フラフラと砕蜂を連れて歩いていると
嫌な奴とすれ違う。
視線を逸らしてなるべく目を合わせないようにするが──
ブゥンっと風を切り裂く音と共に
俺は砕蜂の首元にある刀を素手で抑える
たらりっと砕蜂が冷や汗を流すのが見えた。
「へっ、俺の刀を素手で抑えるか、そうじゃねぇとなぁ?」
「…なんのつもりだ更木剣八。俺の部下に手を出すなんざ。その命いらないって?」
「こうでもしねぇとてめぇは俺と戦わねぇだろ」
「そこまで落ちたか?してもしなくてもお前とは
更木剣八。俺と会うやいなやいきなり刀を振り回してきたイカれたやつ
会う度に刀を抜いてくるし予定とか全部パーになるから嫌いなんだこいつ。
「いいか?次俺の部下になにかしてみろ。お前じゃねぇお前の部下を殺してやるからな」
こいつは脳筋に見えてそうでもない、きちんと部下思いだし
こういった脅しは効く
「チッ」っと大きな舌打ちをした更木は刀を鞘に収めた。
「てめぇ尸魂界一の剣術使いなんだろ、戦えよ。減るもんじゃねぇしいいだろうが」
「てめぇと違って忙しいんだよばぁーか」
「なっ、隊長に何言ってやがんだ!それとも何か?俺らの隊長に負けるからって「やめとけ」」
ハゲが俺に掴みかかろうとしたとこをハゲの襟首を掴んだ更木
「それ以上行くと
俺が刀に手を添えていたことに気づいていたらしい。
「はっ、隊長。そんな噂どうせこいつが作ったホラですよ。霊圧全然感じないし雑魚じゃないっすか。雑魚」
「よーくみろ、てめぇあの腕についてんの見えねぇのか」
「……」
ハゲは俺の腕__手首を凝視する。
「あれ隊長の…」
「はっ、俺のやつはこいつの霊圧制御装置を改善して作ったやつなんだよ、そう技術開発局のやつが言ってたの覚えてねぇのか」
「…チッ」
「もういいか?俺忙しんだ」
っと踵を返そうとすると俺の前に立ち塞がる。
「そうはいかねぇ、今日こそ斬り合ってもらうぜ」
「はぁ…」
また話が振り出しに戻る。だから嫌なんだこいつ…
「砕蜂わるい、先に行って説明してきてくれねぇか」
「ですが維助様!このような者共は無視してよろしいかと…!」っと砕蜂は砕蜂で熱くなっている
「大丈夫大丈夫、いやこいつらどこまでも着いてくるから…たのむわ」
「…」砕蜂はハゲをギロッっと睨むと瞬歩で先に行った。
「いいか?前忘れたのか。お前が一方的に暴れて始末書騒ぎになっただろ?てめぇ学ばねぇのか」
「始末書がなんだってんだ、戦えるなら何枚でも書いてやるよ」
「はぁぁぁ…」ここまで話が通じないやつだとはと俺は顔を手で覆う。
「俺は正当な許可ってのはそれなりの価値と訳があると思うんだよ」
「はぁ?んだよいきなり」
「つまり、正当に総隊長に隊長同士の決闘許可を得てきたらいいって言ってんだ。許可を得てちゃんとした場所を用意してくるんだったら斬り合ってやるよ。話はそれからだ」
どうせ無理だろ、なんて思って俺はそのまま立ち去る__だが
「はっ…?えっ、総隊長…いまなんと?」
俺は呼ばれて一番隊へそしたら、総隊長がそう俺に言った
「許可すると言ったのじゃ。更木剣八及び浦原維助の隊首決闘を許可する」
「まてまてまて!総隊長!そりゃないって!普通断るだろ!この前の暴れよう覚えてねぇのか?一番隊ボロッボロになったろ!?俺がどれだけ神経すり減らしてあいつを避けてたと思ってんだ!?」
「無論。被害を出したら相応の処罰をする」
「んな無茶な!!何を考えているんですか総隊長…!」
「大丈夫じゃ、勝ったからと言って剣八になる訳でもない。負けても地位を剥奪することも無い」
「そういう問題じゃないって!はぁぁぁ…」
っと俺が項垂れてるとポンッと俺の肩に手を置く京楽隊長。
「楽しみにしてるよ〜。大丈夫大丈夫、院生の時に僕の斬魄刀切り落としたんだから。戦闘不能にすればいいんだよ?維助君なら大丈夫さ、被害を出さずに終わらせてきなさい」
「京楽隊長…あんた楽しんでねぇ?」
「いいやぁ?」
そう言った京楽隊長だが笑っている。
「はぁ…」
____________
「いいか?更木剣八。勝ち負けはしっかり決めよう。ルールを決めるんだ分かったか?」
「てめぇ、その話何度目だ」
もう3回ぐらいかな?
俺と更木剣八は瀞霊廷端にあるバカ広い荒野で向かい合っている。
少し離れた崖上には数十人の隊士。何故か隊長も混じってる
惣右介とギンは暇なんか???
そして何故か卯ノ花隊長と京楽隊長、浮竹隊長まで。
「斬り合ってやるからには条件がある。許可は得てきちゃったからそれはまぁいい。お前は戦いを楽しむだろ?俺はそうでも無い!だから俺にメリットがないわけだ」
「あ?あぁ…」
「だから、もし俺が勝ったら1年間の十一番隊の予算の半分を二番隊が貰い受ける」
そう言った瞬間十一番隊のやつらからヤジが飛んでくる。
「あぁ、いいぜ、いくらでもくれてやる」
「隊長!!!」
っとハゲが叫ぶ
「うるせぇぞ、勝てばいいんだろ」
「ふっ、みんな聞いたよな?後でやっぱ無理とかはなしだからな」
「あぁ、二言はねぇよ」
「よし、じゃールールだが決着がつかないことが一番問題だ。時間は今日の
「はっ、いいぜそれでとっとと始めようぜ!!」
俺の部下が開始の花火を上げる。
その瞬間__迷いもなく更木が急接近し俺に向かって刀を振り下ろす。
容赦ないなこいつ。瀕死ってわかってんのか。普通のやつなら今ので真っ二つだぞ。
「チッ」
俺が半分刀身を抜いた状態でそれを止めたからか舌打ちをする更木。
「さっさと終わらせねぇと明日に響くんでね!仕事が!!」
また斬りかかってくる更木。
だが俺は1歩足を下げ身をかがめ___
確かに更木の腹部を切り裂く…
だが、鮮血が舞うだけで更木は倒れない。
「およ、胴体を切り離したはずだったけど…一歩後ろに避けたな」
「はっ……やるじゃねぇか。何が瀕死だ?」
「その言葉そのまま返すぜ」
__________
「あの子ら決闘って分かってるのかねぇ。浮竹」
「はぁ、京楽なんで止めなかったんだ。総隊長に話を通したのお前だろう?」
崖の上で斬り合う彼らを見守る観戦者達
「だぁーってずっと見たかったんだもん。更木剣八と浦原維助の決闘を…ねぇ?卯ノ花隊長」
「はて、どうして私に振るのでしょうか。私は怪我人が出る事には賛成しておりませんよ」
「まぁ
含むような言い方に苦笑いをうかべる浮竹。
「にしても、維助君もなんだかんだ楽しんでるね。ほら薄ら笑いうかべてるよ」
「あの子はいつもああじゃないか?それにしても…ここにまで霊圧のぶつかる振動が響いてくるとは…」
剣を交わす度に、音と霊圧同士がぶつかり合うその余波が崖上まで響いていた。
耐えきれずに十一番隊隊士の何人かが泡を吹き倒れてるのが見える。
「にしても、維助君は全然傷が見当たらないな」
「霊圧硬化ってやつかね。霊圧の押し合いもそうだけど、彼は漏れ出る霊圧を自身に纏い鎧のように固めている、不意打ちでもない限りそうそう怪我しないよ。ここ数十年で更に硬度も上がってるらしいしね」
「おいおい、それじゃぁ更木剣八は維助君を切れないってことか?」
「そうだね。
指を指す京楽、その瞬間ふらりと更木剣八が地面に倒れた。
腹部が開いた状態で動き回っていたのだ、貧血になってもおかしくは無い。なんなら重症である。
それを狙ってやったと京楽は確信していた
「卯ノ花隊長〜!!」っと維助が手を振る
「院の時から思っていましたが、彼は面白い方ですね」
そう言って駆け寄る卯ノ花隊長をみて京楽は地面に座る
「計算高いというか、なんというか。彼は昔から怖いねぇどうも、そうは思わないかい?惣右介くん」
じっと決闘を見ていた惣右介に話をふる京楽
「はは、そうですね。十一番隊の牽制にもなり、予算も手に入る。はは彼は怖いより、面白いと僕は思いますけどね。」
ぺこりと頭を下げて踵を返す藍染とギン。
「どうも、これでまた維助君の
笠を深くかぶり立ち上がる京楽
十一番隊が崖から降りて駆け寄るのを横目にその場を去った__