浦原喜助の兄に転生して夜一の許嫁にされた俺の話   作:ちーむ

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黒崎vs維助、夜一との再開…?の話

 

”『うぉおおお!!!』”

 

「あいつ、やばいな」

 

かれこれ1時間走り回ってる一護。

 

「おーい、もう早く来てくれよ〜おっそいなぁ」

 

”『てめぇ!!それなら早くこの機械を止めやがれ!!』”

っと俺が映っているであろうモニターに向かって怒鳴る

 

「あーはいはい」

 

”『てめぇ!おちょくりやがって…!!』”

 

俺は飽きて現世の雑誌を電子化したものを読み漁る

 

”『本当にここどうなってんだよ!!和風にするかSFにするかどっちかにしろ!!』”

 

「いやぁ、少し中を改造したらこうなったんだよね」

 

”『()()!?どこがだ!って、 うおぉぉぉ!!』”

 

一護の後ろにいたメカがロケットを飛ばし一護は間一髪避け

その先が大爆発を起こしカメラが煙に包まれる

 

「お、大丈夫そ?」

 

”『大丈夫なわけあるかぁ!!』”

っと、シャチホコのようにひっくり返った一護が起き上がる

ずっと怒鳴りぱなしだなあいつ。ってかタフすぎだろ

 

「いやぁ、色々試したいからさ。そんなにタフなら大丈夫だよね」

 

俺は起き上がってボタンを押す

 

”『うぉおおー!!!!なんか出て来やがった!』”

 

その名も…まぁ。ちょっと名前出せないけど。

前世に部屋に飾ってたおもちゃを作ってみた。

まぁコックピットは誰も乗ってないけど

 

【挿絵表示】

 

 

 

しばらく爆発音と悲鳴が響き渡った__

 

 

─────さらに一時間後

 

ドガァァアンっと、壁を突き抜けてきた一護

全部なぎ倒してきたらしいな。

 

「ぜぇぇぇえ…!ぜぇぇぇえ!ようやく…!ついた!!」

 

俺は機械を停止させる

「ようこそ、俺の部屋へ、会うのは2回目かな?一護」

 

「ふぅ…さぁ、鍵を渡してもらうぜ」

 

汗を拭った一護が俺の前に立つ

 

「俺の隊舎はどう?楽しかったでしょ。あと男の子なら機械好きでしょ?」

 

「そんなん見てる暇なかったわ!!あんたほんと浦原さんにそっくりだな!!」

っと俺に向かってビシッ!!っと指を指してきた

 

「俺が喜助に似たんじゃない。喜助が俺に似たの」

「どっちでもいいわ!」

っとガラクタになったメカの腕をぶん投げてくる。

 

「ただ遊んでたわけじゃない。ほら傷もうないでしょ?」

 

「っ…!」

一護はハッっとしたように自分の体を見る

 

「ね?霊力の回復を促進させる機械に細胞に働きかける音波があってー」

 

「ぁぁぁ!よくわかんねぇよ!!あんた浦原さんと一緒で話長ぇな!」

 

「なんだよ、釣れないなぁ…じゃぁ傷も治った事だし」

 

 

「っ…!!」

 

俺は一護に急接近し首筋に刀を滑らせ____

 

 

斬り落とした

 

 

 

──────────────────

 

「俺…?死んで…ない?」

 

唖然として固まっている黒崎に維助は肩を優しくたたくと

全身の汗を吹き出した黒崎は後ろに飛び距離を離した

 

「死んだと思った…?まぁ死んだよ。さっきね」

 

「どういう…事だよ…ガッ!!

 

心臓に痛みが走る。

胸から斬魄刀が生えていて、維助がグリッっとねじ込むように刀を突き立てる

 

斬魄刀を抜いた維助、バタッっとその場に黒崎が倒れ

 

また、起き上がる

 

()()()()()()()()

 

幻覚…?ちがう、痛みは…今日は体に残ってる

震える手でギュッっと胸元を握りしめ維助に振り返る

 

「また死んだね。」

 

「なに…した」

 

「これだよ」

懐から取り出したのは腕時計のような形の機械

 

「これは結界機器(けっかいきき)*1。空間凍結もこの原理を使って行われてるんだ。これは俺が百年ぐらい前に開発した機械。

まぁ簡単に説明すると…膨大な霊力と引き換えにボタンを押してもう一度押すまで、または時間が切れる霊力が切れるまでに行った使ったやつの()()()()()()()()()にする機械。」

 

一歩一歩と、黒崎に近寄る維助。

 

「ボタン押して万引きして飯食ったとしても、もう一度ボタン押したら万引きしたことも飯食ったことも無かったことにできる。

昔は自分以外の記憶も消えるようにしてたんだけど、これは

()()()残してる。死んだ恐怖も記憶も…残るでしょ?」

 

あの時───浦原喜助が黒崎の斬魄刀の名を聞くために行ったように、本物の殺気。

 

「(ころされる!!殺されちまう!!!!)」

 

「逃げるの?いいのそれで」

 

また、何度も__何度も

 

___死を経験する

 

「うわぁぁぁ!!!!!」

 

己の腕が切り落とされ、地面に転がるが、次の瞬間には何事も無かったかのように腕は戻り痛みも血も残っていない

 

「死なない為に努力してきたんでしょ?人間ってのは1度トラウマを抱えるとまた同じことが起こらないように警戒心が上がり、また防衛本能も…ね」

 

ゴンッっと音を立てて維助の拳を受けた一護が壁に埋まる…が

「ほら、今度は大丈夫だったね。胸に穴あかなくて良かった良かった」

 

「てめぇ…」

汗を流した黒崎が斬魄刀で受け止めていたのだ。

 

「死なないために死なないように、努力する。死ってのを間近で感じれるこの機械、重宝(ちょうほう)してるんだよね。まぁあんまり使いすぎると精神壊す人が現れるからあんまりポンポン使えないけど」

 

イカれている。修行で本気で刺しにかかってくる浦原喜助なんぞ優しく感じるほどに。イカれている。そう思った

 

傷は治るにしろ記憶はのこる、腕が足がなくなって、胸の痛みも、首も___

 

反射に首に添えられた刀を弾き返す。

刀だけではない、拳や足も致命傷になる威力を持っている。

精神を研ぎ澄ませ、隙を見せるな、

隙を見せた瞬間には___

 

「がはっ…!!」

 

 

───()()っている

 

 

ぜぇ…っと、浅い呼吸を繰り返す一護、考えるよりも先に身体が動くようになる。

 

避けて弾いて転がって___

 

死にたくないという強い思いが__

 

─────────────

 

「うん、さすがだ」

さすが才能マンの一心の息子。

 

息子の一護も才能がある、無意識下の警戒や反射も早くなっている。

この機械は向いているやつと向いていない奴がいる。

向いていないやつは精神が弱いやつ。

 

戦いが怖くなり社会復帰が望めない状態にまでなってしまうことも。

逆に向いてるやつの力の向上はすごい

 

死にたくないという強い思いが、自分自身をも強くする

 

「はい。おしまい、もういいよ」

 

「はっ…?」

警戒からか俺にまだ斬魄刀を向ける一護

 

「もう何もしないって。ほら本当に捕まえる気なら機械なんか使わないからさ。俺はさ強いやつをどうこうするのって好きじゃないんだよね。強いやつは俺とまともに戦える相手になってくれるかもしれないし…ほらほら、もう何もしないって」

斬魄刀を手放して両手を上げると

 

ため息を吐いてその場に蹲った一護

 

「ごめんねー、怖かったね。はいこれ鍵。卍解習得するんでしょ」

しゃがんで一護の前に鍵を置くと、顔を上げた

 

「…いいのかよ」

 

「いいって何が?」

 

「お前は…規定側ってやつじゃないのか」

 

「うーん、そうだね規定側だけど、夜一さんが尸魂界に来ていて、そっち側にいるんなら俺もそっち側だ」

 

訳わかんねぇ…っと言いながら立ち上がって鍵を受け取った一護

 

「じゃ()()()()()

 

 

───────────────

 

 

卍解一日目が終わって温泉に入っている一護

 

「あちこち身体がギシギシいってる…はぁぁあ…」

 

短い時間だったとはいえ、訓練が役に立ったのか、危機察知能力とそれを避けるまたは受ける能力が上がった一護。

 

黒猫の状態で一緒に温泉に入っていた夜一が口を開いた

 

「それにしても維助も無茶な修行をする」

 

身体よりも精神に来る修行…

 

「もう、浦原さんとの修行のほうがよっぽどマシだったぜ…」

 

「どっちも浦原じゃが「つっこむなよ」」

 

「夜一さん、維助さんが死神ってことはやっぱり浦原さんも死神なのか」

 

「ん?なんじゃ喜助のやつ言っておらんかったのか…

 

先代護廷十三隊 十二番隊隊長___そして技術開発局創設者にして初代局長を務めた男じゃ。」

 

「浦原兄弟ってなんなんだよ…」

 

「あやつらは似たもの同士じゃからのう」

 

っと懐かしむように天井を見上げる

風呂にあがり、一護は一日の疲れからか爆睡をかましていた

 

 

 

「……維助」

 

 

 

 

 

 

 

「呼んだ?」

 

ビクッ!!!っと肩が上がる

 

懐かしい気持ちになり名を呼んだだけなのに…

ゆっくりと後ろを向くと目が合う

 

 

「いす…け」

 

100年前と違い、袖のない羽織を着た維助

 

「久しぶり夜一さん、勉強部屋は俺と喜助が作ったんだよ?俺が来てもおかしくないでしよ?」

 

「儂は…」

先に目を逸らしたのは夜一で維助に背を向ける

 

 

「夜一さん」

優しい声。100年前に聞いた__声。

 

ぐっと涙が出そうになるのをこらえる

 

「夜一さん」

 

もう一度声をかけると震える拳を握りしめた夜一

 

「お主は、自分を忘れて幸せになってくれと言うておった。じゃが儂は維助の事を忘れたことなど1度もない」

 

振り返って維助の方を向いた夜一は目に涙をためていた。

 

「俺は最低なやつなんだよ。やりたいことがあるからここ(尸魂界)に残った。夜一さんは地位を捨ててまで現世に行ったのに俺は、やりたい事のために残ってしまった。こんな最低なやつ忘れてくれていい」

 

夜一はむつとした表情をして___

 

バシッっと維助の頬を叩いた

 

唖然としたように己の頬を抑える維助

 

「儂も!儂のしたいようにする!!儂はお主を忘れない!!例えお主が儂以外を見ようとも、儂は忘れぬ!」

 

ポロッっと涙を流す夜一は、維助に強く訴えかけた

 

「付いてこなかったからと喜助も儂も恨んでおらぬ。お主が好きなように自由にしている時の姿が好きじゃからの。儂の方こそ、お主が支えてくれて手に入れた当主と隊長、総司令官の座を捨て去った事の方が心残りじゃった!」

 

「そんなこと気にしなくてよかったのに。俺はなんとも思ってないよ。なんなら夜一さんの後を継げたことを誇りに思ってる。

じゃあお互いに悪かったってことで…仲直りしよ」

 

っと、優しく夜一が握りしめていた拳を開くように触れると

 

ギュッっと、夜一が維助の首に腕を回した

身を少し屈めて維助もまた夜一の背中に手を回した

 

「ずっと…ずっと…お主の事ばかり考えておった」

 

肩に顔を埋めて羽織が涙で濡れていく

 

「俺も…黒猫見ると夜一さんを連想しちゃって」

 

なんじゃそれはっと呆れたような顔をして…

ふはっ!っと吹き出すように笑った

 

「久しぶり、夜一さん。元気そうでよかった」

 

「お主も…元気そうでよかったぞ」

 

 

 

────────────

 

「ってことで、俺も卍解の習得手伝いに来たよん、俺霊力沢山あるからさ〜休まずにできるね」

 

転神体の維持に必要な霊力を俺が肩代わりする事になった。

 

「嘘だろ…」

っとげっそりしたような一護。

 

「んで、夜一さんとそんな近いんだよ」

と、指摘される

 

「えぇ?そうかな」

夜一さんは俺の腕に絡むようにしてくっついている。

 

「儂と維助は許嫁じゃからのう。近くても問題あるまい」

 

「へぇ…いいなず…け?」

嘘だろ?っというようにこちらを見てくる

 

「いやぁ、婚約者っての元…じゃないですね。はい。」

元っと言おうとしたらギロッっと睨まれた。

 

 

 

*1
16話で喜助か勝手に使ったもの

挿絵はいる?

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  • 無くてもいい。
  • どちらでも

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