私が好きな私だけの…   作:凌介

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私が私の気持ちに気付く少しだけ前の話をしようと思う
千翼への評価が変わり、私の気持ちが少しだけ変わった話を


第3話パスパレとしての私女優としての私

千翼が私のマネージャーになってから約半年くらいになる

私はアイドルとしても女優としても充実した毎日を送っていた

そして今日も私は女優としての仕事を頑張っていた。

でも、肝心なところでカットが入る

「白鷺君、言いたかないがまだまだ表情が固い演じる心を忘れずにそして演じる事を忘れるようにしないといけない」

「はい、意識してみます」

「そうじゃないんだよ…そうじゃない…あぁ〜もういい1度休憩だ!30分後に再開する」

何がいけないのかわからない、どう演じたら良いのかもわからない

私は 千翼の待つ場所へと戻った

「 千翼、喉が渇いたわ」

「水で良ければどうぞ」

そう言って 千翼は水の入ったペットボトルを渡してきた

千翼は私の方には目もくれずにタブレットでひたすらに何かを見ている

「 千翼、何を見ているの?」

「色々です」

「何よそれ…」

さっきからずっとずっとこっちを見てくれない 千翼、本当に何をしているのかしら?

私はとりあえず台本を読み直す

私の役は幼なじみと二人三脚で小説家を目指す主人公の女の子2人で1人の小説家、漫画家ならわかるが小説家はまた違う

私は大まかな起承転結を考えて友人がそれを本格的なストーリーとして作り上げると言う内容だ

私は休憩時間終了の5分前までしっかりと台本を読み込んだ

「よし!」

私が台本を読み終えたタイミングで千翼が私の前に立った

「何かしら?」

「少しだけ自分と話しませんか?」

「…わかったわ」

何か意図があるんだろうと私は思った。

「千聖、あなたにとっての小説家の印象はどんなですか?

なんでもいいんです」

「そうね…仕事に対する印象なのかもしれないけれど、物語を、自分の世界をしっかり持ってるそういう印象ね」

「僕はさっきまで小説家さんのインタビュー記事をいくつか読んでいたんです」

そう言って千翼はタブレットで見ていた記事を私にも見せてきた。

内容は様々でとある小説家さんのデビュー作の記事だったり

ベストセラーに選ばれた時のインタビュー記事だったりと本当に色々あった

「皆、インタビューで言葉は違えどこう言ってるんです

小説家とは''夢を紡ぎ夢を見せる職業''だと」

「夢を紡ぎ夢を見せる…」

「はい、なので千聖、自分がもし小説家だったらと仮定して演技してみてください、台本からだけでは見えないものがきっと見えるかも知れません」

私はハッとした。千翼が私の考えてる事の答えをまさに示してくれたから

(やっぱり…ずるい人)

内心でそう呟くと立ち上がって言った

「行ってくるわ見ていてね」

「えぇ、ここから見てますよ」

そして撮影が再開された後は私はNGを出すことなく撮影を終えることが出来た。

 

-帰り道-

私は千翼に今日の事を聞いてみた

「千翼、どうして私が悩んでる事がわかったの?」

「演技も表情も固かったのでもしかしてと思ったので自分なりに小説家について考え調べてみたんです。結果ドンピシャだったわけですよ」

そう言って苦笑する千翼の表情を見て少しだけ心臓が跳ねるのを感じた。

(この人は誰かのために親身になれる存在で本音を言い合えるものすごく身近な人なんだ)

改めて私は今日それを認識した。

 

 

-そして現在-

 

私達は恋人同士であり仕事上のパートナーでもある

今もその時の事を思い出しながら2人で話している

「それで思ったのよ、なんてずるい人なんだろうって」

「千聖の心を射止めてしまった僕は心底ずるい存在なんでしょうね、でも、そんな僕が好きなんですよね千聖は」

「えぇ、ちょっとずるい所もあなたの一部だもの嫌う理由が無いわよ、あなたは''私が好きな私だけの''特別な人なんだものお互いの意見が食い違うことだってこれからたくさんあるだろうけれど、私はそれでもあなたを嫌いにはならないわ」

「その言葉が何よりの信頼の証だと感じます。僕もあなたの信頼を裏切らないようにこれからもあなたに尽くします」

「ほとんどあなたに寄りかかってしまうけれどこんな私を支えてね、そして離さないで」

「離しませんよ、僕にとってもあなたはとても大切で特別な人なので」

私達の事はまだパスパレの皆にも言えない秘密の関係

たとえ広言出来ないとしても私は今とても気持ちが満たされている

「私達の事はまだ他の皆には言えないけど、これからも

私を支えてね千翼」

「もちろんです。あの日の約束に誓って公私共に僕があなたを支えます。」

そう言って彼はいつものように私にだけ向けてくれる笑顔で笑っていた。

今まで感じたことの無いくらいに千翼といる時間が特別で大切だと心からそう思えるのだから…




3話目です更新が不定期で本当にすいません。
今回は前話に比べると少し短いかもしれません。
でも、これ以上書くとグダグダしそうなのでここまでとします。
次回を含め第5話くらいで時系列をこの話の現在に持ってきて
パスパレの皆との交流も描いていけたらと考えてます。更新は相変わらず不定期にはなりますがお楽しみに

次回「オフの日の過ごし方」
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