紫流という子供の話
───身長152cm
生を受けて約17年。死神ではまだまだ成長途中の子供。
名は___
2年という速さで院を卒業し六番隊に入隊
「なぁ、お師匠さん。うちのとーちゃんをアッ!!っと言わせるような物ねぇの?ほらヘビとかびっくり箱とか」
「子供か」
っと突っ込むと違ぇ!っとムキになる紫流
白哉坊ちゃんと緋真ちゃんの実の息子である。
それはそれは大変だった、緋真ちゃんは身体が弱いためもしかしたら__っとやばい状況にもなったが何とか無事に産まれてくれた紫流。
すくすく育ちルキアも甥っ子が出来たと喜んでいた。
そんな紫流は反抗期真っ盛り、白哉坊ちゃんに反抗しまくりで他の隊士にも反抗しまくってる。
「あと、お前の師匠じゃねぇのにお師匠さん呼びすんな、浦原隊長だろ?」
「いーんだよお師匠さんはお師匠さんで。昔からそう聞いてたからなんか浦原ってしっくり来ねぇんだよ」
「なんだよその理屈…あっほら迎えに来たぞ」
「ったく、紫流てめぇ朽木隊長を困らせんな。」
やってきたのは恋次で、俺が内緒でメールを送っておいた。
恋次は紫流の世話係みたいな感じで口下手の坊ちゃんの代わりに心の内を通訳したり、暴れる紫流を止めたりとかまぁ…苦労してるみたい。
「うるせぇ恋次!いいか!俺は次期隊長だぞ!紫流様と呼べ!」
「誰が呼ぶか。いいか死神になって席官になったらもう貴族とか関係ねぇ、上は上なんだよ敬語を使え敬語を!!特に先生になんつー口聞いてんだ!」
ポカっ!っと頭を叩く恋次
「 いっってぇえええ!何すんだよ!あっおい!離せ!!ばーか!」
「クソガキ!!髪引っ張んな!」
米担ぎした恋次と暴れる紫流。
「ばいばーい」
「世話になりました。先生」
一礼して去っていく恋次。
まぁ反抗期過ぎるのは白哉坊ちゃんの口下手が原因なのかも。
白哉坊ちゃんは隊長&当主として忙しくあまり紫流に構ってあげてなかったらしい。
「父ちゃんは、俺が入隊しても早く卒業しても当たり前だって言うように褒めてくんねぇんだ。『そうか』の一言だぜ?俺いつか見返してやる」
っと言っていた紫流。
まぁ人の家庭にズカズカと土足で入り込む訳にも行かないから見守るしかないんだけど、白哉坊ちゃんは少し言い方考えればなぁ。
プルルルルっと電話が鳴って懐から取り出す。
ピッ
”『あっ、兄サン〜ちょっと仕入れたいものがありまして』”
「あー、なに?注文入ったの?」
通話先は俺の弟、闇商人みたいな事をし始めて弟ながらちょっとよくわかんないけど兄をこき使うあたりはさすがと言える。
”『記換神機と、伝令神機の予備バッテリー。それからソウル*キャンディと__』”
「はいはい、分かった。AIロボに送らせるわ。んで伝令神機の予備バッテリーが必要なんだ?伝令神機の充電は霊力だから要らねぇだろ。」
”『いやぁちょっと霊力回復中の死神がいましてぇ〜』”
「あー、なるほどね。分かったすぐに送らせる」
”『兄サン1つお願いが』”
「なんだよ」
”『朽木ルキア。彼女の伝令神機追尾機能を消してくれませんか?』”
「…………お前」
”『よろしくお願いしますねー』”
っと言って切られる。
霊力の無い死神……伝令神機追尾機能*1を消せだって?
何を考えてるんだ……それにルキアが……?
喜助には何か考えがあるのか。俺に訳を話さないなら止められると思ったのか……。
仕方ない、何か問題起きたら俺が対処するか
_____________
「朽木ルキアが行方不明?」
「はっ、四十六室と映像庁*2より。朽木ルキアの消息と連絡が途絶えたとの事で、伝令神機追尾の捜索依頼と隠密機動での捜索を……とのお達しが」
っと部下からの報告を受ける。
…………朽木ルキアが行方不明。
死神が補足できなくなるとは……死んだ訳では無いな死んだら死んだで映像庁が死神ひとりに動くことは無い。
急に補足できなくなったから隠密に依頼した……。
そして喜助も絡んでいる__。
霊子を含まない喜助が作った義骸。それなら補足できない理由も分かる。
喜助も喜助で説明しない時はしないで察してくれスタンスだからめんどい所あるよなぁ……。
いざ説明すると長いし。
つまり喜助はルキアに何かしたから、GPSを切ってしばらく匿えるように何とかしとけって事なんだろうな。
「軍団長閣下?」
っと部下の声で思考から現実世界に戻される
「あぁ、分かった。その件は俺がやる。指示があるまで待機するように」
……喜助。何するか知らんがあまり時間は取れないぞ
アギャァァァアギャァァァ
「ぬわァァァー!!うるせぇ!」
叫び声のような悲鳴にバッ!!っと起き上がる一護
スパンっ!!っと襖が開くとルキアが手袋のようなもので一護の魂を抜く
「一護虚だ!
黒崎一護。朽木ルキアにより死神の力を授けられた
死神代行__。
夜中の街を死神の姿で走りながら文句を垂れる
「大体!うるせぇんだよそれ!んだよその鳴き声!」
「虚感知機能だ!虚が出現する前の魄動を感じ取り事前に知らせてくれる機能だ!この機能のおかげでどれほどの死神と魂魄が助かったと思っておる!」
「ちげーよそういうん言ってんじゃねぇ!うるせえってんだ!音量!音量何とか出来ねぇのか!」
虚を倒した後馬鹿でかい刀を背中に背負う一護は一息ついた
「大体、その板どうなってんだ?」
「ふふん。凄いであろう?ほら」
ドヤッとでも効果音がつきそうな顔をしたルキアは一護にカメラを向け
パシャッ
っと写真を撮った
「すげえな、写真撮れんのか板で……ってなんか出てきたぞ?」
ウィーンっと音がしたと思えば
画面が浮き上がりそれは紙のような質感になった。
それを慣れたように捲り取り出すルキア
「ほれ、こうやって印刷ができるのだ!」
っと写真を手渡したルキア。
高画質の写真でまるで空間をそのまま切り取ったかのようで、
暗いはずなのにフラッシュも炊いていないのに明るく仕上がっていた。
「なっ……」
あまりの未来感に驚愕する一護。
一体どうなっているのか…。それに尸魂界ってのはそんなに未来感溢れる世界なのかと少し少年心がドキッと高鳴る。
「そ、尸魂界ってのはすげぇんだな……あれか?空を飛ぶ車があるのか……?」
「車……あの走っている鉄の塊か!いや…ああいう人が乗るようなものはないな。なにかふよふよした箱のようなものが空を飛んでおるぞ、偵察用無人機という名だ!」
「箱が空を……???」
?マークが頭に浮かぶ一護。
箱が空を飛ぶとは全然想像がつかない。
───翌朝、ルキアは浦原商店に来ていた
「浦原はおるか」
玄関口を勝手に開けてそう問えば
「はぁぁい、いらっしゃい朽木サン」
欠伸をしながら下駄を履く浦原喜助。
「……」
ジッっと浦原の顔を見つめるルキア
「やはり先生に似ておるな……本当に血縁じゃないのか?」
「そうッスよ〜よく間違えられるんスよねぇ〜!苗字も一緒だなんて偶然偶然」
っと言いながら箱を取り出す
「ふむ……まぁ血縁者がおるとは聞いたことが…ないな。まぁ私が聞かなかっただけかもしれぬが、あの方の血縁者がこんな貧相な場所で商売しているはずはないしな」
「はは、貧相って……その人はどんな方なんです?」
「先生はすごいお方だ、隊同士の関わりは無いが面倒を見てもらっておる。」
「へぇ、すごい人なんスね」
当然とでも言うようにふふんっと鼻を鳴らす。
「それより、注文してたものはまだか」
「はいはい、ちょうど昨日届きましたよん」
______________
また一方その頃。
「はぁぁぁ!?紫流が行方不明!?」
白哉坊ちゃんが俺のところに来て伝令神機の追跡機能を使って探して欲しいと依頼が来て。
「うーん、尸魂界内にいるけどなぁ……でも……ん?」
モニターに映し出された位置情報は段々こちらに近寄ってきていて
「隊長ー!これ紫流の伝令神機!!」
っと恋次が紫の伝令神機片手に走ってきて俺は頭を抱えた
「あいつ、置いてきやがったな……ちょっと待ってろ」
俺は直ぐに阿近に電話をかける
”『はい、阿近です』”
「隠密機動総司令官権限で、断界通行記録を今すぐ調べろ、名は朽木紫流」
”『分かりました、少々お待ちください。おい!
”『お電話変わりました、因幡です。えー。朽木紫流の断界通行記録が見つかりました。昨日の正午に通行したという記録が残っています。』”
断界の専門らしい因幡の話を聞く。
やっぱ俺の想像通り断界通ったらしい
「場所は?」
「あんのやんちゃ坊主……!!」