「ゴブッ」
「あーあー……障子が、夜一サン。障子開けることを覚えましょ」
「何を言う喜助!!儂だってそのぐらいできるわ!」
「あの……離れてほしいんですけど」
ひっくり返った維助の上に乗っかっている
障子を猫の状態で破り維助に突っ込む瞬間に変身を解いたのだ。
「なんじゃ、帰ってるなら帰ってるとそう言えばいいのに、いけずじゃのー維助は!!昨日は尸魂界じゃったろ?今日戻ってくるら……」
「ダァァ!!服を着ろ!!痴女!」
夜一を押しのけ着ていた羽織をぶん投げる維助。
「ち、痴女じゃと!?!?」
「
「それなら、ほれっ」
「ったく……全裸はやめろ全裸は……思春期の男がいるんだから!」
っとチラッと目を移す維助
「「こっち見んなよ!!」」っとジン太と紫流が怒鳴った
「はいはい。」
「兄サン、お肉無くなりますよーん」
「おいこら、喜助人の皿から取るんじゃねぇ!」
維助の皿からひょいひょいと自分の皿や雨やジン太に分けている喜助
「儂の分も持ってこんか!喜助!」
「えぇ……!夜一サンの分なんてないッスよ……。貴方6人分一人で食べるでしょ」
「儂をなんだと思っとる……」
「はいはい。俺のあげるから」
維助が残った肉を差し出すと口を開けて食べる夜一。
慣れたような光景に誰も突っ込まない。
維助が伝令神機を操作して3分後コンコンっと扉が叩かれる
「まったく、誰ッスかねぇ……」っと箸を置いて立ち上がった喜助がしばらく紙袋を持ってやってきた
「兄サン宛ッスよ多分。なんか玄関置いてありましたけど。」
紙袋となにか丸い機械を渡すと、維助が機械を懐にいれ紙袋を開けた
「ほら、追加の肉だぞ。すき焼きと言えば程よい脂の霜降り肉だろ!」
「「「おぉー!!」」」
ジン太と雨、紫流の子供組が紙袋を覗き込んで目を輝かせる
「A5ランクだぞ。ターンと食え!ここの飯は少ないよなぁ。育ち盛りがいるんだからちゃんと食わせてやれ喜助」
「えっ、アタシッスか!?アタシはこれで十分なんスけどねぇ……」
「じゃぁ要らねぇか!おーい喜助の分も食えるぞ〜」
「「「わーい」」」
「嘘!嘘ッス!!あー足りないなぁァァ!!!」
鉄斎が、夜一の分の皿を持ってきて席に着く
「すげぇ……木箱に入ってる肉だ……!」
「どうやって買ってきたんじゃ維助」
っと鉄斎が肉を投入するのを見ながら首を傾げる。
「まぁ、高級な肉を扱う肉屋で今買ってきたんだよ。」
「ほぉ……買ってきた?
さらに頭にハテナを浮かべる夜一に懐から先程の機械を取り出す。
コインのような薄さで丸い機械。
「これは自立式映写機。」
畳の上に投げて維助が伝令神機を取り出し操作すると。ぷかぷかと浮いた機械から光が放たれ維助が現れた。
「掴めるし歩けるし動かせるし話せるAI搭載積み。戦闘とかはさすがに無理だけど、買い物程度なら出来るぞ。さっき金を持たせて買いに行かせたんだよ」
「ほぉ……便利なもんじゃな」
「便利は機械の代名詞!ははは!味わって食えよ!」
「肉が……!とろける!!!やべぇ」
っと口にかき込むジン太
「ま、まぁまぁだな!!」
貴族だからか慣れているかもしれないが、あまりの美味しさに箸が止まらない紫流。
すき焼きの鍋はあっという間に空になった。
お腹をポンポンと抑えながら維助の膝の上に寝っ転がる夜一。
「明日俺尸魂界に帰るから、何かあったら連絡してくれ。」
「なんじゃ。明日は1日おらんのか」
「うん、隊を放置できないし仕事も残ってるし定時連絡もあるからな。」
「まぁ兄サンは現世でフラフラしてていい人材じゃないスからねぇ……」
トントンっとこめかみを指で叩き続ける維助に、夜一と喜助は顔を見合せた。
「いや、ダメだな。分裂する。ならあの鉱石をつかって……」
っとブツブツ言い始めた維助に、ため息を吐いた喜助
「(まぁ機械の事だろうなぁとは薄々思ってましたけど)」
重要な何かかと思ったっと夜一もそんな維助を膝から見上げて同じくため息を吐いた。
____________
「はい。問題ありませんでした。朽木紫流は通常通りの業務を行っています」
「ふむ、そうか」
定期的な隊首会、俺は並ぶ隊長達の中心に立ちホログラムで紫流の行動を映し出した。
「ここ数週間で虚撃破数50に
感心したように頷く京楽隊長。
「一護くんも学生ながらちゃんとやっているようだし、安定しているな」
っと浮竹隊長も乗っかった。
「あと数週間様子を見て、朽木紫流は隊に戻れるものと考えられます。」
「承知した、浦原維助はこれまで通り責任をもって朽木紫流を監視及び報告を忘れぬよう務めよ」
俺は元の位置に戻ると更木がボヤいた
「はっ、元
そこで白哉坊ちゃんがギロリと睨みつける
「あ?んだよ」
っと詰め寄る更木。
「ふんっ、我々に任せておけば第二の朽木紫流が現れたとしても対応できるというのに」
涅も乗っかってくる
「また始まったよ」
っとため息混じりの呟きが冬獅郎から聞こえてきた。
「だから、お前はバラバラにグチャグチャにするだろ?研究だかなんだか知らんが人の命は大切にしような」
「ふんっ、
「まぁまぁ、よしなさい。維助君が責任持ってやると言ったんだ、それでいいじゃないの」と、笑った京楽隊長
「そこまでじゃ、次。日番谷冬獅郎報告せよ」
「はい」
今度は真ん中に立った冬獅郎
「報告します。ここ1ヶ月での死神全隊員の殉職者は63、不審な死はありませんでした。登録された霊力との照合も済んでいます」
「そうか」
藍染が霊刀をつかって第二第三の紫流を作ると予想され調べ始めたもの。
機械で藍染が居なくなってから護廷十三隊全隊員の霊力を保管し、それを死体の霊子と照合し偽物でないかを確認する。鏡花水月対策。
でも惣右介は多分死神を実験するより、虚を実験体にすると思うな、死神と虚は構造が異なる、死神で実験しまくるのは適作とは思えない。
だがしかし、惣右介は腹黒いから、仲間の絆とやらで遊んでくる可能性がある、死んだと思われていた友人が敵に__なんてね。
どっちも有り得るからめんどくさいな。死体の残らない隊士もたまにいるし
その時
っとサイレンがなり始め、俺は壁に着いている受話器を取るとモニターに映し出される
”『申し上げます!!十二番隊より報告!空座町東部に破面の反応!数は三体!その霊圧濃度、安定性からみて』”
ザワッとザワつく隊首室、ゴン!っと地面に立てた杖の音にざわめきが無くなる
「火急である。これより最上位大虚の討伐任務を、二番隊隊長浦原維助に命ずる。現世に行くついでに始末してこい」
「ついでって、まぁ分かりました」
「納得いかねぇ」
そう言って前に出たのは更木
「戦いだろ?俺にやらせろよ」
「ならぬ、これは命令じゃ」
「あ??んでだよ。」
「お前が暴れると現世荒れるんだよ。瀞霊廷と違ぇんだ自重しろ」
「チッ」
「行け浦原維助」
「はい……直ちに」
ったく、こうなんでタイミング悪いのかね。
それとも
最上位大虚を倒す任務……いやぁ強いといいなぁ
____________
○現世
ヤミーと呼ばれる最上位大虚が、井上織姫と対峙していた
その戦いを見て分析するもう1人の最上位大虚。
「(時間回帰か、空間回帰か……どちらにしろ回復とは違う何か、おもしろい能力だ……そしてあの武器)」
「いけっ!!」
織姫が銃を構えヤミーに放つ。
ヤミーはそれを腕で払うようにして受けるが
「あ……?」
焼け焦げたように爛れ一部が抉れていた
「痛えじゃねぇか……女!」
「(ヤミーの
鋼皮__霊圧による硬度な外皮、
並大抵の攻撃では傷一つつけることは出来ない。
はず__なのだが
「虚閃に似てんなぁ……!いてぇ、いてぇじゃねぇかよ!!」
「(この銃には霊子を収束させる時間が必要……!もう少し長く溜めなきゃ……!でも距離を取りすぎると茶渡くんが……!
茶渡は維助からもらったグローブをはめて戦ったものの、ヤミーの硬化した外皮に耐えきれず、グローブは無傷だが、反動で腕の方が損傷してしまっていた。
「ねぇ、もう飽きたよ」
頬杖を着いた子供……否。破面が木から降りる
白髪の子供はボロボロなヤミーを蹴りつけると
ヤミーは吹っ飛んでいく
「何しやがるアマルゴ!!」
クァ!っと起き上がったヤミーが怒鳴る
「うっさいな、遊ぶのやめなよ。
わざとらしく耳を塞ぐアマルゴと呼ばれた破面
「チッ、人工もどきが……」
またギロリとアマルゴと呼ばれた破面はヤミーを睨みつけた。
「しかたねぇ、さっさと終わらせるか」
っと急接近し織姫に拳を振り上げた
───瞬間
_____
_____卍解
「なんだぁ?」
「紫流くん……黒崎くん……!」
ヤミーの拳に切っ先を向けた一護と、織姫の前に片手を出して守る紫流。
「紫流、井上達を頼む」
「おう。任せとけ」
「ひゃ」
織姫を横抱きにして離れた紫流
「ウルキオラ、こいつ……」
「あぁ、お前の無駄な戦いでこうも簡単にあぶりだせるとは、オレンジの髪に黒い卍解。間違いない、こいつが標的だ」
「(一護が標的?んだよ、こいつら……それに)」
白髪のアマルゴの破面と目が合う紫流
ドクンッと心臓が鳴り、冷や汗が流れる
「(なんだ、この感じ)」
「あぁ……君……」
っと口角が上がったアマルゴ
挿絵はいる?
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あった方がいい
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無くてもいい。
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どちらでも