司「〇〇を抱いたんだが」類「は?」   作:絹ごしのオカラ

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ぼざろ見てたら遅くなりました。ロックなテンションで書き上げたので推敲甘いかも。


司「雫を抱いたんだが」類「は?」

 

「次は雫の話だな」

 

「雫って、()()日野森雫かい?」

 

「あのってどういう意味で言ってるかはしらんが『Cheerful*Days』で現『MORE MORE JUMP!』所属の()()()()()こと日野森雫だ」

 

「ちょっと今までとは比べ物にならない案件だね、それ」

 

「む?なぜだ」

 

「相手が大人気アイドルだからに決まってるだろバカめ」

 

そうだぞ、バカめ。コイツ燃やしてやる…(雫推し)

 

「相手が大人気アイドルだと何がまずいんだ?」

 

「君ね、あの大人気アイドル日野森雫と一般人の男子高校生が肉体関係があるってバレたら大炎上だよ?君も僕らワンダショも彼女達もね」

 

「いや俺はスターだから一般人じゃないんだが…」

 

「君がスターになるっていうのは僕も信じてるけど今はまだ一般人だろうが」

 

「そう褒めるな。勿論、俺もお前が世界一の演出家になると信じているぞ」

 

「うんありがとうでも男同士のてえてえとかいらんからはよ本題いけ」

 

「そこは絆を受け止めるシーンだろうが」

 

いえ、ここは類司時空じゃないのでそういうのはいいです。(断言)

 

「まあいいか…まあ雫との関係性はだな…平たく言えば幼馴染、だろうか」

 

「全男の夢じゃないかアイドルの幼馴染とか」

 

「そうなのか?俺はそういうのに詳しくないからどうもわからんのだが」

 

「僕も別に詳しいってわけじゃないけどね」

 

類はこれは仮定の話だけど、と一拍をおいて

 

「君の近所に世界的舞台スターが住んでいたら嬉しいだろう?そういう感覚なんじゃないかな」

 

「まあ確かに…著名な人と仲かよかったら誇らしいもんな」

 

「そういうこと。僕も未来の歌姫と幼馴染で誇らしい限りだよ」

 

「成る程な、そういうことならわかる。ありがとうわかりやすかったよ」

 

「どういたしたしまして」

 

やはり類もどこかズレているようだ。まあコイツも恵まれてるからな…(私怨)

 

「それで?雫くんとは何が?」

 

「雫はだな…よくデートに行くんだが、すぐ迷子になるんだ…そして迷子になっても連絡が取れないことが多々あってだな…」

 

「あっ、シンプルに苦労してるんだ?系統違うね」

 

他のと比べるとなんだかありがちというか…とにかく、今までとは違う司の悩みに対して類は…ってちょっと待て今デートって言った?

 

「雫はまあ…おっとりしてるし…付き合いも長い。その辺の悩みはもう通り過ぎている」

 

「一歌くんの時も一通り終わったって言ってたね…じゃあつまり雫くんを抱いたのは?」

 

「今から…2.3年前か。互いにハジメテの相手だったな」

 

「ああついにハジメテ(初犯)の話か…」

 

「ん?」

 

「ん?」

 

ん?

 

「なあ、類。今…なんて?」

 

「いや…普通にハジメテの話かって」

 

「ん?いや…あれ?」

 

「どうしたんだい?」

 

「いや…なんか底知れない悪意を『ハジメテ』という単語から感じたような…」

 

気のせいじゃない?(なんで気づくんだカス)

 

「また感じたんだがやっぱり悪意込めてるだろ」

 

「まあね」

 

「サラッと認めるのやめろ」

 

「ならどうすればよかったんだい?」

 

「悪意込めるのをやめろってことだよ」

 

無理だと思う。

 

「まあいい…いや良くないが。とりあえず雫の話に戻るか」

 

「はいはい、いつもの回想ね」

 

────────────────────

 

『ちょっと顔がいいだけのくせに』

『ダンスや歌だってたいしたことない』

『あの娘はお偉い人に媚を売ってどうにかしている。枕なんて当たり前』

 

そんな心ない言葉を聴くのはしょっちゅうだった。私は、私の努力でセンターになったのに。

 

彼女たちは『どうして私達は認めてもらえずあの娘ばっかり』なんて言っていたが、それは私の台詞だった。

 

ああ、辛い。

 

ああ、逃げてしまいたい。

 

「こんなのが私の憧れたアイドルの世界なの…?」

 

その日、少女の頬に一筋の雫が流れ落ちた。

 

     ────────────

 

日野森雫は、落ち込んでいた。いや、落ち込んでいた、というよりは失意に沈んでいた。

 

(私は、あんなアイドルに憧れていたんじゃない)

 

メンバー内で起こったイジメ。なんてことはない、他のメンバーによる嫉妬からくるものである。

 

「私は…努力で結果を出したのに…」

 

雫は、一目でわかる美少女である。端正な顔立ちに纏う雰囲気はミステリアスなお嬢様。内面もそれらを鼻にかけることなく努力を続け、誰にでも心優しいという美しい心の持ち主である。

 

だから結果は結びつき、彼女の努力は報われた。無論、生半可な努力ではなかった。その努力を肯定してもらえて嬉しかった。が、しかし輝かしい成功は良くも悪くも人を惹きつけてしまった。

 

自らの努力を認め、褒めてくれる人もいた。しかし圧倒的に少なかった。

 

彼女の外面的な美しさに惹かれ、自らの下劣な欲望をぶつけてくる者。

 

顔が売れたからと広告塔にしようとする金に汚い大人。

 

彼氏を自称し、通学路やネット上でストーキングをするような輩。

 

そして、彼女の成功を妬ましく思う同業の少女達。

 

あんなに憧れ、キラキラと輝いていたセカイは鈍く濁り、ドロドロと渦巻く情念のみを感じるものになっていた。

 

すでに彼女の周りは暗く暑い雲が渦巻いていた。先の見えない暗闇に押しつぶされそうになり、今は仕事も学校も休みがちになっていた。

 

「私は…どうしたらいいのかしら」

 

誰もいない家のリビングで独りごちる。両親はおらず、志歩もベースの練習へ出ている。彼女のオモイを聴ける者は、いない。

 

「寂しいな…」

 

ピンポーン。

 

そんな時だった。誰かの来訪を告げる、インターホンがなった。

 

「………だれかしら」

 

家族からは、インターホンには出なくていいと言われている。

一度ストーカー被害にも遭っているんだからと言われ、雫も本来そのつもりだったが何故かこの時は身体が動いていた。

 

インターホンのカメラをオンにして、誰が来たのかを視認する。すると、そこへ映っていたのは

 

「司くん…?」

 

自らの幼馴染、天馬司であった。

 

司とは家族ぐるみで交友がある。がしかし、最近では彼の妹の入院に伴い、会う機会がなくなっていた。

 

気がつくと雫は玄関に向かい、鍵を開いていた。

 

「おお、久しぶりだなぁ雫!!」

 

扉を開けた先には、太陽があった。輝く笑顔に底抜けの明るい声。

 

暗雲に包まれた自分が久方ぶりに見た、光だった。

 

「あら、司くん。久しぶりねぇ」

 

気づけば雫は笑っていた。最近、上がることもなかった口角が上がり、瞳は少し光を取り戻す。

 

「うむ、元気しているか?これ、ウチの両親からの差し入れというか、お土産だ!家族みんなで食べてくれ」

 

司は手に持っていた紙袋を差し出す。どうやら,彼はおつかいにきたようだ。

 

「あら、わざわざありがとう司くん。お礼を伝えてもらえるかしら?」

 

「ああ、任せてくれ。しかし雫、最近順調そうじゃないか!」

 

「っ…!」

 

きっと彼は、私がアイドルとして順調じゃないか、と言っているんだろう。眩しい笑顔に、目を背けた。

 

「…っええ。最近、遂にセンターを任されたの!これからもっと頑張らないと」

 

が、笑顔を戻し、司に返答を返す。さっきまでの自然な笑顔でなく、仮面を被ったようだった。

 

しかし、目の前の少年は違和感を覚えた。

 

「なあ、雫」

 

先ほどまでの笑顔ではなく,真剣な顔を作った司は作り笑いの幼馴染に問う。

 

「今、時間はあるか?」

 

「え?あ、今日はお休みだけれど…」

 

「遊びに行かないか。俺も暇なんだ」

 

唐突な遊びの誘い。雫は困惑したが、ハッとなって返答をした。

 

「ごめんなさいね。遊びたいんだけれど…あまりお外に出ないようにって言われてるの」

 

例のストーカーが現れるかもしれない以上、外出は控えるように、と言われていた。雫としてはお世辞でもなんでもなく司と遊びたいとは思ってはいるのだが…

 

「そうか…それじゃあ話をしよう。いつでも良い。俺の家でもいいし、電話でもいい。俺は雫と話したいんだ」

 

真っ直ぐにこちらを見つめる彼の瞳。今度は、目を背けることなんて出来なかった。

 

“話をする”

 

きっと、彼のこの言葉に悪意なんてない。ただ純粋に私と話をしたいと言ってくれる彼が、どうしようもなく愛しく感じた。

 

「それじゃあ今日は帰る。またな、雫」

 

日を改めようと帰ろうとする彼の手を、雫は掴んでいた。

 

「ねえ、司くん」

 

「どうした、雫」

 

「私の話、聴いてくれるの?」

 

「もちろんだ」

 

「じゃあ、入って」

 

そして雫は司を招き入れた。本来アイドルが中学生とはいえ男を自宅に連れ込んだ…なんてあってはならないのだが、この時の雫は『アイドルの日野森雫』ではなく、ただの『日野森雫』だった。

 

雫の自室に司を通し入れ、麦茶を用意して向き合って座る。連れてきたはいいものの、雫は距離感を図りかねていた。

 

(どうしましょう、久しぶりに司くんに会ったからどうしていいかわからないわ)

 

なんだか気まずい感じになてしまったと焦る雫だが、そんなものを気にする司ではない。一口麦茶を飲み、ニコッと笑って話を切り出す。

 

「それでは、積もる話を一から崩していこうではないか。俺はいくらでも聴くし、いくらでも話せるぞ?」

 

雫は力が抜けたように笑った。焦りが浮かんだ心は元通り、ゆるふわな雫本来の心になっていた。

 

「それじゃ、沢山聴いてもらっちゃおうかしら〜」

 

「うむ、いくらでも聴くぞ。そのかわり、俺の話もいくらでも聴いてもらうがな!」

 

2人は話始めた。

妹のこと、妹のこと。最近のマイブームや、お気に入りの映画の話。妹のことや将来の夢の話。さらに妹の自慢なんかも話した。

 

沢山喋り、聴き、笑う2人の会話は続いた。まあ互いにイモウトカワイイヤッター!ばかりだったが。

 

互いに一息つき、麦茶の中身がなくなってしまった時。雫はこぼした。

 

「…あの人達とも、こんなふうに話ができたらいいのに」

 

できるわけないとわかっている。わかっているけど、そう思うのだ。

冷たい言葉や空虚な言葉ばかり投げつけてくるあの人達とこんな会話なんてできるはずがない。きっと、こんな話が出来るのは目の前の彼とだけなんだろうと。

 

沈む表情の雫の手を、(太陽)がとった。

 

「なあ、雫」

 

「…何かしら司くん」

 

「いくらでも聴くと言っただろう」

 

「なんのことかしら〜?」

 

「話しづらいことではあるんだろう、わかっている。でも俺は、雫の力になりたい」

 

ひたすら真っ直ぐに雫を見つめる司は止まらない。

 

「オレの、大切な幼馴染のことを放っておけるわけがない。だからといってオレが何かできるわけでもない。だから、聴くだけだ」

 

「だけ…?」

 

「そう、聴くだけだ。ただ、お前のオモイを受け止める。一緒にいる。オレは、咲希が入院したばかりの時両親にそうして貰った」

 

ただただ側にいてくれる。そんな司の宣言は雫の心を掴んで離さない。

 

嬉しい。勿論家族だってしてくれたことだけど、家族以外の人で初めて私に寄り添ってくれたから。的確に私がして欲しいことをしてくれるというから。

 

「…それじゃあ、甘えちゃおうかしら」

 

雫は泣いた。司に抱きつきながら泣いた。

 

「辛かった…!辛かったよぉ司くん…!」

 

雫はこの日、溜め込んできたものを解放した。

 

メンバーへの怒り、周りの大人たちへの嫌悪。

 

雫のオモイが爆発する中、ずっと司は雫を抱きしめ、ただ話を聴いてくれた。そして時たま、こういうのだ。

 

「そうか、頑張ったな。オレがいるぞ」

 

1人じゃないと。頑張ったなと。雫が欲しい言葉をかけ続けてくれた。

 

ただそれだけで、多感な中学生の少女に課せられた重積をとっぱらった。

 

まさに人を導くスター、天馬司の実力であった。

 

そしてこの時、日野森雫は天馬司に恋をした。

 

 

ひたすらに泣き、不満を吐き出し続けそれらがなくなった頃には雫は正気を取り戻していた。

 

「…こんなにスッキリしたのは久しぶりだわ〜。ありがとうね、司くん」

 

「なに、これぐらい構わんさ」

 

雫の表情は晴れやかで、彼女の周りに蠢いていた黒い感情は無くなっていた。とうとう、雨は止んだのだ。

 

「それでね、司くん」

 

「なんだ、雫」

 

「私ね、お礼がしたいな〜って思うの」

 

「ふむ、お礼なんて気にするんじゃない。俺と雫の仲じゃないか」

 

「いやね、私が今できる1番のお礼って言ったらね、これだと思うの〜」

 

「む?いやお礼なんていらn…んなぁ!?」

 

雫はそう言うとおもむろに服を脱ぎ出した。

 

「なっななななななな!?なっ、何をしているのだ雫!?」

 

「えっ?いや男の人はこういうのが喜ぶって言うから〜」

 

「いや喜ばん男などいないとは思うがまてまてまてまて!!」

 

狼狽する司と不思議そうな顔をする雫。え?不思議なとこあります??

 

「いや!待て雫!!お、お前のそのお礼をしてくれようとする心遣いは嬉しい。嬉しいのだが本当に何かたいしたことをしたわけでもないぞ!お、お前のその…美しい身体はそんな簡単に晒していいものではない!!!」

 

「あら、美しいだなんて嬉しいわ〜」

 

司の必死の説得も、雫には効果なし。服を脱ぐ手は止まらず、とうとう下着に手をかけ始めた。

 

慌てて手で顔を覆い、見ないようにした司だが、それがいけなかった。

 

よく言うだろう?熊に襲われたら目を離すなって。

 

両手が使えない上に雫が近付いてきていることもわからなかった司は雫に押し倒されてしまった。

 

「まっ、待て雫!少し落ち着いて─んむっ!?」

 

雫は問答無用だと言わんばかりに司の唇を奪い、耳元で囁く。

 

「司くんがわるいんだからね?」

 

 

この後のことは…まあ察してください。覚悟を決めた女性は強い、なんて言うくらいだというのに、まだ経験のないピュアボーイだった司が勝てるわけもなく…。

 

 

────────────────

 

「とまあ、俺のハジメテはこんな感じだったな。この後から雫はまたアイドル頑張るようになったんだ。まあそれでも当時所属していたグループは脱退したようだかな」

 

「ふーん…君ってハジメからそんな傲慢ってわけでもないのか…じゃあなんでそんなことになったんだい?」

 

類の疑問はもっともである。雫→一歌の間にナニがあったというのか。

 

「ん?いや、この考え方については雫が俺に自信をつけてくれたのと…助言をくれたんだ。『司くんに抱かれていると幸せだ』とか、『司くんに抱いてもらった女の子はきっとみんな喜ぶわよ』とかな」

 

「うわお、雫君が元凶なのか…」

 

「何を言っているんだ、俺は元から『スターに抱かれたい人はいるだろう』と思っていたし、『シアワセにするのがスターだ』とも思っていたぞ」

 

「あーなるほどね、つまり雫君は加速装置(ブースター)だと。いやそれはそれで罪重いな…」

 

しっかり大罪人である。

 

「それで?雫君は君の誰とも付き合わない宣言についてはいいって言ってるのかい?」

 

「いいもなにも、雫が言い出したことだぞ?オレが誰とも付き合うべきではないと」

 

「いや、まあそうか。よく考えたらそうか」

 

「まあ付き合うなら美人で、知名度があって、落ち着きのある雰囲気で、幼馴染ぐらい気心の知れた仲で、互いの家族が仲良いぐらいの女性じゃないとね、とは言っていたから完全に付き合うなとは言われてないんだが…む?どうした類、難しい顔をして」

 

「ん、いやあ気にしないでくれ。ただちょっと闇を見ただけだから」

 

「???」

 

不思議そうにしている司だが、正直そこまで言われて気づかないお前の方が不思議だぞ。

 

「…よし。次の話いこうか」

 

「う、うむ。それじゃあ次はな」

 

まだまだ続く彼の女性話。もうお腹いっぱいなんですけど。

 




ちょっと文章構成変えてみたんですけどどうでしょうか…?
毎度の如く、アンケート夜露死苦お願いします。

次は…?

  • えむ
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