「うはは、本当に予算が上乗せされてる」
俺は、
「維助様!あのような者共無視すれば宜しかったのに…!」
っと、怒ってる砕蜂に振り返る
「無視しても着いてくんだって、あいつがいつの間にか隊長になってた頃から絡まれてただろ?避け続けてるって言っても限度があった、そろそろ何とかしないとな〜とは思ってたんだけど。まさか総隊長が決闘を許可するなんてなぁ〜まぁ俺は金が手に入ってうはうはだし」
「それでも維助様「失礼します!!」何用だ」
隊首室に現れた部下。
「はい、二番隊隊舎の門の前で十一番隊の隊士が暴れていまして…浦原維助をだせ!と…」
「はぁ…何用かねぇ…更木剣八はまだ卯ノ花隊長のとこで療養中&監視で出れないはずだし…俺は用ないんだけど」
「私が行ってきましょうか」
「いや、いいよ。俺が行く」
俺は適当に羽織を肩にかけて立ち上がる。
全く、
門の方に行くとギャーギャーと騒ぐ声が聞こえる
「いいからだせ!浦原維助をよオォォ!!」
「なりません。勝手に入らないでください」
っと冷静な俺の部下の声。
この声__
「あぁ、やっぱりハゲか。」
「…あ”?」
ビキッと、血管が切れる音が聞こえそうなほど青筋を立てた顔がこちらに向けられる。
暴れてるのはハゲで、俺の部下に抑えられ、その後ろにはオカッパ黒髪頭が
「君は?」
「僕は綾瀬川弓親は第五席。うちの一角がどうしてもって言うからついてきたのさ」
「ふぅーん…とりあえず落ち着きなよ。なに?仇討ち?」
部下が手を離すと、俺の方を真っ直ぐみるハゲ
「ちげぇよ、そういうんはうちの隊長が望むことでもねぇし。男同士の正当な決闘だ、文句言うつもりもねぇ」
へぇ、意外だ。よくも隊長を!!みたいな感じで襲ってくると思ったんだけど。
すると、バッっと頭を下げたハゲに驚く
「見た目と霊圧で判断して雑魚なんて言ってすんませんした浦原隊長。それを謝りに来たんだ。実際あんたは講師をしてる時から知ってて強い事も分かってた。分かってたのにうちの隊長よりは弱い、俺より弱いだなんて勝手に想像してたんだ。だから、あの決闘を見て実感した、実力も隠してた霊圧も何一つ敵わねぇって。」
顔を上げたハゲ、なんというか真っ直ぐと言うか…
俺ですら忘れてたのにこいつは気にしてたらしい。
「いーよいーよ、別に。案外真面目だねぇ〜君」
しばらく軽く話して帰って行った2人。
十一番隊は更木がいたから徹底的に避けてたけど、案外ちゃんとしてるんだな。
──────────
「卒業おめでとう!いやぁ嬉しいよ」
「ありがとうございます!先生!!」
この度桃達の学年が卒業式を迎えた。
「いやぁ…俺入隊試験落ちるかも…」っと不安そうにしてた恋次も、2次試験そして最終まで無事に合格してちゃんと卒業できた。
特に特進学級の中でも、特に桃、恋次、イヅルは放課後も勉強教えてとか、鍛錬をとやる気満々だったので俺も気にかけていたのだ。
うんうん、おめでとう!
「入隊は3人とも惣右介の所だっけ?」
「はい!私はずっと憧れてて…!浦原先生の所も迷ったんですけど…!」
「いーんだよ気を使うなって」
って頭を撫でると本当ですよ!って笑う桃。
「俺は隠密かっけーって思ってたんスけど。二番隊は倍率高すぎて落ちちゃいました。」
って頬をかく恋次。
「まぁ、教え子だからって
「…それに阿散井くんは隠密には向いていないと思う」っと呟くイヅルに、なんだと!っとキレる恋次。
「まぁまぁ、異動もできるからねぇ。とりあえず惣右介の所でもまれてきなさいな」
それにしても惣右介が直々に生徒を隊に引き入れるなんて、珍しい事もあるもんだ。ここ数年で初めてじゃないか?
────────
「ルキアは十三番隊の浮竹隊長の所だっけ?」
「はい、浦原先生。」
朽木家の養子となったルキア。
ここ数年気にかけてはいたけど、クラスの友人関係や周りの視線が少し痛かったようだ。
まぁ俺は貴族生まれ貴族育ちってのもあるから慣れてるもんだけど、ルキアからしたら周りの目が冷たくなってることに敏感で対応の差なんかも違和感を感じるだろうな。
流魂街出身の自分ならこういう対応をされただろうか…なんて。
ルキアの頭を撫でると首を傾げる
「まぁ、大丈夫さ俺は話したことないけど、十三番隊副隊長はいいやつだって聞くし」
弟と一心からだけどな。
「浮竹隊長も優しくていい人だから安心しな」
「はい…」
「どう、白哉坊ちゃんはお前の兄をやれてるか?」
「えぇ、このような私を気にかけてくださいます」
「そうか、ならいいんだけど。白哉坊ちゃん口下手な所あるからさぁ〜」
「誰が口下手か、師匠」
っと後ろから声が聞こえた。
「やべ」
そこには白哉坊ちゃんが冷たい目をして立っていた
「あれほど坊ちゃん呼びは__」
「わかった!わかったってごめん!」
小言が始まる前に手を合わせて謝ると小さくため息を吐かれた
「そ、そういえば浦原先生。あの十一番隊と決闘をしたと耳にしたのですが、お怪我はないのですか?」
空気を変えようとしたルキアの話題。
「んでそんな情報入ったんだ…、ないよ怪我なんて」
なんで卒業生のルキアにそんな話入ったんだ?まじで疑問なんだが
「それは、兄様が…」
「えっ、お前見に来てなかったのに?」
俺はついつい白哉坊ちゃんを見てしまう
「見に行く必要はあるまい。勝敗は既に決まっているようなものだった、師匠が負けるはずなどないのだから」
っとキッパリ言い放つ白哉坊ちゃん。
「はぁ、信頼というかプレッシャーというか…まぁいいや。怪我もなしで普通に勝てたよ。予算の半分もゲットしたし」
予算…?っと首を傾げたルキア。まぁ汚い話だから黙っておこ
その後入隊式も終えて無事に教え子達は護廷十三隊入りを果たした。
「こうして話すのも久しぶりだな惣右介。」
「いつもギンがついてまわっていたからね」
「そういうギンは?」
「あの子はもう隊長だ、僕にいつも付いて回る事など出来はしないさ」
っとお猪口を傾ける惣右介。
久しぶりに俺の
もちろん盗聴防止の機械は取り付け済み。
「なぁ惣右介、なんであの3人をお前
「やっぱりそこに突っかってくると思ったよ」
「いや、まぁ別に反対してる訳でもないけどただただ疑問」
「
「ふぅーん」
「おや、怒ると思ったんだが」と、こちらを見る惣右介。
惣右介がなにか企んでるのは知ってるし、それに巻き込まれようとしてる桃達だと、察しはついたけど。
「もうあの子らは卒業して生徒じゃない。もう立派な死神__一人前さ、俺が首を突っ込むことじゃない。自分の身は自分で守らなきゃな」
「へぇ、1人前だった浦原喜助と四楓院夜一を気にかけていた君は他の人には冷たいんだね」
「それはそれ、これはこれ。弟と親友を思うのは当然だろう?もちろん桃達の心配を全くしてないわけじゃないさ。惣右介が何をしようとしてるのか知らんけど、桃達はもう俺が気遣う必要は無くなったってだけ。死神になる生徒をいちいち気にかけてたら俺がもたん」
「やはり君は君だったな、心の底では他人なんてどうでもいいだなんて考えているんだろう?」
「俺をなんだと思ってんだ…そんなことねぇよ、ちゃんと部下は思ってるし。ただ優先順位があるだけだ」
俺をそんな冷血なやつだと思わないで欲しいんだが?
「ふっ…まぁいいさ、君には頼みたいことがあってね」
「なに?またモニター作れって?あれも
スっ__っと惣右介の目が細められた
「大気中の霊子を収束させ__刀に纏う」
「まて…それは…」
嘘だろ?これは阿近と喜助しか__。
「実に面白いものを作る。君の作った
「嘘だろ__」