私が好きな私だけの… 作:凌介
私、白鷺千聖には好きな人がいる
アイドルであり女優でもある私にとってスキャンダルは大きな問題だけれど、どうしようもなくなって立ち止まっていた
私の背中をいつも公私共に支えてくれた彼…
彼は高校で専門的な事を学んだ後大学へは行かずに現場での経験を積みたいと言って私が所属する事務所に面接に来て
採用されて、私に付くことになった
そして今も変わらず私の傍で私を支えてくれている
もちろん私にはちゃんとしたマネージャーがいるけれど
彼とは歳が少しだけ近い事もあって多少恥ずかしい事でも
話せる言わば親友のような存在だった。
でも、気付いた時には私は彼を好きになっていた。
そんな彼と出会った頃の話をしようと思う
私が好きな私だけの大切な彼…白鳥 千翼との出会いを
彼と出会ったのは私がアイドルバンドPastel*Paletteとして
デビューして間もなくの事だった
私の女優業の方でマネージャーをしてくれている
豊浜来葉さんが1人の青年を伴ってやってきた
「こんにちは、豊浜さん今日もよろしく。それでそちらの人は?見た感じ私より歳上な印象を持てますが?」
私がそう言うと彼は一歩前に出て挨拶してくれた
「こんにちは、初めまして白鳥 千翼です。歳は18で高卒、
高校でマネジメントについて学んで来ました。
まだ見習いでいたらない部分も多々あると思いますがよろしくお願いします。」
「丁寧にありがとう。幾つか質問してもいいかしら?」
「答えられるかわかりませんがどうぞ」
「どうしてマネージャーという仕事をしようと思ったの?」
「昔から誰かを支える立場の人達を見ていて自分もいつか
誰かを支えたいって思ってマネージャーとしての仕事を選びました。」
「そう、じゃあ高校を卒業してすぐに入ったのはどうして?普通なら大学で更に専門的知識を身に付けるべきでは無い?」
「もっともだと思います。でも、両親に言われたんです。
大学で3年かけて学ぶ事は現場なら一年で学べる。
二年目からは自分なりのやり方を模索して行って
それが3年目で形になれば後は支えたいと思う相手とどう向き合って行くかだって、なので俺は自分がどこまでやれるのか
この世界で0から学んでみたいと思ったんです」
「なるほどね、最後に1つあなたから見た私の印象を教えてちょうだい」
「えっと…あるがままを告げていんですか?」
「多少の悪評だって受け入れるわ」
「なら、言わせて貰うと、余裕が無さそうに見えます。
常に焦りの色が見え隠れしていて、ピンと張り詰めて今にも切れそうな糸のような」
「そう、よくわかったわ、あなたから見たらまだ子供って訳ね」
「そこまでは言ってないです。俺…じゃなくて、自分が言いたかったのは肩肘張らずにもう少しワガママになってもいんじゃないかって事です。大人なんてって思うかもしれませんが
大人からしたら子供なんだからってなるもんなんです。
だから、無理して大人ぶるよりもほんの少しだけ子供な面があってもいんじゃないですか?」
「……考えておくわ」
「君、言い過ぎよ、申し訳ありません千聖さん彼には私から言って聞かせます」
「別に気にしてないわ」
そう、気にしてはいない、カンに触った訳でもない
ただ、心の内を言い当てられた気がしてそっぽを向くしかなかったのだ。
「えっと…ごめんなさい、話を振り出しに戻しましょう。
千翼君でいいかしら?」
「呼び捨てで構いませんよ、君付けやさん付けってどうも落ち着かないので」
「じゃあ、 千翼って呼ぶわね、私の事も呼び捨てで良いわ」
「じゃあ、千聖って呼びますね!一応マネージャーなので言葉使いに関しては許してくださいね」
「わかったわ、これからよろしくね 千翼」
「よろしくお願いします千聖」
こうして私達は知り合った。
「 千翼君には基本的に千聖さんの送迎をしてもらいます。
事務所から現場へ場合によっては自宅までの送迎が君の主な仕事になります。他の事については私や他のマネージャーから色々見て学んで盗んでください」
「盗むって言い方は好きじゃないですけど、そうさせてもらいます」
そう言って笑う彼は少しだけ不敵な感じがした。
私は彼、白鳥 千翼に強い興味が沸いた
そして、出会った頃私は彼の事を少しだけ苦手に思っていた。
そして私が彼を好きになるきっかけはまだ先の話
この時点で私が知っている事は彼の名前と年齢
この仕事についた理由だけだった。
そして現在
千翼が運転する車の窓越しに外を眺めていた
車の中では今どきの曲がランダムに再生されている
私は窓から顔を逸らし 千翼の方に顔を向ける
「千聖、今何考えてたの?」
「あなたと出会った時の事を思い出してたのよ」
「あぁ、ある意味最悪な出会いだもんね」
「印象的な出会いよ 千翼」
「そっか、あれからあんまり変わらないと思うけど?」
「変わったわよ、あなたはもう、私専属のマネージャーじゃない、公私共にね」
「そうだね、あの頃はこういう関係になるなんて思ってなかったからね」
「私だってそうよ!あの頃から何度も 千翼に抱く印象は変わったけれど、私はあなたが好きよ 千翼」
「俺も君が好きだよ、千聖」
私の彼は私より歳上でちょっと子供っぽい所もあるけど、とても頼りになっていて欲しい時に傍にいてくれる人
「Pastel*Paletteのメンバーには言わなくて良いの?俺達のこと」
「アイドルは恋愛禁止だもの、言えないわましてやマネージャーとなんてもっと言えないわ」
「でも、社長には報告したよね、俺達のこと」
「あっさりOKするとは思わなかったわね」
私達はその時の事を思い出し笑う
「確かに、社長は元からそうなって貰うつもりだったから問題無いって言ってたしね」
「ある意味では社長の手のひらの上だったのかもね」
「だとしても嬉しいよ、また人を好きになれたんだもん、さすがに歳下のましてや女子高生が彼女になるとは思わなかったけどね」
「言い方が少し卑猥だわ、せめて女学生でしょうに」
「あんまり変わんない気もするけどね」
そんな他愛ない会話すら楽しいと心から思う
「ねぇ 千翼これからもずっと私を支えてね」
「大丈夫だよ、俺なんかいらないって、もう必要無いって千聖が俺を振るまでは俺は傍にいるよ」
「なら安心ね私が貴方を手放すわけないもの」
「そっか、じゃあいつかは俺が千聖の名字になるか千聖が俺の名字になる事を考えて良いのかな?」
「私が20歳になったらね、ちなみに私はどっちでもいいわよ''白鳥千聖''でも''白鷺 千翼''でもね」
「じゃあ、それまではお互いに秘密の関係だね」
「そうね、いつかは他の子達にも話さないといけないんだけど、今はまだあなたと二人だけのこの時間を大切にしていきたいわ」
「じゃあ、もうしばらくはこのまま秘密にしよう
俺達だけの秘密の関係」
「えぇ、私と貴方だけの特別な時間を」
私達の関係はまだ誰にも言えないし言わない
私が好きな私だけの 千翼をただ単に独占していたかったから
どうも作者の凌介です。
気分転換に思い付きで書いてみました。
作品がRoseliaメインの話と特にヒロインを決めずに
主人公がバンドリヒロイン達と一緒にお互いを高め合う話
を書いているのでこの作品は本当の本当に気分転換的な感じで書いたものですが気に入って貰えたら嬉しいです。
それではまたそのうちに
次回「お互いの初仕事」