双極に着いたとき、強い霊圧の衝突を感じとった
恋次と…白哉坊ちゃん。
あぁ、卍解を使ったのか。
さて__
「維助様」
俺の隣に立つ砕蜂1人で待たせてたようで悪い事をした。
「まだルキア来てないのか。ってか集まり悪いな」
何人かの隊長格が見当たらない。
冬獅郎まで居ないのは珍しいな
そのうち、見知った霊圧に振り返る
「坊ちゃん」
「…」
俺をじっと見たあと、処刑台を見上げた
「緋真にも止められた」
「…そうか、お前はどうしたいんだ」
「……」
白哉坊ちゃんは何も答えなかった。
恋次の霊圧はまだ残ってる。殺しはしなかったようだな。
「お前の好きなようにすればいい」
ルキアが連れられ鎖に繋がれる
「最後に言い残すことは?」
俯いていたルキアが顔を上げた
「…ならば…一つだけ
一護達を無事に現世に返してあげて欲しいのです。」
すると総隊長が頷いた
「お主の願い通り処刑が終わったアカツキには、旅禍どもを無傷で帰らせてやろう」
「あ・・・ありがとうございます」
卯ノ花隊長が話してるのが聞こえた
慈悲___ね。
膨大な霊圧が解放され双極の矛が変化していく
ルキアは抑えられ浮き上がる
白哉坊ちゃんは目を伏せていた
彼がルキアを貫く___
はずだった
「一護・・・?」
っと、ルキアの声が聞こえた
双極の霊圧に隠れて来たのは一護
斬魄刀1本で止めた__。
そして、浮竹隊長と京楽隊長が四楓院家に伝わる道具を使用する
夜一さんあんなのいつの間に渡してたんだ。
そして一護が双極を真っ二つにしてルキアを小脇に抱えていた
ふは…っ…ここまで成長が早いとは。
成長速度に関しては俺より上かな
刀を握って一年未満……さすが__。
っと考えていると
「維助様!!」
止めろと言うのか、砕蜂が俺に向かって叫ぶ
「がっ…!!」
だが、砕蜂は首根っこを捕まれ吹っ飛ばされる
吹っ飛ばしたのは夜一さん
任せたよ夜一さん。
「ふは、傍観かい?維助君」っと、笑いを零し俺に振り返る京楽隊長
「さて、どっちに肩入れしようかなってね」
っと肩を竦めると、笠を上げてこちらに向けて笑いかける
相変わらずだという呟きが聞こえた
「浦原維助、ここで待機せよ」
ドンッっと重い霊圧
待機命令を出したのは総隊長で、京楽隊長と浮竹隊長は遠くに離れた
さて…一護と白哉坊ちゃんが戦っているし。
夜一さんと砕蜂…
しばらく傍観するか。
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「おやめ下さい!白哉様!!」
「緋真」
「ゴホッゴホッ…」
咳き込む緋真に寄り添う白哉
「お願いします…ルキアを…ルキアを。」
首を横にふる白哉
「ならぬ、掟は掟、死神となった以上掟を破れば罰せられる」
「…ても…っ」
ぎゅっと拳を握る緋真
「当主様、お時間ですご出立の用意を」
と使用人が呼びに来たのを聞いて立ち上がる。
「あぁ」
緋真を一見し踵を返す白哉
「お願い…どうか…どうか…」
悲痛な声を背に__
______________
卍解した一護と卍解した白哉。
一護に虚の仮面が現れるが青い光に包まれ消え去った。
黄色い光線が一護に向かっていく
「効かねぇよ!」
刀でそれを受止め__閃光は消え去る
「私の鬼道を斬った……?いや違うな
卍解した一護の細身の斬月にはバチッっと雷のようなものがまとっていた
素早い動きの一護が白哉の後ろに回る
「その手はもう見たぞ、小僧」
刀を受け止めた白哉に、一護はニヤリと笑う
「見てねぇよ」
「なにっ……」
バチッっと雷電が走り白哉が一護から離れる
一護がそれを逃さず黄色い雷の斬撃を放つ。
「ぐっ……」
袖布を掠め避ける白哉はふと思考を回す
「(卍解としての戦力全てを小さな刀に凝縮することで超速戦闘を可能にした卍解ではないのか……?さっきの斬撃は霊圧__いや違う。
それが貴様の全てか__小僧」
何度も通じる技じゃない、得意の鬼道も使わずして白哉は戦える。
傷が増えたのは一護の方だった。
血を流し息が絶え絶えの一護。
一護と対峙していた白哉は手を止めた
それに眉をひそめる
「もうしめぇかよ」
「なぜ…何故貴様はルキアを助けようとする」
「はぁ?」
いきなりなんだと眉間にシワがよる
「逆になんで助けねぇんだよ」
「罪があるものは裁かなければならぬ、それが掟だからだ。我ら朽木家は四大貴族の一つ、我らが守らず誰が掟を守る」
「知ってるぜ、ルキアの実の姉であんたの奥さん」
その言葉にピクっと白哉の指先が動く
「あんた、そのすげーお貴族様と流魂街の住民との結婚はご法度なんだろ。その掟を破って無理やり結婚した。あんたも守ってねぇじゃねぇか、掟を。
俺はいいと思うぜそういうの、俺は掟と戦う。恩人が殺されるのに黙って見てられるかよ。あんたも…掟と戦えよ1度や2度破っても一緒だろ」
深く息を吸った一護
「死ってのは本当にあるんだ、消えちまうんだよ。あんたら死神は死んだ奴らばっか見てるから感覚薄いかも知んねぇけど。
死ぬと___後悔するんだ、何も残んねぇんだ」
その言葉に、ふっと笑った白哉
初めて見る笑顔、それは優しい顔をしていた
「私はもうルキアを追わぬ。この勝負兄の勝ちだ。黒崎一護」
「っ…!!俺の勝ち?」
一護は勝利を噛み締める
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白哉坊ちゃんが去って一護がふらりと倒れた
「わぁぁあ!黒崎くん!?って浦原さん?」
この声は__
「織姫ちゃ〜ん」
織姫ちゃんに抱きつこうとしたらスッと横から腕で制される
「なんだよ雨竜ちゃん、邪魔すんなよ〜」
「ちゃん付けはやめないか。それに女性にそうベタベタするのはどうかと思うが」
雨竜ちゃんのせいで倒れた一護の元に行ってしまった織姫ちゃん
まだベタベタしてないつーの
その瞬間頭に響き渡る声
『護廷十三隊各隊長及び副隊長、副隊長代理各位。緊急伝心です』
伝令神機は音にかき消されるけどこれは脳内に直接伝える鬼道。
卯ノ花隊長の所の副隊長さんか。
そして藍染の事が伝えられた、四十六室の皆殺しも__
さて、藍染。きっとここに来る
だが…それよりも先に知らない霊圧を感じとった
『それからもうひとつ!!双極の丘に__青い刀を携えた……』
そこで声は聞こえなくなる……
──瞬間上から重い霊圧が降ってきた
落下地点は織姫ちゃんと一護の所
すぐに駆け寄り斬魄刀で弾き返す。
「嘘だろ…?」
っとその霊圧の正体を見た恋次の絶望したような声が聞こえる
俺の目の前に立つ。青い刀__
大太刀のようなデカい
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___________虚
「うらはら…さん」
重い霊圧に顔を歪ませる織姫ちゃん
「大丈夫、俺が守るからさ一護のそばにいてあげて。俺の間合いにいれば大丈夫」
俺はそいつに切っ先を向けた
「俺の名は浦原維助、俺の相手をよろしくな」
※維助描写注意
挿絵はいる?
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あった方がいい
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無くてもいい。
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どちらでも