浦原喜助の兄に転生して夜一の許嫁にされた俺の話   作:ちーむ

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死神になった俺の話
死神になった俺の話と白哉坊ちゃんの話


 

現在の二番隊隊長は隠密機動の総司令官を兼任している、

夜一さんの実の父親。夕寝さんだ。

 

彼は夜一さんが未だ21代続く四楓院家、

そして隠密機動初の女当主になる条件として、自分自身を抜かすほどの実力になり、二番隊隊長を奪い取れという何とも大きな課題を課した。

 

そして____

 

「あの、もう出来たんスけど。これでいいわけ?」

 

「うむ!よいよい。立派なもんじゃな」

 

「そりゃ俺が3徹で作ったものですからね。」

 

ここは双極の丘、半径100メートルの大きさの空間を地下の深い深い場所に3日で掘ったんだ。感謝してほしいものだ。

 

「ぜェ…ぜェ…兄サン。ちょっとなんでそんな疲れてないんスか」

 

「あんなもので疲れるかよ」

 

3日を二人で掘るのは無理だ。もちろん俺の機械を使った、自動で掘ってくれる優れもの。

その間に二人で空調やら強化や振動を抑える結界やらを貼りまくって、更には

機械動かすには膨大な霊圧を定期的に注がないといけないので、それも相まって疲れ切っているのだろうな。

 

 

そして夜一さんが頼み込んできて作ったこの空間。

作った理由はよりお互いを高め合うため。

 

名は”勉強部屋”'

 

 

_____________

 

「甘いぞ喜助!んなんで俺が倒せるか!!!」

 

「倒せるわけ…!ないでしょ!」

 

顔近くに飛んでくる喜助の回し蹴りを腕で受け止め足首を掴んで岩に投げるが、身体を回転させ着地する喜助

 

夜一さんは、自分の力をより強くするため。

喜助はオールマイティになるために逃げてた白打を。

 

俺はその指南役として買って出た。

 

最初は投げ飛ばされまくってた喜助だけど、受け身と身体の使い方が上手くなった。

お兄ちゃん嬉しい…!!

 

俺は俺できちんと鍛錬している。

抜刀術だけでは勝てない敵が現れてもいいように。きちんと基礎から応用までを毎日繰り返している。

 

上段の構えってかっこいいよね…!

 

 

「啼け__紅姫!!」

喜助の紅姫から赤い斬撃が飛んでくるが

 

「せいっ!」

俺はその斬撃を()()()()で受け止める

 

「はぁ…ダメっスか…」

っと肩を落とす喜助

 

俺に傷をつけるのを目標に

喜助の白打、斬魄刀も鬼道も全て使っての模擬戦。

 

俺の霊圧は日を増す事に上がりつつある。

幼き頃から霊圧制御の訓練を受けていて苦手なはずはないのに。

それでも抑えきれないほどには大きくなってしまった。

そのせいで生半可な霊圧の持ち主は俺に傷をつけることすら敵わない。

 

なんで上がり続けてるのかは分からない。喜助が調べてもダメだった。

だから俺は霊力の排出口となっている手首に霊圧を吸い取る機械を取り付けている。

その状態でさえ、喜助が傷をつけれない程。

 

よく良く考えれば卍解を習得した時からこんな感じだな…

 

「維助、話がある」

 

「はい?」

 

喜助とそんなことしてたら、夜一さんかちょいちょいと手を招いたので瞬歩で向かう。

 

「お主に会わせたい奴がおる」

 

「?」

 

 

____________

 

「あの、貴方が浦原維助様ですよね!尸魂界一の剣術の使い手と聞きました!!!」

 

そう慣れないであろう敬語で話し出したのは幼い12かそこらの男の子。

 

ここは___四大貴族の一つ

 

-朽木家-

 

目の前にいるキラキラした目を向ける彼は朽木白哉。

うん、聞いた事あるぞ?

 

夜一さんどんな吹聴したんだ…とりあえずは__

「あの、あんた…貴方の方が身分は上です。俺に敬称はいりませんよ、白哉坊ちゃん」

 

彼は朽木家の次期当主らしい。夜一さんとは貴族関係で一方的に絡んでるらしいけど。何をどうしてどう説明したのか、剣を教えて欲しいと…

 

「えぇ、俺…型とか自己流だからあんま真似すると身体に負担あるし…」

 

「お願いします!それでも維助殿の技術をそばで見て身につけたいのです!!」

 

「白哉坊は、お主の噂を聞いて会いたい会いたいと言っておってのぉ、感謝するんだぞ白哉坊!」

 

「ぐぐぐっ」

白哉坊ちゃんは夜一さんをギロリっと睨んでいて、はは、なんか関係性わかったぞ、白哉坊ちゃん夜一さんにいいように遊ばれてるなこりゃ

 

「お願いします!!!!

師匠!!

 

 

師匠__

師匠____

 

その言葉が俺の頭の中でぐるぐると回る___

 

___________

 

「俺の抜刀術は確実に間合いに入ったものを切り、鞘に収める事。

まずは鞘に収める工程は飛ばして、自分の間合いを確実に把握しておく事。とにかく真っ直ぐ、獲物を捕える」

 

俺は説明しながら、刀を抜いて間合いの説明やら何やらを始める。

目が取れそうなほど目を見開きながらこちらを凝視する白哉坊。怖い。

 

なんだかんだ俺は断りきれずに承諾してしまった。

いや?べつに?嬉しかったとかじゃないから!!

四大貴族様のお願い断るの怖かっただけで〜そう!師匠なんて言われて浮かれてないから!!!

 

そして、模造刀らしきもので俺の動きを真似する。

 

「居合の一つ抜き打ち。右上から左下にかけて斬る袈裟(げさ)

左下から右上に斬りあげる逆袈裟(ぎゃくげさ)。そして真っ直ぐ切り落とす水平。」

なるべく見える速度でゆっくりと巻藁を斬ってみせる。

 

「こうでしょうか」

 

「それは…片手斬りだね。鞘離れしてから手首を返してるけど、抜き打ちは鞘離れする瞬間に斬りつける。そうそう上手い」

 

剣の心得があるからか、教えたことをすぐに学んでくれる。

うん、楽しい

 

「師匠!本気の抜刀術見せてはくれませぬか!!」

 

っと言い出した白哉坊ちゃん。

「えぇ、」

 

「お願いします!!師匠!!」

「わかった。やります」

師匠だもんね!!

 

新しい藁包を、

 

一瞬______

 

で斬る。

ただ鞘に刀が収まった音だけが響く。

 

「えっ…?」

っと首を傾げる白哉坊ちゃんに

 

後ろで黙って見てた夜一さんが

「ふはは!白哉坊でも見えんかったか!」

っと笑い声を上げ近寄ってくる

 

「えっ、斬れてるのですか!?えっ、」

 

っと俺と藁包を交互に見ている

夜一さんが藁包をつんつんっとつつくと、

ドサッと音を立て、切れた3つの残骸が地面に落ちた

 

「斬れてないように錯覚させるほどの太刀筋____見事です師匠!!」

 

かっこいいよねこれ、俺この声を聞きたくて極めてたのかもしれない。

ロマンです

 

 

________________

 

「維助楽しそうじゃったの、お主のそんな活き活きとした顔カラクリを弄り回してる時以外に初めて見たぞ」

 

夕方になり、帰ってる途中で夜一さんがそう言って愉快そうに笑う。

 

「最初はめんどくさい話持ってきたと思ったけど、楽しいもんだね。あんなに素直に聞いてくれるとは思わなかったよ。」

 

「儂にもああ素直だといいんじゃが」

 

「ふは、だって夜一さん定期的に白哉坊ちゃんに意地悪してるんだもん」

 

休憩中刀を木刀に交換したり、素振りしてる白哉坊ちゃんの回りぐるぐるしてみたり。

 

「構ってちゃんな夜一さん可愛いな、白哉坊ちゃんも多分なんだかんだ夜一さんの事好きなんだと思うよ」

って言ったら突然足を止めた夜一さん

 

「?どうしたんだ」

 

「か、かわっ…かわい…」

っと顔を赤くした夜一さん。どうしたんだ…

 

「な、何でもないぞ!そうだ、なんでもない!!」

っと詰め寄られる。

 

「お、おう、なんだ。うん…情緒不安定なんだな」

ずんずんと俺を抜かして歩き出したと思ったら。

 

「の、のう、少し腹が空かぬか?」

 

「腹?まぁ、もうすぐ夕餉だけど」

 

「す、少しあそこによって行かぬか?」っと指さした場所は甘味処。

 

「確かに、身体動かしたからか小腹すいたし。いいぞ、寄っていこうか」

 

と、言うと本当か!!よし()くぞ維助!!っとルンルンでステップ踏みそうな足取りで甘味に向けて歩き出す。

そんなに甘い物食べたかったのか…

 

 

 

「うむ…白玉ぜんざいもよいが、この団子も…」

っと品書きを凝視する夜一さん

 

「なんだ、いつもなら好きな物片っ端から食べるじゃんか。」

 

「い、いや少しその減量中でな!!」

 

「へぇ…減量中。」

 

夜一さんがダイエット…?

 

「夜一さんが食べ物を我慢するだなんて___

なにか病気なら四番隊か喜助を頼るといいぞ?大丈夫か?」

 

「失礼じゃな維助!!!儂が病なんぞに負けるわけなかろう!」

 

「じゃーなんだよ、減量中じゃないんだろ?朝バクバク食ってたし」

 

「うっ…実は…(ちまた)では少食でちびちびと食べるおなごが殿方にモテる!というのを聞いてな…」

っとモジモジし出す。

モテたいのか夜一さん。

 

意外な一面にクスッと笑うと顔を赤くした

 

「なんじゃ!悪かったか!」

 

「いやいや、夜一さんがそんな理由で食べないのかと笑っちゃっただけだよ。いいんじゃない。夜一さんは夜一さんらしく食べれば。」

 

「そ、そうかお主がそこまで言うなら…」

っと店員を呼ぶ

 

「この杏仁2つと草団子、みたらし、白玉ぜんざい2つに。あ、やはりみたらしは3本にしてくれ!それからこの限定とやらも!2つじゃ!」

 

っと頼み出す。

 

運ばれてきた大量の甘味をバクバクと美味しそうに口に頬張る夜一さん。見てるだけでお腹いっぱいだ。

 

すると手を止めてこちらを見て首を傾げた夜一さん

「なんじゃ、食べんのか?」

 

「いや、見てるだけでお腹いっぱいというか。 それに美味しそうに食べてる夜一さん見てるの好きだからさ。やっぱり我慢しないで好きな物を好きなだけ食べてるのが夜一さんらしくていいよ」

 

「そ、そうかの?」

 

うんうんっと頷くとそうか…!っと言って笑う

 

 

「はい、これもあげるよ羊羹だけど」

切り分けた羊羹を竹楊枝で刺してそれを差し出すと

 

「じ、じゃが…」

と言って何か戸惑ってる様子

 

「なんだよ?嫌いだっけ羊羹。」

 

「い、いや…その…ええい!」と言ってパクっと食べる

 

「美味しい?」

 

「なかなか美味いぞ、」

と言って頬に手を添えて咀嚼する夜一さん。

 

「じゃ、俺も」

うん。たしかに美味しいなここ。正解だったまた来ようかな

 

って思ってると.固まってる夜一さん

 

「かん…かんせつ…き…」

っとなんか壊れたラジオのようだ。

 

__________

「はー、美味かった美味かった」

っと、お腹をさする夜一さん

 

「たしかに美味しかったなここ。喜助にも教えてやるか。」

 

「そ、そのまた一緒に行かぬか?」

 

「?うん、もちろん」

何を当たり前のことをと思って首を傾げるが。

 

グッと拳を握った夜一さん、なんか嬉しそうだからまぁいいか


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