浦原喜助の兄に転生して夜一の許嫁にされた俺の話   作:ちーむ

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これだから___の話

 

「いやいや、本当に知らないですって自分。」

 

怪しんだ様子でギロっと睨まれる俺。

 

現在隊首会の最中。議題は黒崎一護一行が虚圏に乗り込んだ件について。

 

そしてそのついでに俺が倒した霊刀破面の話と、その後に通信…つまり電波障害が起きて井上織姫が行方不明になった時の話について。

 

遠回しに電波障害はお前がやったのでは?って総隊長に疑われてるのだ。

 

真ん中に立って必死に弁解している俺…ってことで冒頭に戻る

 

 

「本当ですって。ずっと戦ってたんですよ?最上位大虚級に霊圧高い化け物共を数十体!感謝されても疑われるなんて心外ッスね〜」

なんて言えば

 

「ふん、君の日頃の行いのせいじゃないかネ」

っと呟く涅

 

「おいおい、俺が何したって?あの霊刀の化け物共倒せんのかよお前。」

 

「その霊刀の破面が現れたのもそもそも貴様のセイだろう?おかしなことを言うネ君は」

 

っと指をさされる

 

ド正論すぎて何も言えん。

 

「はぁ__」

っと深い深いため息を吐いた総隊長。

 

「まぁ、それよりも。今は黒崎一行をどうするかじゃないですか?」

 

するとそこへ砕蜂が現れた

「隊首会の最中失礼します。」

 

「なんだ?」

俺が振り向けば顔を上げた砕蜂。

 

「六番隊副隊長、阿散井恋次。六番隊朽木紫流、及び十三番隊朽木ルキア。三名の霊圧が隊舎から消えた模様です。我が隠密機動警邏隊が瀞霊廷全域に捜査範囲を広げ___そして伝令神機の追尾情報から…三名は虚圏に向かった模様」

 

 

「あヤツらめ___」

総隊長の低い声が響く。

 

俺が手を上げれば下がる砕蜂。

 

「自体は急を要しますよ総隊長。霊刀の破面はまだ虚圏にいると思われる。一護や紫流はまだしも。滅却師や人間。そしてルキアと恋次には荷が重いでしょう」

 

「ならばどうする」っと、片目を開けた総隊長。

 

「俺に行かせてください」

「ならぬ」

すぐさま提案は却下され

 

「わかっておるだろう。【罠】だと」

 

そう、総隊長の声が響く__そう。これは確かに罠だ

 

「けれど、虚圏に向かったのは十分な戦力。無駄死にさせる訳には行かない。喜助には連絡して黒膣を安定化させましたし。十二番隊の仕事も終わっていると連絡が来ています。きっと惣右介は隊長格が虚圏に乗り込んでくることを読み__その隙に__って感じでしょう?」

 

 

「分かっておるなら言うでない。浦原維助。お主一人でも藍染惣右介と渡り合える十分な戦力。それを罠とわかっている場所に放り出すことが出来ようか」

 

俺は息を吸い、総隊長の目をまっすぐ見た

 

「俺はきっと__この隊首会にいるメンバーの中でいちばん強い」

 

そう言えば横目で京楽隊長が笠を下げて笑うのが見える。

 

 

「俺は惣右介に勝てる切り札になりうるだろう。けれどそれは一護達も一緒。きっと恐らくこの後に大きな戦いが現世で起きる。ならばやることはひとつ。黒崎一護一行を連れ戻し、戦いが始まる前に戻る___!例え始まってしまったとしても。絶対に間に合わせます。俺はスピードにもパワーゴリ押しも得意なんすよ。ほら総隊長もご存知でしょ?」

 

 

そう笑えば。ふむ__頷く総隊長

 

「お主は言い出したら聞かん。昔からの…ここで止めても無理に行くであろう、ならば仕方あるまい…」

っとようやく許可がでた。

 

 

 

 

 

「砕蜂、現世で俺が行くまでの隊長代理を任せる。部下に指示を出してやれ。」

 

「はい__」っと少し暗い表情の砕蜂の頭に手を置く

 

「大丈夫だ、俺が現世に行ってる間砕蜂は隊長代理として上手くやっていると報告を受けている。お前なら大丈夫だ、俺が一番信用を置いている部下だからな」

 

っと言えば

 

「はい。この砕蜂__必ずや維助様の期待に応えます」

相変わらずお固いことで。

真面目な砕蜂だから俺の隊はやって行けるのかもしれないな

 

そうして時間との勝負なため、数人の隊長格を連れ現世に。

 

「よぉ、数日ぶり喜助」

 

「待ってましたよん。もう入口は開いてあります__んでそれは?」

 

 

俺がダンボールサイズの箱を開けて出てきたのは小さな、と言ってもラジコンサイズの車

 

「これはあれだよ。お前も乗ったろ__?装甲車

 

そういえばびっくりした様子の喜助

 

「そ、それがっすか!?」

 

「おう!装甲車の何が悪いって持ち運べない所だろ?だから、霊力を込める事で元の形に戻るように設計したんだ。まぁ例えるならビニールの浮き輪?」

 

「はは…」っと乾いた笑いをする喜助と、そっぽを向く着いてきた涅。

なんでも虚圏が気になるよう、いや虚圏よりも破面のほうかな

 

「んで白哉坊ちゃんまで?あぁ…紫流とルキアか」

 

「緋真に怒られた」

 

そう表情は変わらずも纏う雰囲気は少し悲しそうな白哉坊ちゃん。

緋真ちゃんはいいお母さんしてるな。

 

そして「戦いてぇ」と名乗り出た更木と卯ノ花隊長及び副隊長。

 

「さ、とりあえず虚圏に行くぞ!!喜助、後は任せたからな」

 

「はい。ご武運を」

 

そう帽子を下げた喜助を横目に俺らは穴に飛び込んだ_

 

 

___________________

これは少し前に遡る

 

 

カポン──っと桶が地面に滑り落ちる音が響く

 

「はぁ___久しぶりの大浴場」

 

腰にタオルを巻き桶を持った維助がさっさと中に入る

ここは人気(ひとけ)のない銭湯

 

あっちでも大浴場あったでしょうに」

 

「あんなむさ苦しい場所に行くかよ俺が。そもそも入った途端囲まれるわ」

 

野郎に囲まれる趣味は無いとシャワーを捻る

 

たしかに浦原維助は強くなろうとするものなら1度は話してみたいという人気があり、歩くだけでもそこらの隊士に話しかけられる

 

「だから隊長専用の風呂使ってるけど狭くてな…広くしてもいいんだがめんどくさくて」

 

後回しにしてたら時間たちすぎた

 

と、喜助の隣でシャンプーで泡立てる維助

 

「混浴なら別だけど」

呟く維助。相変わらずである

 

「まぁ、ここはだぁーれも来ないんで。穴場でしょう?ボクもたまに来るんスよ」

 

昔ながらの銭湯。設備はリホームされているものの、所々古臭い感じが味を出している

 

「じゃぁ久しぶりに背中流せや」

っとゴシゴシタオルを投げられる

 

「はぁ、仕方ないッスね」

 

兄の背中は傷一つない。

ただ、兄の体に傷があるのは肩だけ。

 

院生時代___兄が初めて始解した日。

中級大虚に傷をつけられた肩、ボクらを守った勲章。

 

怪我はするが跡をのこるほど怪我をしたのはこれが最後だったなと思い出す。

 

「なんだよ、そんなに気になるか」

 

鏡越しに目が合う、兄はふっとわらい肩の傷を撫でる

 

「これよりお前らに突き飛ばされた時にぶつけた顎の方が重症だったんだぜ?」

 

そういえばそんな話もしていた

 

「まぁ、夜一さんの体にも、お前の体にも傷がなくて良かったよ」

 

そう言ってニカッとわらう

 

いつも助けられ___救われ。

ボクは、ボクらは__彼に何をできるだろうか

 

「さ、次は兄ちゃんが背中流してやるから」

 

「ええ、いいッスよ!そんなん…ぐえっ」

 

無理やり回転させられ背中を流される

 

「本当に大きくなったなぁ喜助」

 

いつも、兄はそう言う。

ボクが成人の義を終えた時も、院生になった頃も卒業した時も。

 

ボクが現世に追放された時も

 

成長した、大きくなった…

それは兄と言うよりもはや親が子供の成長を見守るように、しみじみと口に出すのだ

 

 

「悪かったな。俺のせいで迷惑かけて」

 

()()()()。その一言にどれほどの意味が、数が含まれているのだろうか

 

「兄サン。きっと生きて__その時はちゃんと謝ってください。全て」

 

吹き出すような笑いが背中から聞こえてくる

 

「ふはっ…そうだな!でもそれ死亡フラグって言うんだぜ。まぁ俺はそれをへし折るけどな!」

 

っとまたよく分からない事を言い出す。相変わらず変わらない

 

そう…変わらない

 

彼が新しいものを作る。

四十六室に入れ込み新しい法を作った時も、先生を始めた時も。

 

夜一サンはありえない__と言ってたがボクは納得ができた。

外堀を埋めるのが上手い兄サン。

 

自分の欲のためなら何でもする。

兄サンは幼い頃は反抗的で何かと反抗しサボり反感を買ってきた。

だがボクの外面の上手い使い方を見て学んだのだ

 

「あぁ、喜助みたいにすればいいのか」

 

そうして出来上がったねじ曲がった兄

ボクら兄弟はお互いに影響しあい…黒いものとなった

 

ボクからすれば()()()()()()

 

 

崩玉を作ったボク。

霊刀を作った兄サン。

 

現世に追放され、崩玉の事が(おおやけ)になった今、あちらからなにも罰がないのはきっと兄サンが手を回してくれたおかげ。

 

兄サンも兄サンで己で作った法で守られ。

先生という立場から信用もそれほど崩れていない

 

ぐーっと足を伸ばして湯船に浸かる兄サン

これ程緩んだ顔、これ程警戒しないのはボクと夜一サンの前ぐらいか

 

「きっと俺はあの黒髪破面にも、惣右介にも勝てる。俺を倒せるのは条件が悪い時ぐらいか」

 

っと両腕を縁に天井を見上げる

 

兄は本気を出さずとも恐らく剣の腕と身体能力だけで全ての破面を圧倒できるだろう。兄の言った通り条件を揃えなければ兄と対等には渡り会えない

 

「霊刀のように防御力をほぼ0にしてくるか、俺から橋姫をとりあげるか。まぁ考えればいくらでも出てくるな」

 

霊刀の破面に余裕で勝ったのに何を言ってるんだと言いたくなるが口を噤む

 

「きっと_____俺を殺せるのはお前ぐらいだろうな」

 

そう言ってこちらを向いて笑う兄が自分の胸板をトントンと()()()

 

いつもの癖で帽子を下げようとしてないことに気づき行き場の無くなった手は頭を搔く

 

「そうッスねぇ__兄サンを止めれる(殺せる)のはボクぐらいッスね」

 

 

 

 

 

 

誰もいなくなった、勉強部屋。

 

 

「兄サン…ご武運を。さて、ボクも準備しますかね」

 

 

 

決戦の___準備を。

 

勉強部屋から地上に上がると、キュッと腰紐を縛る音が聞こえる

 

「おや、もう準備万端ッスか?」

 

「バカ言っちゃいけねぇよ、もう準備なんて何年も前から出来てる」

 

胸を張った黒崎一心___死覇装に身を包み斬魄刀を腰にさす

 

「どわぁ!!」

っといきなり前のめりに倒れ込む。

 

「動かないでって言ったでしょ」

そう頬をふくらませ一心の背中を叩いたのは黒崎真咲。

彼女の背中には小柄な彼女には少し大きな霊刀が背負われている

 

「いいんスか」

 

()()って?死んでしまうかもしれないってこと?この人にも止められたわ……でも」

 

きっと鋭い目

 

「息子とこの人が戦ってんのに、私がのうのうと寝てられますか。もう寝るだけ寝たんだから、寝るのはもう沢山。やらなきゃ」

 

 

黒崎一家は__強いッスねぇ

 

 

「さて____いきましょ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─── 決戦へ

 

 

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