何かあった時とか……ね?」
「兄サン、説明面倒くさくなって途中で投げ出す癖なんとかしてくんないっスか?まぁ……そうっスね、兄サンがそこまでやる気になってるなら付き合ってあげてもいいっス」
そう、来週講師に呼ばれて優秀な3人だし早く卒業させてあげたいから、特別に3回生が現世に行く授業でお前らも混じって行ってこいと。
経験をより積ませてあげたいという講師の思いの元、現世行きが決まっていた。
現世は瀞霊廷と違って、虚がバンバンでると聞いてるし。
念には念を、俺の剣で倒せない虚もいるかもしれない。
始解出来ていた方が身の安全も守れるというものだ。
あとかっこいいし
______________
結果から言うと、喜助が先に始解出来てしまった。
「なんでだよぉおおお!!!!」
「お先に〜」っと、ヘラリと笑う喜助。
「にしてもかっけー。」
喜助は刀から出る血の様なものを自在にあやつる斬魄刀のようだ。実際よくわかんないけど多分そう?
喜助は喜助で嬉しそうにしてる。
俺も負けてられないな……って思って意気込むものの
もうその日を迎えた
「はぁ……結局始解出来ないまま魂葬の講義に入った……」
「ずっと言っておるの」
っと隣の夜一さんがやれやれとでも言いたそうに見てくる
夜一さんもなんだかんだ始解出来てるからいいよなぁ、斬魄刀使ってないけど。
対話上手くいってるはずなんだけどなぁ。
俺の斬魄刀なんかプンプンしてて名前教えてくれないんだよね。
「おーい、一回生こちらへ。」
っと六回生によばれ、俺ら3人は並び、三回生と向き合う形になる
「こちら、一回生の優秀な生徒で今回は特例で参加することになった。お前らも先輩だし、もしこの子らが困ってたりしたら色々指南してあげてくれ」
っと言って、魂葬の講義が始まる
「むっず……」
魂葬自体は簡単柄尻の部分を死者の額に押し付けるだけなんだが
「ギャァァァ!!!!」
っと
「力入れすぎなんスよ……」
っと言われるがそんなに入れてるつもりは無い。
「地獄の茹釜に溺れてるような声じゃったの」
「どんな声……?」
喜助や夜一さんは案外直ぐに出来ていて、六回生もウンウンって頷くぐらいだが、俺は上手くいかない。
そーっと……そーっとってやってると時間かかるし。それでも少しは痛がってしまう。
「はぁ……」
溜息を吐いていると……
「「「!!」」」俺らは同じ方向を見る
重い重い霊圧……
空間を割くようにして出てきたのは__
虚__
でかいものを想像していたが案外小さい……?それでも俺の数倍はあるけど。
でもなんだ、この押しつぶされるような霊圧は。これ本当にただの虚?
「う、うそだろ!!なんで
っと六回生が霊圧に耐えれず尻もちを着いた。
「アジューカス?」
「ギリアンより知能も戦闘力も数倍強いやつっスよ、でも数も少なく……こんな所に現れるなんて___」
刀を構えた喜助が俺の疑問に答える。
「えっ」
あれか?ギリアンってバカでかいやつだろ?それの数倍強い……?
すると、その虚は男の六回生の方を見てくるニヤリと笑った瞬間___
______赤い鮮血が舞った。
「ヒィ!!」
っと悲鳴をあげるもう1人の女六回生。
男の六回生は、ふらりと、その場に倒れて地面が赤く染まっていく。
早い、強い。しかも無駄な動きもない。これが中級?
門を開いてる暇もないだろう。このままじゃ……
「喜助、夜一さん。俺の後ろにいて。」
「じゃが!!」
「前に出ちゃダメだ、あの六回生みただろ。俺の間合いにいてくれれば大丈夫。早かったけど反応できない速さじゃない。多分きっと恐らく!」
怖い。命の危機が迫ってる。
あんなにギャーギャーしてたのに突然こんなんになったら怖いに決まってる。
そして、こちらを見て笑った中級が接近し長く鋭い爪が振り下ろされる
キィンッ_____
っと甲高い音と共に火花が散る。
斬魄刀に重い爪が金切りの音を出しながら乗りかかる。
獣のような形をしてる虚はニヤリと笑った。
「私の爪を止めるとは……ふはは、美味しそうな匂いにつられてきたがお前か。」
こいつ話せるのかよ!!!っと突っ込みたいが、そんな暇無い
「匂い?俺そんないい匂いしてるかね」
「あぁ、美味そうな匂いだ。」
受け答えもしっかりしてる。中級ってのはこんなんばっかなのか?
喜助は夜一さんを守るように固まってくれてて助かる。
弟に、夜一さんに大切な人達は必ず守る
俺に倒せるのかなんて考えるな。
やるんだよ。それしか道はないだろう?
「俺は浦原維助!!弟を守り親友を守る俺の名を覚えて死んでけ!」
「ははは、死神でもないやつが何を」
”私の名を……呼んで讖句ァォ”
声が聞こえる。俺の斬魄刀から……おれの精神世界から
名は聞こえない。まるでノイズまみれのラジオのように。
一撃一撃が重く、俺じゃなかったら潰れてるぞ!!
高速で近寄るそいつの爪を抜刀術で腕ごと切り落とす
直ぐにもう片方の手で薙ぎ払うようにして横からくる虚の腕を斬魄刀で止めるが。
受け止めきれず俺の肩に大きな爪が深く刺さってしまった。
「威勢がいいだけか?」
本当に知能が高いし、腕を切り落とされても断末魔すらあげない。
なんなら面白そうに笑ってる
「兄サン!!」「維助!!」
大丈夫。ここで俺が諦めたら!!ここで俺が倒れたら!!
2人はどうなる。2人は__!
「離しやがれくそ野郎」
斬魄刀で爪を上に弾きその手を蹴り付けると大きく地面を削りながら壁に激突した虚。土煙が当たりを包む
むりに弾いたせいで爪が肩を抉る形になり、さらに痛い。馬鹿か俺は。
俺の斬魄刀。応えてくれ__2人を守らなくてはならないんだ
ふと、見えないはずなのに、精神世界で女の笑った顔が思い浮かんだ
”その意思が、その強い思いがあれぼ聞き取れるはず___
私の名は___”
その瞬間、急接近してきた虚と俺の間に。
霊圧が固まって
「なにっ__?」
弾かれてすぐ威力は出せまい。
その隙を逃すな俺、震えるな俺!!!!
よく、死に際や戦闘中スローモーションに見えるだなんてよく言ったものだけど。
それが俺に起きた。
ゆっくりにみえる、確実に確実にその頭を狙え_!
肉を斬る感触、音が耳と手に伝わった次の瞬間には___
____虚の首が飛んでいた
塵になって消えた虚。
かった……?倒した?死んだ?
刀が戻りソレを鞘に収め、バクバクと鳴る心臓を収める
「兄サン!!!」
「維助〜!!無事か!」
っと聞こえたと同時に。
後ろからものすごい衝撃が走り俺は地面に強く顎を打ち付けた
「いっっ___!!!てめぇら!何しやがる!俺重症!怪我人!!」
2人が俺に抱きつくようにしてタックルしてきたんだ。
夜一さんは涙を流して、喜助も泣きそうになっていた。
「無事でよかったぞ……維助……!!」
「今顎の方が痛てぇよ……。離れろ離れろ。重いって、あーよしよし泣くなって」
無理やり起き上がって喜助と夜一さんの頭をポンポンっと撫でる。
「ないておらん……」っと強がる夜一さん
その場から逃げ出したい恐怖だっただろう。
2人ともまだ少し震えている。
俺を信じていてきちんと間合いにいてくれた。
安心したのか……肩から血を流しすぎたのか。
俺の記憶はそこで途切れている__
「あら、起きましたか?」
「はぁ。」
次に見た景色は、黒髪の美人。
見たことあるってことは多分原作の人……?
「ここは四番隊。重症だったので運ばれてきたんですよ。覚えていますか?」
優しい物言いと顔だけど、ふわふわしてる訳ではないなんかオーラがある。
怒ったら怖そうだななんて呑気だった。
顎__???