浦原喜助の兄に転生して夜一の許嫁にされた俺の話   作:ちーむ

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頭を抱えた話

 

俺は自室に入るなり頭を抱えた

 

「惣右介ぇえ…」

 

あいつ、本当俺の卍解といい霊刀といい…!どっからその情報を手に入れてんだ!

マジでストーカーじゃないかって疑うわ…

 

_________

少し遡り__

 

 

「いやいや、霊刀はあれはまだ実験段階で__」

 

「あぁ、完成したらでいい。完成までの費用はこちらが持とう。」

 

「いや、でもあれ相当危険だし__」

 

()()()()()()()()()()()()()()作っておいて、何を今更…?それに今も破壊しようとせずに試作品を作り続けているじゃないか」

 

「はぁ…」

図星をつかれて俺は机に伏せった

 

「死神にも有効打になるあの刀。欲しい輩が多いだろう?それに作った表向きの理由として流魂街の住民に__「まて!なんでそれを知ってる?」」

 

そこまで知ってるなんて流石に__っと思ったところでハッとして顔を上げる。

 

もしかして___

 

「お前!大霊書回廊(だいれいしょかいろう)にはいったな!?」

 

「ご名答。尸魂界の全ての事象・情報が強制集積される地下議事堂。君の試作品から完成品までの制作資料全て見させてもらったよ、実に興味深い」

 

俺は深くため息を吐く。

俺の資料に書いた流魂街の住民の為にって書いた企画資料も読んだわけね。だから理由も、霊刀のことも詳しく知ってた…と。

マジでバレたらやばいのによくやるわ…

 

 

「恐ろしい技術だ、本当に__。君の考えた設計図を元に作ってみたんだが失敗ばかりで成功品はひとつも作ることが出来なかった。」

 

「ふっ、そりゃ絵の書き方の本をみたって芸術家のように描けないのと一緒で設計図があっても技術がない。」

 

「そうだね、だから僕は君の技術をかっている。君のその創造欲を満たすために僕が手伝ってあげよう。」

 

__で、何も言えなくなり冒頭に戻る。

 

いやその通りなんだよなぁ…企画書作って見たけど、どう考えても四十六室共が喜ぶようなものじゃないし…。

それはもうとっくの昔から思ってたけど、俺は作ってみたい完成させたいという気持ちでいっぱいだった…それを惣右介に見抜かれたんだ。

 

作る__か。いやでも流石に危険なものを…直接人に被害をもたらすものを惣右介に渡すのはちょっと__。

今まではスプーンとかメガネとかモニターとかだったからまだ日用品じゃん??(表向きは)

 

武器はなぁァ…

 

とりあえず保留にするとは言ってきたはいいものの…。

よし、作ってから考えよう。…一応こちらで制御できるように設定するか…。

 

__________

 

また数年が経った

 

「入隊おめでとうー!冬獅郎!」

 

「…ありがとうございます、浦原先…浦原隊長」

 

っと身長はあまり伸びていない冬獅郎の頭を撫で回す。

ブスッとしながら俺の手を払う冬獅郎。

いやはや、あっという間に卒業してきやがった。

 

俺の予想通り始解をすぐに習得し、なんと最近は卍解を習得したというのだ。才能だなぁ…

冬獅郎は俺が講義に来ると違う学年の担当だったとしてもどこからかその話を聞き付けて待ち伏せして毎回のように稽古を頼んできた。

やる気があって大変よろしい!

 

そうしてその実力があるから10番隊の席官として入隊する事になった。

 

「おー!冬獅郎!お前が来てくれて嬉しいぜぇ」

っと冬獅郎を高い高いする一心。

 

もちろん二番隊なら大歓迎とも言ったわけだけど、

 

「俺は隠密には向いていない」

っと言うことで断られてしまった。残念

 

桃達も惣右介のところで実力を上げて席官になっているし。

 

_________

 

「ない!ないないない…!ない!!!!」

 

「い、維助様?」

俺は部屋中を漁りまくり部屋はぐちゃぐちゃに。

 

俺の声を聞いてか砕蜂が駆けつけてきた。

 

「こ、ここに置いた刀知らないか?なんか、青い柄の…」

 

「青い柄…いいえ存じておりません」

っと首を横に振る

 

たしかに一昨日までここの壁に立てかけてあって__

隊首室を勝手に入る奴はいないはず。砕蜂も嘘つくようなやつじゃないし…。

 

しかも霊刀だけ…?

そう…一昨日脱走者の捕縛任務で離れてて。今日戻ってきたら…無くなっていたのだ。

 

すると砕蜂が口を開いた

「あの…昨夜維助様どうして突然戻ってらしたのですか??」

 

「えっ?」

その言葉に振り向く。いや昨日は_

 

「昨日()()()()()()()すぐに出ていってしまったので、なにか任務でのお忘れ物ならこの砕蜂に任せてくだされば宜しかったのに」

 

昨日戻ってきてなどいない…。まさか…まさか!

 

「ちょっとごめんな砕蜂!」

俺は誰にも聞こえないであろう場所に向かい電話をかける

 

プルルルル

 

プルルルル

 

”『はい、なにかな維助君』”

 

っと優しい声__だが

 

「てめぇ…惣右介俺の霊刀取ったろ」

 

”『さて、分からないな…僕にそんなこと言われても…どこかになくしたんじゃないのかい?』”

 

「てめぇしらばっくれるのか?はぁ…お前。斬魄刀の能力使って俺に見せ掛けただろ?わざと俺に分かるようなやり方しやがって…」

 

”『ふっ。仕方ないさ、君は僕にくれる気はないのだろう?それは僕が悪用し、その道具が君のものだと分かったら()()()()()()()()』”

 

「…だから盗んであげたって?」

 

”『ふふ、そうしてくれば君は動きやすい。盗まれたのだから仕方ない…ってね。』”

 

「…」

”『大丈夫さ、少し性能を確認したら返してあげよう』”

 

そう言って電話が切られた。

 

はァァァ…

 

 


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