浦原喜助の兄に転生して夜一の許嫁にされた俺の話   作:ちーむ

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ちょっかいかけた話と紫流の話

 

「やぁ、元気そうだね」

 

呑気そうに笑うこの男

「…」

なんだ…この違和感。

霊圧が感じないだけじゃない…

気配も、現れる風すら…音すらも何も感じなかった____。

 

「う、浦原隊長…!」

 

「隊長だって…?」

この人が隊長…?

それに浦原って___。

 

「うわ、左手撃ち抜かれたの?いったそー…早く卯ノ花隊長のとこ行ってきな」

 

「で、ですが!!まだ私は!私はやれます!」

っと懇願する男。僕が撃ち抜いた手からはまだ血が溢れるように流れていく

 

スッ__と目を細めた

 

「なら戦う?」

 

「えっ。いや…その」

 

「ハッキリする」

 

「す、すみません!!四番隊行ってきます」

 

「行ってらっしゃい〜応援呼ぶとかはいいからね」

 

「は、はいい!」

這いつくばるようにしながらも逃げ失せた男…まぁいいかと思い。

隊長と呼ばれた男と向き合う

 

「随分仲間思いなんだね、死神というのは」

 

「仲間思い?違うよ邪魔だからさ。どうせあの傷じゃまともに戦えないし」

 

よいしょっと言って立ち上がった男はニコリと笑う

 

「はじめまして、俺は浦原維助。弟がお世話になったようで」

 

「おとうと…!」

っと、びっくりしたような声を上げる井上さん

 

「やはりな…」

このマイペースさといい、どこか読めない雰囲気もそっくりだ。

 

「さっ、俺は名乗ったよ」

 

「僕は石田雨竜」

 

「あ、あたしは井上織ひ…め」

 

一瞬___

 

目を離したわけでも、警戒を怠ったわけでも、瞬きすらしていないのに

───()()()()()()()()()()

 

そっかぁ〜!織姫ちゃんか〜かわいいなぁ

 

いつの間にか後ろにいたはずの井上さんの手を握って握手していた

 

「浦原さんの兄…と言っても味方には見えないが」

 

「正解。味方じゃないよ、俺はあくまで規定側旅禍は捕まえないといけない…」

 

「まずは井上さんから離れてもらおうか、それとも人質のつもりかい?」

 

「人質?なんで?人質にされるほど弱いの君」

っと井上さんの顔をのぞき込むように近寄る

 

「あ、あたしは…」

 

「君たちは朽木ルキアを助けるために来たんだよね?きっと恐らく喜助か夜一さんに鍛えられた…って感じかな」

 

「僕は違うけどね」

井上さんから離すように弓を放つとヒョイっと避けられる

 

「おいおい、織姫ちゃんに当たったらどーすんの」

 

「僕はそんなヘマをしない、井上さん。逃げるんだ」

 

「いやだよ!あたしも戦える!」

 

「でも…」

 

「そうそう、それに逃げられると思うの?俺から。」

 

「君は強そうには見えないけどね。霊圧も感じないし」

 

「そりゃそうだよ、隠してるもの、霊圧も気配も__」

 

 

 

 

───ねっ?

 

耳元で囁かれた。まただ、また…消えるように__!

 

飛廉脚で直ぐに距離をとる

 

「怖い?怖かった?わからないもの(未知)って怖いよね。そもそも俺は職業上霊圧、気配ダダ漏れはまずいんだよね」

 

「職業?死神は死神だろう」

っと僕の言葉に首を横に振って指を立てる

 

「死神は死神でも色々あるんだよ、例えば医療専門とか研究専門。人間にも色々いるだろ?警備する警察とか、開発する研究職についてるやつとか」

 

「…気配と霊圧を気づかれたらまずい…つまり暗殺とかそういう関連って事だね」

っと言うと手を叩く

 

「頭の回転早いねぇ。正解。俺は隠密機動、犯罪者の拘束や監視監督、まぁお掃除屋さん?」

 

「…分からないな、君からは敵意を感じない、捕まえようと思えばいつでも捕まえられるのに行動を起こそうとしない…時間でも稼いでいるのかい?」

 

「時間?いや別に俺はちょっかいかけに来ただけだよ」

 

「はっ?」

 

「だから、気になるものってちょっかいかけたくなるでしょ?旅禍だなんてそうそう来ないからさ、ちょっかいかけに来たの」

 

「…付き合いきれないな」

 

「そう?でも君達このまま行くと死ぬけど…。本当にルキアを助けに来たんだよね」

 

「弱いって言いたいのかい?」

すると、うんっと頷いて笑う

 

「舐めるなよ」

弓を放つ、避けれないように四方に放った。

 

男は動かず笑い続ける

男に触れるか触れないか___僕の矢は()()()()()

 

「うーん…これが()()()滅却師の力ね。周りの霊子を収束させ操作する」

 

「物知りだね」

何をした?なにがおきた?どうして消え失せたのか…斬魄刀の能力か?

 

「んで、織姫ちゃんはメガネくんに任せっきりかい?」

 

「っ…!」

 

「井上さんは関係ないだろう、君と僕の戦いだ。それに名乗ったはずだが」

 

「ごめん、俺人の名前覚えるの苦手でさ、うりゅーちゃん?」

「雨竜だ!!」

 

ヘラヘラと笑うところは浦原さんを連想させてやりずらい

 

「君と僕…ね。じゃぁ織姫ちゃんは何?医療係?後衛ですらないの?」

 

「あた、あたしも戦えます!」

 

「井上さん!!」

 

「石田雨竜。ダメだよ自分で戦うって意思表示したんだ戦わせなきゃ、それとも何?女は戦わせられないって?それとも…邪魔?」

 

「そんな事言っていないだろう!」

 

「ああー熱くなるなって。じゃぁ戦わせればいいだろ?わっかんないなぁ…守るとかフォローするとかなら分かるけど、戦力外で逃げろとか戦うなとか…。戦う意思があるなら戦おう。さぁ来なよ」

 

─────────────────

 

椿鬼(つばき)孤天斬盾(こてんざんしゅん)

 

──────私は拒絶する

 

変な盾みたいなのを回るように避けて勢いよく織姫ちゃんの腹に軽く蹴りを食らわす

カハッ…!

 

「井上さん!!」

直ぐに雨竜の顔面に拳を振るう

「心配してる暇…ある?」

グッ…!

顔を逸らして避ける雨竜だが、頬に亀裂が走った

すぐに飛廉脚で距離を取り弓矢が飛んでくる

 

「ほらほら、そんなんじゃ近距離どうすんの」

 

「っ…!」

全ての矢を切り伏せて首筋に刀を添える

 

「見えなかった?でしょうね。人間の動体視力に追えるほど俺の刀は遅くないよ」

 

「女性に容赦なく暴力を振るえるなんて、誇りはないのか」

 

「誇り?誇りねぇ…顔は狙ってないんだけど。それに」

 

─────甘いこと言ってんなよ

 

_________________

 

重く苦しい霊圧

バキッ…っと音を立てて維助の足元の瓦がひび割れ砕けていく

 

「くっ…」

 

「井上さん…!」

霊圧に魂が押しつぶされそうになっているのをみて距離を取ろうとするが…動かない

 

「(足が…まるで縫い付けられてるように…動けない…!!)」

 

「いいか?自分で戦うって言ったんだ。戦う意思も(すべ)もない女.子供をいじめるのはそりゃ言われて仕方ねぇかもしれねぇけど、戦うって言ったんだろ?

 

ルキアを助けるために死なせないために、死なないために鍛錬してきたんじゃねぇのか?

織姫、戦えるのか?口先だけで軽い気持ちで尸魂界に来たのか?」

 

 

「あたしは…!!!」

重い霊圧を受けながらも、膝を立て、足に力を入れて立ち上がろうとする

 

「井上さん!!それ以上無理すると…魂魄に影響が…!!」

 

「あたしは…守られるだけじゃない!!戦えます!そして朽木さんを助ける!!」

 

っと、しっかり維助の方を見て立ち上がった__。

 

 

 

 

 

「ごーかく!」

 

 

 

 

 

今までの霊圧がなんだったのかと、ふと空気が軽くなり

維助の顔はニッコリと何事も無かったかのように笑顔になった。

 

「は…?」

ポカンっと、口を開けた雨竜

 

「だから合格だって。覚悟あるのかなーって思ってさ」

 

「はぁぁ!?いや!今完全に殺し合う雰囲気だったろ!」

 

「いやいや殺し合う?誰がそんなこと言ったの…俺言ったじゃん

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()

 

──────────────

 

「はぁぁぁ!?!?」

っと心底呆れたような、イライラしたような大声を出す雨竜

 

いや声でっっつか!

ペタンっと座り込んでしまった織姫ちゃん

 

「ほら、本気で危ない時に本音って出やすいでしょ?追い込んじゃってごめーん。でも君らの戦う覚悟は伝わったよ。」

 

「君さっき規定側って…」

 

「そうだね、規定側、だからルキアを助けることは出来ないけど、君達を見逃すことはできる。」

 

「君無茶苦茶だと言われないかい!?」

っと半ギレの雨竜

 

「よく言われる〜。ほらほら早く行かんと俺の霊圧で誰かがよってきちゃうよ」

 

「君のせいじゃないか!!!!」

っとぶつくさ言いながら去っていった。

 

あー面白かった

───────────────────

また緊急の隊首会が開かれた。

 

「ついに護廷十三隊の副官の一人を欠く事態となった

 

副隊長を含む上位席官の邸内での斬魄刀の常時携帯及び戦時全面解放を許可する」

 

恋次がやられたらしい。一護に

 

へぇ、やるじゃんそっち行けばよかったかなぁ…

 

____________________

 

これは、1回目の隊首会が行われる前に遡る

 

「藍染隊長…本当に…本当に?」

 

「あぁ、おかしいとは思わないかい?急な処刑、期日も早くなっている」

 

「たしかに…」

 

紫流と藍染は向き合って話していた

 

「朽木白哉…僕も信じたくは無いが、朽木隊長は手段を選ばない人だ、君の母も流魂街出身なのに貴族の掟を破り無理やりに結婚した、手段を選ばない人なのに愛する妻の妹、自分の妹でもある朽木ルキアの極刑に反対しないのか…。

期限を早めるのも止めないのも…

 

()()()()()()()()()()()

 

「そん…な」

 

 

「さぁ…これを君に、止めれるのは君しかいない」

 

藍染は青い鍔も柄もない刀を紫流に手渡した

 

「これは…?」

 

「それは()()

君を助ける刀さ、霊力の高い四大貴族にしか扱えない刀だ。それは君の力になる。」

 

「…なに…を」

 

紫流の胸元に藍染が霊刀を突き立てる

 

 

ドロッと、黒く変色し胸に飲まれていく霊刀

 

スッ__っと瞳からハイライトが消えていき

そのまま紫流はフラフラと去っていく

 

 

 

 

 

 

「霊子を溜め込んだ霊刀…あれほどの高濃度の霊子体を体内に宿しても魂魄が消滅しないとは、さすがは四大貴族…」

 

1人残った藍染はメガネに触れ口角は上がっている

 

「(霊刀の性質は実に面白い。霊子を吸収するだけでは無い…意志を持った者から膨大な霊力を吸収すると霊刀に意思が宿る。そして宿り主の強い感情を増加させる力をもち、宿り主の魂魄や感情によって変化し動き始める、進化と言い換えてもいい。)」

 

「(今の朽木紫流の感情は朽木白哉への嫌悪と憎悪_,

 

大抵の魂魄は耐えきれない、耐えれたとしても霊刀が内側から魂魄を傷つけ飲み込んでいく。浦原維助のようには行かないな、まだ実験が足りない、今回はどうなるか__)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さぁ…面白いものを見せてくれ朽木紫流

 

 

 

 

 


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