「白哉坊ちゃんもついに隊長かぁ…!」
五番隊副隊長市丸ギンと、六番隊副隊長白哉坊ちゃんが隊長に就任した。
ギンは三番隊、坊ちゃんは引退した祖父を継いで六番隊に
「大きくなったなぁ白哉坊ちゃん」
っと袖で目を覆い泣いたふりをすると
「はは、相変わらず弟子愛がすごいね維助君。」
っと笑う惣右介。
今は式典帰りなのだ。
「ギンも出世早いよなぁもう隊長か、大きくなりやがって!」
っと脇を肘でつつく
「あいたぁ…なにするんですかぁ浦原隊長。にしても白哉坊ちゃんって可愛い名前やなぁ」
「……師匠」
「ごめんって」
低い声で白哉が威圧してくる。だーぁってもう定着しちゃったんだもん。
「とにかくおめでとう、ギン、白哉坊ちy…白哉」
いやぁ…時が経つのって早いもんだ。
__________
あれからまた時がたった。
霊力が全然ないやつでも扱えるようになる斬魄刀もどきを作れるのでは…?っと思って今試作品を何個か作っている。
「あの…俺も忙しんですけど」
っと頭を搔く阿近
「いーじゃん、いーじゃん休憩だろ?少し手伝えよ」
「休憩の意味…」
っと呟く阿近に刀を渡す
「斬魄刀…じゃないですね。普通の刀…?」
「そう、日本刀すこし改造したやつな。中は機械がはいってる、柄のスイッチ押してみろ」
っと言うとカチッっと音がして刀に霊子が集まり始める
段々と青白くなっていく刀
「霊力を吸収する鉱石と、精霊邸の建物みたいに霊子を分散させずに維持する力を参考にした機械を合わせて、刀に霊子を集結させ流し纏わせる。これで体内の霊力を使って戦う死神じゃなくても雑魚虚ぐらいは斬れるようになるはずだ。ちゃんと魂葬できるかも実験済み!斬魄刀は魂魄を循環させる装置みたいな感じじゃん?柄の魂葬印の原理を少しパクって虚の罪を洗い流して魂葬できるようにしたんだ」
俺の技術様々だなぁ!
「…これ、
「アレって?」
しばらくブゥンっと刀を振るっていた阿近が俺の方を向いた
「大気中の霊子を集めて戦う__それはまるで「阿近なにしているんだネ!サボってないで285番の容器を取ってきたまえ!!」」
っと涅の大きな声が研究室内から聞こえてきた。
「はぁ、休憩が…じゃ俺はこれで。」
っとフラフラと去っていった阿近。
うーん。ただこれは対死神に対しては魂魄が霊圧に耐えれないとかいう問題とかあるからそういうのは向いてない。
使えても流魂街の住人が自分の身を守る為に…って所かな。まだ改良必要な所もあるし。
「ただ、問題なのが大気中だけじゃなくて建物の霊子も吸い取るから建物が崩れるんだよなぁ」
ボロボロになった塀を撫でる。
使いすぎると大気中だけじゃなく壁の霊子まで削り集まり始めるのだ。
なんか成分とかあんのかな…?大気中限定に絞るにはそういうのを調べないといけない。だか成分とかそういうのは俺わかんないし…
「よし、こういう時は喜助だよな」
_______
”『兄サン…なんでそんなもん作ったんスか…』”
説明を静かに聞いていた喜助がため息を吐く。
「え?なんかおかしい?」
”『いや…おかしくはないんスけど…いや。やっぱりおかしいッス』”
「えぇ?そうかなぁ、刀に霊子を集めて流すだろ?それで密に耐えきれなくなった霊子がギチギチとひしめき合い振動するだろ?その振動部分に触れるとスパッ!っと斬れるわけだよ、斬魄刀より耐久度の劣るただの刀でも__」
”『いやそういう原理とかの話じゃなくて…大気中の霊子を集める機械を作ったんスか?』”
「だからそうだって、集めて刀の周りに流してるの。虚もスパーンよスパーン!」
”『……それ滅却師じゃないッスか?』”
「え?滅却師?あぁ…そういえば、似てるな__でも違うだろ細かく操れる訳じゃないし、飛ばせる訳じゃないし…あっ飛ばせたらいいなぁ…確かに!うんうん。霊子を斬撃として飛ばせたらかっこいいよな。ありがとう喜助!」
”『いやアドバイスした訳じゃないんスけど?』”
滅却師__ねぇ?
「斬撃として飛ばせるようにしても、魂葬ができるかわかんないんだよなぁ…。刀自体に斬魄刀と似たものをつけてるから、それと離れてしまった斬撃は…うーん…均衡が崩れるよなぁ…。
そしたら弓も似た感じか…やっぱ仕様書きちんと作ってから取り掛かればよかったなぁ」
”『はぁ…こりゃしばらく話聞かないッスね』”
ってかこれ色とか変えたらかっこよくない?
眩しいし…明かりになるなこれ。明かりとしても応用可能。でも触れるだけで怪我する。だめだな、うん。
ただ、この機械をちゃんとしたものにすれば色々と応用できる気がするんだよなぁ…。力ない死神でも使えば簡単に切り刻めるようになるわけだしそういう力を利用して__とか。まぁとりあえず仕様書作るか
この霊刀が数十年後活躍するとは__思いもよらなかった。
______________
「へえ、流魂街の天才児?」
「そうなんです!!私がスカウトしたんですけど〜これが生意気で生意気で!」
美味しい茶菓子があると言うのでお邪魔している俺。
そういえば乱菊もあんなに幼かったのに大きくなったなぁ今ではちゃんと女性だ。
「乱菊、お前流魂街にサボりに行ってたのかぁ?」
っと呆れた様子の一心。
「サボってません!たまたま!たまたまなんです!!全く!隊長と一緒にしないでください」
「おいおい、でもそれ聞いたことあるなぁ…なんでも初日に決闘を申し込んできた六回生を一瞬で倒したんだろう?」
「えぇ?そりゃすごい」
「でも生意気なんです!生意気!!ずーっとしかめっ面だし!」
こうですよ!こう!!なんて言って指を目にあててつり目にしてみせる
「そういえば師範、講師の仕事は?」
「おー、ここら辺バタバタしてたからなぁ…来週辺りにあるな。」
伝令神機のカレンダーで予定を確認する。ここら辺ちょっと霊刀とか作ろうと試作してたりして忙しいから断ってたんだよなぁ
すると両手を合わせて笑った乱菊
「あっ!じゃあーその時にその生意気なガキ紹介してあげますよ!!」
「おっ!面白そうだなぁ俺も見に行く」
っと乗り気の一心
「うーん、まぁ俺も気になるし……んでお前らその日の仕事は?」
っと言うと2人して視線を逸らした
おいこら…
本人に霊力が全然なくても虚を切れる機械を作ろうとしたのが始まり。
流魂街の住人が自分で身を守れるようになればいいな…って考え始めた。
大気中の霊子を収束させ刀に流し纏わせる。集まりすぎることにより霊子と霊子がひしめき合い大渋滞を起こす。その振動は少し触れるだけでもものが切り刻める、というより削り取る武器となる。
魂葬問題に1番時間がかかったが何とかなった。
ただ集めすぎると壁の霊子まで削ってしまうので試行錯誤中。
対死神用としてはあまり向いていない。